スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

環太平洋 30億人経済圏を 攻略せよ 2015年メガFTA始動 2014.12.15 <3>



日経ビジネスの特集記事(86)

環太平洋 30億人経済圏を
攻略せよ 2015年メガFTA始動
2014.12.15



今週の特集記事のテーマは

地中海は過去の海、大西洋は現在の海、
そして太平洋は将来の海――。
100年以上前から言われてきた世界がついに
現実のものになろうとしている。
高い潜在成長性、活発化する域内貿易、
伸び続ける人口・・・。
難航するTPP交渉をよそに、環太平洋経済圏
の現実は先を行く
 (『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.029)

ということです。


環太平洋 30億人経済圏を<br />攻略せよ 2015年メガFTA始動

環太平洋 30億人経済圏を
攻略せよ 2015年メガFTA始動

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 表紙)




今特集記事のスタートページ

今特集記事のスタートページ

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 PP.028-029)




第1回は、「PROLOGUE 幻と化す新幹線
輸出」と「PART 1 大動脈から毛細血管へ」
を取り上げました。


第2回は、「PART 2 世界の6割握るのは誰」
を取り上げました。


最終回は、「PART 3 日本企業が挑む3つの
攻め手」をご紹介します。



初回、メキシコで遭遇した中国と日本との越え
がたい価格差などの動きが拡大すればどう
なるのか、「日経ビジネス」取材班は、次のように
述べていました。


 国という単位は経済活動においてそれほど

 大きな意味をなさなくなり、さながら一つの

 巨大な「太平洋国」の中の競争であるように、

 地域や都市の単位で需要とプレーヤーが

 結び合うことになるだろう。
 

  (P.031)


上記の解説を読んで思い浮かんだのは、
大前研一さんが19年前(1995年)に書いた
『地域国家論』(原題は The End of the Nation
State)(大前研一 山岡洋一・仁平和夫 訳
講談社 1995年3月2日 第1刷発行)
に書かれていたことです。


今特集記事を読み解くために、重要なポイント
と考えていますので、再再掲します。


現在の世界情勢を預言したと言ってもよい
でしょう。


もっとも、大前さんは「私は預言者ではない。
世界の動きをつぶさに見ていれば、必然的に
そうならざるを得ない」と言うかもしれません。


出版当時、大前さんが指摘した状況に、
世界も日本も追いついていなかった、
と言えるかもしれません。


以来、約20年たった今日、世界も日本も、
大前さんが指摘した状況に、ようやく追い
ついてきたとも言えます。


『地域国家論』に書かれていることの一部を
ご紹介しましょう。抜粋を読んでいただけば、
「日経ビジネス」の今特集記事を深く理解できる、
と思います。少し長くなりますが、じっくりお読み
ください。


 私はグローバル経済の性格を決める

 「4つのC」の流れを見る方法を提唱

 する。1番目のCは、キャピタル(資本)。

 資本はもはや地理的な拘束を受けない。

 世界のどこであろうと、魅力的な投資

 機会があれば、カネが流れ込んでくる。

 そして、その大半は「民間の」資金だ。

 2番目のCは、コーポレーション(企業)。

 魅力的な市場や顧客があれば、魅力的

 な資源があれば、どこへでも出ていこう

 と考える。また、そうしなければ生き残れ

 ない。

 もちろん、企業が動けば、資金もいっしょに

 動く。それ以上に重要なのは、技術と経営

 ノウハウが移転されることだろう。

 資本と企業が動きやすくなったのは、3番目

 のC、コミュニケーション(情報)技術の発達
 
 によるところが大きい。企業はいまや、進出

 する国ごとに大がかりな事業組織をつくらな

 くても、世界の各地で事業を展開できるよう

 になった。

 4番目のC、コンシューマー(消費者)もグロー

 バル化が進んでいる。

 どこの国の製品だろうがおかまいなく、消費者

 はもっともよい製品、もっとも安い製品を買おう

 とする。ふところと相談して、自分の好きなもの

 を買う。

 以上説明してきた4つのCの国境をまたいだ

 動きによって、ふさわしい規模をそなえた経済

 単位を持つ地域なら、世界のどこに位置しようと、

 発展に必要なものを何でも手に入れられるように

 なった。

 4つのCの自由な動きによって、主権国家の

 「仲介者」の役割は時代遅れになったのだと

 すれば、グローバルな交渉のテーブルにつき、

 グローバルな解決策を見つけられる経済単位

 は、人為的、政治的な国境にとらわれず、経済

 がうまくいき、市場が繁栄している地域になる。

 私はそうした単位を「地域国家(リージョン・

 ステート)」と呼んでいる。

 地域国家とは、政治的な境界に関わりなく、

 今日のグローバル経済の中で繁栄していくのに

 適切な規模を持った「自然な経済単位」のことで

 ある。グローバル・ワールドで問題になるのは、

 そうした経済単位の境界と関係である。

 主権国家は経済単位としては不自然なものに

 なってしまった。経済単位として機能しなくなった

 と言ってもいい。その一方で、地域国家はグロー

 バル経済への出入口として非常にうまく機能して

 いる。
 

  (上掲書 PP.19-23)


『地域国家論』で、大前さんは「地域国家」という
概念を世界で初めて提示しました。
19年前のことですよ!


