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日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則 2015.04.06 <3>


フレッツ光




日経ビジネスの特集記事(102)

日本を揺るがす新常態
失速中国でも稼ぐ鉄則
2015.04.06



今週の特集記事のテーマは

中国経済が歴史的な転換期を迎えている。
世界2位へと駆け上がった高速成長時代に別れを告げ、
安定成長と構造改革を両立する「新常態」の時代に突入した。
その影響は、日本を含め世界経済を揺るがすインパクトを持つ。
習近平国家主席は抵抗を受けながらも反腐敗運動を進め、
格差の是正という難題を解決しようとしている。
大きく変化する中国では役人との付き合い方も含め、
ビジネスモデルを抜本的に見直す必要がある。
経済が失速する中でも賢く稼ぐ鉄則を探った

 (『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.024)

ということです。




日本を揺るがす新常態<br />失速中国でも稼ぐ鉄則

日本を揺るがす新常態
失速中国でも稼ぐ鉄則

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




今特集のスタートページ01

今特集のスタートページ02

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 PP.028-029)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




中国問題を考える場合、2つの前提を考慮しなくては
なりません。


1つは、中国は中国共産党1党支配の国であり、
中国共産党は中国国家よりも上位にあるということ
です。


もう1つは、沿岸部には富裕層が多く集まり、内陸部
には貧困層が集中し、また都市部と農村部の所得
格差が拡大していることです。


こうした点について、今週号で『日経ビジネス』編集長
を退任される田村俊一氏は、「編集長の視点」で次の
ように語っています。



 中国の根深い問題はその二面性です。沿岸部の

 高所得者層と内陸部の貧困層。同じ国に先進国と

 発展途上国が混在している状況は、サステイナブル

 (維持可能)ではありません。中国共産党はそれを

 知り尽くしているからこそ、腐敗撲滅に急旋回して

 いるわけです。しかし、腐敗の摘発だけで格差が

 解消するわけではありません。中国を巡る不確実性

 は今後、さらに高まるでしょう。
 

  (P.003)





第1回は、
「PART 1 権力闘争か『新常態』の本質か
 どこまで続く 反腐敗の嵐」
「PART 2 ピケティが解説
 中国が『新常態』に突き進む必然」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 3 日本企業にはむしろ商機
 失速下でも稼ぐ5つの鉄則」
を取り上げました。


最終回は、
「PART 4 インバウンドビジネスも活況
 『売り上げ9倍』 訪日客が買う秘密」
「Epilogue バブルは2度やってくる」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

 新常態 
 反腐敗 
 成長の鈍化 
 日本の商機 
 バブル 




では、本題に入りましょう!


 PART 4 インバウンドビジネスも活況
 「売り上げ9倍」 訪日客が買う秘密 


前回まで、中国の「新常態」を『日経ビジネス』の解説を
中心に、ご紹介してきました。


最終回は、中国からの訪日客の「爆買い」の実態をお伝え
していきます。訪日客を迎え撃つ日本企業の強かさを知る
ことになります。


2020年に開催される東京五輪に向けて、外国人訪問客を
2000万人に増加させようと、国を挙げてアピールしています。


「インバウンド客」という言葉が出てきます。ご存じだと思い
ますが、インバウンドとは、海外から日本を訪問することです。


一方、アウトバウンドとは、日本から海外へ出かけることです。



 2014年、海外に出た中国人は初めて年間1億人を突破した。

 経済や社会が新たなステージに入った「新常態」の一つの

 側面と言える。昨年、日本を訪れた中国人旅行者は前年比

 83%増の240万人。中国人旅行者は訪日客全体の中で今

 まで以上に大きな存在を占めるようになった。


 とりわけ「爆買い」という言葉に象徴される中国人の旺盛な

 購買意欲は、百貨店を含め小売業界を潤している。

 インバウンド需要を取り込もうと小売り各社が知恵を絞る中、

 抜きんでた成果を上げているのがドン・キホーテだ。
 

  (P.039)



中国人旅行者を迎え撃つ、日本企業のケーススタディを
お伝えします。まず、ドン・キホーテから。


 ドン・キホーテ 


 昨年10月に外国人旅行者向けの免税品目が拡大された。

 ドンキでは今年の春節期間、免税品の売上金額が昨年

 より約9倍に増えた。新たに医薬品や化粧品などが免税

 対象となり、ビタミン剤の「アリナミン」(武田薬品工業)や

 洗顔料の「パーフェクトホイップ」(資生堂)を大量に買い

 込む中国人客が続出した。また、10万円を超える高級

 炊飯器も飛ぶように売れた。
 

  (P.039)



「なぜドンキは人気なの」(P.039)でしょうか?


 なぜドンキは人気なのか。一番の理由は「深夜営業」に

 ある。ツアー客は日中、観光などで拘束されることが多い。

 買い物できる時間帯は夕食後となるが、その時間ともなれ

 ば多くの店が閉店してしまう。そんな中で「夜も開いていて

 何でも買える店」としての同社の認知度が急上昇した。
 

  (P.039)



ただし、人気の理由は、「深夜営業」だけではありません
でした。プロアクティブ(前もって対策を講じておくこと)な
戦略を実行していたのです。リアクティブ(泥縄式)では
ありませんでした。


 「外国人観光客が当社に来る理由は、深夜営業だけ

 ではない」。こう語るのは、ドンキの服部将允・執行役員。

 同社の「インバウンド強化委員会」を率いるリーダーでも

 ある。

 秘密は2008年頃から積み重ねた施策にある。知名度を

 向上させるべく、各国の旅行博覧会に自社のブースを

 出して宣伝し、ホテルチェーンや旅行会社にも営業を強化

 した。今では海外100社以上と提携し、店舗への集客に

 向けて地ならしをする。
 

  (P.039)



