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善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング 2015.02.09 <3>



日経ビジネスの特集記事(94)

善い会社
2015年版 いま必要とされる100社ランキング
2015.02.09



今週の特集記事のテーマは

会社とは何か。単なる「営利組織」という定義は、
もはや通用しなくなりつつある。
働き手、顧客、取引先、地域社会、投資家――。
多様な利害関係者のすべてに、持続的にプラスの
影響を与える組織。
いま必要とされるのは、利益の向上と社会への
貢献が一体化した「善い会社」だ。
その会社とはどこか
 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)

ということです。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ『善』」
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
を取り上げました。


第3回(最終回)は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。




『日経ビジネス』が今回初めて実施した「善い会社」
ランキング。どのような基準で100社を選出したのか
大変興味がありました。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)


一言で言えば、ステークホルダー(利害関係者)に
対する「善」です。


本題に入る前に、スタートページの右側に掲載されている
ベスト20社をご覧ください。


「なるほど、あの会社は20位以内にランクインしているな」
「えっ!? あの会社は20位以内にランクインしていないの?」
と様々な印象を持たれることでしょう。



「善い会社」ランキング ベスト20社

「善い会社」ランキング ベスト20社

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)



見にくい箇所があるかもしれませんので、書き出します。

 1 ソフトバンク         70.7
 2 ファーストリテイリング   65.4
 3 キーエンス          65.2
 4 ファナック           63.9
 5 ヤフー             63.5
 6 イオンモール         62.4 
 7 楽天              61.9
 8 マニー             60.2
 9 日本たばこ産業       59.8
10 武田薬品工業        59.7
11 東海旅客鉄道        58.4
12 KDDI             58.2
13 ABCマート          58.0
14 住友不動産         57.9
15 ユー・エス・エス       57.8
16 アステラス製薬       57.7 
17 トヨタ自動車         57.5
18 SMC             57.3
19 ナカニシ            57.2
20 トレンドマイクロ        57.1

営業利益率/従業員増減/法人税額/株価変動率
の4つの指標に点数配分し、100点満点で、総合計を
ランキングしています。(詳細は本文の中で)


今まで「いま必要とされる100社ランキング」という
タイトルでありながら、ごく一部しかご紹介してきま
せんでした。


そこで、最後に100社を一挙公開します。
あなたの会社は100社の中に入っているでしょうか?




では、本題に入りましょう!



 PART 2 今日から始める善い会社の作り方 

前回まで、「善い会社」や「社会から認めてもらうため、
『善行』を重ねて善い会社を目指す会社」をご紹介して
きました。


最終回は、「善い会社はどのようにして作るのか」に
焦点を当てて、『日経ビジネス』は3つの方法を提言
していますので、その提言を中心にお伝えしていきます。


「社会」
「社員」
「顧客」


これら3つのキーワードが、どのような意味を持つのか
見ていくことにしましょう。




 作り方 1 「社会」問題を商機に 

 伊藤園 



 大分県の国東半島南部に位置する杵築市。

 市の山間部に、真冬でも鮮やかな緑が

 まぶしい約30万㎡の茶畑がある。


 ここは、伊藤園が緑茶飲料「お~いお茶」

 の原料を入手する契約農園。

 地元の建設会社である昭和建設工業(大分県

 日出町)が2005年に設立した。農事組合法人

 カヤノ農産が運営する。


 伊藤園は1990年代半ばから、農家の高齢化

 などの理由で放置された耕作放棄地を活用し、

 茶畑を育てる地域活性化事業「茶産地育成事業」

 に取り組んでいる。県や市などの地方自治体と

 連携して放棄地を探索し、茶園の経営に参入

 したい地元企業を募集。その企業に、茶葉の育成

 法や農園を運営するノウハウなどを伝授している。


 カヤノ農産はその第1号。だが、新規参入を試み

 る“素人”にとって、茶園の経営は決して甘くはない。

 苗を植えてから最初の収穫まで4年。ようやく成長

 しても、際限なく生える雑草に霜、害虫など「敵」は

 多い。


 伊藤園農業技術部の社員が救いの手を差し伸べ

 る。そのかいもあって、カヤノ農産の事業は軌道に

 乗った。


 伊藤園がここまでするのは、地域活性化のためだけ

 ではない。自社が抱えてきた悩みを解決するため

 でもある。その悩みとは、原料調達先である茶葉生産

 者の減少。「このままでは安心・安全な国内茶葉を

 安定して調達できなくなる」。この危機感が、同社を

 地域活性化の取り組みに駆り立てた。


 自社の利益の追求が社会貢献にもつながれば、企業

 側はより真剣になるし、社会も永続的に恩恵を受けら

 れる。このウィンウィンの関係をいかに築くかが、

 「善い会社」を作る最大のコツだ。
 

  (PP.038-039)