大前さんが述べていることは、現在、世界中で
確認できることばかりです。今特集記事でも
確認できるでしょう。


私が、『地域国家論』を読んだ当時、今ひとつ
ピントきませんでしたが、20年近くたって読み
直してみると、大前さんが述べていたことがよく
理解できるようになりました。


「なるほど。こういうことだったのか」と腑に落ちる
ことがあります。


「日経ビジネス」は一つの言葉を提示します。
今特集を象徴する「言葉」と言ってもよいでしょう。


 地中海は過去の海、大西洋は現在の海、

 そして太平洋は「将来の海」と言われる。

 環太平洋経済圏――自由貿易の海が、

 今まさに、目の前に姿を現し始めている。
 

  (P.031)




PART 3 日本企業が挑む3つの攻め手

攻め手 1 意外な土地を「ハブ」と定める

古河電気工業

「ハブ」と「スポーク」という表現がビジネス書に
出てきます。どちらも自転車の車輪の構造から
出てきた言葉です。


本体とつながった中央の軸が「ハブ」です。
「スポーク」はその「ハブ」から放射状に広がっ
た部品です。


「ハブ空港」という言葉を聞いたことがあると
思います。その空港から世界各地の空港に
放射状につなぐ拠点となる空港のことです。


そこで「ハブ」の話になります。


 思いもよらないところに「ハブ」の最適地が

 ある。

 コロンビア第3の都市、カリ。かつてはライ

 バルの麻薬シンジケート、メデジン・カルテル

 と覇を競ったカリ・カルテルの本拠地として

 悪名高い一方、85年前、日本からの移民が

 初めてコロンビアに入植した場所でもある。

 通信ケーブル大手の古河電気工業は、日本

 にゆかりのあるこの土地を、環太平洋市場を

 攻略するハブに定めた。

 ここで今年7月、生産を始めたのが高速インター

 ネット通信に使われる光ファイバーケーブルだ。
 

  (P.041)

コロンビアといえば、麻薬取引の拠点と南米サッ
カーの強豪チームというイメージですね。


ブラジルW杯でコロンビアと同組に入った日本が、
コロンビアに完敗したことは、記憶に新しいことです。


そのコロンビアに古河電気工業は光ファイバーケー
ブルの生産拠点に定めました。


その理由を「日経ビジネス」はコロンビア人の気質と、
ロケーション、そして実質GDP成長率の高さにある
としています。


 コロンビアはラテン気質ながら比較的勤勉な

 人が多い土地柄とされ、生産体制作りは当初

 の想定以上にスムーズに進んだ。2年程度は

 かかると考えていた3交代制の勤務体系導入

 は、前倒しで来年3月までに実現できる見通し。

 これによって、生産能力は今の1.5倍の1万

 2000kmに伸びる。

 中南米では、通信インフラの本格整備はまだ

 これから。アルゼンチンを除くと、ブロードバンド

 接続の普及率は15%未満にとどまる。


 「今後10年、中南米ではブロードバンドの整備

 計画が安定的に続く。コロンビア工場の稼働で、

 中南米の太平洋側をカバーする」。本社の執行

 役員で、中南米を統括するブラジル法人社長の

 ホアジ・シャイクザデー氏は話す。


 最終的にコロンビアに決めた理由は何か。

 まず、経済基盤が弱い国が多い中南米の中で、

 比較的安定した成長を続けていることだ。

 GDP(国内総生産)はブラジル、アルゼンチンに

 続く南米3位の規模。リーマンショック後もマイナス

 成長にならないしぶとさを見せた。


 かつて懸案だった治安の悪さは、政府の対策が

 効果を上げ、少なくとも都市部では大幅に改善

 している。

 外資系企業に適した環境も整っている。規制や

 税制は企業寄りとされ、世界銀行が毎年発表する

 ビジネスのしやすさランキングでは中南米トップの

 34位。


 そして、太平洋に面していることが大きい。

 最終的にカリを選んだ理由は、海路での輸出拠点

 となるブエナ・ベントゥーラ港までの道路が整備され、

 太平洋に出るまでの距離が120kmと近かったことだ。
 

  (P.041)


コロンビアから太平洋岸を攻める

コロンビアから太平洋岸を攻める

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.041)





攻め手 2 アウェーの勝ち馬に乗る

三井物産

今まさに良い流れが来ている時に、「勝ち馬に乗る」
というのは、投資にかぎらず、事業を行なう際にも
タイミングを逃してはならないものです。
チャンスをしっかりものにすることが大切です。
判断・決断・断行の3断跳びができるかどうかです。



 海外の合弁相手などが持つネットワークや

 ノウハウを、進出国でのビジネスにとどまらず、

 その周辺地域の攻略にも活用し尽くす。

 これが、環太平洋市場を開拓する近道だ。
 

  (P.042)


