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外弁慶企業 HITACHI 世界から壊す成長の壁 2015.07.06 <3>







日経ビジネスの特集記事(114)

外弁慶企業
HITACHI
世界から壊す成長の壁
2015.07.06




テーマ

今週号の特集のテーマは

「安定感はあるが、革新性がない」
「技術はあるが、商売下手」──。
1910年に創業し、戦後の日本経済をけん引し
続けてきた日立製作所は、偉大な功績の割に
市場や消費者からの評価がいまひとつ、
という不思議な企業だ。
足元の状況を見ても、2009年度以降の構造改革
でV字回復に成功したものの、2015年度を最終と
する中期経営計画では、未達に終わる見通し
の目標も。
「成長の壁に直面している企業」というイメージが
鮮明になっている。
だが、海の向こうでは今、そんな日立の評判が
すこぶる高い。
開発から人事まで、国内では進めにくい様々な
改革をここ数年、海外で先行的に実施。
その多くがここへきて、成果を上げ始めているからだ。
海外拠点の変貌は、国内の日立の風土も変えつつある。
過去四半世紀、抜本的な体質転換を果たせなかった日立。
しかし、「外圧による改革」は、その歴史を塗り替える
可能性を秘めている。

 (『日経ビジネス』 2015.07.06 号 P.025)

ということです。






外弁慶企業<br />HITACHI<br />世界から壊す成長の壁

外弁慶企業
HITACHI
世界から壊す成長の壁

(『日経ビジネス』 2015.07.06 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06







第1回は、
「PROLOGUE 『海の向こう』では別の顔
 海外では重くも暗くもダサくもない」
を取り上げました。


第2回は、
「PART1 海外で今、注目される理由」 
を取り上げました。


最終回は、
「PART2 “外圧”で国内も変える」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 外弁慶企業 
 総合力 
 権限委譲 
 社会イノベーション 
 外圧 



今週号の特集のスタートページに掲載されている
画像がとても面白いですね。


「公家集団」と「弁慶」です。


画像を拡大してみましょう。


日本でのイメージ<br />頭でっかちの「公家集団」

日本でのイメージ
頭でっかちの「公家集団」

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.024)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




世界でのイメージ<br />開拓魂に富む「野武士軍団」

世界でのイメージ
開拓魂に富む「野武士軍団」

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




日立製作所は、国内のイメージ「公家集団」と海外での
イメージ「野武士軍団」とまるで異なるイメージを共有する、
類まれな日本企業であることを、『日経ビジネス』取材班
は提示しました。


私たちは日常会話の中で、しばしば、「内弁慶(家の中で
威張っているが、一歩外に出ると小さくなっている)」、
と批判することがあります。


日立製作所は、海外では存在感が増していますが、
国内ではマイナスイメージがつきまとってきました。


国内と海外で対照的なイメージを抱かれた企業が、
日立製作所だ、というのが書き出しです。





では、本題に入りましょう!


 PART2 “外圧”で国内も変える 

日立製作所は、1980年代から改革に取り組んで
きましたが、思うように進みませんでした。


現場の抵抗が予想外に強かったからです。


現在進行中の改革の方向性が打ち出されたのは、
2009年に川村 隆氏(現・相談役)が会長県社長に
就任した後のことでした。


下の年表は、日立の改革の動きを当時の経営陣の
施策と照らし合わせて、作成されたものです。


企業規模が拡大するにつれ、改革の断行が困難
になることが理解できます。


セクショナリズムが横行し、全体最適よりも部分最適
が優先されるようになります。


こうした現況を破壊し、ベクトルを合わせるためには、
方向性を的確に示す有能なナビゲーターが欠かせ
ません。


そして、そのナビゲーターは方向性を示すだけでなく、
構造改革を何としてでも断行する人物でなければなり
ません。


日立には、そうした有能なナビゲーターが複数存在
したということです。




川村氏の登場以降、構造改革が加速
・日立製作所の歴代会長・社長と
 主な構造改革や組織改革、事業買収や売却など

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.040)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06



(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.041)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06



直近の改革の内容については、『日経ビジネス』の記者
による深堀りしたリポートをお読みください。


それまで「聖域」となっていた研究所にも改革のメスが
入ることになりました。


 「研究所に入った時は、営業担当者と顧客訪問を

 繰り返すことになるとは思ってもいなかった」。

 日立製作所の中堅研究員、佐藤暁子氏は率直に

 こう話す。

 佐藤氏は入社以来、中央研究所などに勤務。

 特許を10件以上出願した実績を持ち、

 近年は交通渋滞や人の流れを解析するための

 技術などを開発していた。


 そんな佐藤氏の生活が変わり始めたのは2013年

 頃から。長年、聖域とされてきた研究所の改革が

 始まってからだ。2015年4月に研究所の大幅な

 組織改編が実施されると、その働き方は一段と

 様変わりした。


 従来のように研究所で研究開発に没頭するの

 ではなく、顧客先に出向き、先方と議論しながら

 ソリューション創出を目指すことが仕事の9割を

 占めるようになった。
 

  (PP.040-041)


研究員は、研究のための研究ではなく、
顧客との接触を通じ、顧客のニーズを掘り起こし、
何を提供したら良いのかを考えることが求められ
るようになった、と私は考えています。


