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最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4<3>

日経ビジネスの特集記事(30)

最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋
2013.11.4


世界有数のモーターメーカーとなった日本電産が、

今、事業の大改革の真っ最中だといいます。タブレットの

普及が、予想を上回る速さで進み、パソコンの市場が急減

したため、ハードディスク用モーターの需要も急減したの

です。



日本電産、永続に挑む

奈落の底で誓ったV字回復

日本電産の永守重信社長CEO (最高経営責任者)は、事業改

革を20年前から進めてきたそうです。


今回の大改革は、創業以来継続してきた連邦経営から一体

経営への転換でした。

日本電産は昨年から、創業以来最大と

言っていいほどの危機と戦ってきた。

2013年3月期。日本電産は、最終利益が

79億9800万円と前期比80.4%の大幅減益

に沈んだ。

ところが、永守はこの日(2013年7月23日、

創業してから40年目)、2014年3月期に

売上高で前年比15.6%増の8200億円、最終

利益は同568.9%増の535億円へ一気にV字

回復させると公表した。

 (P.44)

一体どのようにして、急回復させようとしているのでしょ

うか?

永守は、2段階の大胆な再建策に

打って出た。第1弾は、精密モーターの

生産能力を約3割削減して生産設備や部品

在庫の簿価を落とす減損処理と、海外工場

の臨時従業員の圧縮。

そして第2弾が「日本電産作り直し」とも

言えそうな構造改革。成長を牽引してきた

パソコン向け精密モーター1本柱の事業構造

を、「車載用」「家電・商業・産業用」

「その他のモーター」を加えた4本柱に変え

ようというのだ。

 (PP.44-45)

ただ、国内の企業だけでM&A(合併・買収)を進めても、

効果は限定されるため、ここ3年は海外企業を買収し、

内外グループ企業間のシナジー(相乗作用)を最大限に

高める世界一体経営を進めているそうです。



20年前から進めていた事業転換

日本電産が一般企業とどこがどう違うのか。

まず創業者視点。永守はこれまでも

長期的視点で会社を変えようと様々な

手を打ってきた。

 (P.45)

パソコン市場からの転換は今に始まった

ことではなく、20年以上前から取り組んで

きた長期的構想だったわけだ。

 (P.46)



トップに至る太い縦の神経

なぜ、日本電産はこれほど自信を持って将来を

見通せるのでしょうか?

長い時間をかけて築いた、顧客に目を

凝らし続ける仕組みがある。それは、

世界に広がる様々な市場の最前線から

トップに至る太い縦の神経、とでも

表現できるものだ。

 (P.46)

具体的には、次のようなことです。

市場の生の動きを書き込んだ週報は、

毎週、戒田(日本電産リード社長)の元に

約300通も届く。熟読すると4~5時間はか

かる。

 (P.47)

「世界のいろんな市場の小さな動き

まで、あらゆることに目を光らせている」

と永守。「だからこそ、即座に方向を変

える決断ができる」とも話す。

 (P.47)



連邦経営から一体経営へ転換

永守社長は、自分が創業時から築き上げた

企業統治スタイルでも即座に変更できる

柔軟性を持ち合わせています。

今後は、国内外を問わず、グループ内

のシナジーを拡大する一体化経営に

切り替える。

 (P.48)


生産拠点を“スピード融通”

M&A(合併・買収)の目的は、時間とコストの

削減であることは、誰もが認識していることです。

しかし、さらにスピードを促進するためには、

工夫が必要です。

「グループ内で生産委託すれば、一から

工場を建設するより投資負担は減るし、

委託された側の工場の稼働率も上がる」

(常務執行役員グローバルビジネス統括

本部長の菱田正博)。

 (P.48)

日経ビジネスは、企業の成長を人間の成長になぞらえて、

次のように説明しています。

生きるために吸い込んだ酸素が体を

酸化させていくように、企業も、ヒト、

モノ、カネを抱え込んで組織を大きく

する過程で少しずつ機能不全に陥って

いく。その意味では、すべての企業は

いつか朽ちる運命と言っていい。

だとすれば、生半可な改革では企業の

老化を防げないのは当然だ。本気で

それをやるなら、ヒトに例えるなら、

すべての細胞を生まれ変わらせてい

くほどの覚悟が必要になる。日本電産

がやろうとしているのはそれに近い。

 (P.49)