三井物産はそのタイミングを逃しませんでした。
メキシコで実績を積んだ海外の企業をパートナー
として活用し、下水処理施設事業に参入したの
です。


 アトラテック社はメキシコの有力水処理企業

 で、2008年7月に東洋エンジニアリングと

 共同で三井物産が傘下に収めた。


 中南米でこれから中間層が拡大すれば、

 国民はより良い生活環境を求める。各国の

 政府はインフラ事業に税収を投じ、その期待

 に応える。上下水道の整備は、その柱の一つ

 である。


 イダルゴ州アトトニルコで現在、世界最大の

 下水処理場が建設中だ。東京ドーム約35個分

 の敷地には、浄化設備が一面に並び、小高い

 丘には汚泥埋め立て用地が広がる。アトラテック

 は施設建設の管理に加え、今後25年間の下水

 処理サービスを請け負った。

 処理能力は日量約360万トン。メキシコシティと

 その郊外を含む人口2000万人分の家庭排水

 のうち、6割をこれで浄化できる。
 

  (P.043)


来年2月に完成を予定している<br />世界最大の下水処理場

来年2月に完成を予定している
世界最大の下水処理場

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.043)



三井物産はかつてイラン石化事業で巨額な損失
を被った過去があります。事業に参入するスピード
も大事ですが、状況が悪化する見込みが高い場合
には、事業から撤退するスピードも大事です。


そうした失敗の経験から学んだノウハウを蓄積し、
新たな事業に生かしてきたのだ、と思います。


イラン・ジャパン石油化学について、あるサイトに
次のように書いてあります。


 イランの石油と日本ということではさらに忘れられ

 ないケースがある。1970年ごろから89年までに

 及ぶIJPC、つまり「イラン・ジャパン石油化学」の

 大事業の破綻である。三井物産が中心になって

 進めたものの、まったく実を結ばず、1300億円の

 清算金まで払って幕を閉じたイランでの日本の

 石油化学プロジェクトだった。
 

  (甦るIJPC(イラン・ジャパン石油化学)の悪夢
  SAFTY JAPANのサイトから)


パートナー選びは、事業においてもとても重要な
ポイントです。


 環太平洋の中でも日本とのつながりは濃淡が

 ある。日本企業にとってアジア市場が「ホーム」

 とすれば、中南米市場は「アウェー」だ。

 日本企業がいきなりアウェーに乗り込んでも、

 顧客をつかむのは難しい。まず現地に詳しい

 パートナーとの関係を深め、市場開拓の先兵役

 になってもらうことが大切だ。
 

  (P.044)




攻め手 3 サプライチェーンを組み直す

イオン

イオングループの出店攻勢はすさまじいです。
ただ、イオンにはセブン&アイホールディングス
のセブンイレブンのようなコンビニはありません。


そのため、「まいばすけっと」のようなコンビニと
スーパーの中間にあたる店舗の出店を加速して
います。しかし、いずれ飽和してくるでしょう。


そこで、イオンはアジア市場に進出し、日本国内
での戦略と異なる、イオンの大型店を出店して
います。


カンボジアに進出した「イオンモール」が紹介されて
います。記事を読んでみましょう。


 今年6月30日、カンボジアの首都・プノンペン

 でショッピングモール「イオンモール」が開店

 した。家電から衣類、食品まで同国初出店の

 テナントを取りそろえ、延べ床面積10万㎡を

 超える同国最大のモールだ。

 小売業が未発達で、「モノ」が不足している

 カンボジアにあって、その豊富な品ぞろえは

 瞬く間に話題を集めた。連日、客足が途絶え

 ることはない。


 イオンは郵船ロジスティックスに協力を仰ぎ、

 周辺国からまるで日本国内のように、それぞれ

 の商品に適した温度帯を保ったトラックで国際

 ピストン輸送する体制を整えた。


 経済の一体化が進む中で、「国」単位ではなく、

 「域内」という単位で物流網を構築できる時代を

 迎えつつある。イオンが東南アジアに構築した

 先端物流網は、それを先取りしたような取り組み

 と言える。そのノウハウは、輸送距離が格段に

 長くなる環太平洋サプライチェーンにも生かせる

 だろう。
 

  (P.045)



生鮮食品を国際ピストン輸送
イオンモール(プノンペン)の食品流通経路

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.044)



「日経ビジネス」は特集記事の最後で、次のように
まとめています。


 関税障壁がなくなり、環太平洋が「1つの国」

 のようになれば、資材・原料調達から生産、

 販売に至るまで、これまでの常識は大きく

 変わる。そんな将来像を具体的に描きなが

 ら、今から動き出せるかどうかが、グロー

 バル市場での勝敗を分けるようになる。

 太平洋はこれからも、ますます「小さく」なって

 いくはずだからだ。
 

  (P.045)


最後に、もう一度、大前研一さんが『地域国家論』
の中で語ったことを確認しておきましょう。


 グローバルな解決策を見つけられる経済単位

 は、人為的、政治的な国境にとらわれず、経済

 がうまくいき、市場が繁栄している地域になる。

 私はそうした単位を「地域国家(リージョン・

 ステート)」と呼んでいる。

 地域国家とは、政治的な境界に関わりなく、

 今日のグローバル経済の中で繁栄していくのに

 適切な規模を持った「自然な経済単位」のことで

 ある。グローバル・ワールドで問題になるのは、

 そうした経済単位の境界と関係である。

 主権国家は経済単位としては不自然なものに

 なってしまった。経済単位として機能しなくなった

 と言ってもいい。その一方で、地域国家はグロー

 バル経済への出入口として非常にうまく機能して

 いる。
 

  (上掲書 PP.22-23)