具体的なお話をしましょう。
「中国人観光客」の囲い込みのために知恵を絞っている
ことが理解出来ます。


 ドンキは全国19店舗をインバウンドの「旗艦店」と位置付け、

 外国語を話せるスタッフと専用免税カウンターを用意している。

 これも、1回当たりの買い物量の多い中国人観光客に好評だ

 という。煩雑な免税手続きをスムーズにできるからだ。

 スタッフの配置で特に重視するのが、売り上げの4割強を占める

 午後8時から午前0時の間だ。中国語を話せるスタッフを重点

 配置して接客に当たる。


 旗艦店以外でも工夫をこらす。店舗に配置しているタブレットを

 使えば、コールセンターにいる外国人スタッフとテレビ電話で

 話せるため、不自由なく買い物を続けられる。
 

  (P.039)



ドン・キホーテは「観光客の囲い込みから店内のサポート
までの『動線』を整備することで商機を獲得した」(P.040)
のです。


ドンキの特徴である「深夜営業」にサポートを加え、
さらに「『観光客が航空機に持ち込める荷物は限られる。
ドンキがツアー客の貨物スペースを確保できれば新たな
ビジネスになりそう』と服部執行役員は考え」(P.040)て
いるそうです。同業他社との差を拡大させようとしている
ことは明らかです。



次に、プリンスホテルの取り組みをご紹介します。
プリンスホテルはグループ企業を活用し、中国人観光客
を囲い込み、トータルで稼ごうとしている意図が見えます。


プリンスホテルの弱点は「知名度の低さ」(P.040)でした。
「知名度の低さ」をカバーするためにとった施策とは?


 プリンスホテル 


 ドンキ同様、インバウンド客の動線を意識した集客戦略を

 展開するのが西武ホールディングス傘下のプリンスホテルだ。

 同社は1990年代から国内需要の低下を見込み、海外営業

 を強化してきた。中国大陸では2010年、上海に営業所を開設

 している。


 営業活動で最も苦労したのは「知名度の低さ」だ。ホテル単体

 の営業だけでは、旅行代理店はまず相手にしてくれない。

 そこで、日本政府観光局(JNTO)と協力して、プロモーション

 活動からスタートすることにした。
 

  (P.040)



プリンスホテルの作戦は、「点」「線」「面」の三方向から
攻略することでした。


 意識したのは「点、線、面」の営業活動だ。まず、JNTO

 と共に現地の旅行代理店が集まる商談会や観光サミット

 で「プリンスホテル」というホテルが東京にあることをPR

 する。これが拠点を知ってもらう「点」の営業だ。


 次の「線」の営業はツアーの販売である。日本に初めて

 来る中国人はツアーを利用することがほとんど。そのため、

 宿泊をパッケージ化したツアーを提案した。初来日した

 中国人に、プリンスホテルを利用してもらうことで認知度を

 高めようとした。


 そして今、特に力を入れているのが「面」の営業だ。それは、

 「ゴールデンルート」と呼ばれる東京から京都、大阪までの

 人気観光ルート以外に足を運んでもらう作戦でもある。
 

  (P.040)



箱根や川越、軽井沢、苗場の自社ホテルへ誘導する
作戦です。しかも、グループ企業のバスを利用したのです。


 同社は全国に41の宿泊施設を抱える。都心部に集中

 しがちな中国人観光客を、軽井沢や苗場、首都圏近郊

 では箱根や川越といった同社が抱えるリゾート施設へ

 誘導できれば、ホテル全体の稼働率は高まり、収益も

 上がる。


 東京からの利便性を高めるべく、グループ会社の西武

 バスと連携して、品川、新宿、池袋からリゾートへの直通

 バスも運行している。手軽に地方の観光地へ足を運べる

 ことが評判となり、バスの乗客の2割は中国人をはじめと

 する外国人が占めるようになった。値段も品川プリンス

 ホテルから軽井沢まで3000円と新幹線より安い。

 その効果もあってか、軽井沢エリアの拠点の中国人宿泊

 客数は、対前年度比で3倍となった。
 

  (PP.040-041)



観光客を自社の地方リゾート地に誘導<br />・プリンスホテルのインバウンド戦略

観光客を自社の地方リゾート地に誘導
・プリンスホテルのインバウンド戦略

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.040)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




プリンスホテルの徳永清久・営業部長は、「『今後は北海道に
ある6つのプリンスホテルの営業活動にも力を入れていく』と
今後の方針を話す。2016年に開業する北海道新幹線を意識
した動きだ」(P.041)と先を読んでいます。


『日経ビジネス』は、こうした動きに理解を示しています。


 都心から地方へ観光客を誘導することは、都心部に観光客が

 集中し、予約が取れなくなる機会損失を防ぐことにもつながる。

 インバウンド効果を地方に波及させることで、収益力を底上げ

 することを狙っている。日本を訪れる中国人の数は海外旅行者

 全体から見ると、まだ小さい。インバウンドビジネスの潜在力を

 生かさない手はない。
 

  (P.041)



2020年東京五輪への取り組みは既に各地でスタートしています。





 Epilogue バブルは2度やってくる 

現在の中国はバブル期にある、とはよく言われることです。
日本のバブル崩壊前によく似ているとも言われます。


実際のところはなかなか分かりませんが、習近平政権が
「新常態」と認識したことは、いつまでも二桁成長を続ける
ことは不可能、と認めたからにほかなりません。


この辺りのことを『日経ビジネス』は次のようにまとめて
います。


 日本を訪れる観光客に象徴されるように、中国は豊かに

 なった。今後はがむしゃらとも言えた高度成長から、安定

 成長と構造改革の両立を目指す。それが「新常態」の意味

 するところだ。問題は、本当に構造改革を進めることができ

 るか否か。カギの一つとなるのが金融の自由化だ。
 

  (P.042)



中国の「金融自由化」の動きを振り返ると、先進国の仲間入り
を目指す中国の思惑が見えてきます。


「シャドーバンキング」への資金の流れを減らすことを考えて
います。


 中国は1990年代の後半から段階的に金利の自由化を

 進めてきた。貸し出しと預金の金利の変動幅を徐々に

 拡大。2013年7月には、金融機関が企業などに資金を

 貸し出す際の金利を自由に決められるようになった。

 残る規制が預金金利の上限だ。

 
 預金金利の上限が撤廃されれば、各金融機関は預金者

 を集めるために、金利を上げるようになり、シャドーバン

 キングに流れる資金は減少する。
 

  (P.042)