「カスタマー・ファースト(顧客第一)」をお題目で
終わらせず、実際に成果を上げることに集中する
ことが仕事になったのです。


表現を変えれば、日立のすべての社員が、
顧客のいろいろな問題を解決する営業マンになる
ことを求められるようになった、と言えます。


名称は異なるかもしれませんが、官僚的縦割り組織
から横断的組織(クロスファンクショナルチーム)への
移行は必然となり、目標に向かってベクトルを合わせ、
全体最適を目指すことになります。


ですが、経営陣の思惑通りに進まないのが国内の組織
改革です。


 IoT時代に合わせた部門間を越えての技術の統合、

 国境をまたいでの次世代型企業管理、「消極的」

 「リスク回避思考」という評判を覆す大胆投資──。

 PART1で見た、海外で進めてきたグローバル化の

 実験は、国内にも着実に影響を及ぼし始めている。

 「グローバル化が目的なのではなく、主戦場となる

 市場がグローバル化しているから、適合しないと

 生きていけないということ。この事実を直視し組織や

 事業などを組み替えて対応していかないと死ぬだけ」

 過激な言葉を使い、こう話す中西会長が、海外とは

 対照的に改革が進まぬ国内の状況に強い不満を

 抱いているのは明らかだ。
 

  (P.041)


日立で特徴的なことは、グローバルな視点から、
米州、中国、欧州など、アジアなどの4地域に分け、
地域ごとに総代表を据え、権限委譲し、日本本社
の責任と権限を減らしていることです。



日本本社の責任と権限も減る<br />・2015年4月から移行した、地域総代表制による<br />グローバル自律分散経営

日本本社の責任と権限も減る
・2015年4月から移行した、地域総代表制による
グローバル自律分散経営

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.042)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




日立全体をグローバルな視点で捉え直すと、必然的に
人事体系も変わらざるを得ません。


人事情報の巨大データベースが稼働しているそうです。


 2011年から「グローバル人財マネジメント戦略」と

 呼ばれる取り組みを進め、2012年度に国内外の

 日立グループ社員約25万人分の人事情報を

 データベース(DB)化。

 2013年度に、国内外の管理職約5万ポジション分の

 役割の大きさなどをグローバル共通の尺度で

 格付けする仕組みを整えた。

 「数十万人規模の人事DB化は一部のグローバル

 企業では実施されているが、日本企業ではまだ

 珍しい」と、人事を担当する中畑英信・執行役常務

 は説明する。

 人事体系が世界共通化されたことで、今後は、

 日本本社の管理職のライバルは世界に広がる。

 国籍や年齢を問わず優れた人材の抜擢もしやすく

 なり、国内もやがて英国の鉄道セクションのように

 (HITACHIの魅力 2 参照)、社歴や実績に関係なく

 「最も市場が分かる人間に任せる」方向に向かうの

 は間違いない。
 

  (P.042)


日立社内のライバルは国内にとどまらず、海外にも
存在することになったのです。


いやが上にも社員の競争心を煽る仕組み、と言える
でしょう。


上昇志向の強い人にとっては良い環境に変わりました
が、今まで安定志向で大きな船に乗っていれば安泰
と感じていた社員には、尻に火が付いた状況です。


構造改革には必ず、軋轢が生じ、組織から弾き飛ば
される人たちが出てくるのは間違いありません。


それでも改革を断行しなければならない、と経営陣が
考える理由は次のとおりです。


 グローバル日立の形に加えて、国内日立の形も

 着実に変えていく。例えば、従来にない事業横断型

 の組織の創設。

 縦割り組織のデメリットを解消し、従来は事業ごとに

 バラバラだった顧客への対応を一元化するのが狙いだ。

 その一例が、2015年4月、社長直轄の戦略組織として

 設立されたエネルギーソリューション社。

 社名通り、発電に関する顧客ソリューションを一手に

 請け負う。
 

  (P.042)


日立が、シュンペーターが創造的破壊(creative destruction)
と表現した、イノベーションを起こそうとしていることは
明らかです。


東原敏昭・社長兼COO(最高執行責任者)は、
次のように語っています。


 グローバルで勝つために、グループ内で統合可能

なものは、できるだけ一緒にしていくべきだと考えている。

事業やカンパニーごとに設立してきた販社も、

近隣地域にあるのであれば間接コストを下げるために、

大胆に統合していく発想が当然必要になる。


地域単位で統合や再編を進めていくなら、

販社や工場という拠点だけではなく、それに付随する

輸送ルートや販売ルートなどのサプライチェーンも、

統合効果があるものは一緒にしていく考え方が重要だ。


「One HITACHI」というメッセージを社内外で言い始めた

のは、社員に横の連携を意識させ、グループの総合力

をグローバルで存分に発揮してもらうためだ。
 

  (P.043)



東原敏昭・社長兼COO(最高執行責任者)

東原敏昭・社長兼COO(最高執行責任者)

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.043)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




企業文化(社風)を解体し、作り直すのは容易では
ありません。


日立は100年以上続いている会社です。
改革が一気に進むほど柔軟な組織ではないことは、
想像に難くありません。


 もちろん、100年以上続いた文化の解体は容易でない。

 日立の取引先の多くは今も、社内の人間同士が顧客

 の目の前で躊躇なく名刺交換するなど、“古い日立”を

 目の当たりにする。

 それでも、中西改革によって、日立を包んでいた改革を

 阻む膜は一つひとつ剥がれつつある。
 

  (P.044)



