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ソニーが変われぬ 10の理由 2015.04.20 <3>


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日経ビジネスの特集記事(104)

ソニーが変われぬ 10の理由
2015.04.20



今週の特集記事のテーマは

戦後間もなく発足し、日本経済をリードしてきたソニーが
苦しみ続けている。
バブル崩壊後に陥った負のスパイラルから抜け出せず、
世界で圧倒的なブランド力を築いてきた面影はもはやない。
ソニーはどうすべきだったのか。そしてこれから何を
すべきなのか。

 (『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.026)

ということです。




ソニーが変われぬ 10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今週の特集記事をご紹介する前に、
ソニーとともに、戦後生まれの日本を代表する企業、
ホンダについて少し触れます。


ソニー病を患っているのではないかという趣旨の特集
が、今年3月に『日経ビジネス』に掲載されました。


詳細は、

日経ビジネスの特集記事(99)
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(1)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(2)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(3)


に譲りますが、ホンダとソニーを語るうえで重要な
ポイントが2つの特集記事に書かれています。


ホンダとソニーの記事を読んだ限り、ソニーの問題
の方が深刻さが増幅していると感じました。





第1回は、
「Prologue 業績の回復の兆しも・・・
 元CFOの反乱が映す『遠き復活』」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 OB60人が語る『20年の迷走』
 だから私はソニーを見限った」
を取り上げました。


最終回は、
「PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは『普通の会社』になる」
「Epilogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー」
をご紹介します。


今週の特集で、PART 2に平井一夫社長兼CEOが
編集長インタビューに登場していますので、
詳細は

日経ビジネスのインタビュー(168) 
技術軽視していない 成果は出始めている


をご覧ください。




今特集のキーワードは次の5つです。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 




では、本題に入りましょう!


 PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは「普通の会社」になる 



PART 1 で、OBの方々が「怒り心頭に達した」
気持ちを、異口同音に語っていました。


PART 3 では、赤字会社からまず黒字に転換し、
「普通の会社」になることが先決である、
と『日経ビジネス』は説いています。


前回も書きましたが、2015年3月期(2014年度)の
最終損益は1700億円という巨額赤字の見通しです。


2015年度以降、最終損益を黒字転換するための手を
矢継ぎ早に打っているのかどうか、がポイントになります。



「2015年1月、米ラスベガスで開催された家電見本市
『コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)』」
(P.041)で見慣れない光景に遭遇したそうです。



 CESの中心であるラスベガスコンベンションセンター

 からシャトルバスで10分程度離れた別会場。

 無名のスタートアップ企業のブースが所狭しと並ぶ

 エリア「Eureka PARK」に、「MESH」と呼ばれる製品

 が展示されていた。


 実は、MESHはソニーが事業化を進めている商品。

 だが、ブースには「SONY」のロゴは入っておらず、

 一見するだけではソニーが関係しているとまず分から

 ない。

 「SONYというロゴを出すと、それだけで来場者が“

 とんでもない先進的な製品”じゃないかと期待する

 でしょう。そうではなくて、製品そのもののコンセプトや

 機能の魅力で、どこまで来場者に興味を持ってもらえるか、

 ニーズを把握したかった」。ブースで説明を担当していた

 プロジェクトメンバーはこう話す。
 

  (P.041)



あえてSONYのロゴを出さず、製品のコンセプトや機能の
魅力で顧客にアピールできるか「実験」したのです。


そもそも「MESH」とは何なのか、ということになります。



 簡単に言うと、MESHは電子ブロックだ。LEDライト、

 モーションセンサー、マイクなど様々な機能を持つ

 ブロックがあり、それらをつなぎ合わせて遊ぶ。

 ブロック間の機能はBluetoothでつながり、組み合わ

 せることで様々な物を自作できる。
 

  (P.041)



MESHはどの部署が担当しているのかと言いますと、
「2014年4月に発足した新規事業創出部」だそうです。


小さく産んで大きく育てるという戦略なのでしょうか?
それともリスクを最小限に抑えるため、「実験」して
いるのでしょうか?


個人的には、あまり大きなマーケットは期待できない
と思っていますが。いずれにせよ、SONYを全面に
出せない事情があることは理解出来ます。


新規事業創出部については、次のような説明がつい
ています。



 生活をひっくり返すまでにはいかなくても、

 驚かすぐらいの物は作りたい。そんな思いから、

 過去にソニーが立ち上げた新規事業創出のための

 組織にはない工夫を取り入れた。

 一つは開発のオープン化だ。オーディションの

 審査員には、ソニー関係者だけでなく、投資家や

 起業家などの外部の目を入れている。事業化に

 当たっても、ソニー本体に閉じず、事業部や子会社、

 他社との合弁、ソニーとは関係なく完全に独立、

 といった複数のパターンも想定している。
 

  (P.041)



インキュベーター(孵化器)のような機能をもたせている
のかもしれません。



従来と異なる点は、「事業化に際しては何でも自分たちで
手がけるようにした」(P.042)ことでしょう。
つまり、アイデアだけ出し、モノづくりをしないという、
丸投げは決してしないということです。



