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日野原・稲盛 魂の提言 日本の医療を救え 2015.06.01 <3>







日経ビジネスの特集記事(109)

日野原・稲盛 魂の提言
日本の医療を救え
2015.06.01




テーマ

今週の特集記事のテーマは

「日本を、長寿を悲しむ国にしてはいけない」
103歳の現役医師、聖路加国際病院名誉院長の
日野原重明は言う。
「長寿世界一」は日本の誇りである。
だが、老人の医療費負担が現役世代に重くのしかかる。
2000年に約30兆円だった国民医療費は2025年に
50兆円を突破。
支え手の負担が限界を超えれば、社会は長寿を
寿げなくなる。
コスト構造をゼロから見直し日本航空(JAL)を再生した
京セラ名誉会長の稲盛和夫は言う。
「医療に従事するすべての人が経営マインドを持てば、
できることはまだまだある」
医療という「命のインフラ」をどう守るか。

 (『日経ビジネス』 2015.06.01 号 P.022)

ということです。



医療問題と高齢化は切っても切れない関係にあります。
日本は「少子高齢化」の先頭を切っています。
生産年齢人口(15~64歳)が減少傾向にあり、
高齢者を支える人たちの負担が重くのしかかってきて
います。


日本がこの問題をどう解決するのか、世界は注目して
います。先進国においては、いずれは日本と同じ道を
たどることが確実視されているからです。




日野原・稲盛 魂の提言<br />日本の医療を救え

日野原・稲盛 魂の提言
日本の医療を救え

(『日経ビジネス』 2015.06.01 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 PP.022-023)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01







第1回は、
「PART1 魂の提言
 日野原重明×稲盛和夫」
「PART2 夢の団地と必然の孤独死」
を取り上げました。


第2回は、
「PART3 算術が仁術を超えた日」
を取り上げました。


最終回は、
「PART4 初公開
 病院経営力ランキング」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 医療の質 
 利益の還元 
 仁術に限界 
 病院経営力 
 選択と集中 




では、本題に入りましょう!
最終回は「初公開 病院経営力ランキング」です。
100位までが掲載されていますが、
この内の上位15病院をご紹介します。


さらに、自治体別ランキングの上位3病院を掲載
します。自治体の規模、病院数に大きな差が
あるためです。


しかも、自治体によって3病院までしか『日経ビジネス』
に取り上げられていない6県(秋田、石川、山梨、
和歌山、鳥取、徳島)があることも、その理由です。


お断りしておきますが、このランキングはあくまで
「経営力」を基準にしたランキングです。


儲かっている病院であるかないかを比較したもの
です。


したがって、名医がいるとか、最先端治療のための
医療機器が設置されているなどを基準に病院を
格付けしたものではありません。


『日経ビジネス』の評価基準を、先にお知らせして
おきましょう。




 根拠としたのは、厚生労働省が2003年度から

 導入したDPC制度だ。従来の保険制度は、

 病院が医療行為を提供するほど儲かる出来高

 払い制だったが、診断群分類(DPC)ごとの

 定額払い制を徐々に広げてきた。

 今やDPC導入病院は1580(2015年4月時点)。


 ランキングの対象はDPC準備病院やDPC調査

 参加病院を含む全国1798病院。

 集客力(退院患者数、退院患者数シェア、

 退院患者数増加率)、効率性(患者構成指標、

 在院日数指標、病床稼働率、機能評価係数Ⅱ)、

 提供体制(医師数、看護師数、専門医割合、

 臨床研修人気度)、収益力(DPC入院総収入額、

 1日当たり単価、1床当たり収入、1患者当たり

 収入)という指標ごとに偏差値を算出。

 それらを加重平均して総合得点で比べた。

 医師数、看護師数、専門医割合は都道府県が

 公表する医療機能情報を使用した。

 指標分析は、全国の急性期病院の診療実績を

 ウェブで公表している「病院情報局」(運営:ケア

 レビュー)が協力した。
 

  (P.035)





 PART4 初公開
 病院経営力ランキング 




初公開 病院経営力ランキング



まず、上位15病院をご紹介します。

表1

病院経営力ランキング 上位15病院

病院経営力ランキング 上位15病院

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 P.034)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01




表1を見て、気づくことは九州にある病院が15病院中、
4病院と最も多く、しかも10位内に3病院がランクイン
しています。さらに1~2位は熊本県内にある病院です。


これには理由があります。
後ほどお伝えします。




次に、自治体別ランキングを掲載します。
上位3病院を取り上げます。
先に述べましたが、3病院までしか取り上げられていない
県があるからです。


全国47都道府県すべてを取り上げます。
あなたのお住まいの近くにある病院が、3位までにランク
インしているかお確かめください。


表2

自治体 順位    略称         総病床数 総合得点

北海道  20 小笠原クリニック札幌病院   80     60.97
       21 札幌北楡病院          231     60.93
       28 札幌白石記念病院        103   60.20

青森県  49 八戸市立市民病院       608    59.37
     121 青森県立中央病院       695    56.99
      293 弘前大学医学部附属病院   644    54.94

岩手県  39 岩手県立中部病院       434    59.75
       59 岩手県立中央病院       685    59.02
     120 岩手県立胆沢病院       346    57.04

宮城県  4 石巻赤十字病院         452   62.35
      16 大崎市民病院           456    61.21
     114 仙台厚生病院          409   57.21

秋田県 397 秋田赤十字病院         486    53.66
     485 秋田厚生医療センター      479    52.86
     563 大曲厚生医療センター      437   52.15