最後に、永守社長がインタビューの席で述べていることの

中から一部をご紹介します。

「企業が成長するためには何を考えなければいけないのか。

まず大事なのは、自社が競争に勝てる条件を常に探し続ける

ことだ」(P.48)

「先を読むのに大事なのは、顧客が今、そして、今後、何を

求めるだろうかということに常に注意し続けることだ」(P.48)


この点について、今、私が読んでいる本の中に同じようなこと

が書かれていました。

先を読むということと、「察知力」は同様に考えてもいい

のではないか、とふと思ったのです。


サッカー元日本代表で、現在、横浜・F・マリノスの中心選手

である、MF(ミッドフィルダー)の中村俊輔選手が書いた

察知力 (幻冬舎新書)

という本です。

察知力というのは、人が成長するためには

欠かせない力であり、目標を達成したい、

願いを叶えたいと思うなら、磨くべき重要

な力だと思う。それはサッカーの選手だ

から、アスリートだからというのではなくて、

あらゆる仕事をしている人に当てはまる

はず。

思うようにいかないことにぶち当たったとき、

原因を察知する力。

上司から自分が求められていることを察知

する力。

目標へ到達するためにやるべきことを察知

する力。

周囲の変化を「察知」して、臨機応変に対応

できれば、状況や環境は変わっていく。

空気を読むというのは察知することであり、

それは人を思いやり、他人の気持ちを感じる

力でもあると思う。

 (上掲書 PP.35-36)

永守社長の言葉をもう一つご紹介します。

「組織というものは、ある意味、慣性の法則がある。どんな

組織も昨日までの判断や決定に似た判断をしがちになる

ものだ。成功体験が正しい判断の邪魔をするということが

あるのだろう」(P.49)



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最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4<2>

日経ビジネスの特集記事(30)

最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋
2013.11.4



『日本企業が短命化したのは、永続に欠かせない

「3つの視点」を失ったからだ」(P.32)と、日経ビジネスは

指摘しています。その3つの視点とは――。



3つの視点、取り戻せ

上場企業は約3500社あるそうですが、日経ビジネスが

算定した会社の旬の時期「18年」を超えて企業活力や

成長力を維持し続けている企業はわずか48社に過ぎま

せん。


主な企業名を挙げますと、イオン、ダイキン工業、

ヤマトホールディングス、味の素、アステラス製薬、

セコム、日野自動車、阪和興業、住友金属工業、

日揮などです。


これらの企業は、ゾンビ企業とどう違うのか。

定義上、過去の資産を食い潰しながら

生き永らえるゾンビ企業とは一線を画す、

ほんとうの意味での長寿企業48社。

(世界有数のコンサルティング会社、)

ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンの

奥野慎太郎パートナーは「長寿企業の経営

には、1990年代以降、多くの日本企業が失っ

たいくつかの共通項がある」と断言する。

同社の協力の下、長寿企業にあって一般企業

にはない経営の支店を3つに整理した。それが

「創業者視点」「顧客視点」「共創視点」だ。

 (P.33)



日本企業がなくした視点1 創業者視点

大王製紙の創業家3代目が、カジノ遊興費

をグループ子会社から借り入れしていた事件が

明るみに出たことは、よくご存知でしょう。


井川家の創業者、伊勢吉氏が残した言葉は、

「井川家が途絶えても会社は潰すな」だった

そうです。創業者の残した言葉を忘れたか、

無視した結果でした。

長寿企業の経営にあって一般企業に

ない第1の視点は、「創業者視点」だ。

事業に取り組むに当たり、自らリスク

を取って苦労を重ねながら起業した

創業者(オーナー)と、同じ目線を持つ

こと。これが今、多くの企業にできて

いない。

 (P.33)


ただ、創業者視点の欠如によって企業の中に

起きることは、大王製紙のような後継者の

私利私欲にための暴走に限らない、と日経

ビジネスは断言しています。


むしろ「企業の永続という観点で最も

問題となるのは、自社のコア事業強化の

ための長期投資をする姿勢がなくなる

こと」とベインの火浦俊彦マネージング

ディレクターは話す。

 (P.33)