 事業化に際しては何でも自分たちで手がけるようにした。

 生産材が余った場合はどこかへ売って無駄にしない工夫

 など、細かなことまでやる。一から事業を立ち上げる経験

 を積むためだ。
 

  (P.042)



しばらく前までは「ちょっとでも意外性のある物を作れば
『採算は合うのか』の一言が飛んできた」環境と比較すれば、
前進といえるかもしれません。



 「ちょっとでも意外性のある物を作れば『採算は合うのか』

 の一言が飛んできた。それに対して、新規事業創出部は、

 エンジニアの意欲を刺激する仕組みになっている」とある

 技術系社員は話す。
 

  (P.042)



冒険することができなくなっていたと言えます。
チャレンジ精神が失われたのは必然です。



 巨額投資をして世の中を揺るがす商品を作るのは

 難易度が高くリスクもあり、現実問題としてもうできない。

 だからといって無難な商品ばかりでは利益は生まれない。

 ならばできる範囲で新しい商品を作っていく──。

 そんな普通の開発体制にいったん舵を切り始めたソニー。
 

  (P.042)



ソニーの名前から連想するものは何ですか?
古いものから言えば、ウォークマン、カセットデンスケ、
PS(プレイステーション)、デジカメ一眼レフ α・・・


ソニーの屋台骨を支えている事業は、エレキ
(エレクトロニクス)ではありません。金融です。
大きな利益をあげているセグメントは金融です。
ソニー銀行やソニー生命、ソニー損保です。


次の図をご覧ください。
あなたの予想を裏切ったのではないでしょうか?




エレキ分野で赤字が続いた一方、
映画と音楽、金融は安定的に黒字を維持
・ソニーのセグメント別の連結営業利益

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.043)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号



一目瞭然ですね。
「金融とエンタメはエレキを救う」という記事を
ご紹介しましょう。



 「生保と損保、銀行、いずれも売上高と利益で、

 2014年度は創業以来の最高の業績。足元では

 極めて好調」。

 ソニーフィナンシャルホールディングス社長の

 井原勝美氏は胸を張る。


 今や事業セグメント別で圧倒的な収益性を誇る

 のが金融事業。「ソニーグループの他の事業と

 バリューチェーンは異なるのは確か。

 だが、既存の金融機関とは異なるビジネスモデル

 や金融商品の開発で差別化し成長しており、

 この挑戦心はソニーのDNAそのもの」と井原氏は

 話す。


 「金融とエンタメは、いつか必ずエレキを救うと

 盛田さんは言っていた」と話すのは、50代の

 元ソニー社員。ここ数年は実際、その通りになった。
 

  (P.043)



「金融とエンタメはエレキを救う」という現状に、OBの
多くが批判的です。一番の理由は「ソニーらしさ」が
喪失したからだ、と考えています。



 PART1に登場したOBの多くは外販ビジネスの

 強化に対し「SONYの4文字がない商品を事業の

 柱にするのはおかしい。ソニーらしい最終製品を

 作るためのデバイス事業だったはず」と批判的だ。
 

  (P.043)



最近のソニーを見て感じることは、イメージセンサー
技術に特化してスマホやデジカメに導入していること
です。


前回紹介しましたが、Xperia Z4 が発売されました。
「カメラ携帯」というコンセプトを前面に出しています。
果たして、期待通りの成果を収めるでしょうか。



 2014年度決算見込みで、デジカメを含むイメージング

 製品部門の営業利益は、減収にもかかわらず前年比

 約2倍の530億円となっている。
 

  (P.044)



注目される点は、「自前主義の返上」です。
「共創」するようになったことは大きな前進だ、と考えて
います。


私が知るかぎりでは、「共創」という言葉を最初に使った
のは、シャープの元副社長、佐々木正さんです。
日本企業が弱くなったのは、自前ですべてまかない、
「共創」しないからだ、という内容の話をしたことがあります。


シャープは、三洋電機のように解体されるのではないか、
という瀬戸際に立っています。




ソニーは音楽配信サービスで動きました。



 音楽配信でも、「自前のサービスでは競争力を

 維持できない」(ソニー・コンピュータエンタテイン

 メント社長のアンドリュー・ハウス氏)と判断するや、

 音楽ストリーミングの新興企業、スウェーデンの

 スポティファイと提携を決断。自前の音楽配信

 サービスは終了し、PSからスポティファイのサービス

 を利用する形に切り替えた。

 
 売れる商品を作るには競争でなく“共創”が必要

 なのは今や世界中の企業での常識だ。

 ソニーは確かに、いったん「普通の会社」に向かい

 つつある。
 

  (P.044)



クラウド技術を使い、プレイステーションに<br />テレビ放送を配信する新サービス<br />「PlayStation Vue」

クラウド技術を使い、プレイステーションに
テレビ放送を配信する新サービス
「PlayStation Vue」

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.044)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号






 Epilogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー 



人間も企業も生き物です。
共通点は寿命です。
永遠に生き続けることはできません。

誕生 → 成長期 → 成熟期 → 衰退

遅かれ早かれ、この流れに乗り、一生を全うします。
流れに逆らうことはできません。 


ソニーの創業は1946年5月7日(『ソニー自叙伝』から
P.26)です。まもなく、古希を迎えます。


ソニーも、もはや若い会社ではありません。



 人間と同じように企業も年を重ねる。日経ビジネスは

 1983年、企業の寿命は30年であると提言。

 2013年には、競争環境の変化で寿命は18年まで

 短縮していると訴えた。ソニー本体の社員平均年齢は

 既に42歳を超え、会社設立から69年も経過している。
 

  (P.046)



ソニーの今後の戦い方について、早稲田大学ビジネス
スクール准教授の入山章栄氏は次のように指摘して
います。



 「人間も企業も、いつまでも少年のままの戦い方で

 勝ち続けられるわけはない。ある時点から、大人の

 戦い方に変えていく必要がある」。
 

  (P.046)



次のような指摘をする人もいます。



 経営共創基盤のCEOである冨山和彦氏も、

 「ソニーはもうすぐ古希。値崩れが激しく一気に

 シェアが変動するハイリスクハイリターンの事業

 からは距離を置き、長年の技術とノウハウの蓄積

 で差別化できる事業に軸足を移す必要があった」

 と指摘する。
 

  (P.046)



ソニーの方向転換に対して、『日経ビジネス』は
間違っていないと述べています。



 賛否両論はあろうが、年齢に応じた戦い方に

 切り替えて企業の寿命を延ばすという観点に

 立てば、ここまでの選択は間違っていない。
 

  (P.047)



「問題はむしろ、ここから先にある」(P.047)、
と『日経ビジネス』は指摘しています。



 当面は「映画」「音楽」「ゲーム・ネットサービス」

 「デバイス」の4分野で安定した収益を得る。

 だが体制が整えば、再び「人々を感動させ、

 わくわくさせる感性価値の高いエレキ製品」を

 開発し、井深、盛田の遺志を引き継ぐ。

 ずっと「普通の会社」のままでいるつもりはない──。

 これがソニーが中長期的に描く理想だ。

 だが、そんなことが可能なのだろうか。

 少なくとも世界を見渡しても、大企業にそうした

 芸当を成し遂げた例はない。欧米の大手企業は

 自身の成長と市場の変化に合わせて、事業や

 戦略を完全に切り替えている。
 

  (P.047)



今後のソニーには2つの選択肢があります。
「普通の会社で生き続けること」と「創業時のソニー
に戻ること」です。


どちらも容易ではない、というのが『日経ビジネス』
の結論です。



 仮に平井改革が成功し、普通の会社になった後、

 ソニーが進む道は2つある。一つは、そのまま普通

 の会社として生き続けること。もう一つは、再び往年

 の革新力を回復し、創業時の「あの頃のソニー」に

 戻ることだ。

 OBも現役社員も、平井氏も後者の未来を望んでいる。

 だが、「体と年齢が大人なのに心は少年のままで

 い続けることは、人も企業も難しい」と冨山氏は話す。

 平井改革の行きつく先には、誰も越えたことがない

 壁が待ち受ける。
 

  (P.047)






腕相撲に興じる、ソニー創業者の井深大氏(右)と、
盛田昭夫氏(左)。1961年当時の写真

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.047)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号






特集記事のタイトルになっている
「ソニーが変われぬ10の理由」
をもう一度ご覧ください。



ソニーが変われぬ<br />10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.034)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




ソニーも創業時はベンチャーだったのです。
この事実をもう一度、思い出してみることが不可欠です。



最後に、ソニー広報部が著した、

『ソニー自叙伝』
(ソニー広報部 ワック 2001年7月5日 初版発行)


盛田昭夫さんが著した、

『21世紀へ』
(盛田昭夫 ワック 2000年11月21日 初版発行)


立石泰則さんが著した、

『井深大とソニースピリッツ』
(立石泰則 日本経済新聞社 1998年3月25日 第1刷)

から引用します。






 「大きな会社と同じことをやったのでは、われわれは

 かなわない。しかし、技術の隙間はいくらでもある。

 われわれは大会社ではできないことをやり、技術の

 力で祖国復興に役立とう」

 資本金はわずか19万円。機械設備とてない。だが、

 お金や器械はなくても、自分たちには頭脳と技術が

 ある。これを使えば何でもできる。だがせっかくの頭脳

 も技術も、人の真似や他社の追従に使っていては道

 は開けない。何とかして人のやらないことをやろう。

 このときすでに、東京通信工業の進むべき道は決まっ

 ていたのである。
 

  (『ソニー自叙伝』 PP.26-27)





 私は常に、ショートサイトで判断し今年だけ儲かれば

 よい、というような商売はしない。誰からも評価される

 正当な経営を続け、信用を高めることが、ソニーの

 最大の社会的責任であり、またソニーの経営の根本

 原則であると確信している。
 

  (『21世紀へ』 P.137)