山形県  57 日本海総合病院         646    59.06
     223 山形県立中央病院        645   55.64
     402 公立置賜総合病院        520   53.60

福島県 311 福島県立医科大学
        会津医療センター附属病院    226     54.67
     319 総合南東北病院          461    54.59
     332 福島県立医科大学附属病院   778    54.40

茨城県  82 聖麗メモリアル病院         72    58.10
     149 総合病院土浦協同病院      900    56.44
     189 日立総合病院            543   55.96

栃木県  40 自治医科大学附属病院      1132   59.74
     104 栃木県済生会
         済生会宇都宮病院          644   57.57
     107 足利赤十字病院           555   57.48

群馬県  41 沼田脳神経外科循環器科病院   84     59.71
      66 太田記念病院              400   58.69
      74 伊勢崎市民病院            504   58.50

埼玉県  23 埼玉医科大学国際医療
         センター                 700    60.62
      60 自治医科大学附属さいたま
        医療センター               608   58.96
     111 埼玉医科大学 総合医療
        センター                  991   57.40

千葉県  10 船橋整形外科病院          70   61.73
      19 東京ベイ・浦安市川
        医療センター              344   61.04
      36 総合病院 国保旭中央病院     989   59.91

東京都  5 東京都立多摩総合医療
        センター                  789    62.03
      8 イムス葛飾ハートセンター       50    61.82
      18 武蔵野赤十字病院           611    61.07

神奈川県 11 湘南鎌倉総合病院           574    61.72
       14 済生会 横浜市東部病院      560    61.28
       26 東海大学医学部付属病院      804    60.33

新潟県   91 新潟市民病院            660    57.82
      156 新潟県立新発田病院        478    56.36
      263 長岡赤十字病院           729    55.21

富山県   71 富山県立中央病院          733    58.59
      418 富山赤十字病院           435    53.50
      463 富山市立 富山市民病院      595    53.12

石川県  340 金沢脳神経外科病院        220    54.30
       361 石川県立中央病院          662    53.97
       489 国民健康保険 小松市民病院   344    52.82

福井県  333 福井県立病院             961    54.40
       428 福井県済生会病院          460    53.47
       490 福井大学医学部附属病院      600    52.81

山梨県  174 山梨県立中央病院          651    56.10
       441 笛吹中央病院             150    53.34
       530 山梨大学医学部附属病院      606    52.40

長野県   30 一之瀬脳神経外科病院        50    60.02
        51 長野赤十字病院            700    59.28
        58 長野県厚生連 佐久総合病院    801    59.05

岐阜県  115 岐阜県立多治見病院         575    57.15
      215 岐阜市民病院             609    55.71
      269 大垣市民病院             888    55.11

静岡県   22 中東遠総合医療センター       500   60.83
        53 静岡県立静岡がんセンター     589   59.20
        72 静岡県立総合病院          720   58.53

愛知県   15 愛知県厚生連 安城更生病院    735   61.25
        34 一宮市立市民病院          584   59.94
        35 豊橋市民病院             820   59.92

三重県   43 伊勢赤十字病院             655   59.70
      175 市立四日市病院             568   56.09
      344 三重県立総合医療センター      443   54.21

滋賀県  129 済生会滋賀県病院            393   56.89
       173 滋賀医科大学医学部附属病院    614   56.12
       217 近江八幡市立総合医療
          センター                  407   55.70

京都府   12 洛和会丸太町病院            150   61.65
        92 新京都南病院                102   57.82
       122 宇治徳洲会病院             400   56.97
 
大阪府    56 関西医科大学附属枚方病院      750  59.10
        78 国立循環器病研究センター       612  58.40
        93 医誠会病院                 327  57.75

兵庫県    3 神戸市立医療センター
           中央市民病院               700   62.88
       126 兵庫県立淡路医療センター       441  56.93
       142 兵庫県立尼崎病院            500   56.55

奈良県  105 天理よろづ相談所病院          815  57.52
      186 奈良県立医科大学附属病院       978  55.98 
      224 奈良県総合医療センター         430  55.64

和歌山県  37 和歌山県立医科大学附属病院      800   59.90
        55 日本赤十字社 和歌山医療
       センター                       873  59.12
       462 紀南病院                   356   53.14

鳥取県  188 鳥取県立中央病院              431  55.97
      266 鳥取大学医学部附属病院          697  55.17
      435 山陰労災病院                 383  53.40

島根県  196 島根大学医学部附属病院         600  55.89
      214 島根県立中央病院               679  55.73
      409 松江赤十字病院                645  53.57

岡山県   17 倉敷中央病院                1161  61.21
       80 岡山大学病院                  865  58.18
      134 岡山医療センター               609  56.73

広島県  110 呉医療センター                630   57.42
      132 広島市立広島市民病院           743   56.81
      139 福山医療センター               410   56.63

山口県  124 山口県済生会下関総合病院        373  56.96
      278 徳山中央病院                 519  55.05
      360 岩国医療センター               530  53.98

徳島県   9 徳島赤十字病院                405  61.79
       38 徳島県立中央病院               460  59.86
      452 徳島大学病院                 696  53.26

香川県 128 香川労災病院                  404  56.90
      238 三豊総合病院                 482  55.49
      296 香川県立中央病院              531  54.84

愛媛県 119 愛媛県立中央病院               827  57.04
     182 済生会松山病院                 170  56.03
     242 市立宇和島病院                 435  55.47

高知県  64 高知医療センター               649  58.80
     226 近森病院                    512  55.63
     383 高知赤十字病院                468  53.77

福岡県  13 福岡新水巻病院                212  61.60
      25 飯塚病院                   1116  60.36
      27 戸畑共立病院                  218  60.26