事務用品メーカーのイトーキは、「今後は在宅勤務が

ますます増え、働く場所はオフィスに限らず、カフェ

やファーストフード店にノートパソコンやタブレット

を持ち込んで働くノマド(遊牧民)ワーカーも増加する」

(P.34)という時代の変化を見極め、経営の舵を大きく

切ったといいます。

「明日の利益より10年先の仕事」を

意識し、まだ市場が十分に形成されていない

分野に果敢に先行投資する。その繰り返しに

よって123年の歴史を作ったイトーキ。産業界

全体が短期利益主義に向かう中でも、その伝統

を断つ考えはない。

 (P.35)



日本企業がなくした視点2 顧客視点

カネボウが発売した美白化粧品が、

白斑問題を起こしても2年間も放置していた

ことが、発覚しました。親会社の花王として

も対応を苦慮したことでしょう。


こうした問題が起きる土壌はどこにあるのか。

「日本企業は合理化や効率化を優先し、

長期的に顧客視点を置き去りにしてきた」。

マーケティングコンサルティング会社、

ブレインゲイトの酒井光雄代表はこう話す。

 (P.37)


先の2020年東京オリンピック招致のプレゼンで

滝川クリステルさんが、身振り手振りを交えて

「お・も・て・な・し」という日本を象徴する

キーワードを発信しました。


これは顧客満足を与える言葉です。もっと大胆に

言えば、顧客を喜ばすためのあらゆる振る舞いを

一言で表現したものです。


日本企業は、1990年代後半から「お・も・て・な・

し」の心を失ってきたということになります。


どうしてこのような状況になってしまったので

でしょう?


日経ビジネスは『「顧客の気持ちを分かっていない

」と消費者が思う企業行動だ』と指摘しています。


具体的には、

大別して2つに分類できる。1つは

「顧客より利益」が透けて見える行動。

消費者が残念に思う企業行動の第2の

パターンは、「顧客よりリスク回避」が

目的なことが明らかな行動だ。

 (P.37)

そうした中で、電動工具メーカーのマキタは、一線を画す

行動をとり続けています。

マキタの電動工具が支持される理由

として、後藤昌彦会長は「世界中どこの地域

だろうと『何が何でも3日で修理』という方針

のためではないか」と話す。方針を貫くため

には多少のコストアップなど気にしない。

 (P.38)

その結果、「現在も新興国でのシェアは約4割とボッシュを

上回り、成長持続の原動力になっている」(P.38)ということ

です。

日本企業がなくした視点3 共創視点

液晶技術に絶対の自信を持っていた、

シャープが危機に瀕しています。奢りが危機を

招いたとも言えるでしょう。自前ですべてやろ

うとしたために、時代の流れに乗り遅れたのです。

シャープの元副社長、佐々木正氏は次のように

話しています。

シャープは独創はできた。だが、

共創は下手だった。

 (P.40)

生産システムには垂直統合と水平分業があります。

シャープは独創にこだわったために、自前主義、

つまり垂直統合を進め、サムスン電子などの韓国勢

は、他社にも広く供給する水平分業により生産量を

増やし、低価格化を追求したのです。

その結果、軍配は水平分業に上がりました。

日本企業が老化防止に挑むうえで、

改めて持たねばならない3つ目の視点は

共創視点だ。すべてを自前で創るのでな

く、外から人や技術を借りて“共に創り”、

時間とコストを節約する。そんな視点なし

に今の超競争下を生き残ろることは難しい。

 (P.41)

そうすると、M&A(合併・買収)による経営が時間と

コストを下げる有効な手段であることが分かりま

す。


このコーナーで、日経ビジネスは1つの結論を出してい

ます。

創業者視点、顧客視点、共創視点を

取り戻し、産業を高齢化ではなく、“抗齢化”する。

日本経済が30年前の輝きを取り戻すには、それ以外に

方法はない。

 (P.431)




次回は、「日本電産、永続に挑む」についてお伝えします。





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最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋 2013.11.4<1>

日経ビジネスの特集記事(30)