川村隆・相談役はかなり大胆で、厳しい発言を
しています。日立の近未来像を述べています。


 日立の社内が、ちょっと緩んでいる気はする。

 もう少しびしっとやらないと。

 マスコミなどから過去最高益更新と騒がれて

 いい気になっていてはだめだ。

 「何も変えずに今まで通りに仕事をやっていれば、

 うまくいく」という考えでビジネスをしていたのが

 昔の日立。

 副社長をしていたころの私も含めてそうだった。


 日立の社外取締役をしてくれているジョージ・

 バックリー氏がCEOを務めていた米スリーエムでは、

 米国に本社があるとはいえ経営陣の中で米国人は

 少数派。国籍は様々だが、みな英語を使って議論

 する。

 日立もそのようになっていき、いずれ小さい本社が

 各地に散らばっているような組織体でグローバル経営

 を進めるのだろう。

 そう考えるとスリーエムのように、日立の本社が創業

 の地の日本にあったとしても、経営陣の人種は多様化し、

 仕事で使う言葉も英語が普通になっていくのではないか。


 いずれにせよ、今は英語を使わないとグローバルでは

 ビジネスにならない。グローバル企業として存続していくなら、

 そのくらいにならないと。

 本社が日本にあっても、経営陣は日本人とは限らず

 多国籍、使われる言語は英語。

 これが永続していくグローバル企業の姿ではないか。

 いずれ、日立の本社でも英語が当たり前のように

 使われるようになるだろう。
 

  (P.045)



川村隆・相談役

川村隆・相談役

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.045)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




『日経ビジネス』特集班は、「外圧」をキーワードに
次のようにまとめています。


 “外圧”によって古い国内を変え、既に「外弁慶企業」

 である日立を、国内外を問わず強さと影響力を発揮

 する「両弁慶企業=真のグローバル企業」にする──。

 これが、中西改革が目指す最終目標なのだろう。


 もっともGEを追い続ける日立の旅はそこがゴールでは

 ない。GEの売上高は約18兆円、日立は約9兆7000億円。

 営業利益率も約2倍の差がある。

 仮に中西改革が成功したとして、その後も、GEに大差を

 付けられたまま“普通のグローバル企業”の座に甘んじる

 のか。それとも、あくまでGEに肩を並べるスーパーメジャー

 を目指すのか──。


 昭和の焼け野原で米国の最新の経営を必死に学び、

 礎を築いた先人たちが、いずれの道を望んでいるかは

 言うまでもないだろう。

 日立は、GEに追い付き、追い越す。中西改革はスタート

 ラインにすぎない。
 

  (P.045)




ライバルとなる欧米勢の重電大手と比較すると・・・<br />・GEとシーメンス、日立の売上高と営業利益、営業利益率

ライバルとなる欧米勢の重電大手と比較すると・・・
・GEとシーメンス、日立の売上高と営業利益、営業利益率

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.037)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06







もう一度、中西宏明会長兼CEO(最高経営責任者)の
インタビューをご覧ください。


特集で扱った内容と、中西会長の言葉が呼応し、
改革をなんとしても成功させてみせる、という意気込み
が伝わってきます。


日経ビジネスのインタビュー(178)
安心している暇はない






ポイント

日立の改革はこれからも続く

日立が目指すゴールは、ずっと先にあります。
GEに追い付き、追い越すことです。


その日はいつになるのか?


当事者の日立でさえ断言できないでしょう。


ですが、ターゲットが明確になれば、
この先何年、いや何十年かけても実現できる、
と経営陣以下、末端の社員に至るまでもが、
本気になって継続的に事業に取り組めば、
実現できないことはない、と確信しています。


その時、日立は「日本の日立」ではなく、
名実ともに「世界のHITACHI」となるのです。


その日が来るのを自分の目で確かめたい、
と思います。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 外弁慶企業 
 総合力 
 権限委譲 
 社会イノベーション 
 外圧 






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外弁慶企業 HITACHI 世界から壊す成長の壁 2015.07.06 <2>







日経ビジネスの特集記事(114)

外弁慶企業
HITACHI
世界から壊す成長の壁
2015.07.06




テーマ

今週号の特集のテーマは

「安定感はあるが、革新性がない」
「技術はあるが、商売下手」──。
1910年に創業し、戦後の日本経済をけん引し
続けてきた日立製作所は、偉大な功績の割に
市場や消費者からの評価がいまひとつ、
という不思議な企業だ。
足元の状況を見ても、2009年度以降の構造改革
でV字回復に成功したものの、2015年度を最終と
する中期経営計画では、未達に終わる見通し
の目標も。
「成長の壁に直面している企業」というイメージが
鮮明になっている。
だが、海の向こうでは今、そんな日立の評判が
すこぶる高い。
開発から人事まで、国内では進めにくい様々な
改革をここ数年、海外で先行的に実施。
その多くがここへきて、成果を上げ始めているからだ。
海外拠点の変貌は、国内の日立の風土も変えつつある。
過去四半世紀、抜本的な体質転換を果たせなかった日立。
しかし、「外圧による改革」は、その歴史を塗り替える
可能性を秘めている。

 (『日経ビジネス』 2015.07.06 号 P.025)

ということです。






外弁慶企業<br />HITACHI<br />世界から壊す成長の壁

外弁慶企業
HITACHI
世界から壊す成長の壁

(『日経ビジネス』 2015.07.06 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06







第1回は、
「PROLOGUE 『海の向こう』では別の顔
 海外では重くも暗くもダサくもない」
を取り上げました。


第2回は、
「PART1 海外で今、注目される理由」 
を取り上げます。


最終回は、
「PART2 “外圧”で国内も変える」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 外弁慶企業 
 総合力 
 権限委譲 
 社会イノベーション 
 外圧 