佐賀県  73 佐賀県医療センター好生館         450  58.52
     145 佐賀大学医学部附属病院          604  56.49
     355 新武雄病院                   135  54.04

長崎県  31 長崎大学病院                  862  59.97
     103 長崎医療センター                643  57.62
     201 佐世保市立総合病院              594  55.85

熊本県  1 済生会熊本病院                 400  65.46
      2 熊本医療センター                550  62.90
      7 熊本赤十字病院                 490  61.90

大分県 113 河野脳神経外科病院              40  57.29
     248 大分県立病院                  578  55.39
     283 帰巖会 みえ病院                70   55.01

宮崎県 148 宮崎大学医学部附属病院          632   56.46
     273 宮崎善仁会病院                106   55.07
     481 都城市郡医師会病院              172   52.88

鹿児島県 42 厚地脳神経外科病院             60   59.70
     187 徳田脳神経外科病院             70    55.97
     253 鹿児島逓信病院                50   55.32

沖縄県  6 沖縄県立中部病院               550   61.95
      29 中部徳洲会病院                 331   60.15
      50 敬愛会中頭病院                 336   59.32


注:2014年9月に厚生労働省が公表したDPCデータおよび
「医療機能情報」の公表データを基に作成

『日経ビジネス』2015.06.01 号 PP.036-039




 病院こそ「選択と集中」 

次に2つの病院をご紹介します。
総合ランキング1位と3位です。



1位 済生会熊本病院

熊本県には1位と2位があります。
驚異的なことです。


その明確な理由があります。
競争と、診療科のすみ分けが相乗効果を
生んでいます。


熊本の基幹病院が地域・診療機能をすみ分け、
全国のモデルとなっています。



 済生会熊本病院(熊本市南区、400床)は、

医療界では著名な病院だ。

1995年に移転したのを機に、診療科を絞り

込んで高度・専門医療と緊急性の高い

重症患者の救命・救急に対応できる特化型

の病院へと生まれ変わった。

1つの病院であらゆる医療ニーズに応える

「総合病院」をやめたことで、大繁盛の人気

病院へと変貌を遂げた。

 経営力を端的に示すのは入院患者の平均

在院日数の短さだ。

2014年度実績で9.9日と全国屈指の短さ。

一方、病床利用率は96.0%と、年間を通じて

ほぼ満室状態をキープしている。

現在の保険制度では入院日数が短いほど

診療報酬が高く設定されている。

つまり、済生会熊本病院では売り場(ベッド)に

優良顧客(単価の高い患者)が殺到している

状態を維持しているのだ。
 

  (P.040)



病院の病床の利用率は、ホテルの部屋の利用率
と同様なもの、と考えています。


ホテル業界でいう空室率は、病院の病床率に相当
すると考えられる理由は、1日使われなければ、
その分は永遠に戻ってこないからです。
後で補充することはできないのです。


その点で、「病床利用率は96.0%」というのは、
驚異的な数字だ、と思います。



図1をご覧になるとお分かりになると思いますが、
他の地域との大きな違いがあります。


熊本を代表する病院が集中しています。
しかも、各病院の強みに特化し、すみ分けが
できているのです。



 人口約70万人の熊本市は、全国でも有数の

 病院激戦区として知られる。

 市内中心部には同院を含め、6つの基幹病院

 があり、ほかにも大小様々な規模の病院が

 乱立する。

 そんな中、「何もかもやろうとしても勝算は立たない」

 (副島秀久院長)ことが、機能転換の発想につながった。

 特化型の病院に切り替えるため、

 「疾患・臓器別センター制」を導入した。


 実は、済生会熊本病院の機能転換が、地域の医療

 提供体制の地殻変動をもたらした。

 下図のように市内6つの基幹病院ごとに強みとする

 領域をすみ分け、地域全体で分業する体制を作り上げた。

 これは地域連携の成功例として、医療界では「熊本方式」

 と呼ばれている。

 すみ分けが成功しているため、今回のランキングで全国

 トップ10に熊本の病院が3つも入った。
 

  (P.040)



図1

熊本では6つの基幹病院が地域・診療機能をすみ分け<br />・熊本市内の基幹病院と“看板”診療科・得意とする診療分野

熊本では6つの基幹病院が地域・診療機能をすみ分け
・熊本市内の基幹病院と“看板”診療科・得意とする診療分野

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 P.040)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01






3位 神戸市立医療センター 中央市民病院


次にご紹介する病院は、建物の老朽化に伴い、
移転しただけでなく、旧病院と比べてベッド数を
約130床も減らしながら収益力を向上させて
います。




 自治体が運営する公立病院は経営に対する

 意識が低いのが「通説」だが、神戸市立医療

 センター中央市民病院(神戸市中央区、700床)

 は該当しない。

 同院は神戸市全域の基幹病院・救命救急センター

 として24時間365日の救急医療を提供するとともに、

 高度医療・急性期医療を重点的に担い、地域医療

 の中心的役割を果たしている。

 建物の老朽化に伴い、2011年7月にポートアイランド

 に移転。

 その際、市の方針で、旧病院と比べてベッド数を

 130床も減らした。


 ハード面では“稼ぎ頭”を伸ばす戦略を取った。

 全体で病床を減らしつつ、入院単価の高い救急専用

 病床と差額ベッド代が徴収できる有償個室は、

 旧病院よりも倍近くに増やした。

 また、手術数の増加は経営収入の安定化につながるため、

 手術室を12室から18室に増設。外来化学療法センターの

 病床も、16床から33床に増やした。
 

  (P.041)