伊藤園は、日本茶の茶葉は国産に限定しています。
そのこだわりは「安心・安全な茶葉を安定して調達」
するだけでなく、日本茶葉生産農家の育成という、
大切な使命感に支えられているからだ、とも言えます。





 作り方 2 社員の幸せを優先 

 ランクアップ 



 多くの日本の企業が抱える、優秀な女性を活用
 
 しきれないという悩み。化粧品を開発・販売する

 ランクアップ(東京都中央区)の取り組みからは、

 その原因と解決策が見える。

 岩崎裕美子社長は以前、広告代理店で取締役

 営業本部長を務めていた。多くの社員が女性

 だったが、長時間労働が当たり前の職場で、

 出産を経て育児をしながらキャリアを積むことは

 事実上不可能。辞めていく女性社員たちを見送

 りながら、環境を変えようと社長に直訴しても、

 のれんに腕押しだった。


 岩崎社長は会社を辞め、ランクアップを起業した。


 ランクアップでは出産退職はゼロ。就業時間は

 午前8時半から午後5時半で、仕事が早く終われ

 ば午後5時での帰宅も認めている。


 もっとも現在の環境にたどり着くまでには試行錯誤

 があった。


 転機は2011年。サマータイムを導入し、仕事が

 終わったら午後5時で帰宅することを認めた。

 すると、「皆が必死に仕事を早く終わらせた」(岩崎

 社長)。


 短時間業務を実現しても、業績が下降線をたどって

 は意味がない。だが、ランクアップは9年連続で

 増収増益だ。
 

  (P.049)


要は、労働時間の長さではないのです。
1時間あたりの生産性をいかに上げ、絶え間なく、
付加価値を高めていく工夫と、努力が不可欠である
ということです。





 作り方 3 顧客の人生を助ける 

 小川の家 



 小川の家は、長崎市内にオフィスを構える、

 従業員5人の小さな工務店。かつては、施工主の

 要望に沿って住宅を建てるという、当たり前の業務

 を淡々とこなす会社だった。


 「心身ともに健康に暮らせる家を建てるべきでは

 ないか」。

 施工主にこう訴えたことは数知れない。

 しかし、そのたびに、「あなたのこだわりはどうでも

 いいから」と言い返された。


 2002年、ついに我慢の限界に達する。

 そして、「自分の信念にのっとった家しか造らない」

 と誓った。それは、間仕切りが少なく開放的な家。

 個室には扉がないので、子供が自室にひきこもる

 ことはできず、親子の対話が促される。

 そうした家は同時に経済的でもあった。住宅の構造

 を簡素にできるため、より少ない建材で家を建てら

 れる。


 「これこそが真の顧客志向だ」。そう信じたが、
 
 当初はなかなか理解されなかった。


 小川の家では家計診断からスタートする。年収を

 上回る高級車のローンの支払いに追われている

 ことが分かれば、「軽自動車に買い替えませんか」

 と勧める。


 家計の無駄を省いた上で、支払い能力の範囲内

 に収まるように、立地や住宅の価格を決めていく。


 あえて最初に現実と理想のギャップを突き付ける。

 小川勇人社長は、「顧客の利益を本当に考えれば、

 入居後のローンの支払いに追われるような住宅は

 建てられない」と言う。


 顧客志向とは、ただ顧客の要望に応えることに

 あらず――。これが顧客の利益を突き詰めた小川

 社長の結論だ。
 

  (P.042)


見方を変えれば、「余計なお節介」ですが、
顧客にとって何が本当に大切なことのかを熟慮すると、
「これが正解だ」と自信を持って言える領域まで踏み
込んでいかなければ、顧客のハートをがっちり掴むこと
はできないでしょう。


ただ、見栄を張り通したい人には、小川の家は向いて
いません。




最終的には、顧客から感謝される存在になるのです。



『日経ビジネス』取材班は、善い会社の「3つの作り方」
をまとめて次のように述べています。



 「社会」「社員」「顧客」の3つの視点から善い会社

 の作り方を見てきた。共通するのは、取っ掛かりは

 違えど、最終的にはすべてのステークホルダーに

 利益をもたらしている点だ。


 善い会社の形は、会社の数だけ存在する。

 あなたの会社も、「善い会社」に必ずなれるはずだ。
 

  (P.043)



プラスの影響を多方面に波及させながら成長

プラスの影響を多方面に波及させながら成長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.043)




では、お約束の通り、「善い会社 ランキング 100社」
をご覧ください!