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




スポンサーサイト

環太平洋 30億人経済圏を 攻略せよ 2015年メガFTA始動 2014.12.15 <2>



日経ビジネスの特集記事(86)

環太平洋 30億人経済圏を
攻略せよ 2015年メガFTA始動
2014.12.15



今週の特集記事のテーマは

地中海は過去の海、大西洋は現在の海、
そして太平洋は将来の海――。
100年以上前から言われてきた世界がついに
現実のものになろうとしている。
高い潜在成長性、活発化する域内貿易、
伸び続ける人口・・・。
難航するTPP交渉をよそに、環太平洋経済圏
の現実は先を行く
 (『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.029)

ということです。


環太平洋 30億人経済圏を<br />攻略せよ 2015年メガFTA始動

環太平洋 30億人経済圏を
攻略せよ 2015年メガFTA始動

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 表紙)




今特集記事のスタートページ

今特集記事のスタートページ

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 PP.028-029)




第1回は、「PROLOGUE 幻と化す新幹線
輸出」と「PART 1 大動脈から毛細血管へ」
を取り上げました。


第2回は、「PART 2 世界の6割握るのは誰」
を取り上げます。


最終回は、「PART 3 日本企業が挑む3つの
攻め手」をご紹介します。



前回、メキシコで遭遇した中国と日本との越え
がたい価格差などの動きが拡大すればどう
なるのか、「日経ビジネス」取材班は、次のように
述べていました。


 国という単位は経済活動においてそれほど

 大きな意味をなさなくなり、さながら一つの

 巨大な「太平洋国」の中の競争であるように、

 地域や都市の単位で需要とプレーヤーが

 結び合うことになるだろう。
 

  (P.031)


上記の解説を読んで思い浮かんだのは、
大前研一さんが19年前(1995年)に書いた
『地域国家論』(原題は The End of the Nation
State)(大前研一 山岡洋一・仁平和夫 訳
講談社 1995年3月2日 第1刷発行)
に書かれていたことです。


今特集記事を読み解くために、重要なポイント
と考えていますので、再掲します。


今日の世界情勢を預言したと言ってもよい
でしょう。


もっとも、大前さんは「私は預言者ではない。
世界の動きをつぶさに見ていれば、必然的に
そうならざるを得ない」と言うかもしれません。


出版当時、大前さんが指摘した状況に、
世界も日本も追いついていなかった、
と言えるかもしれません。


以来、約20年たった今日、世界も日本も、
大前さんが指摘した状況に、ようやく追い
ついてきたとも言えます。


『地域国家論』に書かれていることの一部を
ご紹介しましょう。抜粋を読んでいただけば、
「日経ビジネス」の今特集記事を深く理解できる、
と思います。少し長くなりますが、じっくりお読み
ください。


 私はグローバル経済の性格を決める

 「4つのC」の流れを見る方法を提唱

 する。1番目のCは、キャピタル(資本)。

 資本はもはや地理的な拘束を受けない。

 世界のどこであろうと、魅力的な投資

 機会があれば、カネが流れ込んでくる。

 そして、その大半は「民間の」資金だ。

 2番目のCは、コーポレーション(企業)。

 魅力的な市場や顧客があれば、魅力的

 な資源があれば、どこへでも出ていこう

 と考える。また、そうしなければ生き残れ

 ない。

 もちろん、企業が動けば、資金もいっしょに

 動く。それ以上に重要なのは、技術と経営

 ノウハウが移転されることだろう。

 資本と企業が動きやすくなったのは、3番目

 のC、コミュニケーション(情報)技術の発達
 
 によるところが大きい。企業はいまや、進出

 する国ごとに大がかりな事業組織をつくらな

 くても、世界の各地で事業を展開できるよう

 になった。

 4番目のC、コンシューマー(消費者)もグロー

 バル化が進んでいる。

 どこの国の製品だろうがおかまいなく、消費者

 はもっともよい製品、もっとも安い製品を買おう

 とする。ふところと相談して、自分の好きなもの

 を買う。

 以上説明してきた4つのCの国境をまたいだ

 動きによって、ふさわしい規模をそなえた経済

 単位を持つ地域なら、世界のどこに位置しようと、

 発展に必要なものを何でも手に入れられるように

 なった。

 4つのCの自由な動きによって、主権国家の

 「仲介者」の役割は時代遅れになったのだと

 すれば、グローバルな交渉のテーブルにつき、

 グローバルな解決策を見つけられる経済単位

 は、人為的、政治的な国境にとらわれず、経済

 がうまくいき、市場が繁栄している地域になる。

 私はそうした単位を「地域国家(リージョン・

 ステート)」と呼んでいる。

 地域国家とは、政治的な境界に関わりなく、

 今日のグローバル経済の中で繁栄していくのに

 適切な規模を持った「自然な経済単位」のことで

 ある。グローバル・ワールドで問題になるのは、

 そうした経済単位の境界と関係である。

 主権国家は経済単位としては不自然なものに

 なってしまった。経済単位として機能しなくなった

 と言ってもいい。その一方で、地域国家はグロー

 バル経済への出入口として非常にうまく機能して

 いる。
 

  (上掲書 PP.19-23)


『地域国家論』で、大前さんは「地域国家」という
概念を世界で初めて提示しました。
19年前のことですよ!