同病院は、医療関係者を増やし、雇用問題にも一石を
投じています。




 病床回転率が徐々に高まり、手術数も増えていくと、

 現場はより忙しくなる。そこで、旧病院に比べて

 これまでに医師は50人、看護師は100人ほど増員した。

 公立病院の9割が赤字に苦しむ中、経営が健全ならば

 必要な人員を確保できることを示している。
 

  (P.041)




表3


ベッド数は減ったが“稼ぎ頭”を伸ばした

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 P.041)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01





病床を減らしても収益力を向上させるために、
「入院単価の高い救急専用病床と差額ベッド代が
 徴収できる有償個室は、旧病院よりも倍近くに
 増やした」(P.041)
ことは、投資におけるポートフォリオの組み換えに
相当することで、病院経営に「経営戦略」を取り
入れたことが奏功した、と言えます。



今後、病院経営は一層厳しくなってきます。
厚生労働省は医療費の削減をさらに進めるため、
DPC(診断群分類)を導入し、病院経営を「ガラス張り」
にしようとしています。


赤字を垂れ流している病院は潰すつもりでいます。



 「薬漬け」や「検査漬け」に代表されるように

 従来の病院は、医療を提供するほど儲かった。

 厚生労働省は2003年、診療内容を標準化して

 ムリ・ムダ・ムラをなくすDPC(診断群分類)ごと

 の包括支払い制度を導入した。


 DPCデータを使えば、「どんな患者に」「いつ」

 「何を行い」「どのような結果になったのか」が分かる。

 また各病院が同一のフォーマットでデータを提出

 しているため、簡単に病院が比べられる。

 一方、すべての患者のレセプト(診療報酬明細書)

 の情報を集めたナショナルデータベースの仕組み

 が完成したことから、今後はこれを用いて、診療行為

 や医療費についての評価・分析がさらに充実する見込みだ。

 つまりDPCデータとレセプトデータを組み合わせれば、

 医療の中身は“丸裸”となり、病院の経営実態もすべて

 ガラス張りとなる。そんな未来が間近に迫っているのだ。


 将来の医療需要を推計した上で、地域の医療提供の

 実態を踏まえながら、必要病床数を定める。

 データを基に病院・病床の大胆なリストラ策が断行される

 可能性もあり、医療ニーズに応えられない病院は早晩、

 淘汰されるかもしれない。
 

  (P.041)






ポイント

病院の収益力の差が、病院の優劣を決める






私見

昨日まで、平常通り診療が行われていた病院が、
消滅したらどうしますか?


これからは、そんな現実を目の当たりにすること
になるかもしれません。


その一方で、評判が評判を呼び、患者を集め、
収益力を向上させ、経験値を蓄積させるという、
好循環を生み出す病院もあります。


病院も普通の企業と何ら違ったことはありません。
利益を出し、キャッシュを生み出すことに注力
しなければ潰れるのです。


黒字倒産はありますが、赤字でもキャッシュが
潤沢にあれば潰れません。







今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 医療の質 
 利益の還元 
 仁術に限界 
 病院経営力 
 選択と集中 






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日野原・稲盛 魂の提言 日本の医療を救え 2015.06.01 <2>







日経ビジネスの特集記事(109)

日野原・稲盛 魂の提言
日本の医療を救え
2015.06.01




テーマ

今週の特集記事のテーマは

「日本を、長寿を悲しむ国にしてはいけない」
103歳の現役医師、聖路加国際病院名誉院長の
日野原重明は言う。
「長寿世界一」は日本の誇りである。
だが、老人の医療費負担が現役世代に重くのしかかる。
2000年に約30兆円だった国民医療費は2025年に
50兆円を突破。
支え手の負担が限界を超えれば、社会は長寿を
寿げなくなる。
コスト構造をゼロから見直し日本航空(JAL)を再生した
京セラ名誉会長の稲盛和夫は言う。
「医療に従事するすべての人が経営マインドを持てば、
できることはまだまだある」
医療という「命のインフラ」をどう守るか。

 (『日経ビジネス』 2015.06.01 号 P.022)

ということです。



医療問題と高齢化は切っても切れない関係にあります。
日本は「少子高齢化」の先頭を切っています。
生産年齢人口(15~64歳)が減少傾向にあり、
高齢者を支える人たちの負担が重くのしかかってきて
います。


日本がこの問題をどう解決するのか、世界は注目して
います。先進国においては、いずれは日本と同じ道を
たどることが確実視されているからです。




日野原・稲盛 魂の提言<br />日本の医療を救え

日野原・稲盛 魂の提言
日本の医療を救え

(『日経ビジネス』 2015.06.01 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 PP.022-023)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01







第1回は、
「PART1 魂の提言
 日野原重明×稲盛和夫」
「PART2 夢の団地と必然の孤独死」
を取り上げました。


第2回は、
「PART3 算術が仁術を超えた日」
を取り上げます。


最終回は、
「PART4 初公開
 病院経営力ランキング」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 医療の質 
 利益の還元 
 仁術に限界 
 病院経営力 
 選択と集中 




では、本題に入りましょう!