今週号の特集のスタートページに掲載されている
画像がとても面白いですね。


「公家集団」と「弁慶」です。


画像を拡大してみましょう。


日本でのイメージ<br />頭でっかちの「公家集団」

日本でのイメージ
頭でっかちの「公家集団」

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.024)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




世界でのイメージ<br />開拓魂に富む「野武士軍団」

世界でのイメージ
開拓魂に富む「野武士軍団」

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




日立製作所は、国内のイメージ「公家集団」と海外での
イメージ「野武士軍団」とまるで異なるイメージを共有する、
類まれな日本企業であることを、『日経ビジネス』取材班
は提示しました。


私たちは日常会話の中で、しばしば、「内弁慶(家の中で
威張っているが、一歩外に出ると小さくなっている)」、
と批判することがあります。


日立製作所は、海外では存在感が増していますが、
国内ではマイナスイメージがつきまとってきました。


国内と海外で対照的なイメージを抱かれた企業が、
日立製作所だ、というのが書き出しです。





では、本題に入りましょう!


 PART1 海外で今、注目される理由 

前回、日立製作所には国内(内)と海外(外)で
2つの異なる顔がある、というお話しをしました。


現在の日立は「外弁慶企業」であるというのが、
『日経ビジネス』の見方です。


今回は、「外弁慶企業」の面目躍如たる勇姿を
ご覧いただこうと思っています。


日立が海外ではこんなに存在感(プレゼンス)が
あるとは知らなかったな、と私を含め多くの読者の
方が感じると思います。


換言しますと、なかなか構造改革できなかった日立
が「外圧」によって変わってきたということです。




『日経ビジネス』によれば、日立には6つの魅力が
あるということです。


HITACHIの魅力①

博士号を取得した社員が1000人以上在籍して
いることは驚きですし、「宝の持ち腐れ」と揶揄
され続けた所以でもあります。


ところが、IoT(モノのインターネット)の時代、
あるいは第4次産業革命が起こりつつある今、
長年蓄積されてきた技術力や研究、ノウハウ
が結集された「総合力」が重要な鍵となります。


日立には、宝の持ち腐れと言われ続けてきた
「総合力」があります。


その象徴ともいうべき、高速鉄道車両と鉄道
システムが海外で脚光を浴びています。


イギリスGWML・クラス800

イギリスGWML・クラス800

高速鉄道車両 Wikipedia の画像から




英国における日立の存在感がどの程度のもの
なのか、記事を読んでみましょう。
納得できるかもしれません。


 ファー・イースト(極東)の車両メーカーが

 シェア首位に──。

 年間20兆円規模に達する世界の鉄道市場。

 その約5割を占める主戦場の欧州で今、

 異変が起きている。

 震源地は英国。鉄道発祥の地であるこの市場で、

 日立製作所が2019年までに車両の受注シェアで

 トップに立つ。

 見込みも含めると、2014~19年の間で新たに

 1273両を受注。

 競合の独シーメンスや加ボンバルディアを抜き、

 英国で最も多い受注車両を抱えるメーカーになる。

 全ての納入が完了すると、現在174両が走る日立

 製列車の数は約8倍の1447両に増加する。

 日本企業では初の快挙だ。


 「今、欧州鉄道メーカーで最も勢いに乗る企業」

 (鉄道運行会社、ヴァージン・トレインズ幹部)である。
 

  (P.030)


先に掲載した写真の鉄道車両「Class800」シリーズが、
英国に納入されましたが、注目すべき点は、
優れているのは、この車両製造だけではない、
ということです。


英国の鉄道事情に適応した総合的な技術力がものを
言ったのです。


 2017年から商用サービスが始まるIEP(都市間高速

 鉄道計画)で採用される「Class800」シリーズは、

 英国の鉄道特有の条件を克服する様々な機能を

 搭載した高性能車両だ。


 英国の鉄道事情は欧州でも特殊で、例えば、

 車両の空間容量を決める英国鉄道の車両幅は2.7m。

 欧州の3mや日本の3.3mに比べて短く、その分全てを

 コンパクトに設計しなければならない。

 しかも、鉄道区間の一部は、いまだに電化されて

 いないため、この狭い空間に、Class800はディーゼル

 エンジンを積む必要があった。

 古い陸橋などを走行する際に車両が一定の重量を

 超えていると、安全確保のために減速を求められる。

 その分、鉄道の輸送効率は落ち、収益計画に響いて

 しまうのだ。

 技術的な難題をいくつも抱えた車両開発だったが、

 日立は結果的にこれらを見事に解消した。
 

  (PP.031-032)


DAS(運転支援システム)と呼ばれる運転士用
ナビゲーションも開発したそうです。


 英鉄道会社の間では、運転士の能力の差によって、

 列車の燃費が大きく変わることが問題となっている。

 燃費に2倍ほどの開きがある場合もあるといい、

 燃費効率の悪い運転士「ジョイ・ライダー」(運転を

 楽しんでいる=enjoyから取った揶揄)をいかに減らす

 かが、鉄道会社の課題となっていた。

 DASはこの問題を解決するための仕組みだ。

 「時速150kmに加速」「ここからブレーキを踏み始めて」

 といった具合に、運転士に指示を与え、走行ルートの

 電力消費を最小に抑える。
 

  (P.032)