大前さんが述べていることは、現在、世界中で
確認できることばかりです。今特集記事でも
確認できるでしょう。


私が、『地域国家論』を読んだ当時、今ひとつ
ピントきませんでしたが、20年近くたって読み
直してみると、大前さんが述べていたことがよく
理解できるようになりました。


「なるほど。こういうことだったのか」と腑に落ちる
ことがあります。


「日経ビジネス」は一つの言葉を提示します。
今特集を象徴する「言葉」と言ってもよいでしょう。


 地中海は過去の海、大西洋は現在の海、

 そして太平洋は「将来の海」と言われる。

 環太平洋経済圏――自由貿易の海が、

 今まさに、目の前に姿を現し始めている。
 

  (P.031)




PART 2 世界の6割握るのは誰

「環太平洋経済圏は世界経済の6割を占める」
(P.036)そうです。このパイを我が物にするために
各国がしのぎを削っています。


私は、10年以内に決着がつくと考えています。
TPP(環太平洋経済連携協定)は、2015年早々
にも米国主導でまとまると見られています。


日本の立場はかなり厳しいものになるでしょう。
それはさておき、米中のせめぎ合いは一層激化し、
環太平洋経済圏のシェアの多くは米中が握ること
になるのは、ほぼ確実です。


では、日本はその次を占めることができるでしょうか?
現況を見ると非常に難しいと言わざるを得ません。
アジア地域を見ますと、新・新興国の台頭が著しく、
日本に迫ってきています。


ここで注目すべきは、TPPは米国が主導し、
FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)は中国が主導
していることです。


米中の綱引きが激化するだけでなく、環太平洋
経済圏にある国々をいかに取り込めるかで、
大勢が決します。


日本はTPPとFTAAPの構成国ですが、脇役に甘ん
じるしかないでしょう。もっとも、脇役が主役を食って
しまうことがない、とは言い切れません。映画や舞台
の世界で実際に起きているように。



まず、下図をご覧ください。
● FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)
● TPP(環太平洋経済連携協定)
● ASEAN(東南アジア諸国連合)
● 太平洋同盟
● TTIP(環大西洋貿易投資協定)
の5つの自由貿易圏があります。




(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 PP.036-037)



画像が小さいため、主要部分を書き出します。

北京APECで中国が推進を    域内貿易額 5兆1520億ドル
主張                  域内GDP   42兆5255億ドル  
FTAAP                域内人口   28億6120万人
(アジア太平洋自由貿易圏)    構成国・地域
                     オーストラリア、ブルネイ、カナダ、
2025年を妥結目標に掲げる   インドネシア、日本、米国、マレー
ように中国が動く          シア、ニュージーランド、フィリピン、
                     シンガポール、タイ、韓国、台湾、
                     中国、香港、メキシコ、パプア
                     ニューギニア、チリ、ペルー、ロシ
                     ア、ベトナム、モンゴル

米国が主導             域内貿易額 2兆152億ドル
交渉は最終段階           域内GDP   27兆5720億ドル  
TPP                  域内人口   8億1431万人
(環太平洋経済連携協定)     構成国・地域
                     オーストラリア、カナダ、日本、米国、
                     マレーシア、ニュージーランド、シン
                     ガポール、ベトナム、ブルネイ、メキ
                     シコ、ペルー、チリ
                     
設立から47年            域内貿易額 3288億ドル
日本とも深い関係           域内GDP   2兆5260億ドル  
ASEAN                 域内人口   6億2483万人
(東南アジア諸国連合)        構成国・地域 
                      インドネシア、カンボジア、シンガ
                      ポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、
                      ベトナム、マレーシア、ミャンマー、
                      ラオス

南米の新興国群           域内貿易額 271億ドル
日本を含む30カ国が        域内GDP   2兆3990億ドル
オブザーバー国            域内人口   2億3014万人          
太平洋同盟              構成国・地域
                      メキシコ、コスタリカ、チリ、ペルー、
                      コロンビア、パナマ
                      
米欧がアジアに対抗         域内貿易額 4兆3338億ドル
                      域内GDP   33兆5256億ドル  
TTIP                   域内人口   8億3306万人
(環大西洋貿易投資協定)      構成国・地域 
                       メキシコ、コスタリカ、チリ、ペルー、
                       コロンビア、パナマ


出所:域内貿易額は国際通貨基金(IMF)
    「Direction of Trade Statistics」、
    域内GDPはIMF「World Economic
    Outlook」、域内人口は国連
    「World Population Prospects:
    The 2012 Revision」の中位推計値


5つの自由貿易圏を比較しますと、FTAAPが
最も規模が大きく、TTIPが続いています。
TPPは3番目の規模ということになります。


何と言いましても、米中の動きが一番気になる
ところです。中国はFTAAPを主導し、有利に
展開したいという目論みを持っています。


一方、米国は右手にTTP、左手にTTIPという
太平洋と大西洋を制覇したいという野望を抱い
ています。TPPとTTIPを合わせれば、FTAAPに
規模で勝るからです。両国とも「したたか」です。


そんな「したたか」な米中が、「11月11日に北京
で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)
が終了後、中国の習近平・国家主席はバラク・
オバマ米大統領と10時間、意見交換した」(P.036)
そうです。