 PART3 算術が仁術を超えた日 

「医は仁術なり」と昔から言われてきました。
そのため、「医師はカネのために働いているのでは
ない」と多くの医療関係者は考えているそうです。



 医は仁術(いはじんじゅつ、「医は仁術なり」とも)とは、

 「医は、人命を救う博愛の道である」(広辞苑)ことを

 意味する格言。

 特に江戸時代に盛んに用いられたが、その思想的

 基盤は平安時代まで遡ることができ、また西洋近代

 医学を取り入れた後も、長く日本の医療倫理の中心的

 標語として用いられてきた。
 

  (医は仁術 Wikipedia から)


その一方で、病院が倒産したら入院患者だけでなく、
外来患者はどうするのだ、という問題があります。


下図をご覧ください。
医療関係者はこれだけいます。
患者に直接顔を合わせる人たちばかりではありません。
病院も「法人」ですから、利益を無視した経営を続けて
いれば、いずれ破綻します。



現代の医療を取り巻く人々

現代の医療を取り巻く人々

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 PP.030-031)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01






 医は仁術なり。

 医療関係者の多くは「カネのために働いている

 のではない」と考える。その気持ちは尊いが

 稲盛はこう言う。

 「病院が潰れてしまっては元も子もないのでは

 ないですか」


 「金もうけは悪」と決めつけてしまったら医療改革

 は進まない。
 

  (P.031)



稲盛和夫氏が考案した「アメーバ経営」について、
解説を見てみましょう。



 「アメーバ経営」とは稲盛が京セラを経営して

 いくなかで、その経営理念を実現していくために

 創り出した経営管理手法です。

 組織を小集団に分け、市場に直結した独立採算制

 により運営し、経営者意識を持ったリーダーを社内

 に育成し、全従業員が経営に参画する「全員参加

 経営」を実現する経営手法です。
 

  (稲盛和夫 OFFICIAL SITE  から)




次から、「アメーバ経営」を採用した、2つの病院を
ご紹介します。


このケーススタディーは、多くの一般の人々に、
とても参考になる、と考えています。
他の病院とどこがどう違うのか、が分かるからです。


医療関係者にとっても同様です。



仁誠会クリニック光の森

最初の病院は、熊本県内にある、医療法人仁誠会
です。 アメーバ経営を導入後、どのような変化が
起きたのか。 その点に注目してご覧ください。



 医療法人仁誠会は熊本県内で5つのクリニックと

 3つの老人施設を運営している。

 人工透析では県下最大の病床数を持つ。

 アメーバ経営を導入したのは2010年8月のことだ。

 人工透析は長期療養の患者が多いので病院の

 経営は比較的、安定している。

 一方、介護老人保健施設(老健)や有料老人ホーム、

 通所リハビリテーションは思うように利益が出ない。

 国民医療費の膨張が続く中、これからもいつ診療

 報酬の切り下げがあってもおかしくない。

 「手遅れになってからでは遅い」と考えた理事長の

 田尻宗誠は思い切ってアメーバ経営の導入に踏み

 切った。
 

  (P.032)



ところが、医師たちの反発は激しかったそうです。
「黒字なのに何でそげなこと、せんといかん…」
(P.032)という言葉がその状況を物語っています。


「そんな中、最初からアメーバ経営に前向きに
取り組む医師がいた」(P.032)そうです。



 仁誠会クリニック光の森の院長、江田幸政である。

 米国留学の経験がある江田は米国の厳しい医療

 事情を知っていた。

 「貧乏人は入院できない。日本があんなことになって

 は大変だ。病院は患者さんのためにも健全経営を

 続けなくてはならない」。
 

  (P.032)


アメーバ経営の導入に、なぜ医師たちは反発したの
でしょうか?


細部までチェックが入り、手間も時間もかかるという
ことと、個人の行動まで管理されるのではないか、
という漠然とした不安感だろう、と思います。



 アメーバ経営の導入で細かいコスト構造を

 チェックすると、クリニックの経営の中に潜む、

 様々な無駄が見えてきた。

 例えば透析水を温めるヒーター。

 従来、集中管理で朝6時から一斉に稼働していたが、

 透析患者が朝一番で一斉に来院するわけではない。

 複数のタンクを30分ずつ時間をずらして温める

 ようにしたら、電気使用量のピークが50キロワット

 下がり、年間の電気料金が100万円安くなった。 
 

  (P.032)


アメーバ経営を導入したら、誰の目にも分かる大きな
成果を収めることができたのです。
大きな成果は、利益率の向上でした。
ただし、アメーバ経営は継続していかなければ、
元の木阿弥です。




 アメーバを導入した初年度の2011年に1%だった

 仁誠会の利益率は、2012年に3%、2013年は5%

 と順調に改善している。だが、ここで手を緩める

 わけにはいかない。副理事長の田尻哲也は言う。

 「中長期で考えれば、病院の経営環境は必ず

 厳しくなる。お金のことをきちんと考えない病院は

 潰れていくでしょう。我々はあふれた患者さんや

 利用者の受け皿になる」
 

  (P.032)




ポイント

アメーバ経営の重要性をきちんと認識し、
継続していくこと




仁誠会のケースは、どちらかと言えば、
「守り」の経営です。


次のケースは、「攻め」の経営です。




天神会 新古賀病院


仁誠会も天神会も、九州にある病院です。
最終回は、病院経営力ランキングをお伝えしますが、
九州にある病院でベスト100にランクインしている
病院は、11もあります。


しかも、1位と2位は熊本県内にあります。
詳細は最終回の特集記事でお確かめください。




 「利益が出れば、目指す医療ができますからね」。

 社会医療法人天神会(福岡県久留米市)理事長

 の古賀伸彦はそう言って笑う。

 「シームレスな医療・介護事業を久留米で永続する

 ためには、稼いだお金がぽろぽろこぼれていく今の

 体質ではダメ」と悩んでいた古賀は2011年10月、

 京セラグループのコンサルティング会社KCCSマネジ

 メントコンサルティングが福岡市で開いたセミナーを

 聞き、その2カ月後にアメーバ経営を導入した。
 

  (P.033)