説明文を読めば簡単なシステムのような気がしますが、
実は、これはなかなか制御が難しいシステムだそうです。


 単純なシステムに見えるが、現実の運行状況は天気や

 故障などのイベントによって次々と変わる。

 的確なナビをするためには、列車の状況や運行情報と

 常に連携して速度の指示を出す必要がある。

 つまり、鉄道の位置情報、運行情報、信号制御といった

 システムが、互いに連動していなければならない。

 こんなシステムが作れるのは、車両、運行情報、信号

 制御といった鉄道インフラを構築するリソースに加えて、

 情報技術のノウハウを持っている日立だからこそ。

 他の鉄道車両メーカーにはおよそできない芸当と言える。
 

  (P.032)


「Class800」シリーズの製造と、鉄道システムに対する
絶対的な自信は、次の言葉に表れています。


 「安全、効率、コスト競争力を兼ね備えた鉄道システムを

 作るうえで、日立ほど幅広いリソースを持つ企業はない」と、

 日立レールヨーロッパの光冨眞哉CSO(最高戦略責任者)

 は話す。
 

  (P.032)




あれもこれもHITACHI<br />・鉄道関連ビジネスにおける日立のカバー領域

あれもこれもHITACHI
・鉄道関連ビジネスにおける日立のカバー領域

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 PP.032-033)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06


解説は下記をご覧ください。

あれもこれもHITACHI<br />・鉄道関連ビジネスにおける日立のカバー領域

あれもこれもHITACHI
・鉄道関連ビジネスにおける日立のカバー領域

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 PP.032-033)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




成長率はビッグ3をしのぐ<br />・日立と世界大手の鉄道ビジネス比較

成長率はビッグ3をしのぐ
・日立と世界大手の鉄道ビジネス比較

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.031)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




HITACHIの魅力②

HITACHIの魅力①で見たように、高速鉄道車両と
鉄道システムが英国に受け入れられた理由は、
英国の鉄道事情に精通した人物に「本気」で権限
委譲したからでもあります。


鉄道事業のグローバルCEO、ドーマー氏

鉄道事業のグローバルCEO、ドーマー氏

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.034)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




 「アジアや南米など、欧州以外にも大きいビジネス

 チャンスが広がっている。我々は挑戦者だが、

 他社にない強みで自信を持って攻めていく」。

 こう意欲を燃やすドーマーCEO。

 最近では、この「欧州で最も勢いのある鉄道メーカー」

 で働こうと、アルストムやシーメンスなど競合他社から

 転職を希望する人材も後を絶たないという。


 社歴や実績に関係なく、それぞれのエリア・事業で、

 「最も市場が分かる人間」に権限を持たせる──。

 グローバル経営では当たり前の鉄則だが、

 国内の日立は長年、当たり前のこの権限委譲が

 なかなかできず、苦労を重ねた。
 

  (P.034)





HITACHIの魅力③

バーチャルカンパニーという実験をしているそうです。
成果が上がってきているということで、強固な構造を
壊す働きをしています。


一言で言えば、部分最適から全体最適への移行の
ため、権限や経営資源を集中させたということに
なります。


 バーチャルカンパニーとは、日米欧で別々の会社を、

 あたかも1つの会社のように運営する仕組みのことだ。

 実際に2014年秋以降、製品開発についてはITプラット

 フォーム事業本部の開発トップを兼務するHDS(日立

 データシステムズ 註:藤巻隆)のジョン・マンスフィー

 ルド上級副社長を頂点に、チームの組成から実際の

 開発まで完全に一体運営されている。

 HDSはもともと、メーンフレームやストレージ(外部記憶

 装置)を米国内で売る販売子会社だったが、

 2000年代後半以降、M&Aでストレージ周辺のソフト

 ウエア開発力を強化。

 ストレージ製品の管理やメンテナンスなどサービス・

 ソリューションビジネスにシフトした。

 今では年間約2兆円を売り上げる情報・通信システム

 事業の中でも、特に重要な子会社の一つだ。
 

  (P.035)


バーチャルカンパニーを通じて実現したいこととは、
何でしょうか?


 「真に実現したいのは、セールスのオファーを

 ワンストップで開発陣に伝えることと、

 1つの目標に向かってスピード感のある開発体制

 を実現すること。組織の統合も検討したが、

 これは法的に別の会社でも実現できると考えた」

 と熊﨑(裕之)氏(現サービスイノベーション統括

 本部長兼社会イノベーション事業推進本部・

 共生自律分散推進本部本部長 註:藤巻隆)は

 振り返る。
 

  (P.036)





HITACHIの魅力④

日立が抱えていた問題とは何だったのでしょうか?
中西宏明会長兼CEO(最高経営責任者)は、
次のように語っています。


 「モラル(規律)とモラール(やる気)の問題を

 抱えていた」。

 中西CEOがこう振り返るように、HDSは実績

 こそ上げていたが、独立心が強く、

 日立グループの一員として協調していこうと

 考えるような会社ではなかった。

 そんなHDSの雰囲気が2009年、中西CEOなど

 の社会イノベーション宣言を機にがらりと変わる。

 ストレージ技術はセンサー技術と並んで、

 スマートシティーやスマートグリッド、ヘルスケア

 など日立が言う社会イノベーション事業を進める

 上で不可欠な要素。グループ全体がそこへ突き

 進むなら、日本本社と手を組んだ方がストレージ

 単体を売るより、自社の将来は確実に開ける。

 多くの社員がそう考えるようになったのだ。
 

  (P.037)