 1  ソフトバンク
 2  ファーストリテイリング
 3  キーエンス
 4  ファナック
 5  ヤフー
 6  イオンモール
 7  楽天
 8  マニー
 9  日本たばこ産業
10  武田薬品工業
11  東海旅客鉄道
12  KDDI
13  ABCマート
14  住友不動産
15  ユー・エス・エス
16  アステラス製薬
17  トヨタ自動車
18  SMC
19  ナカニシ
20  トレンドマイクロ

21  シスメックス
22  久光製薬
23  コマツ
24  テルモ
25  キャノン
26  ホンダ
27  マキタ
28  ニトリホールディングス
29  シマノ
30  J トラスト
31  小野薬品工業
32  ダイビル
33  ヒューリック
34  NTT
35  ミスミグループ本社
36  オリックス
37  クボタ
38  ダイキン工業
39  NTTドコモ
40  JPホールディングス

41  ブリヂストン
42  ユニ・チャーム
43  プレステージ・インターナショナル
44  日本電産
45  参天製薬
46  デンソー
47  セコム
48  村田製作所
49  田辺三菱製薬
50  新日鉄住金
51  住友電気工業
52  ローソン
53  ロート製薬
54  三井不動産
55  ハーモニック・ドライブ・システムズ
56  アダストリアホールディングス
57  中外製薬
58  浜松ホトニクス
59  沢井製薬
60  東京建物

61  アシックス
62  大東建託
63  ヒロセ電機
64  花王
65  日本ガイシ
66  イオンディライト
67  伊藤忠商事
68  ピジョン
69  信越化学工業
70  キリンホールディングス
71  アイシン精機
72  大日本住友製薬
73  日揮
74  ダイセキ
75  阪急阪神ホールディングス
76  プロトコーポレーション
77  王将フードサービス
78  住友ゴム工業
79  ドクターシーラボ
80  エーザイ

81  日立キャピタル
82  モーニングスター
83  オリエンタルランド
84  ケネディクス
85  ジーテクト
86  日精ASB機械
87  野村総合研究所
88  住友不動産販売
89  良品計画
90  三菱電機
91  丸一鋼管
92  船井総研ホールディングス
93  日本パーカライジング
94  EPSホールディングス
95  生化学工業
96  関西ペイント
97  キャノン電子
98  ツムラ
99  アサヒグループホールディングス
100 TPR

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.030-031)




最後に、「善」の定義をもう一度確認しておきましょう。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)






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2015.02.09



今週の特集記事のテーマは

会社とは何か。単なる「営利組織」という定義は、
もはや通用しなくなりつつある。
働き手、顧客、取引先、地域社会、投資家――。
多様な利害関係者のすべてに、持続的にプラスの
影響を与える組織。
いま必要とされるのは、利益の向上と社会への
貢献が一体化した「善い会社」だ。
その会社とはどこか
 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)

ということです。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ『善』」
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
を取り上げます。


第3回は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。




『日経ビジネス』が今回初めて実施した「善い会社」
ランキング。どのような基準で100社を選出したのか
大変興味がありました。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)


一言で言えば、ステークホルダー(利害関係者)に
対する「善」です。


本題に入る前に、スタートページの右側に掲載されている
ベスト20社をご覧ください。


「なるほど、あの会社は20位以内にランクインしているな」
「えっ!? あの会社は20位以内にランクインしていないの?」
と様々な印象を持たれることでしょう。



「善い会社」ランキング ベスト20社

「善い会社」ランキング ベスト20社

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)