アメーバ経営を導入する以前は、経営難に陥ったこと
があるそうです。



 天神会は2000年代の半ば、前理事長の時代に、

 過剰投資と診療報酬カットが重なって経営難に

 陥ったことがある。

 理事長を引き継いだ古賀は「良心的自己満足

 医療では永続できない」と何度も医師やスタッフ

 に言ったが、「お金のことは考えたくない」という

 風潮は一朝一夕では変わらなかった。

 「経営なんて関係ない、と思っていましたから」。

 天神会・新古賀病院、看護部長の田中圭子は

 素直に認める。

 「私たちは患者さんに喜んでもらいたくて仕事を

 しているのであって、お金もうけのために働いて

 いるのではない」という気持ちが強かった。

 最初はミーティング中も「早く患者さんのところへ

 戻りたい」と思った。
 

  (P.033)



アメーバ経営を導入後、どう変化したかは利益率という
「数字」が如実に示しています。




 アメーバ導入前の2009年度に4%だった天神会の

 利益率は2013年度、8%に跳ね上がった。

 その間にも高齢者総合福祉施設の

 「こがケアアベニュー」や、介護老人保健施設の

 「こが21」を開設している。
 

  (P.032)



ですが、これで満足してはいませんでした。
「攻め」の経営を推し進めていったのです。




 こうした大型の投資をしていなければ、

 利益率は10%を超えるはず。

 だが、理事長の古賀に投資を手控える気配はない。

 2016年4月の開設を目指し、久留米市郊外に

 大規模な看護学校を作る計画も進めている。

 「将来の看護師不足を見据え、海外から看護師の

 卵を連れてきて、学ばせたい。病院の国際化が

 進めば、海外からの検査需要も取り込める」

 古賀のビジョンを実現するためには利益が欠か

 せない。だからこそ日々の細かい出費に目を

 光らせる。
 

  (P.032)




『日経ビジネス』特集班は、PART3の終わりで、
次のようにまとめています。



 健全経営の病院は地域の医療を支えるだけでなく、

 雇用や関連需要で地域経済を活性化する。

 古賀が言うようにインバウンドの検査需要まで

 取り込めれば、医療は成長産業になる可能性すら

 秘めている。

 「算術」は疲弊した日本の医療をよみがえらせる

 だけでなく、地域経済復興の起爆剤にもなる。
 

  (P.032)





ポイント

健全経営の病院は地域の医療を支える
だけでなく、雇用や関連需要で地域経済を
活性化する。






私見

私たちは、病院の外側から見て、健全経営の病院で
あるかどうかを窺い知ることは困難でしょう。


どんなに病院が大きく、総病床数が多く、また最新の
医療機器が整っていても、健全な経営がなされている
かどうかは残念ながら、分かりません。


現在、健康を維持していても、いつか病院の世話になる
日が来るかもしれません。


その際、その病院が破綻間近だとしたら、ゾッとしませんか?


「帝国データバンクによると2014年の医療機関の倒産は
前年より7件少ない29件」(P.033)ということですが、
「2002~06年にかけて3回連続で診療報酬を引き下げた
後は、年間の倒産が50件を超す年もあった」(P.033)
ということで、将来、病院がどのような道を辿るか、
定かではありません。


病院が倒産するということは、決して他人事ではありません。




今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 医療の質 
 利益の還元 
 仁術に限界 
 病院経営力 
 選択と集中 






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日野原・稲盛 魂の提言 日本の医療を救え 2015.06.01 <1>







日経ビジネスの特集記事(109)

日野原・稲盛 魂の提言
日本の医療を救え
2015.06.01




テーマ

今週の特集記事のテーマは

「日本を、長寿を悲しむ国にしてはいけない」
103歳の現役医師、聖路加国際病院名誉院長の
日野原重明は言う。
「長寿世界一」は日本の誇りである。
だが、老人の医療費負担が現役世代に重くのしかかる。
2000年に約30兆円だった国民医療費は2025年に
50兆円を突破。
支え手の負担が限界を超えれば、社会は長寿を
寿げなくなる。
コスト構造をゼロから見直し日本航空(JAL)を再生した
京セラ名誉会長の稲盛和夫は言う。
「医療に従事するすべての人が経営マインドを持てば、
できることはまだまだある」
医療という「命のインフラ」をどう守るか。

 (『日経ビジネス』 2015.06.01 号 P.022)

ということです。



医療問題と高齢化は切っても切れない関係にあります。
日本は「少子高齢化」の先頭を切っています。
生産年齢人口(15~64歳)が減少傾向にあり、
高齢者を支える人たちの負担が重くのしかかってきて
います。


日本がこの問題をどう解決するのか、世界は注目して
います。先進国においては、いずれは日本と同じ道を
たどることが確実視されているからです。




日野原・稲盛 魂の提言<br />日本の医療を救え

日野原・稲盛 魂の提言
日本の医療を救え

(『日経ビジネス』 2015.06.01 号 表紙)
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今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 PP.022-023)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01







第1回は、
「PART1 魂の提言
 日野原重明×稲盛和夫」
「PART2 夢の団地と必然の孤独死」
を取り上げます。


第2回は、
「PART3 算術が仁術を超えた日」
を取り上げます。


最終回は、
「PART4 初公開
 病院経営力ランキング」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 医療の質 
 利益の還元 
 仁術に限界 
 病院経営力 
 選択と集中 




では、本題に入りましょう!