どんな内容であったかは、当事者しか分かりません
が、「したたか」な二人ですから、米中双方にとって
プラスになることを話し合ったに違いありません。


しかし、その一方で米国は中国を全面的に信用して
いるわけではない象徴的な出来事がありました。
「日経ビジネス」の記事を読んでみましょう。


 オバマ大統領と習国家主席が長時間会議で

 友好を演出する一方、米国大使館で隠れる

 ように開かれたTPP会合。北京でのAPECに

 合わせて行われた2つの会議が、現在の米中

 両国の微妙な関係を象徴している。 
 

  (P.036)


ここで注目すべきポイントは、米国はFTAAPにも
TTP(TTIPも含め)にも参加していますが、中国は
FTAAPにしか参加していないことです。


中国はFTAAPにしか参加していませんから、
その枠組の中で主導権を握りたいのです。


 透けて見えてくるのは、これまでにない巨大な

 経済圏の主導権をどちらが握るかという、大国

 間の激しい綱引きだ。
 

  (PP.037-038)


環太平洋経済圏の人口は2030年までに<br />2億人以上増える<br />環太平洋経済圏のGDPは2018年には<br />60兆ドル近い規模に

環太平洋経済圏の人口は2030年までに
2億人以上増える
環太平洋経済圏のGDPは2018年には
60兆ドル近い規模に

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.039)




 TPP、ASEAN、太平洋同盟などに名を連ねる

 28の国・地域のGDP4の合計は、ここ10年で

 2倍近くに伸びている。

 さらに、人口は2030年までに2億5000万人

 ほど増えるとの予測が出ている。米国と欧州

 連合(EU)の間で交渉しているTTIP(環大西洋

 貿易投資協定)の人口増が5000万人弱なの

 と比べると、成長力の高さが分かる。
 

  (P.039)


今まで米中両国を中心に「日経ビジネス」の記事に
基づいてお話してきました。
では、日本は指を咥えて待っているしかないので
しょうか? 
「日経ビジネス」はこう伝えています。


 環太平洋経済圏の誕生は、日本にとっても

 大きな意味がある。現在、日本の全輸出額

 に占める環太平洋経済圏(日本を除く27の

 国と地域)向け輸出の割合は8割。その内訳

 を見ると、米国と中国向けで4割弱を占める。

 米中の経済規模を考えると、当然とも言える

 かもしれないが、いわゆる経済の“動脈”に

 頼る部分が大きいことを示す。多様な国や

 地域が集まる環太平洋経済圏の潜在力を、

 まだ十分に生かし切れていないと見ることも

 できる。
 
 
 人口減が進み、資源も乏しい日本にとって、

 貿易などによる他国との経済的なつながり

 はこれまで以上に重みを増す。環太平洋

 経済圏の活用に、消極的であっていいはず

 はない。
 

  (P.039)



最終回は、「PART 3 日本企業が挑む
3つの攻め手」をご紹介します。






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




環太平洋 30億人経済圏を 攻略せよ 2015年メガFTA始動 2014.12.15 <1>



日経ビジネスの特集記事(86)

環太平洋 30億人経済圏を
攻略せよ 2015年メガFTA始動
2014.12.15



今週の特集記事のテーマは

地中海は過去の海、大西洋は現在の海、
そして太平洋は将来の海――。
100年以上前から言われてきた世界がついに
現実のものになろうとしている。
高い潜在成長性、活発化する域内貿易、
伸び続ける人口・・・。
難航するTPP交渉をよそに、環太平洋経済圏
の現実は先を行く
 (『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.029)

ということです。


環太平洋 30億人経済圏を<br />攻略せよ 2015年メガFTA始動

環太平洋 30億人経済圏を
攻略せよ 2015年メガFTA始動

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 表紙)




今特集記事のスタートページ

今特集記事のスタートページ

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 PP.028-029)




第1回は、「PROLOGUE 幻と化す新幹線
輸出」と「PART 1 大動脈から毛細血管へ」
を取り上げます。


第2回は、「PART 2 世界の6割握るのは誰」
を取り上げます。


最終回は、「PART 3 日本企業が挑む3つの
攻め手」をご紹介します。



PROLOGUE 幻と化す新幹線輸出
意外なところから崩される日本の足場


最初の事例として、メキシコシティの現況が
伝えられています。


私たちは、メキシコにはあまり関心を持ちま
せんし、メディアで報道されることもあまり
ありません。


今、そのメキシコシティの片田舎に高速鉄道
建設プロジェクトが進行しています。


そのプロジェクトに日本企業も入札したのですが、
中国企業に「一旦」落札されました。


「一旦」という状況は、「日経ビジネス」の解説を
ご覧ください。



 メキシコシティから世界遺産の古い町並み

 が残るケレタロまでの約210kmを結ぶ

 プロジェクトだ。11月上旬、中国国有の

 中国鉄建を中心とする共同事業体が落札。

 3日後に入札プロセスを巡る懸念から落札

 が取り消されたことに、住民たちも関心を

 寄せていた。


 メキシコで日本勢は屈辱的とも言える

 「不戦敗」を喫していた。入札に応じたのは

 中国勢だけで日本勢は参加すらできなかった。

 なぜか。

 落札額は約5000億円と、日本の常識から

 すれば考えられない金額だった。

 「中国勢は日本の半値以下。いくら何でもこの

 価格に対抗して安値で受注を狙おうとは思わ

 ない」。ライバルの川崎重工関係者はあきらめ

 顔で語る。 
 

  (P.030)