ただし、懸念材料はあります。思惑通りに進まないのが
世の常だからです。


 金利自由化後に、政府のもくろみ通りマネーが流れるか

 分からないのが市場の怖いところだ。
 

  (P.042)



ここで、「バブル」に関して、中国と日本を対比しています。
「中国のバブルはいつかはじけるのではないか」(P.042)
という意見がある一方で、「現在の中国はまだ日本の
バブル期まで到達していない」(P.042)という意見もあり
ます。


唯一つはっきりしていることがあります。
「市場を完全にコントロールすることが不可能であること」
(P.043)です。


 市場を完全にコントロールすることが不可能であることは、

 人類の歴史を見れば明らかだ。どんなに研究をし尽くしても、

 中国だけ例外となる保証はない。


 バブルの発生と崩壊を繰り返してきた経済の歴史に照らせば、

 中国でこの先起こる可能性のある“2度目のバブル”に備えて

 おく必要がある。
 

  (P.043)



「かといって、13億人超の人口を有する巨大市場をみすみす
見逃してしまうのは得策とは言えない」(P.043)のも事実です。


日本ではバブル崩壊後、大企業や銀行、証券会社が経営破綻
しましたが、逆に企業体質をそれまでの「メタボ」から「筋肉質」
に鍛え直し、強くなった会社もあります。


好むと好まざるとにかかわらず、「弱肉強食」の世界で生き残る
ためには、自ら変わることが必要不可欠です。


まず、生き残らなければ、勝ち残ることはできません。


「脱皮できない蛇は死ぬ」
と元ボストン・コンサルティング・グループ社長で、現在ドリーム
インキュベータ会長の堀 紘一氏は語っています。


『日経ビジネス』は最後に、こう述べています。


 中国市場から撤退する、あるいは中国には触れない

 という経営判断もあるだろう。かといって、13億人超

 の人口を有する巨大市場をみすみす見逃してしまう

 のは得策とは言えない。

 日本ではバブル崩壊後に多くの企業が倒れたが、

 そのような環境の中でも市場や消費者の変化に対応し、

 事業を大きく成長させた企業がある。また、本特集で

 示したように、新常態に移行した中国で、これまでの

 考え方や方法を改め、したたかに成長する企業もある。

 新常態の中国では、激変する環境への変化対応力が、

 これまでにも増して重要な生き残りの条件となる。
 

  (P.043)






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 新常態 
 反腐敗 
 成長の鈍化 
 日本の商機 
 バブル 




教科書や、尖閣諸島、戦争責任などの日中間問題は、
解決の糸口さえ見出すのが困難な状況にありますが、
民間人レベルでの交流は盛んです。


日中両国にとっても、こうした民間レベルの親交を活用
しない手はない、と思います。


最後になりますが、大前研一さんが十数年に書かれた、
「中国三部作」

チャイナ・インパクト 大前研一
中国シフト 大前研一
中華連邦 大前研一

は一読しておくべきだ、と強く思います。






記事を読んで、面白かったら
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日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則 2015.04.06 <2>


フレッツ光




日経ビジネスの特集記事(102)

日本を揺るがす新常態
失速中国でも稼ぐ鉄則
2015.04.06



今週の特集記事のテーマは

中国経済が歴史的な転換期を迎えている。
世界2位へと駆け上がった高速成長時代に別れを告げ、
安定成長と構造改革を両立する「新常態」の時代に突入した。
その影響は、日本を含め世界経済を揺るがすインパクトを持つ。
習近平国家主席は抵抗を受けながらも反腐敗運動を進め、
格差の是正という難題を解決しようとしている。
大きく変化する中国では役人との付き合い方も含め、
ビジネスモデルを抜本的に見直す必要がある。
経済が失速する中でも賢く稼ぐ鉄則を探った

 (『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.024)

ということです。




日本を揺るがす新常態<br />失速中国でも稼ぐ鉄則

日本を揺るがす新常態
失速中国でも稼ぐ鉄則

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




今特集のスタートページ01

今特集のスタートページ02

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 PP.028-029)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




中国問題を考える場合、2つの前提を考慮しなくては
なりません。


1つは、中国は中国共産党1党支配の国であり、
中国共産党は中国国家よりも上位にあるということ
です。


もう1つは、沿岸部には富裕層が多く集まり、内陸部
には貧困層が集中し、また都市部と農村部の所得
格差が拡大していることです。


こうした点について、今週号で『日経ビジネス』編集長
を退任される田村俊一氏は、「編集長の視点」で次の
ように語っています。



 中国の根深い問題はその二面性です。沿岸部の

 高所得者層と内陸部の貧困層。同じ国に先進国と

 発展途上国が混在している状況は、サステイナブル

 (維持可能)ではありません。中国共産党はそれを

 知り尽くしているからこそ、腐敗撲滅に急旋回して

 いるわけです。しかし、腐敗の摘発だけで格差が

 解消するわけではありません。中国を巡る不確実性

 は今後、さらに高まるでしょう。
 

  (P.003)





第1回は、
「PART 1 権力闘争か『新常態』の本質か
 どこまで続く 反腐敗の嵐」
「PART 2 ピケティが解説
 中国が『新常態』に突き進む必然」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 3 日本企業にはむしろ商機
 失速下でも稼ぐ5つの鉄則」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 4 インバウンドビジネスも活況
 『売り上げ9倍』 訪日客が買う秘密」
「Epilogue バブルは2度やってくる」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

 新常態 
 反腐敗 
 成長の鈍化 
 日本の商機 
 バブル 




では、本題に入りましょう!