 私共の電子工業では常に新しいことを、どう製品に

 結び付けていくかということが、一つの大きな仕事

 であり、常に変化していくものを追いかけていくと

 いうのは、当たり前である。決まった仕事を、決まっ

 たようにやるということは、時代遅れと考えなくては

 ならない。ゼロから出発して、産業と成りうるものが、

 いくらでも転がっているのだ。これはつまり商品化に

 対するモルモット精神を上手に生かしていけば、

 いくらでも新しい仕事ができてくるということだ。
 

  (『井深大とソニースピリッツ』 P.11)





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 



ソニーの動向に今後も注目し続けます。






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ソニーが変われぬ 10の理由 2015.04.20 <2>


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日経ビジネスの特集記事(104)

ソニーが変われぬ 10の理由
2015.04.20



今週の特集記事のテーマは

戦後間もなく発足し、日本経済をリードしてきたソニーが
苦しみ続けている。
バブル崩壊後に陥った負のスパイラルから抜け出せず、
世界で圧倒的なブランド力を築いてきた面影はもはやない。
ソニーはどうすべきだったのか。そしてこれから何を
すべきなのか。

 (『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.026)

ということです。




ソニーが変われぬ 10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今週の特集記事をご紹介する前に、
ソニーとともに、戦後生まれの日本を代表する企業、
ホンダについて少し触れます。


ソニー病を患っているのではないかという趣旨の特集
が、今年3月に『日経ビジネス』に掲載されました。


詳細は、

日経ビジネスの特集記事(99)
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(1)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(2)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(3)


に譲りますが、ホンダとソニーを語るうえで重要な
ポイントが2つの特集記事に書かれています。


ホンダとソニーの記事を読んだ限り、ソニーの問題
の方が深刻さが増幅していると感じました。





第1回は、
「Prologue 業績の回復の兆しも・・・
 元CFOの反乱が映す『遠き復活』」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 OB60人が語る『20年の迷走』
 だから私はソニーを見限った」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは『普通の会社』になる」
「Epilogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー」
をご紹介します。


今週の特集で、PART 2に平井一夫社長兼CEOが
編集長インタビューに登場していますので、
詳細は

日経ビジネスのインタビュー(168) 
技術軽視していない 成果は出始めている


をご覧ください。




今特集のキーワードは次の5つです。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 




では、本題に入りましょう!


 PART 1 OB60人が語る『20年の迷走』
 だから私はソニーを見限った 



Prologue で、現経営陣にかなり厳しい提案書がソニーOB
(経営の中枢にあった人たち)によって突きつけられていた
ことをお伝えしました。


PART 1は、さらに辛辣な批判が経営陣に向けられている
現状をご紹介します。


『日経ビジネス』特殊班は、今回の特集を企画するにあたって、
次のように書いています。



 本誌は、今回のソニー特集を企画するに当たり、

 過去20年間に及ぶ同社の実情をより深く探るため、

 本体の取材に並行しOB60人と接触。延べ120時間に

 及ぶインタビューを敢行した。
 

  (P.033)



『日経ビジネス』の方針として、憶測記事は書かない、
事実を丹念に追い、記事を書く姿勢を貫いたということ
になります。この点が、他の経済誌と一線を画す点だ、
と私は考えています。


これからご紹介するソニーOBの方々は、現経営陣に
辛辣な批判を浴びせていますが、それは取りも直さず、
ソニーを去っても、やはりソニーが好きだからだと思い
ます。ソニーを愛する気持ちは不変です。


それだけに、現状があまりに不甲斐ないと感じているの
でしょう。


まず、人事制度の改革から話を進めていきます。
多数のソニー社員にとって不満が爆発しそうな新人事
制度です。



 10年ぶりに改定される新たな人事制度の下では、

 管理職から一般社員まで給料を査定する上での

 年功要素を完全に排除。「社員が現在果たして

 いる役割」だけを厳密に評価する仕組みになる。

 本誌が独自に入手した社内資料によると、社員の

 およそ6割以上が減収の可能性があり、徐々に

 ではあるが最終的に月収で最大13万円、年収に

 して同150万~160万円減るケースもある。
 

  (P.030)


一言で言えば、「短期間で成果を出せ」と言うことです。
さらに言えば、人件費を削減するため、割増退職金を
払ってまで早期退職者を募っています。


さすがに減ってきたとは言え、相変わらず割増退職金
が多いことに驚きました。通常ではありえないことです。
そうでもしないと人員を減らせないと考えているから
です。



 約20年前から始まった構造改革による早期退職は、

 業界内でも「大量の人材を一気に減らしたい意図が

 丸見え」と揶揄されるほど、辞める者に破格の好条件

 を提示したものだった。一時は、通常の退職金に積み

 増される割増金は72カ月。50歳超の課長クラスで

 退職金は8000万円に達し、地方工場勤務者などの間

 でも“退職長者”が出現した。その後、割増金は徐々に

 下がったものの、まだ36カ月分が支給される。
 

  (P.031)