一方、HDSを率いるジョン・ドメCEOはこう語っています。


 HDSを率いるジョン・ドメCEOは、

 「我々は社会イノベーションという共通の目標に

 向けて再結集した」と振り返る。

 社内をまとめ上げたという点ではドメCEOの功績

 も大きい。

 社員とのコミュニケーションを絶やさず、

 部門や個人の数字ではなく、会社共通の目標達成

 を重視する社風を作り上げた。

 働きがいなどに関わる表彰を受けているのもその

 ためだ。
 

  (P.037)



ライバルとなる欧米勢の重電大手と比較すると・・・<br />・GEとシーメンス、日立の売上高と営業利益、営業利益率

ライバルとなる欧米勢の重電大手と比較すると・・・
・GEとシーメンス、日立の売上高と営業利益、営業利益率

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.037)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06






HITACHIの魅力⑤

中国では超高層ビルの建設ラッシュが起こっている
そうです。


超高層ビルに欠かせないものといえば、
高速エレベーターがあります。


その高速エレベーターで日立は抜きん出た存在
となっている、というのが趣旨です。


 超高層ビルが次々と建設されている中国は、

 世界最大のエレベーター市場。

 2014年時点で年間約50万台と世界需要の

 約6割を占めるとされる。

 そんな市場で14.8%(日立調べ)と最大受注

 シェアを抱えるとされるのが日立だ。


 成功している最大の理由は、チャンスと分かれ

 ば躊躇なくリスクを取り、大きな投資をしてきた

 こと。その結果、現地での存在感が高まり、

 多くの優秀な中国人社員が入社し、

 さらにビジネスが拡大するという好循環も生まれ

 ている。

 日立グループにおける中国地域の売上高は

 1兆2400億円に上り、全売上高の12%を占める

 見通しだが、エレベーターはその大きなけん引役

 となっている。
 

  (P.038)


問題は、広大な中国全土をカバーするため、
社員教育のための研修センターと、
保守拠点をどこにどれだけ設置するかという
ことです。


日立はその点でもぬかりはありません。


 2015年中に、天津と成都の工場にも研修センター

 を建設し、中国全土に約600カ所もある保守拠点

 の人員拡充と技能向上につなげる構想だ。
 

  (P.038)




成長市場で積極投資<br />・日立グループの中国におけるエレベーター工場<br />などの主要拠点と、中国での売上高推移

成長市場で積極投資
・日立グループの中国におけるエレベーター工場
などの主要拠点と、中国での売上高推移

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 PP.038-039)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06



国家レベルで、中国と日本の関係はギクシャク
していますが、日立(私企業)と中国政府は、
どうなっているでしょうか?


良好な関係を維持していると思いますが。


 今やエレベーター事業会社の日立電梯を含め、

 中国における日立グループは約5万人の従業員

 を抱えるまでになった。

 その結果、中国におけるビジネスで重要な中国

 政府とも、良好な関係が構築されているという。

 中国の政府関係者なども「すぐに撤退するような

 会社ではなく、本腰を入れて中国でビジネスしよう

 としていると信頼してくれる」。

 こう話すのは小久保憲一・日立グループ中国総

 代表だ。
 

  (P.039)





HITACHIの魅力⑥

HITACHIの魅力⑤に関連して、中国ビジネスで
重要な点は、現地中国人を採用するだけでなく、
経営も任せることです。


つまり、「現地化」が大きなポイントとなります。


 象徴が日立電梯。

 つい数カ月前まで、社長から部長級まで約60人超が、

 すべて中国人で占められていた。

 現在は、社長と部長の合計2人は日本人となっているが、

 幹部クラスでの現地人比率は圧倒的に高い。

 このような、現地人材を大胆に登用するという日本企業

 らしからぬ人事戦略が、中国におけるエレベーター事業

 の急成長につながったとも言える。

 「中国人社員は特に上昇志向が強い。部長級のみならず、

 いずれ社長にもなれる可能性があるのだから、

 自然に現地従業員のモチベーションは上がる」

 (日立電梯の中国人幹部)。

 加えて、中国人幹部が、欧米や日本など中国以外の海外

 拠点で活躍できるようになるグローバル共通の人事制度

 も日立グループで始まっており、現地人材の意欲はさらに

 高まっているという。
 

  (P.039)


日立は海外で着々と実績を積み上げてきた、
グローバルで戦うための施策を国内でも導入
しようとしています。


 日立が海外で進める改革の最終目標は、

 その成果を日本に持ち込み、“外圧”によって

 日本の日立を変えることだ。

 その試みは既に、実践に移され始めている。
 

  (P.039)







ポイント

日本は昔から“外圧”に弱いと言われてきた

日立はグローバルな世界での実績を引っさげて、
“外圧”によって、日立本体を変革しようとしています。


むしろ、海外よりも国内のほうが変革に対して抵抗
が強いと考えられます。


グローバルスタンダードに適応させるべく、
日立は自ら脱皮しようとしています。


硬い皮を剥ぐには大きな軋轢が伴いますが、
放っておけば死を招くことを、日立のトップは
十分に自覚しています。


「脱皮できない蛇は死ぬ」
という格言があります。


好むと好まざるとにかかわらず、国内も変えること
が現経営陣の使命です。






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 外弁慶企業 
 総合力 
 権限委譲 
 社会イノベーション 
 外圧 