 PART 3 日本企業にはむしろ商機
 失速下でも稼ぐ5つの鉄則 



中国が「世界の工場」と呼ばれたのは過去のことです。
今や「世界の消費地」となりました。


習近平政権は、腐敗の撲滅のために「トラ」「ハエ」「キツネ」
狩りに全力で取り組んでいます。


産業界への規制も厳しくなっているようです。
ですが、日本企業にとっては追い風が吹いている、という
のがこのパートの趣旨です。


『日経ビジネス』は、日本企業が中国で稼ぐための
「5つの鉄則」
を示しました。


日本企業にとっては、日本国内では当たり前のこと
(アフターサービスなど)を中国市場で丁寧に実践
することで、実績を上げています。


「5つの鉄則」とは事例集です。
成長が鈍化したとはいえ、日本の10倍の人口を擁する
中国は「消費地」としての魅力が大いにあります。


日本国内の需要の縮小分をカバーして有り余るほどの、
可能性があることは間違いありません。
やり方さえ間違わなければ、という前提条件がある話
ですが。




 鉄則1 コニカミノルタ 
 厳格化する規制こそ商機 
 成熟産業でも稼げる 



中国が「新常態」というコンセプトで今後を見据えている
ことは、インフラの整備がまだ十分ではないことの証左
でもあります。


 「新常態」をキーワードに、習近平政権が産業構造の

 転換を急いでいる。環境規制などをテコに、旧態依然

 とした企業を淘汰。闇雲に経済規模を拡大させるの

 ではなく、持続可能な成長を志向し始めた。

 かつて中国を世界の工場に押し上げた繊維産業は、

 その縮図と言える。環境汚染と労働集約という、

 中国経済を悩ませる2つの「過去の遺物」が凝縮され

 ているからだ。
 

  (P.032)


コニカミノルタについて私が理解している範囲で、
簡単に説明します。


コニカミノルタは、名称通り、コニカ+ミノルタです。
コニカは昔、小西六と言いました。「コニカフィルム」
ブランドで銀塩フィルムを作っていました。


その後、フィルム業界は事実上、コダックと富士
フィルムの2社になりました。ドイツに「アグファ」という
フィルムメーカーもありましたが。


さらに、時代が代わり、フィルムメーカーは富士フィルム
1社となりました。コダックが破綻したからです。


コニカは複写機(コピー機など)事業に特化しました。


ミノルタは一眼レフカメラメーカーでした。
私もその昔、ミノルタα7000やα7700iというカメラを
使っていました。


ミノルタもコニカ同様、複写機事業も持っていました。
カメラ事業に見切りをつけ、カメラ部門をソニーに売却
したことはご存じだと思います。


こうして、コニカとミノルタは、複写機事業がコアビジネス
で共通していることで合併しました。


こうした伏線をご理解の上、『日経ビジネス』の解説を
ご覧ください。


 ここに商機を見いだしたのがコニカミノルタである。

 2014年8月、上海に拠点を構築。陳氏が経営する

 ような工場向けに、専用インクジェットプリンターの

 売り込みを本格化している。「導入すれば人手と

 廃液の両方を減らせる。短納期を求める大手アパレル

 との取引も拡大できる」と、IJテキスタイル営業部の

 稲田寛樹セールスマネージャーは話す。
 

  (P.032)

 * 陳氏・・・上海市の郊外で繊維工場を経営する
   陳志華氏


繊維工場とインクジェットプリンターのつながりが分かりにくい
と思います。「環境汚染」と「労働集約」が理由です。


 中国はこれまで、繊維業界、特に捺染工程で圧倒的な

 地位を築いてきた。従来のやり方では大型の「スクリー

 ン(版)」を使って繊維にインクを浸透させるため、洗浄時

 に大量の廃液が出る。模様や色を変えるたびにスクリー

 ンを入れ替える必要があり、多くの人手が必要となる。


 人件費が年率5~10%ずつ上昇したことで、東南アジア

 諸国との賃金水準が逆転。大手アパレル企業が、発注先

 を中国外へシフトし始めた。一方、中国国内では多くの

 企業が過当競争を繰り広げた結果、捺染作業の単価は

 10年前より安くなった。


 2011年から規制を強化し、排水基準を厳しくした。
 

  (P.032)


こうした厳しい状況に、陳氏が出した結論は、「インクジェット
プリンター」を採用することでした。


 インクジェットを使うと、従来のスクリーンは不要になる。

 運搬する人手を減らせるうえ、洗浄時の廃液も削減できる。

 捺染スピードがやや遅く、専用インクが高いという弱点は

 あるものの「3年ぐらいで導入コストの元が取れる」と陳氏は

 話す。

 ただし、追い込まれた末の窮余の一策ではない。陳氏が

 重視するのはむしろ、納期短縮という新たな武器だ。
 

  (P.033)



インクジェット方式のメリットについて、次の説明があります。


 従来方式では、アパレル企業からデザインを受注した後、

 個別にスクリーンを作らないと捺染作業は始められなかった。

 インクジェット方式の場合、デザインは全てデジタルデータ

 で管理するためこの工程を省ける。
 

  (P.033)



そこに、コニカミノルタは潜在需要を見出したのです。
さらに「地場メーカーやイタリア企業」と差別化を図るため、
サポートを強化する専門部署を上海に設立しました。


 コニカミノルタは今後、中国市場で捺染のデジタル化が

 急速に進むとみて、ビジネスを本格化したわけだ。

 中国市場では地場メーカーやイタリア企業が先行して

 いるが、機械を“売りっぱなし”にしているため、トラブル

 が絶えないという。メーカーが保守に責任を負わないため、

 海賊版のインクが横行。プリンターの目詰まりなど、故障

 の原因にもなっている。

 そこでコニカミノルタは、上海に独自のサポート部門を設立。
 

  (P.034)





 鉄則2 日立製作所 
 中国は世界の“頭脳” 
 新興国攻略の司令塔になる 



日立製作所が中国で事業を拡大していこうとしている
のは、銀行のATM(現金預け払い機)関連事業です。




 今後は中国を世界の“頭脳”と位置付け、新興国戦略を

 立案した方が、成長を加速できると本気で考えているのだ。

 その好例が銀行のATMである。

 日立は現在、ある中国大手銀行と共同で、ATM運用業務

 の高度化に取り組んでいる。ATMに格納した紙幣の量や

 引き出し頻度、設置場所といった情報を、通信回線経由で

 収集。ビッグデータとして分析することで、最適運営を目指す

 というものだ。
 

  (P.034)