問題は、早期退職者を募ることによって、多くの人材
を失ったことです。


よくある話ですが、会社に残ってほしい人たちが退職し、
辞めてほしい人たちが残るというケースがあります。
ソニーがそうしたケースに当てはまらなけれよいのですが・・・。



3月31日で退職したA氏によると、構造改革は2014年度
が最後という可能性が高いと考え、退職したと話して
います。



 「平井さんは事あるごとに2014年度で構造改革を

 完了させると発言している。ならば、早期退職制度は

 今回で最後で、中高年は今後、新人事制度にいじめ

 られ自発的に辞めていく形になる。すぐ辞めて数千万

 円の割増金をもらった方が得だと子供でも分かる」

 (A氏)
 

  (P.031)



このような状況下で、「新人事制度は現役社員のモチ
ベーションにも暗い影を落としている」(P.031)そうです。


前回の Prologue に登場した元副社長の大曽根幸三氏
は2015~17年度の新中期経営計画について、次のように
語っています。



 例えば、2月に発表した2015~17年度の新中期

 経営計画。元副社長の大曽根氏は「今後、ソニー

 が何を生み出そうとしているのか分からない。

 投資家を喜ばすだけで、社員を鼓舞できない」と

 強調する。

 中でも、エレキ分野を事業ごとに分社する計画に

 ついては、「『経営の意思決定の迅速化』と会社は

 説明したが、事業を売却する意思決定を速めること

 としか思えない。いずれ事業ごと売却されるかも

 しれないのに、社員が意欲的に働く気になれるわけ

 がない」。
 

  (P.032)




ソニーの元副社長、大曽根幸三氏

ソニーの元副社長、大曽根幸三氏

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.030)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




ソニー出身の立命館大学教授、濱田初美氏は
次のように批判しています。



 「とにかく平井さんの言葉が軽すぎるため真意が

 分かりにくく、社内外や市場、マスコミからソニーの

 経営体制が疑問視されてしまう。これでは求心力も

 リーダーシップも生まれない」。ソニー出身の立命館

 大学教授、濱田初美氏はこう批判する。

 ソニー在籍時は経営戦略などを主に担当し、CEOの

 参謀機能も持っていた「ソニー中村研究所」の取締役

 を務めていた人物だ。

 「スラスラと饒舌に語るのではなく、経営者は自分の

 言葉で語れることが重要だと平井さんは理解していない。

 だから分社の話も、事業や社員を切り売りする準備で

 あるかのように伝わってしまった」と指摘する。
 

  (P.032)



立命館大学経営大学院教授の濱田初美氏

立命館大学経営大学院教授の濱田初美氏

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.031)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




なぜ、多くのOBがこうも批判的な意見を述べるので
しょうか? 決して、個人的な不満や怒りからだけ
とは思えません。


『日経ビジネス』は次のように指摘しています。



 多くの人が「余計なことばかりして、ソニーが立ち

 直るために本当に必要なことをやろうとしない」と

 感じているからだ。
 

  (PP.032-033)



では、どうしたらよいのでしょうか?
既出の濱田氏は次のような提言をしています。



 「時代の波を先読みし、新しい商品やサービスを

 世に送り出す力こそがソニーのすべて。そのパワー

 を取り戻すしか道はない」。立命館大の濱田氏は

 こう提言する。にもかかわらず、「1990年代以降の

 歴代経営陣は、その課題を先送りしてきた」(同)。
 

  (P.033)



1990年代以降の歴代経営陣とは誰で、どのような
経営をしてきたのか知りたいですね。


『日経ビジネス』特集班は直近のソニーの20年を
表にして示してくれました。



迷走とリストラが続いたソニーの20年(1)

迷走とリストラが続いたソニーの20年(1)

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.032)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号



迷走とリストラが続いたソニーの20年(2)

迷走とリストラが続いたソニーの20年(2)

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.033)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




2つの表で注目していただきたい点は、2つです。
1つは最終損益(白い折れ線グラフ)の推移です。
2012年度を除き、2008年度以降最終損益は赤字
続きで、2015年3月期(2014年度)も1700億円の
赤字の見通しです。


もう1つは削減者数(黄色地に黒文字)です。
過去6回大規模なリストラが行われましたが、
2013年度の5000人を除き、残り5回は1万人以上
でした。合計でおよそ7万8000人です。


早期退職者を含め、リストラされた社員全員が、
果たして余剰人員であったかどうかは一概には
言えません。ですが、私は決して全員が全員、
余剰人員というわけではなかった、と思っています。



もう一人、土井利忠氏の意見も聞いてみましょう。



 土井利忠氏。64年に入社し、AIBOやキュリオなど

 ソニーのロボット開発を率いたエンジニアで、

 上席常務を務めた経験を持つ。

 土井氏は、崩壊の始まりは、創業者の井深大氏や

 盛田昭夫氏が他界した約20年前だったと指摘する。

 具体的な転換点は、95年に出井伸之氏がソニーの

 社長に就任したこと。
 

  (PP.033-034)