最新版 会社の寿命 老化を防ぐ3つの処方箋
2013.11.4



日経ビジネスが「会社の寿命は30年」という

キーワードを発表したのは、30年前の1983年の

ことでした。

現代では、会社の寿命は30年でなく、18年に縮

まったそうです。この30年で日本の企業を取り

巻く環境は、激変したということになります。



もはや寿命は18年

「時代の寵児」の早すぎた失速

今年10月に報道されたニュースに驚きました。

ソーシャルゲームでDeNAとともに、破竹の勢い

を誇っていたグリーが希望退職を募ったという

ニュースのことです。


「売上高は5年間で3億円から1582億円になる

という爆発的成長を遂げた」(P.29)会社だった

からです。


何が引き金になったのでしょう?

昨年5月、販売手法の「コンプリートガチャ」

が景品表示法違反に該当すると消費者庁

から指摘を受けると風向きが一変。今年

1月には、一部の未成年利用者に月額上限

以上の課金をしていたことも発覚し、2013

年6月期の連結決算は売上高が前年比3.8%

減の約1522億円と上場後初の減収減益に陥

った。

 (P.29)

こうした状況はグリーだけでなく、ミクシィも

同様です。

1999年の設立後、SNSで急成長し

2006年に上場を果たした。が、連結売上高は

2011年3月期をピークに下降。2014年3月期は

純損益が26億円の赤字になる見通しを発表し

た。

 (P.29)

2000年代に一世を風靡した2大IT企業が失速した

ことは、会社の寿命が短くなった象徴的な出来事

と言えるかもしれません。



最新手法で導く新・会社の寿命

日経ビジネスが「会社の寿命は30年」と

いうキーワードを発表した当時は、売上高や

総資産が企業の盛衰を表す指標として使われた

そうです。


時が流れ、現在では、売上高や総資産額だけで

は企業の盛衰を示す基準とは言い切れなくなっ

たということです。


そこで、日経ビジネスが新たに加えた基準は、

時価総額でした。

時価総額は、発行済株式総数×終値 です。


私の記憶では、日本で最初に「時価総額で企業

を評価すべきだ」と言ったのは、ソフトバンク

の孫正義社長でした。


本誌は今回、売上高や総資産額とは

別に、時価総額をベースに日本企業の

盛期を改めて計算した。その結果、新

たに導き出した「日本企業が輝いてい

られる時間」は18.07年。

時価総額を基準にした試算を見れば、

やはり日本企業は、この30年間で

急激な短命化が進んだことになる。

 (P.30)


寿命が縮んでいるのはIT業界にとどまらないこと

です。

半導体業界も典型的な短命産業となっています。

私たちの記憶に新しいのは、エルピーダメモリの

経営破綻が公になったことです。


この30年で時代が大きく変わったということです。


日本勢は顧客の要望に応じて最適

設計をする“すり合わせ”に一日の長

があった。ところが、1990年代後半か

らデジタル技術が急速に進化。部品を

組み合わせる際のすり合わせ自体が

以前に比べ価値を失った。

 (P.31)



矛盾した2つの数字の意味

日経ビジネスが「算出した『18.07年』という

数字はあくまで、1つの企業が社会的に

『旬の企業』と認知されてから、その座を失う

までの時間を指している」のです。


それとは別に、日経ビジネスは、「厳密な意味で

の生存期間」を帝国データバンクの協力の下で、

試算しました。その結果は――

2003年、31.6歳だった日本企業の

平均寿命はその後、上昇トレンドを示し、

2013年では34.9歳まで長寿化していた

のだ。

 (P.31)


短命化しているはずなのに、長寿化というのは

矛盾していますね。

一体どういうことなのでしょう。

日本の産業界は今、本来なら退場を

余儀なくされるはずのゾンビ企業

が市場に参加し続け、新陳代謝が

一向に進まぬ状況に陥っている、

ということだ。

 (P.31)


生物界で言われる「適者生存」、言い換えると

「弱肉強食」のルールを産業界に当てはめると、

進化のためには弱いものは淘汰されないといけ

ないということになりますが、現実は・・・


次回は、「3つの視点、取り戻せ」についてお伝えします。





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藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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