 PART1 魂の提言 
 日野原重明×稲盛和夫 




片や、医学界で知らない人はいないと言える、
聖路加国際病院名誉院長、日野原重明氏と、
京セラ名誉会長で、破綻したJALをわずか
2年半で再上場させた、名経営者、稲盛和夫氏
の対談です。


お二人は対談の中で、医療問題の本質を見抜き、
貴重な提言をしています。


まずは、お二人の熱のこもった「魂の提言」に
真摯に耳を傾けてみましょう!


それにしましても、お二人ともご高齢ですが、
頭も身体も元気です。


聖路加国際病院名誉院長 日野原 重明 氏    京セラ名誉会長 稲盛 和夫 氏

聖路加国際病院名誉院長 日野原 重明 氏と
京セラ名誉会長 稲盛 和夫 氏

(『日経ビジネス』 2015.06.01号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01




まず、日野原氏が問題提起します。
それに対して、稲盛氏がどう答えるかご注目
ください。


 日野原

 まず無駄な医療をやめることです。

 医療を営業と考える医者は延命治療に夢中に

 なりがちです。患者や家族には「長生きは良い

 ことだ」という思い込みがあり、医者も延命した

 方がもうかるからです。

 しかしチューブにつながれて最期を迎えることが

 患者や家族にとって本当の幸せでしょうか。

 社会的にみれば膨大なコストがかかっている。


 延命治療をやめれば、住み慣れた自宅で最期

 を迎える人が増えるでしょう。病院より、自分が

 ずっと生きてきた場所で最期を迎えたいと望む

 人は多いのではないでしょうか。

 これを実現するには医者も患者も家族も考え方

 を改めなくてはなりません。

 死に抗うのではなく、死を受け入れる考え方が

 必要です。


 ルネ・サンド(1928年に国際社会福祉協議会を

 設立したベルギーの医学者)は「国民の参与

 なくして国民の健康は作られない」と言っています。

 まず社会の中のいろいろな層の人々による協力

 体制を作る必要があります。「真の健康社会を

 作る」ことを国民の総意にしなくてはならない。
 

  (P.024)





 稲盛

 サンドの言葉は経営にも通じると思います。

 全従業員の参与がなければ良い経営は実現でき

 ません。

 
 ドクターから看護師さん、食事を担当する人まで、

 医療に関わるすべての人が、どうすればコストを

 上げずに、患者さんに良い医療を提供できるか。

 皆で考えるところから始めたらいいのではない

 でしょうか。
 

  (PP.024-025)





 日野原

 老人だからといって、周りにしてもらうばかりでは

 いけません。生物的な「老化」は避けられない現象

 ですが、自ら新しいことを創めていれば精神的な

 「老い」は避けられます。

 新しいことを創める高齢者を、社会は交わりの中に

 迎え入れ、温かい心で包み、彼らに役割を与えるの

 です。老人を廃車のように扱う国は、とても文明国家

 とは言えません。
 

  (P.025)





 稲盛

 中小企業の経営から始めた私は、「赤字を出しては

 いけない」という考えが体に染み付いています。

 中小企業は赤字を出したら簡単に潰れてしまい

 ますからね。中小企業の経営者は収入が減ったら

 それなりに支出を減らし、何とかして収益を上げる

 ことを考えます。しかし大きな企業は、1度や2度の

 赤字では潰れません。当事者意識を持ちにくい。

 経営者も従業員もいつしか、赤字に慣れてしまうの

 です。


 病院は制度で単価が決まっていますから、利益を

 出すにはみんながコストと真剣に向き合うしかない。

 赤字の病院の職員の方に、そのような意識がある

 でしょうか。
 

  (PP.025-026)





 日野原

 例えば、お金を出せる患者には、広くてきれいな

 個室に入ってもらい、おいしい食事を出して高い

 お金を取ればいい。そうやって稼いだお金で、

 貧しい人は安く治療してあげればいいのです。

 日本の医療制度は硬直的過ぎて、こうしたことが

 自由にできない。

 最初にお話しした延命治療が最たる例ですが、

 医療を営業だと勘違いしている医者が多いのも

 事実。高額納税者には医者が多いでしょ。

 利益を患者さんに返しなさい、と僕は言いたい。 
 

  (P.026)



ポイント

「延命治療をやめれば、住み慣れた自宅で最期

 を迎える人が増えるでしょう。病院より、自分が

 ずっと生きてきた場所で最期を迎えたいと望む

 人は多いのではないでしょうか。

 これを実現するには医者も患者も家族も考え方

 を改めなくてはなりません。

 死に抗うのではなく、死を受け入れる考え方が

 必要です」




完治する見込みがあれば、高度治療を実施する意味は
あります。 ですが、延命措置のために高額医療費を
使うのは、労働者に負担を強いるだけです。


それでなくとも、介護保険と健康保険、年金保険などの
社会保険料の負担額は年々増加しています。


日本の病院の経営状態について『日経ビジネス』は、
次のように述べています。 実態は相当厳しいようです。



 日本の病院は7割が赤字。公立に限れば9割が

 赤字だ。 4月13日に日本医学会総会が採択した

 宣言にも「医療制度の維持が難しくなりつつある」

 との文言が盛り込まれた。
 

  (P.025)