出井伸之氏にすべての責任があるとは言えません。
なぜなら、関係者の証言から故・大賀典雄元社長の
負の遺産を引き継いだ経緯があるからです。



 「89年に映画会社を買収し、経営を現地任せにした

 ことで負債は一気に膨らみ、毎月の利息の支払いが

 100億円を超えた時期もあった。


 大賀(故・大賀典雄元社長)さんの負の遺産でもあった」

 と元経営企画部門担当者は話す。
 

  (P.034)



ただ、その反動があったのも事実です。
「『ソニーらしさを失った、他社と同じような商品』が
店頭に並び始めたのも事実で、業績は徐々に下降」
(P.034)したのです。



以前のソニーには、“奇人・変人”がいた、
と『日経ビジネス』は指摘しています。
ここでいう“奇人・変人”はプロフェッショナルであり、
超個性派とも言うべき存在です。一目置かれていた
のです。良い意味での「オタク」です。



では、現在の社員はどのような人たちなのでしょうか?



 残ったのは、奇人・変人とは対極に位置するスマートな

 社員だ。大曽根氏は、「現在のソニーの主流を占める、

 一流大学を成績優秀で卒業してきた人たちは失敗を

 恐れるから、製品として目新しいものが出てこない」と

 嘆く。
 

  (P.034)



簡単に正解が見つからないことは、「次の社長を誰に
すれば再生できるのか、どうすれば抜け出せるのか、
実は誰にも代替案がない」(ソニー・ミュージックエン
ターテインメント社長やソニー・コンピュータエンターテイ
ンメント会長を務めた丸山茂雄氏)(P.035)からです。



丸山氏は続けてこう語っています。



 「“斬新で高級なおもちゃ”を世に送り出すという

 創業時からのソニーの使命は、20年前の大賀さん

 の引退で、もう終わっていたんだよ」
 

  (P.034)



ダメ押しされたようなものです。




特集記事のタイトルになっている
「ソニーが変われぬ10の理由」
をここで披露しましょう。



ソニーが変われぬ<br />10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.034)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




10の理由すべてを一度に治すことができる「特効薬」は、
見当たりません。なぜなら、一つひとつが相互に絡み
合っているため、バラバラにして個別に解決できるほど
簡単な課題ではないからです。



『日経ビジネス』特集班が「今回のソニー特集を企画するに
当たり、過去20年間に及ぶ同社の実情をより深く探るため、
本体の取材に並行しOB60人と接触。延べ120時間に及ぶ
インタビューを敢行した」(P.033)後に、まとめた意見が次の
ものです。「ソニーOB60人が語るダメな理由」の一部をご紹介
しましょう。




ソニーOB60人が語るダメな理由

ソニーOB60人が語るダメな理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.035)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号





私の個人的な感想ですが、「成功の復讐」と「チャレンジ
精神の喪失」が大きな要因だ、と考えています。
一般的な言葉で言えば、「大企業病」ですが、ソニーだけ
の特質があるので「ソニー病」と言われるのでしょう。



ここに書かれている事柄にコメントするよりも、ソニー創業者
の言葉をご紹介したほうが良いと考えました。


盛田昭夫さんが著した、

『21世紀へ』
(盛田昭夫 ワック 2000年11月21日 初版発行)

という本があります。


私は、この本の中から名言をご紹介するために、
「言葉の迷宮」
というタイトルのブログで書きました。


この本の「第3章 マーケットの創造」の中に、
「ソニー・スピリット」という項目があります。
少々長いですが引用します。



 ソニーが目指しているものは、生産技術陣意図し

 企画した精神を、流通機構の末端にまでしみ通ら

 せるルートづくりである。いいかえるなら、ソニー・

 スピリットの理解者、同調者による販売機構を

 つくることである。そうすることによって、初めて

 ソニーが持つ、未来へのビジョンを実現することが

 できるはずである。しからば、ソニーが持っている

 ビジョンとはいったい何であろうか。

 それは、まさにソニーの今日までの歴史が描いて

 きた、「誰もやらないものを、ソニーにたずさわる

 すべての人間が協力の旗印のもとに、全世界に

 向かって生産し、販売することにより、人類の文化

 の向上に、日本の繁栄の一助に、役立てること」

 である。


 世界市場に対しても、日本市場に対しても、われ

 われソニーマンは、ソニーのビジョンを永遠に担い

 続けるべく、われわれの道を、われわれの手で切り

 拓いてゆくのである。
 

  (前掲書 PP.120-121)



盛田さんのソニー・スピリットに対する熱い気持ちが
伝わってきますね!