最終回は、
「PART2 “外圧”で国内も変える」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
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外弁慶企業 HITACHI 世界から壊す成長の壁 2015.07.06 <1>







日経ビジネスの特集記事(114)

外弁慶企業
HITACHI
世界から壊す成長の壁
2015.07.06




テーマ

今週号の特集のテーマは

「安定感はあるが、革新性がない」
「技術はあるが、商売下手」──。
1910年に創業し、戦後の日本経済をけん引し
続けてきた日立製作所は、偉大な功績の割に
市場や消費者からの評価がいまひとつ、
という不思議な企業だ。
足元の状況を見ても、2009年度以降の構造改革
でV字回復に成功したものの、2015年度を最終と
する中期経営計画では、未達に終わる見通し
の目標も。
「成長の壁に直面している企業」というイメージが
鮮明になっている。
だが、海の向こうでは今、そんな日立の評判が
すこぶる高い。
開発から人事まで、国内では進めにくい様々な
改革をここ数年、海外で先行的に実施。
その多くがここへきて、成果を上げ始めているからだ。
海外拠点の変貌は、国内の日立の風土も変えつつある。
過去四半世紀、抜本的な体質転換を果たせなかった日立。
しかし、「外圧による改革」は、その歴史を塗り替える
可能性を秘めている。

 (『日経ビジネス』 2015.07.06 号 P.025)

ということです。






外弁慶企業<br />HITACHI<br />世界から壊す成長の壁

外弁慶企業
HITACHI
世界から壊す成長の壁

(『日経ビジネス』 2015.07.06 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 PP.024-025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06







第1回は、
「PROLOGUE 『海の向こう』では別の顔
 海外では重くも暗くもダサくもない」
を取り上げます。


第2回は、
「PART1 海外で今、注目される理由」 
を取り上げます。


最終回は、
「PART2 “外圧”で国内も変える」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 外弁慶企業 
 総合力 
 権限委譲 
 社会イノベーション 
 外圧 



今週号の特集のスタートページに掲載されている
画像がとても面白いですね。


「公家集団」と「弁慶」です。


画像を拡大してみましょう。


日本でのイメージ<br />頭でっかちの「公家集団」

日本でのイメージ
頭でっかちの「公家集団」

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.024)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




世界でのイメージ<br />開拓魂に富む「野武士軍団」

世界でのイメージ
開拓魂に富む「野武士軍団」

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.025)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




日立製作所は、国内のイメージ「公家集団」と海外での
イメージ「野武士軍団」とまるで異なるイメージを共有する、
類まれな日本企業であることを、『日経ビジネス』取材班
は提示しました。


私たちは日常会話の中で、しばしば、「内弁慶(家の中で
威張っているが、一歩外に出ると小さくなっている)」、
と批判することがあります。


日立製作所は、海外では存在感が増していますが、
国内ではマイナスイメージがつきまとってきました。


国内と海外で対照的なイメージを抱かれた企業が、
日立製作所だ、というのが書き出しです。





では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE 「海の向こう」では別の顔 
 海外では重くも暗くもダサくもない 

まず、次の写真をご覧ください。
どうやら日本人らしき人物がハンズフリーマイクを使い、
プレゼンテーションをしているようですね。



日立製作所会長兼CEO(最高経営責任者) 中西 宏明 氏

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.026)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06



そのプレゼンの様子を読んでみましょう。
『日経ビジネス』の記者が、その時の熱気を
伝えています。


日本人の経営者でここまで出来る人は、
そう多くはいません。


 2015年4月29日、イベントの殿堂で知られる

 米ラスベガスの五つ星ホテル、

 アンコール・アット・ウィン・ラスベガスのボール

 ルーム(舞踏室)は、いつにない熱気に包まれ

 ていた。


 壇上には企業のトップと見られる男が1人。

 米アップルの故・スティーブ・ジョブズ氏さながらに

 スポットライトを浴びながら、ジョークを織り交ぜ、

 500人を超える聴衆に流暢な英語で“革新”と

 “共創”を訴えている。


 男は、未来社会の構築に自社がいかに貢献できる

 か熱弁を振るっていた。

 エネルギー、自動車、ヘルスケア、水処理、ビッグ

 データ…。

 IoT(Internet of Things:あらゆるモノがネットに

 つながる状態のこと)を核とする第4次産業革命で、

 産業や社会は急速に変わる。

 そんな「社会イノベーション」に対応するあらゆる

 リソースを自社が保有していることを強調すると、

 高いインクルージョン(包括性)とサステナビリティー

 (持続性)を持って、全ての顧客に最善のソリュー

 ションを提供していくと高らかに宣言した。


 ご覧のように壇上にいたのは、日立製作所の

 中西宏明・会長兼CEO(最高経営責任者、69歳)

 である。

 「まるで日立らしくない」。日立に詳しい方ほどそう

 驚いたに違いない。
 

  (P.027)


「日立らしくない」という表現より、私は日本人経営者が
ラスベガスの一流ホテルで、大勢の聴衆の前で英語で
プレゼンしたことに、驚きと同時に、素晴らしいと感じ
ました。そう簡単にできることではないからです。