日立製作所は中国に研究者を多く送り込み、ソリューション事業
を推進する過程で分かったことがあります。


ATMに関して言えば、金利がほとんどゼロの日本と、「物流イン
フラが未整備なため、現金の配送コストが先進国より高い」(P.034)
という大きな違いがあることでした。


 金利がゼロに近い日本では、ATMに多額の現金を死蔵しても、

 機会損失にはつながらない。そのため、日本の研究者には

 そうしたニーズに思いが及びにくい。「既存の製品にITを

 組み合わせて新たな価値を創出するには、研究者がもっと

 顧客に入り込む必要がある」(田辺CTO)。日立が中国で

 研究開発人員を増やす意義はここにある。
 

  (P.034)



日立製作所は中国のことだけを考えているわけでは
ありません。中国での事業で得たノウハウをインドや
新興国での事業に活かしていこうとしているのです。


 日立は2014年3月、インドでATM運用を手掛ける企業を

 買収した。中国で構築したノウハウを投入すれば、

 インドに限らずアジア諸国にもATM関連ビジネスを拡大

 できるとにらむ。「日本の製品をローカライズする時代は

 もう終わった。今後は、中国で開発したソリューションを

 新興国へ展開する動きが加速する」と田辺CTOは意気込む。
 

  (P.035)

 * CTO=最高技術責任者


中国を世界の“頭脳”と位置付け<br />・日立製作所が中国で開発するATMソリューション

中国を世界の“頭脳”と位置付け
・日立製作所が中国で開発するATMソリューション

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.034)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号






 鉄則3 豊田通商 
 大量消費の裏の顔 
 弱い「静脈」を攻めろ 


豊田通商は、「米国を抜き、世界最大の自動車市場と
なった中国」(P.035)で、廃車事業に注力しています。


 豊田通商が出資する北京市郊外の工場では、

 1日40台弱の廃車を解体し、金属素材を販売して

 いる。


 米国を抜き、世界最大の自動車市場となった中国。

 一方で、負の側面も鮮明になり始めた。リサイクル

 体制の未整備である。


 道路を走る自動車は、いつか必ず廃車になる。

 2020年には中国国内で、現在の2倍以上となる

 約1000万台の使用済み自動車が発生する見込み。

 しかし、現状はお寒い限り。


 豊田通商は北京のリサイクル企業に出資。

 日本で培った手法を生かし、2014年から本格操業

 を始めた。「重機を使った流れ作業など、中国に

 展開できるノウハウは多い」と、豊田通商中国の

 出野滋一・環境循環型事業推進室長は述べる。
 

  (P.035)



豊田通商に追い風となる法律の改正があります。


 中国では近々、自動車リサイクル法が改定され、

 一部の中古パーツ販売が解禁される見込み。

 現在では、廃車は解体後に鉄くずや銅線として

 販売するしかない。改定されれば、取り出した

 エンジンなどを、そのまま部品として売れるようになる。

 自動車解体ビジネスの「質」が変わり、丁寧に扱えば、

 廃車は「宝」の山になり得るわけだ。
 

  (P.035)





 鉄則4 安川電機 
 労働力減少を先取り 
 省人化技術を売り込め 


安川電機といえば、ファナックと並ぶ日本を代表する
産業用ロボットメーカーです。


その安川電機が中国で何をしようとしているのでしょうか?
そのヒントは「水」に関連します。
「水道水が飲めない中国では、一般家庭でもウオーター
サーバーが普及している」(P.036)ということがポイントです。


 中国では今後、労働力人口が減っていくため、潜在需要は

 膨大にある。これを見据えて昨年12月、上海市に「上海

 ロボットセンター」を開設した。


 中国では実際に動く産業ロボットを見たことがないという人

 も多い。こうした人たちにロボットの便利さを伝えるのがこの

 施設の役割の一つだ。

 施設内ではロボットが19リットル入りの水のボトルを軽々と

 持ち上げ、器用に横向きにして棚に並べていく。水道水が

 飲めない中国では、一般家庭でもウオーターサーバーが

 普及している。誰もが重さを知っている水のボトルを使って、

 ロボットの利便性を知ってもらう趣向だ。


 「ロボットを実際の生産現場に組み込む技術に我々の強み

 がある。中国メーカーはしばらく追いつけない」と、今福執行

 役員は自信を見せる。
 

  (P.036)





 鉄則5 サンデン 
 途上国だからこそ 
 最初から最先端 


「飲料用の自動販売機で世界大手のサンデン」(P.036)
が中国に進出した時、予想外の事態に直面したそうです。
「『IT化の面で、日本よりかなり進んでいる』(片貝氏)」
(P.037)ことを知ったからです。


詳しい事情を見てみましょう。
ひょうたんから駒のような話です(笑)。


 飲料用の自動販売機で世界大手のサンデン。

 同社上海法人副総経理を務める片貝和敏氏は、

 率直にこう認める。「日本の自販機を持ち込めば

 売れると思っていた。しかし中国の現実は、我々

 の想定の先を行っていた」。
 

  (P.036)


どういうことでしょうか?


 サンデンは4月から、上海市の工場で自販機の

 量産を始める。日本からの輸出ではなく現地生産

 に踏み切った理由は、市場の伸びが期待できる

 からだけではない。「IT化の面で、日本よりかなり

 進んでいる」(片貝氏)からだ。

 中国では通信コストが日本の10分の1程度と安い。

 そのため、多くの自販機には通信機能が内蔵されて

 おり、設置事業者が稼働状況を常時監視できるよう

 になっている。
 

  (P.037)



日本の方が技術力が上かと思いきや、そうではなかった
のです。中国ではまだ、自販機が普及していないので、
最初から最先端の通信機器を搭載することが簡単なの
です。


ところが、日本の場合、自販機が普及しているため、
後から通信機器を搭載することが容易ではないのです。


たとえ話ですが、何もない土地に巨大な建造物を建設
することは難しくありません。設計の自由度も高いですね。


一方、既に多くの建造物が建ち並び、交通網が整備され
ている状況では、後からインテリジェント化を行なうのは、
何もないところにインテリジェントビル等を建設するより、
はるかに費用も時間もかかります。 