PART2では、マンモス団地に約半世紀にわたって
寄り添い続けた医師の苦悩を描いています。


 PART2 夢の団地と必然の孤独死 





団地の高齢化と40年以上<br />向き合ってきた<br />平山登志夫院長

団地の高齢化と40年以上
向き合ってきた
平山登志夫院長

(『日経ビジネス』 2015.06.01 号 P.027)
「日経ビジネスDigital」 2015.06.01






 約7000戸、2万8000人が住む花見川団地が

 千葉市花見川区に出現したのは1968年。

 大阪府の千里ニュータウンが完成するまで、

 日本一のマンモス団地だった。


 今、全世帯の1割に近い約700戸に独居老人

 が住む。これは半世紀にわたり巨大団地の

 高齢化と向き合ってきた1人の医師の物語で

 ある。

 花見川団地は、当時としてはモダンな2DKの

 間取りで家賃も手ごろ。

 部屋は若い住民で埋まったが、交通の便が悪く

 「陸の孤島」と呼ばれた。


 聖路加国際病院で日野原重明の薫陶を受けた

 平山登志夫は、東京・銀座菊地病院で外科部長

 をしていた。その平山が公団に請われ、

 団地の8‐1号棟103号室で開業したのは68年の

 ことである。


 平山が「高齢化対策」を訴えたとき、花見川地区

 で検討されていたのは小学校の新設だった。

 平山は反対したが地域に5つ目の小学校が建った。

 行政が動かないのなら、自分でやるしかない。

 平山は77年、病院の隣に60床の特養を建てた。

 「待ってました」と言わんばかりに、寝たきりの親を

 背負った家族が殺到し、部屋は数日で埋まった。
 

  (PP.027-028)



特養(特別養護老人ホーム)を切り盛りしたのは、
妻の享子さんでした。



 「業務用の大型洗濯機ができて、50人分のオムツが

 いっぺんに洗えるようになり、ずいぶん助かりました。

 干すところがなくて困りましたけど」。享子は当時を振り

 返る。
 

  (P.028)



ここで、特養について確認しておきましょう。



 特別養護老人ホームは、要介護1から5の認定を

 受けた65歳以上の方を対象としており、身体上

 または精神上著しい障害により、常に介護が必要

 な状態で、居宅において適切な介護を受けること

 が困難な方が入所する施設です。
 

  (特別養護老人ホームとは ホームメイト・シニアのサイトから)



平山院長が痛感したのは、「リハビリ」が抜け落ちて
いることでした。



 病気を治す「病院」と、介護をする「特養」の間で

 抜け落ちていたのは「リハビリ」だった。

 ちょうどその頃、国もリハビリの重要さを認識し

 「老人保健施設」の新設を検討していた。

 当時の日本には「リハビリ」という概念がほとんど

 なく、どんな施設を作って、どう運営したらいいのか

 分からない。そこで国はいくつかのモデル事業を

 立ち上げることにした。

 長野県、三重県、大阪府など7つの地域の病院が

 手を挙げた。平山もその一人だ。
 

  (P.028)



現在、平山院長が運営する施設はどうなっている
でしょうか?



 開業から47年、かつて子供たちの声でにぎやか

 だった花見川団地は、すっかり老人の街になった。

 平山が予見した通り、高齢化は日本の大問題に

 なり団地は孤独死対策に追われている。

 平山の運営する晴山会グループは、特養と老健を

 何度も増床し、在宅介護支援センターやケアハウス

 も作った。それでも平山は言う。

 「作っても、作っても供給が需要に追い付かない」
 

  (P.028)



将来を見据えると、さらに不安が広がってきます。



 平山が花見川団地に診療所を開いたころ、

 日本の65歳以上は10人に1人だった。

 今は4人に1人。

 10年後の2025年には3人に1人になる。

 年齢が上がるほど疾患を抱える確率は

 上がる。

 手を打たなければ、医療費は増え続ける。

 一方で15歳から64歳の生産年齢人口が減る

 ため、健康保険の保険料や税金を納める人

 が少なくなる。


 平山にはもう一つの不安がある。

 「昔はね、お年寄りを元気にして家に帰すと、

 家族が喜んだんですけどね。今は、帰して

 くれるな、と言う人がいる。施設に押し付けた

 方が楽ですからね」
 

  (PP.028-029)



平山院長は、このままでは縮小均衡に陥るのは
目に見えているため、ある決断をします。



 かつて「家族任せにせず、社会が高齢者を受け

 止める仕組みを作れ」と旗を振った平山が今、

 「あらゆる問題を社会に押し付けていたら、

 制度が破綻する」と警鐘を鳴らす。

 高齢化の衝撃は平山の想定を超えていたのだ。

 「仁術」だけでは限界があると悟った平山は、

 病院の経営を安定させるため2010年、

 京セラグループの「医療法人向けアメーバ経営」

 を導入した。
 

  (P.029)





ポイント

「仁術」だけでは限界がある





私見

普段は、「医療は万能」と考える人はいない、
と思いますが、高齢化することで、
より多く発現するアルツハイマー病などが
原因の認知症や、身体が不自由になり、
介護が必要になった場合、自宅で治療したり、
介護することには、非常に困難が伴います。


子供も高齢化し、介護者も被介護者になり
かねない環境にある人も少なくない、
と推測されます。


非婚化や晩婚化の傾向が強くなり、今後、
介護がずっしり重い問題になってくるのでは
ないか、と危惧しています。


病院で人生の最後を迎えたくない人たちが
増えれば、必然的に、自宅で介護してもらい
ながら、終末を迎えることになりますが、
見てくれる人がいなければ、自宅で終活する
ことさえ難しいことです。


今特集は、多くの読者にとって重いテーマです。




次回、「アメーバ経営」を取り入れた病院の
ケーススタディーをご紹介します。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 医療の質 
 利益の還元 
 仁術に限界 
 病院経営力 
 選択と集中 



次回は、
「PART3 算術が仁術を超えた日」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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プロフィール

藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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