このソニー・スピリットの復活こそが、今のソニーに
とって非常に大切なものである、と固く信じています。






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 




最終回は、
「PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは『普通の会社』になる」
「Epillogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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ソニーが 変われぬ 10の理由 2015.04.20 <1>


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日経ビジネスの特集記事(104)

ソニーが変われぬ 10の理由
2015.04.20



今週の特集記事のテーマは

戦後間もなく発足し、日本経済をリードしてきたソニーが
苦しみ続けている。
バブル崩壊後に陥った負のスパイラルから抜け出せず、
世界で圧倒的なブランド力を築いてきた面影はもはやない。
ソニーはどうすべきだったのか。そしてこれから何を
すべきなのか。

 (『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.026)

ということです。




ソニーが変われぬ 10の理由

ソニーが変われぬ 10の理由

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号




今週の特集記事をご紹介する前に、
ソニーとともに、戦後生まれの日本を代表する企業、
ホンダについて少し触れます。


ソニー病を患っているのではないかという趣旨の特集
が、今年3月に『日経ビジネス』に掲載されました。


詳細は、

日経ビジネスの特集記事(99)
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(1)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(2)


日経ビジネスの特集記事(99) 
こんなホンダは要らない 抜け出せ「ミニトヨタ」(3)


に譲りますが、ホンダとソニーを語るうえで重要な
ポイントが2つの特集記事に書かれています。


ホンダとソニーの記事を読んだ限り、ソニーの問題
の方が深刻さが増幅していると感じました。





第1回は、
「Prologue 業績の回復の兆しも・・・
 元CFOの反乱が映す『遠き復活』」
を取り上げます。


第2回は、
「PART 1 OB60人が語る『20年の迷走』
 だから私はソニーを見限った」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 3 悪循環を断つ唯一の方法
 まずは『普通の会社』になる」
「Epilogue 平井改革の行き着く先
 大人になったアップル 少年のまま抗[あがら]うソニー」
をご紹介します。


今週の特集で、PART 2に平井一夫社長兼CEOが
編集長インタビューに登場していますので、
詳細は

日経ビジネスのインタビュー(168) 
技術軽視していない 成果は出始めている


をご覧ください。




今特集のキーワードは次の5つです。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 




では、本題に入りましょう!


 Prologue 業績の回復の兆しも・・・
 元CFOの反乱が映す「遠き復活」 



驚きました。
元ソニーの経営幹部の一人が、ソニーの現経営陣に
厳しい提言書を送っていたのです。



 2015年1月19日。東京・品川のソニー本社に、1通の分厚い

 封書が届けられた。A4用紙で50枚分にもなる封書の宛名は

 ソニーの取締役など「ソニー経営陣」。

 送り主は、ソニーの初代CFO(最高財務責任者)やソニー銀行

 会長まで務めた大物OB、伊庭保氏だ。


 提言書は、取締役会改革を中心としたエレクトロニクス事業の

 再生案などで構成される。


 「技術軽視の経営こそが約20年もの間、斬新なヒット商品や

 サービスを全く出せなくなった最大の原因」というのが主張の

 骨子だ。

 「ソニーの経営者は技術の先読みができなくてはならない。

 最低限、技術系の生え抜き取締役を複数選任し、技術トレンド

 を見通せる経営陣にしてもらわないと、エレキ事業の再生は

 ない」。

 伊庭氏は、業績低迷が続く古巣へのいら立ちを抑えるかのように、

 こう吐露した。明言は避けたものの、現在の経営者はソニーに

 ふさわしくない、との本音が透ける。
 

  (P.028)


ここでいう「エレキ」とはエレクトロニクスを指しています。


こうした提言書はこれが初めてではありませんでした。



 伊庭氏は既に2014年11月、ソニーの取締役会議長の永山治氏、

 社長兼CEO(最高経営責任者)の平井一夫氏、現副社長兼CFO

 の吉田憲一郎氏に宛て、ほぼ同じ内容の提言書を届けている。

 提言書は事前にデータで送付し、11月中旬に本社へ行き、広報

 担当役員に改めて手渡したという。
 

  (P.028)



伊庭氏は、「世界のソニー」の復活を熱望しているのです。
そして、「世界のソニー」を復活させるためには、経営陣が技術畑
出身であることが必要不可欠である、と提言したのです。



ソニー元CFO、伊庭 保 氏

ソニー元CFO、伊庭 保 氏

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.028)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号

* CFO: 最高財務責任者 Chief Financilal Officer





ソニーの平井一夫・社長兼CEO(左)、
吉田憲一郎・副社長兼CFO(中)、
永山治・取締役会議長(右)

(『日経ビジネス』 2015.04.20 号 P.029)
日経ビジネスDigital 2015.04.20 号





問題は、こうした提言を行なったのは伊庭氏だけではなかった
ことです。


 「技術が分かる人材を経営陣にもっと増やし、取締役会にも

 入れろと6年前に提言したのに、全く実行されていない」。

 井深大氏や盛田昭夫氏の薫陶を直接受けたウォークマン

 開発の立役者で、ソニー副社長を経験した大曽根幸三氏も、

 長期にわたって続く技術軽視の経営体制に堪忍袋の緒が

 切れつつあるOBの一人だ。

 大曽根氏もまた2009年、ソニー経営陣を批判するいわくつき

 の文書を配布した過去を持つ。当時のハワード・ストリンガー

 会長兼CEOが、社長だった中鉢良治氏を更迭し、社長を兼務

 したことを問題視したのだ。
 

  (P.028)