見にくい箇所があるかもしれませんので、書き出します。

 1 ソフトバンク         70.7
 2 ファーストリテイリング   65.4
 3 キーエンス          65.2
 4 ファナック           63.9
 5 ヤフー             63.5
 6 イオンモール         62.4 
 7 楽天              61.9
 8 マニー             60.2
 9 日本たばこ産業       59.8
10 武田薬品工業        59.7
11 東海旅客鉄道        58.4
12 KDDI             58.2
13 ABCマート          58.0
14 住友不動産         57.9
15 ユー・エス・エス       57.8
16 アステラス製薬       57.7 
17 トヨタ自動車         57.5
18 SMC             57.3
19 ナカニシ            57.2
20 トレンドマイクロ        57.1

営業利益率/従業員増減/法人税額/株価変動率
の4つの指標に点数配分し、100点満点で、総合計を
ランキングしています。(詳細は本文の中で)




では、本題に入りましょう!



 PART 1 利益の追求が社会を「善く」する」 の後半

 第19位 ナカニシ 
 顧客を「感動」させる製品やサービスを生み出し続ける 

ナカニシも凄い会社です。
日本にこのような会社があるということは、
日本の誇りです。


他社にまねのできない技術を持っていることは
強みです。そして、その強みをさらに強化し、
新製品に生かしていくことができれば、好循環
ができ、鬼に金棒ですね。


と同時に、大都市に本社ほかの拠点を置かなく
ても、顧客は世界中に存在するのであれば、
本社所在地がどこにあろうと関係ないことを証明
しています。


今や、情報は世界中からインターネットを使って
収集したり、国内外の企業との連携によって、
人脈によっても得られるのです。


規制に守られていたり、官公庁の指示待ちを
しているような企業は、遅かれ早かれ淘汰され
ます。


顧客志向という言葉は使い古されましたが、
顧客に目を向けなくなった企業が業績不振に
あえぐのは当然の帰結です。


頭では「お客様は大切」と理解していても、
経営トップや役人の顔色を伺うようになった
企業は要注意です。




 19位に入った、栃木県鹿沼市に本社と工場を

 置く、ナカニシも、他社にまねできない技術を

 武器に、顧客やその先にいる真の顧客に貢献し、

 「善い会社」となった。

 ナカニシが手掛けるのは、歯科医が歯を削る時に

 使うドリルだ。世界市場はこれまで、100年以上

 の歴史を持つドイツの老舗、カボがトップを走り

 続けていた。これをナカニシが4年前に奪取。

 起爆剤になったのが、競合製品に比べて約30%

 小型化した歯科医向け高速回転ドリルだった。

 小型化はユーザーである歯科医にとって大きな

 意味を持っていた。ドリルが小さくなると患者の口

 の中に入れた時の視認性が上がり、患部を治療

 しやすくなる。また、小刻みにドリルを動かせるので、

 より繊細な治療も可能になる。


 「顧客を感動させる製品やサービスを生み出し

 続けること」。これが中西社長の定義する善い会社

 の条件であり、2000年の社長就任以来、大切に

 し続けている経営方針でもある。

 現在の従業員数は約1000人。世界135カ国に

 輸出し、欧州や米国などの13カ所に直営販売拠点

 を設ける。

 グローバル企業になった今も変わらず守り続けて

 いるのが、「メード・イン・ジャパンのモノ作り」だ。

 その理由は2つある。

 まず、日本の雇用を守ること。もう一つは事業の

 根幹である「感動製品」を生み出すためだ。

 例えば、ナカニシの製品は他社製に比べて、

 患者を悩ませる「キーン」という嫌な音や振動が

 少ないことで知られる。音や振動は、ドリルの回転時

 に内部の部品が微妙に接触することで発生する。

 この接触を少なくするには、部品一つひとつをミクロン

 単位で精密に加工することが欠かせない。

 「ミクロン単位の加工ができるのは日本だけ。精密な

 作業は日本人が適している」と中西社長は説明する。
 

  (P.032)


私は、今では歯科医院に通院することはありません。
通院していた頃のことを思い出しますと、治療器具の
耳障りな金属音は嫌でしたね。


ナカニシの直接の顧客は歯科医ですが、その先の顧客
は患者です。患者のことまで考えた製品作りをしている
から世界中から支持されるのです。



中西英一 ナカニシ社長

中西英一 ナカニシ社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.032)