価格が乖離していれば、太刀打ちできません。
大赤字を出してまで受注する意味はありません。


その昔、日本でもコンピュータシステムをどうしても
受注したくて、大型コンピュータに「1円入札」を行い、
狙い通り受注した国産コンピュータメーカーがあり
ました。ソフトウェアで元を取ろうと図ったのです。
その後は、「1円入札」は認められなくなりましたが。


歴史を振り返ってみると、日本も「安かろう悪かろう」
と言われた時期がありました。
その時の日本は、現在の中国と重なって見えます。


話を戻します。
メキシコシティの高速鉄道建設の入札やり直しが
行われるそうですが、今後の見込みはどうなるの
でしょうか?


 メキシコでは落札取り消しを受け、再入札が

 行なわれる見込み。不正の疑いをかけられた

 にもかかわらず、中国勢は果敢にも再応札に

 臨む。コスト差を見る限り、次も落札の最有力

 であることに変りはない。このことはメキシコ

 以外でも日本の高速鉄道輸出が続々幻に

 なりかねないことを示唆する。
 

  (P.030)


中国は今、中南米への進出を図り、市場拡大を
狙っています。


 中国が太平洋を飛び越えて地球の裏側

 で売り込みに力を入れるのは高速鉄道に

 限らない。中国の対外投資先はアフリカの

 印象が強いが、2013年に前年比で最も

 伸び率が高かった地域は2倍以上へ急増

 した中南米だった。
 

  (P.030)


中国が中南米へ投資の流れを強めている
理由は、「日経ビジネス」によれば、
「『自由貿易の輪』の拡大」(P.031)にある
と見ています。


 まず米国が主導し来年早々にもまとまる

 可能性があるTPP(環太平洋経済連携

 協定)。11月に北京で開かれたアジア

 太平洋経済協力会議(APEC)で、中国

 などが主唱したFTAAP(アジア太平洋自由

 貿易圏)もある。

 いずれも東南アジア諸国連合(ASEAN)や、

 南米諸国による太平洋同盟など既存の

 経済圏を貫くように結びつける。
 

  (P.031)


上記のような動きが拡大すればどうなるのか、
「日経ビジネス」取材班は、次のように述べて
います。


 国という単位は経済活動においてそれほど

 大きな意味をなさなくなり、さながら一つの

 巨大な「太平洋国」の中競争であるように、

 地域や都市の単位で需要とプレーヤーが

 結び合うことになるだろう。
 

  (P.031)


上記の解説を読んで思い浮かんだのは、
大前研一さんが19年前(1995年)に書いた
『地域国家論』(原題は The End of the Nation
State)(大前研一 山岡洋一・仁平和夫 訳
講談社 1995年3月2日 第1刷発行)
に書かれていたことです。


今日の世界情勢を預言したと言ってもよい
でしょう。


もっとも、大前さんは「私は預言者ではない。
世界の動きをつぶさに見ていれば、必然的に
そうならざるを得ない」と言うかもしれません。


出版当時、大前さんが指摘した状況に、
世界も日本も追いついていなかったと言える
かもしれません。


以来、約20年たった今日、世界も日本も、
大前さんが指摘した状況に、ようやく追い
ついてきたとも言えます。


『地域国家論』に書かれていることの一部を
ご紹介しましょう。抜粋を読んでいただけば、
「日経ビジネス」の今特集記事を深く理解できる、
と思います。少し長くなりますが、じっくりお読み
ください。


 私はグローバル経済の性格を決める

 「4つのC」の流れを見る方法を提唱

 する。1番目のCは、キャピタル(資本)。

 資本はもはや地理的な拘束を受けない。

 世界のどこであろうと、魅力的な投資

 機会があれば、カネが流れ込んでくる。

 そして、その大半は「民間の」資金だ。

 2番目のCは、コーポレーション(企業)。

 魅力的な市場や顧客があれば、魅力的

 な資源があれば、どこへでも出ていこう

 と考える。また、そうしなければ生き残れ

 ない。

 もちろん、企業が動けば、資金もいっしょに

 動く。それ以上に重要なのは、技術と経営

 ノウハウが移転されることだろう。

 資本と企業が動きやすくなったのは、3番目

 のC、コミュニケーション(情報)技術の発達
 
 によるところが大きい。企業はいまや、進出

 する国ごとに大がかりな事業組織をつくらな

 くても、世界の各地で事業を展開できるよう

 になった。

 4番目のC、コンシューマー(消費者)もグロー

 バル化が進んでいる。

 どこの国の製品だろうがおかまいなく、消費者

 はもっともよい製品、もっとも安い製品を買おう

 とする。ふところと相談して、自分の好きなもの

 を買う。

 以上説明してきた4つのCの国境をまたいだ

 動きによって、ふさわしい規模をそなえた経済

 単位を持つ地域なら、世界のどこに位置しようと、

 発展に必要なものを何でも手に入れられるように

 なった。

 4つのCの自由な動きによって、主権国家の

 「仲介者」の役割は時代遅れになったのだと

 すれば、グローバルな交渉のテーブルにつき、

 グローバルな解決策を見つけられる経済単位

 は、人為的、政治的な国境にとらわれず、経済

 がうまくいき、市場が繁栄している地域になる。

 私はそうした単位を「地域国家(リージョン・

 ステート)」と呼んでいる。

 地域国家とは、政治的な境界に関わりなく、

 今日のグローバル経済の中で繁栄していくのに

 適切な規模を持った「自然な経済単位」のことで

 ある。グローバル・ワールドで問題になるのは、

 そうした経済単位の境界と関係である。

 主権国家は経済単位としては不自然なものに

 なってしまった。経済単位として機能しなくなった

 と言ってもいい。その一方で、地域国家はグロー

 バル経済への出入口として非常にうまく機能して

 いる。
 

  (上掲書 PP.19-23)