 「中国での自販機普及はまだこれからなので、

 最初から先端技術を搭載できる。固定電話の普及

 を待たず、一足飛びにスマートフォン時代に入った

 のと同じだ」と片貝氏は話す。


 中国の飲料自販機設置台数は累計10万台程度と

 言われ、日本の10分の1にも満たない。

 一方で出荷規模は年間2万~3万台に達し、

 右肩上がりで成長を続けている。
 

  (P.037)



「ピンチはチャンス」という言葉が野球ではよく使われ
ます。ピンチを切り抜けるとチャンスが訪れるという意味
です。


その逆に、「チャンスはピンチ」でもあります。
チャンスを逃すとピンチになるという意味です。


中国市場は巨大なので、これからでも参入することは
可能で、十分旨味をものにすることができそうです。


ただし、短期間で結果を求めるのではなく、長期的視野
で事業を拡大させていく、明確なビジョンが不可欠です。
と同時に、地元中国企業や中国人民とも WIN-WIN の
関係を築けなければ事業は失敗するでしょう。


もちろん、素人の私が口を挟まなくても、知識と経験の
豊富なプロがリーダーとなり、戦略を立案し、着実に
実行する部隊が機能すれば成功する確率は高いはず
です。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 新常態 
 反腐敗 
 成長の鈍化 
 日本の商機 
 バブル 




最終回は、
「PART 4 インバウンドビジネスも活況
 『売り上げ9倍』 訪日客が買う秘密」
「Epilogue バブルは2度やってくる」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
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日本を揺るがす新常態 失速中国でも稼ぐ鉄則 2015.04.06 <1>


フレッツ光




日経ビジネスの特集記事(102)

日本を揺るがす新常態
失速中国でも稼ぐ鉄則
2015.04.06



今週の特集記事のテーマは

中国経済が歴史的な転換期を迎えている。
世界2位へと駆け上がった高速成長時代に別れを告げ、
安定成長と構造改革を両立する「新常態」の時代に突入した。
その影響は、日本を含め世界経済を揺るがすインパクトを持つ。
習近平国家主席は抵抗を受けながらも反腐敗運動を進め、
格差の是正という難題を解決しようとしている。
大きく変化する中国では役人との付き合い方も含め、
ビジネスモデルを抜本的に見直す必要がある。
経済が失速する中でも賢く稼ぐ鉄則を探った

 (『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.024)

ということです。




日本を揺るがす新常態<br />失速中国でも稼ぐ鉄則

日本を揺るがす新常態
失速中国でも稼ぐ鉄則

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




今特集のスタートページ01

今特集のスタートページ02

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 PP.028-029)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




中国問題を考える場合、2つの前提を考慮しなくては
なりません。


1つは、中国は中国共産党1党支配の国であり、
中国共産党は中国国家よりも上位にあるということ
です。


もう1つは、沿岸部には富裕層が多く集まり、内陸部
には貧困層が集中し、また都市部と農村部の所得
格差が拡大していることです。


こうした点について、今週号で『日経ビジネス』編集長
を退任される田村俊一氏は、「編集長の視点」で次の
ように語っています。



 中国の根深い問題はその二面性です。沿岸部の

 高所得者層と内陸部の貧困層。同じ国に先進国と

 発展途上国が混在している状況は、サステイナブル

 (維持可能)ではありません。中国共産党はそれを

 知り尽くしているからこそ、腐敗撲滅に急旋回して

 いるわけです。しかし、腐敗の摘発だけで格差が

 解消するわけではありません。中国を巡る不確実性

 は今後、さらに高まるでしょう。
 

  (P.003)





第1回は、
「PART 1 権力闘争か『新常態』の本質か
 どこまで続く 反腐敗の嵐」
「PART 2 ピケティが解説
 中国が『新常態』に突き進む必然」
を取り上げます。


第2回は、
「PART 3 日本企業にはむしろ商機
 失速下でも稼ぐ5つの鉄則」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 4 インバウンドビジネスも活況
 『売り上げ9倍』 訪日客が買う秘密」
「Epilogue バブルは2度やってくる」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

 新常態 
 反腐敗 
 成長の鈍化 
 日本の商機 
 バブル 




では、本題に入りましょう!


 PART 1 権力闘争か「新常態」の本質か
 どこまで続く 反腐敗の嵐 



まず、中国要人たちが汚職の疑い(収賄や横領、着服)で、
逮捕されるニュースが日本にもしばしば伝えられます。


その実態を「トラ」「ハエ」「キツネ」に例えて、「すべての
腐敗を一網打尽に」(P.026)しようとしています。



 2012年11月に習近平氏が中国共産党総書記に就任

 して以降、中国全土に吹き荒れている反腐敗の嵐は

 収まる気配を見せない。「トラ(大臣・次官級の大物)も

 ハエ(下級の役人)も同時にたたく」として、階級にかか

 わらず取り締まる方針を打ち出し、実際に周永康・

 前政治局常務委員や軍の制服組トップだった徐才厚・

 元中央軍事委員会副主席など、これまでは聖域と見ら

 れていた役職者の腐敗を摘発した。
 

  (P.026)


何とも皮肉たっぷりなイラストがあります。



すべての腐敗を一網打尽に

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




「トラ」「ハエ」「キツネ」についての解説が書かれています。
ご紹介しましょう。不謹慎と言われるかもしれませんが、
思わず笑ってしまいました。


ですが、『日経ビジネス』の記事を読む限り、習近平総書記
の本気度は伝わってきます。


 トラ 


 汚職に手を染めた大臣・次官級の大物を指す。

 高い地位を利用して自らの派閥や一族に有利に

 なるよう便宜を図ってきた。大物になれば逮捕

 されないというこれまでの不文律を破り、

 習近平政権はむしろトラから標的に。

 反腐敗を大義に権力闘争の様相も呈する。
 

  (P.027)