「ソニー経営陣を批判するいわくつきの文書を配布」と書いて
ありますが、「当時のソニー広報があらゆる手を尽くして、同文書
の内容がマスコミに流出するのを阻止した、とされる」ということ
から、文書の内容がいかに厳しいものであったかを物語って
います。



 ソニーのエレクトロニクス技術を理解しないストリンガー氏が

 社長を兼務することに警鐘を鳴らし、技術系の人材を腹心に

 就けよと提言した内容。当時のソニー広報があらゆる手を

 尽くして、同文書の内容がマスコミに流出するのを阻止した、

 とされる。
 

  (P.029)



伊庭氏と大曽根氏はソニーOBであるばかりか、ソニーの株主
でもあります。株主総会が近づくにつれ、現経営陣は針のむしろ
に座られた気分を味わうことになるのでしょうか?



 伊庭氏や大曽根氏に限らず、ソニーで役員を経験した

 大物OBの多くは現在、ソニーの株主でもある。6月下旬の

 株主総会を前に、伊庭氏や大曽根氏の動きがどこまで

 広がるかは未知数だが、ソニーOBの間で情報交換が

 活発化しているのは紛れもない事実だ。
 

  (P.029)



ここで、ソニーの原点とはどのようなものであったのか、
振り返ってみましょう。


なぜなら、編集長インタビューで平井社長は、
「今後、創業者である井深大さん、盛田昭夫さんがどうして
この会社を作ったのかを自分なりに解釈し、夢を実現して
いきます」
と語っているからです。


ノンフィクション作家の立石泰則さんが著した、

『井深大とソニースピリッツ』
(立石泰則 日本経済新聞社 1998年3月25日 第1刷)

という本があります。


この本の中からソニーの原点とも言える内容の箇所を
引用してみます。


元ソニー社長、出井伸之さん、同じく元ソニー社長、
大賀典雄さん、そしてソニー(東京通信工業)出身で
ノーベル物理学賞受賞の江崎玲於奈さんの言葉です。


 元ソニー社長、出井伸之さん 


 ルールを作る人とルールフォロアー。ルールを

 ブレイクするということ。このバランスがよくとれて

 いる組織というのが、井深さんの時代からソニー

 が続けてきたものです。


 ソニーがやらなければならないのは、自分で自分

 自身のルールをブレイクしていくことなのです。

 それが企業が伸びていくポイントではないでしょうか。
 

  (前掲書 P.228)




 井深さんが示してくれたチャレンジ精神、一時の成功

 にとらわれないで絶えず前進しようとする姿勢、

 そして夢を追い続けるスピリッツをソニーグループ全体

 に浸透させなければ、「新しいソニー」もないように

 思います。

 井深さんは本当に「ドリーム・キッズ」でした。
 

  (同 P.243)


ソニースピリッツについては次のように書かれています。

「『人真似はしない。人のならないことをやる』という
井深の精神=ソニースピリッツこそがソニーの基本理念」

(同 P.242)




 元ソニー社長、大賀典雄さん 


 ソニーの社長は技術がわかる人じゃなきゃ駄目なんです。

 これが絶対条件です。それと同時に、ソニーは世界最大の

 レコード会社とふたつの映画会社を持っていますから、

 そういうソフトに対する理解がなければ、これまたソニーの

 社長になれないわけです。
 

  (同 P.231)




 ソニー(東京通信工業)出身でノーベル物理学賞
受賞の江崎玲於奈さん 



 私が何よりも井深さんに共鳴したところは指針を何処に

 求めるかと言うことです。多くの人達は過去を訪ねて

 そこに今後の指針を求めようとします。 "visit the past

 to find a guide "です。温故知新、言わば、将来は現在

 の延長線上にあると見るのです。ところが井深さん、

 あなたは将来を訪ねてそこに指針を見出そうと努力

 されました。過去のしがらみに捉われずにものを考え

 られました。 "visit the future to find guide"(原文のママ)

 です。言うまでもなく、過去はちゃんとドキュメントされて

 いますが、未来は未知です。しかし未知を探求する処に

 こそチャレンジがあるのです。勿論、井深さんあなたは

 論理的というよりもまれに見る鋭い直感でこのチャレンジ

 に応じられました。そこには、リスクがあり、 "creative

 failure :創造的失敗" は付き物です。しかし、あなたは

 それを乗り越える勇気と英知を備えておられたことに

 深く敬意を表したいと思うのです。
 

  (同 P.257)




いかがでしたでしょうか?
ソニースピリッツ、創業の精神というものがおぼろげながら
理解できるのではないでしょうか。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 反乱 
 迷走 
 普通の会社 
 自前主義の返上 
 ソニースピリッツ 




次回は、
「PART 1 OB60人が語る『20年の迷走』
 だから私はソニーを見限った」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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