『地域国家論』で、大前さんは「地域国家」という
概念を世界で初めて提示しました。
19年前のことですよ!


大前さんが述べていることは、現在、世界中で
確認できることばかりです。今特集記事でも
確認できるでしょう。


私が、『地域国家論』を読んだ当時、今ひとつ
ピントきませんでしたが、20年近くたって読み
直してみると、大前さんが述べていたことがよく
理解できるようになりました。


「なるほど。こういうことだったのか」と腑に落ちる
ことがあります。


「日経ビジネス」は一つの言葉を提示します。
今特集を象徴する「言葉」と言ってもよいでしょう。


 地中海は過去の海、大西洋は現在の海、

 そして太平洋は「将来の海」と言われる。

 環太平洋経済圏――自由貿易の海が、

 今まさに、目の前に姿を現し始めている。
 

  (P.031)




PART 1 大動脈から毛細血管へ

モンゴルと日本は、相撲にかぎらず、
太いつながりがあります。
ところが、最近では綻びが出てきました。


モンゴルで新空港建造が進められている
そうです。問題は、次の解説で明らかに
なります。


 新空港の建造は、総工費およそ500億円

 を円借款で賄うODA(政府開発援助)事業

 だ。モンゴル民間航空局から三菱商事と

 千代田化工建設のJV(ジョイントベンチャー)

 が受注した。

 形式上は日系JVが受注している。だが実際

 は、日系企業が担うことの多い円借款事業

 にもかかわらず、韓国企業が施工するという

 事態になった。

 そこから始まったのは、下請けからの、事実上

 の「日系企業外し」だ。

 新空港の建造に向けて生コンクリートを供給

 しているのは、サムスン物流と業務提携を

 結んでいる地場企業のグループ会社だ。

 グローバル市場で当然と思われたルールが

 通用しない。円借款案件から日本が締め出さ

 れる。

 毛細血管の先にある新興市場は時にリスクが

 高く、一つひとつの規模は日米欧の市場ほど

 に大きくない。だが、規模ではなく成長性で

 見ればその評価は反転する。 
 

  (PP.032-033)


ODA事業でモンゴルに協力した日本が、事実上
閉め出されるというのは、何とも後味の悪い事態
ですが、これが現実です。


米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が
出資していることで知られる中国のEV(電気
自動車)メーカーについての記述があります。


中国のEVメーカーとはどこなのだろう、と思い
ませんでしたか?
私も「どこだろう?」と思いました。


 今年4月、ロサンゼルス郊外のランカスター

 で、BYDが中国の自動車メーカーとして初と

 なるEVの米国生産を始めた。だが、作るの

 は乗用車ではない。EVのバスを生産する。

 自動車会社にとって大市場である消費者向け

 乗用車よりも、まずは周辺市場であるバスを

 通じて公共交通機関に浸透させた方が勝算が

 あると考えたからだ。

 「EV市場」ではなく、あえて「EVバス、タクシー

 市場」と細分化することで橋頭堡を築き、じわ

 じわと大動脈型の市場に浸透していく。

 日本勢は、環太平洋経済圏において、こうした
 
 毛細血管型のゲリラ戦術とまみえることを余儀

 なくされるのだ。
 

  (P.035)


世界市場で勝負するには、キレイ事ばかりでは
通用しないということです。


日本企業が外国企業と伍して戦うには、ルールの
変更にも対応できなくてはならず、厳しい状況は
ますます強まると考えたほうがよさそうです。



米EV市場を攻めるBYD。今年4月には中国の自動車<br />メーカーとして初めて米国生産を始めた

米EV市場を攻めるBYD。今年4月には中国の
自動車メーカーとして初めて米国生産を始めた

(『日経ビジネス』 2014.12.15 号 P.035)





次回は、を「PART 2 世界の6割握るのは誰」
をご紹介します。






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




         
検索フォーム

プロフィール

藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

FC2カウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ランキング

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ
にほんブログ村

スポンサード・リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ビジネス
308位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
79位
アクセスランキングを見る>>

アクセスランキング

スポンサード・リンク

銀座カラー

カテゴリ

サイト内ランキング



FXってそもそも何?

スポンサード・リンク



外為ジャパン

アマゾン・サーチボックス

スポンサード・リンク

だいぽん
抜群の安定性と爆発力を誇るアフィリエイトの 秘訣を徹底解説しています。 だいぽんさんが今も月500万~1000万くらい稼いでいる ノウハウです。 あなたも安定的な収入の柱を作りませんか?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。