 ハ エ 


 職権を利用して賄賂を求める地方政府の下級役人。

 カネのニオイを嗅ぎつけ、たかる生態はハエそのもの。

 習近平政権は「すべてのハエを駆除する」との目標を

 掲げ、2014年だけでも5万人以上が捕まった。

 どんなに叩いても切りがないのがハエのハエたるゆえん

 だが…。
 

  (P.026)



 キツネ 


 資産を持って海外に逃亡した官僚。

 中国語でキツネには「ずる賢い人」という意味がある。

 不正に持ち出された資金は8000億元(約16兆円)に

 達する。期限までに自首すれば罪を軽くすると公安当局

 が発表すると、出頭者が少なからず出てくるところも

 キツネらしい。
 

  (P.027)



「不正に持ち出された資金は8000億元(約16兆円)」と
いう金額があまりに巨額で、たまげてしまいました。


そう言えば、「虎の威を借る狐」という表現がありましたね。
背後に権力者を抱え、さも自分が大物のように威張る様
を表現したものです。


日本では、狐は人を騙す動物と言われてきました。
古典落語「紺屋高尾(こうやたかお)」に「狐は尾があって
騙すが、花魁(おいらん)は尾がなくても騙すからおいらん
(尾いらん)というのだ」という一節があります。


冗談はさておき、先にお話ししたように取り締まりを強化
していますが、腐敗はなかなか、なくならないようです。



 一筋縄ではいかないのが「上に政策あれば下に

 対策あり」と言われる中国だ。


 腐敗撲滅の活動が激しくなった結果、賄賂を要求

 する手口はより巧妙になっている。


 「イベントを行うので商品を送ってほしい」「値引きの

 代わりに追加の商品が欲しい」「知り合いを紹介する

 からコンサルティング費用を払ってほしい」。

 こういった名目で事実上の賄賂を要求する例もある

 という。「お世話になった人に贈り物をしたり、接待

 したりするのは中国に昔からある文化。今は嵐が過ぎ

 去るのを待っているだけで、なくなりはしない」。

 中国人の中にはこう言ってはばからない人もいる。
 

  (P.027)



このような過度な締め付けが行われた結果、物騒な噂が
駆け巡ったそうです。


 3月に開かれた全国人民代表大会(全人代)の直前、

 ある噂が中国大陸を駆け巡った。「クーデターが起きる」。

 あまりに苛烈な反腐敗運動に業を煮やした既得権益者

 たちが反乱を起こすというシナリオだ。

 「習近平は20回も毒見をさせたらしい」。こういった噂が

 最近、まことしやかに流れている。
 

  (P.027)



中国の成長は鈍化してきました。以前はGDP(国内総生産)
の成長率は前年比二桁を記録してきました。


今は、もう10%には達しません。それでも金額ベースで見ると、
莫大です。パーセントだけに着目していると、実態は掴めません。
基準となる数字の大きさによって、同率でも数字がまったく異なる
からです。


例えば、トヨタはクルマの生産台数が初めて1000万台を突破
しました。仮に今期10%増とすると、1100万台ということになり
ます。


一方、富士重工の生産台数は82万5000台(2014年3月期)
です。この10%増を考えると、90万台超に過ぎません。


ですから、パーセンテージと実数の両方を常に見ることが大切
です。





 PART 2 ピケティが解説
 中国が『新常態』に突き進む必然 



今年話題になった本がありますね。フランスの経済学者、
トマ・ピケティ氏が書いた『21世紀の資本』です。
私はまだ読んでいませんが。


そのピケティ氏が現代中国の問題点を解説しています。
中国で腐敗が進行した理由と、腐敗撲滅に邁進する
習近平政権の意図について、鋭い分析を行なっています。


早速、ピケティ氏の発言に耳を傾けてみましょう。
尚、「ピケティ氏のコメント部分は本誌取材、中国内での
講演やインタビューでの発言を基に再編集した」(P.031)
とのことです。



フランスの経済学者、トマ・ピケティ 氏

フランスの経済学者、トマ・ピケティ 氏

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.028)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




まず、トマ・ピケティ氏についての、『日経ビジネス』の解説を
ご紹介します。


 『21世紀の資本』を著したフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏。

 経済格差が各国で深刻な問題を引き起こしている中で、

 同氏が導き出した「資本収益率(r)>経済成長率(g)」という

 不等式は世界的に注目を集めることになった。

 過去の膨大なデータを解析することで、「富める者がさらに富み、

 持たざる者との格差が広がる」という法則を明らかにしたからだ。
 

  (P.028)



簡単に言えば、富裕層が投資して得た収益率は、経済成長率
よりも大きいということです。大金を持っている人たちが有利な
ことは明らかです。r = return で、g は growth です。


ピケティ氏はこう語っています。


 もし本気で格差解消に取り組もうとするならば、今以上に

 多くの人が牢屋に入ることになるでしょう。中国はまず、

 所得、不動産、相続に関する税の累進性を強化するように、

 税制度を改正しなければなりません
 

  (P.029)


後ほど出てきますが、中国では相続税がない(!)のです。
これが大きな格差を生む元凶の一つになっています。


汚職が蔓延する理由について語っています。


 そもそも中国では、なぜここまで汚職が蔓延するのでしょうか。

 それは、個人の収入をきちんと管理する制度がないからです。

 賄賂を受け取っても長期にわたって誰にも気が付かれないので、

 通常ではあり得ない金額の蓄財に走る人もいます。

 だからこそ、反腐敗運動は格差是正に非常に効果があるのです
 

  (P.029)



日本と中国の違いについて述べています。
経済成長の過程で格差が解消された日本と、経済が発展すれば
するほど格差が広がる中国です。



 日本は経済成長の過程で格差が解消されていきましたが、

 中国は経済が発展すればするほど格差が広がっています。

 中国は社会主義の国であるはずなのに、大部分の資本が

 一握りの人に独占されています。このことを私は理解できない
 

  (P.029)


ただし、「適度な格差は社会にとって有意義」とも語っています。



 ただ、私は中国が毛沢東時代に戻って全ての人が平等に

 なるべきだと言っているのではありません。むしろ、適度な

 格差は社会にとって有意義だと捉えています。

 なぜなら、それは人々の上昇志向やイノベーションを生み

 出す動機となるからです
 

  (P.029)