尚、中西宏明・会長兼CEO(最高経営責任者)の
インタビュー記事は、すでに「安心している暇はない」
というタイトルで掲載していますので、
そちらをご覧ください。


日経ビジネスのインタビュー
(178) 安心している暇はない




『日経ビジネス』はビジネスパースンを対象に、
日立製作所に対するアンケートを実施したそうです。


その概要をお伝えすることにしましょう。
3つに集約できるそうです。


①技術はあるが、商売は下手
②安定感はあるが、革新性はない
③内向き、上向きの閉鎖的社風

(P.027)


かなり厳しい評価が下されていますね。
当事者にとってはかなり堪える評価だ、と推測できます。


具体的に、どのような点からこのようなイメージを抱く
のか記事を読んでみましょう。


①技術はあるが、商売は下手


 博士号を取得した社員が1000人以上在籍し、

 数多くの特許を申請しながら、その圧倒的技術力が

 商売に強く結びついているように見えない。
 

  (P.027)


博士号を取得した社員が1000人以上もいるのは、
凄いことだと思いませんか?


「宝の持ち腐れ」と思われているのです。



②安定感はあるが、革新性はない


 社会イノベーション事業をグローバル展開する

 成長戦略も寄与したものの、革新的な商品や

 サービスを打ち出しての復活ではない。
 

  (P.027)


安定感は、日本人が企業に求める「第一条件」だと
思いますが。



③内向き、上向きの閉鎖的社風


 白物家電から原子力発電プラントまで手掛ける

 世界屈指のコングロマリットだが、原則として

 自前主義で、他社と連携し事業を推し進めて

 いく印象があまりない。
 

  (P.027)


相当厳しい評価が下されています。
ですが、私は期待の裏返しだと睨んでいます。


ただし、株式市場の評価も、これらの評価を繁栄した
かのように、株価が「実力」に見合わないような結果を
示しています。


 革新性と成長性に欠ける安定企業。

 そんな日立評を如実に反映しているのが株価だ。

 6月29日の終値で807.7円。

 時価総額は約3兆9000億円と、四半世紀前

 (1990年6月、約4兆9000億円)より低く、

 業績不振が続いたソニー(約4兆4000億円)にも

 及ばない。
 

  (P.027)


ちなみに、本日(2015.07.08)の終値を見てみましょう。


日立製作所 株価

6501 ㈱日立製作所 株価 2015.07.08 Yahoo! ファイナンスより



6月29日終値よりも下げていますね。
本日の日経平均株価を見てみましょう。


日経平均株価を

日経平均株価 2015.07.08 Yahoo! ファイナンスより



昨日よりも638.95円の大幅下げで、
2万円台を割り込みました。


日立製作所の株式の下げ幅(-3.13%)は、
日経平均株価の下げ幅(-3.14%)とほぼ同じですね。




さて、本題に戻ります。


今まで日立製作所のマイナスイメージばかりをお伝えして
きましたが、これらはあくまでも国内のイメージです。


海外ではプラスイメージで日立製作所を捉えています。
イメージが正反対ですね。


外国人社員の意見が掲載されています。


 欧州、米国、アジア…。同社の海外拠点で働く多くの

 外国人社員からは「リスクを問うことをいとわない企業」

 「日本企業らしからぬ真のグローバル企業」とまるで

 シリコンバレーのIT(情報技術)企業かのような賛辞が

 挙がる。
 

  (P.028)


ここで重要な点は、企業風土への評価も高いことです。


 企業風土への評価も高い。米シリコンバレーを本社

 とする日立データシステムズ(HDS)は、米フォーチュン

 が毎年発表している「最も働きがいのある会社100」の

 常連だ。果敢、挑戦、未来志向…。

 国内でのイメージが「頭でっかちの公家集団」だとすれば、

 海外では「開拓魂に富む野武士軍団」といった位置付け

 である。

 「商売下手」「革新性がない」などという国内での評価も、

 海外ではむしろ逆。

 外国人社員に言わせれば「事業展開のスピード感が

 最高にクール」となる。

 その具体例として真っ先に挙がるのが、欧州で急速に

 存在感を高めている鉄道ビジネスだ。
 

  (P.028)


鉄道ビジネスについては、
次回、「PART1 海外で今、注目される理由」
で詳しくお伝えします。


日立製作所の今を伝える資料を『日経ビジネス』が
用意しています。こちらをご覧ください。


日立製作所の実像の一端を垣間見ることができる
かもしれません。



File.1 業績は急回復

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.028)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




File.2 「社会イノベーション」で事業を再編集

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.028)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




File.3 事業の再編はドラスチックに

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.029)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06




File.4 海外での存在感は上昇中

(『日経ビジネス』 2015.07.06号 P.029)
「日経ビジネスDigital」 2015.07.06







ポイント

日立製作所は国内と海外で2つの違う顔を持つ

国内外で真逆のイメージを持たれている日立製作所。
「総合力」は宝の持ち腐れと揶揄されてきましたが、
IoT(Internet of Things=モノのインターネット)に
よって、あらゆるものがインターネットに接続される
時代になってくると、日立の「総合力」がモノを言う
ことになります。


高速鉄道車両と鉄道システムはその典型で、
詳細は次回に譲りますが、海外で高い評価を
受けるのは、単なる技術力ではないことが
分かってきます。







今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 外弁慶企業 
 総合力 
 権限委譲 
 社会イノベーション 
 外圧 





次回は、
「PART1 海外で今、注目される理由」 
をお伝えします。


ご期待下さい!






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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