次に、歴代指導者は「富の分配」をどう捉えたか、という
テーマでご説明します。『日経ビジネス』には5名の指導者
が掲載されていますが、そのうち3名を選びました。


1人目は毛沢東(マオザードン)です。日本流に言えば
[もうたくとう]です。



毛沢東(マオザードン)

毛沢東(マオザードン)

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.029)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




 毛沢東時代、土地や企業、資源といった資本や生産手段は

 すべて国のものとされ、計画経済の下、徹底した平等主義

 が貫かれた。
 

  (P.029)


毛沢東は、文化大革命を指揮した人物です。
共産主義の基本である、平等主義を貫いたということです。




2人目は、鄧小平(ダンシャオピン)です。日本流に言えば、
[とうしょうへい]です。



鄧小平(ダンシャオピン)

鄧小平(ダンシャオピン)

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.029)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号




 計画経済の非効率性や生産性の悪さを打破するには

 改革解放経済が必要と考えた。「先富論」を唱え、

 市場主義経済を導入。資本の開放・移転を進めた。
 

  (P.029)


毛沢東路線を大転換したのが、鄧小平です。
「先富論」を唱え、中国が成長した反面、大きな格差を
生み出す要因になりました。



そして、3人目は現政権の習近平(シージンピン)です。
日本流に言えば、[しゅうきんぺい]です。



習近平(シージンピン)

習近平(シージンピン)

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.030)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号





 胡錦濤政権の和諧社会が「絵に描いた餅」に終わり、

 習近平政権は前政権から引き継いだ「負の遺産」に

 本格的に対処しなければならなくなった。経済成長が

 鈍化する中で、農村と都市部の貧富の差が引き起こ

 す社会不安、国有企業、地方政府といった資本を持つ

 既得権益層の排除といった難問に取り組まねばならない。

 2015年の全人代の政府活動報告では「城鎮化」と呼ば

 れる、内陸部の都市化政策こそ格差解消の手段である

 と強調した。都市化政策で雇用を増やし、所得格差を

 是正する考えだ。
 

  (P.030)



「胡錦濤政権の和諧社会」と言うのは、「調和の取れた社会」
(P.029)という意味です。


沿岸部と内陸部の格差を示す図表があります。
沿岸部と内陸部との格差は5倍開いているということです。
容易に埋まる状況にありません。


先に豊かになった沿岸部<br />内陸部との格差は5倍

先に豊かになった沿岸部
内陸部との格差は5倍

(『日経ビジネス』 2015.04.06 号 P.030)
日経ビジネスDigital 2015.04.06 号





 2012年の中国統計年鑑によると、都市と農村部の

 1人当たり所得格差は1980年に2.5倍だったが、

 2011年には3.1倍へと拡大している。また、1人当たり

 のGDP(国内総生産)は最も高い天津市と最も低い

 貴州省の差は約5倍だ。沿岸部と内陸部の経済格差は

 いまだ解消されてはいない。
 

  (PP.030-031)



ピケティ氏は「問題の本質は、資本の分配のされ方、
そして税制の問題にあります」(P.031)と指摘しています。
とりわけ、「中国には相続税がないことが格差を助長
させる要因にもなってい」(P.031)ると述べています。



 問題の本質は、資本の分配のされ方、そして税制の

 問題にあります。中国は急速な経済発展を遂げて、

 一握りの人がお金持ちになりました。それ自体は

 途上国の発展段階として自然な現象です。しかし、

 中国政府は富裕層が資本を独占することを規制し、

 低所得者層にも富がきちんと分配される仕組みを

 導入できていません。

 例えば、中国の富豪ランキングに載るようなお金持ち

 がこの1年間に納めた所得税は、一般的なホワイト

 カラー1人が納めた所得税とそれほど変わりません。

 これではお金持ちはますます富み、貧しい人はます

 ます苦しむ。これが非常に大きな問題なのです
 

  (P.031)



ではどうすれば良いか。ピケティ氏はこのように述べて
います。「資産を持つ者に対しては相続税を課すべき」
(P.031)と。



 中国政府は財産を再分配できる制度を速やかに取り

 入れるべきです。驚くべきことに、中国には相続税が

 ありません。それは、格差を助長させる要因にもなって

 います。資産を持つ者に対しては相続税を課すべきです。

 加えて中国政府は、所得税の納付状況を透明化した方が

 良いでしょう。それは、政府に対する国民の信頼を高める

 ことにつながるはずです
 

  (P.031)



将来の中国の懸念材料は一人っ子政策によって、日本ほどで
はないにせよ、人口減少が明らかなことです。
一時BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一角として、
成長性が高い国の1つと並び称されましたが、インドと比較する
と大きな違いがあるそうです。



 人口の減少は、中国のGDPに確実に影響を与えます。

 2030年以降、中国の人口は減り始めます。同じ人口が

 多い国でも、生産人口を依然多く抱えるインドと高齢化

 が既に始まっている中国とでは、中身が全然違います。

 これから人口ボーナスが期待できるインドと、それが消失

 しつつある中国では、今後たどる道は明らかに違ってくる

 でしょう
 

  (P.031)



ただし、中国企業の中には世界に通用する企業が増えてきた
ことも事実です。「イノベーションの担い手は着実に増えている」
(P.031)とは、『日経ビジネス』の見方です。



 世界に通用する中国企業も次々と台頭している。

 斬新なスマートフォンを販売し中国のアップルとも評される

 小米科技(シャオミ)、中国語圏以外にも勢力を拡大する

 インターネット企業の騰訊(テンセント)、そして世界有数の

 家電メーカーとなった海爾集団(ハイアール)など、イノベー

 ションの担い手は着実に増えている
 

  (P.031)





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 新常態 
 反腐敗 
 成長の鈍化 
 日本の商機 
 バブル 




次回は、
「PART 3 日本企業にはむしろ商機
 失速下でも稼ぐ5つの鉄則」
をお伝えします。


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藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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