 第23位 コマツ 
 顧客、取引先、社員、株主に「なくてはならない」存在になる 

コマツの建機は、世界中の建設現場で欠かせない
存在になっているようです。




 23位に入ったのは建機大手のコマツ

 「ないと困る会社になる」――。これが、コマツが目指す

 善い会社だ。


 部品会社で不良品率が高い工程があると、コマツの

 技術者は現場に赴く。そして、実際に不良品を出して

 いる機械の前で、工程を検証しながら議論する。

 すると、それまで見えていなかった問題の原因や解決

 法が浮かび上がる。

 これが、コマツ流「5ゲン主義」だ。「現場」で「現物」を

 前に、物事の「原点」に立ち返り、データで「現実」を

 直視し、問題点を「顕在化」する。


 大橋徹ニ社長は「ステークホルダーにとっての選択肢

 は常に当社以外にもある。株主は他の企業に投資

 することもできるし、顧客は競合他社を選ぶことも

 できる。取引先もそう。様々なステークホルダーから

 の信頼の総和が、企業の価値だ」と話す。

 5ゲン主義を取引先や投資家など、様々なステーク

 ホルダー相手に実践することを目指す。
 

  (PP.032-033)



昔から、3現主義は知られていました。
「現場」へ足を運び、「現物」に接し、「現実」を直視し、
改善していくという一連の流れです。


コマツは、この3現主義に「原点」と「顕在化」の2つを
加え、5ゲン主義にまとめ実践しています。


すべてのステークホルダーに、「なくてはならない」存在
になることを目指しています。



大橋 徹ニ コマツ社長

大橋 徹ニ コマツ社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.033)






 第73位 日揮 
 人類に貢献するために常に新しい挑戦をする 

日揮と言えば、2013年に起こったアルジェリアの
テロ事件で日本人従業員を含め、多くの関係者の
尊い命を奪われた際に、記者会見に社長が涙を
流して臨んだ姿が、今でも印象に残っています。


日揮は、どんなに危険な地域でも顧客が望むなら
出かけていき、プラントの建設に長期間にわたって
従事する仕組みを構築しています。


その技術者たちが失われたことは大きな損失ですが、
くじけるような企業ではありません。


 「人材がすべての会社。ありとあらゆる技術者が

 集まり、総合的に解決策を提案する。最終目標は

 人類に貢献することだ」。

 73位、日揮の川名浩一社長が強調するのは

 「人の力」だ。

 日揮は巨大プラントなどの設計・調達・建設を手掛

 けるプラント・エンジニアリング会社。灼熱の砂漠や

 過酷な極寒地といった環境でも稼働できる付加価値

 の高いプラントを構築する。


 資源を安心して得るための施設を作ることで、

 世界の問題解決に資する。それが日揮の考える

 存在意義だ。

 過酷な環境で、危険を伴うプロジェクトにも従事する

 のはそのためだ。

 だからこそ、技術者の安全を守ることが、日揮に

 とって最重要課題となる。

 2013年に起こったアルジェリアのテロ事件では、

 関係者17人を失った。「イスラム国」の台頭など、

 地政学リスクは一層高まっている。


 日揮は事件後、セキュリティー組織を「部」から

 社長直轄の「本部」に格上げ。海外からセキュリ

 ティーの専門家を招くなど人員を増強した。


 近年、資源・エネルギーの開発は「3Dの時代」に

 突入した。Deep(深い)、Difficult(難しい)、

 Distant(遠い)の頭文字を取ったもので、

 開発プロジェクトが複雑化し、難易度が上がって

 いることを意味する。


 川名社長は「高度になっても、『日揮ならやってくれる』

 という信頼感を得ている」と話す。
 

  (PP.033-034)


川名社長は「高度になっても、『日揮ならやってくれる』
という信頼感を得ている」と語っています。


この信頼感は、相当の実績の積み重ねがなければ、
得られないものです。技術者たちの熱い思いが伝わって
くるような話ですね。


日揮は新入社員でもすぐに海外へ派遣することが「普通」
に行われる会社であることが、川名社長の経歴からも
推察されます。



 川名社長は入社3カ月でインドネシアの

 スマトラ島で働いた経験を持つ。

 「プロジェクトには工場のような決められた

 システムやルールがない。自ら作って言葉

 で説明しなければ、人は期待した能力を

 発揮してくれない」。それだけに、

 巨大プロジェクトの成否を握るプロジェクト

 マネージャーの組織的な育成がカギとなる。
 

  (P.034)



川名 浩一 日揮社長

川名 浩一 日揮社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.034)






 第61位 アシックス 
 企業が成長しなければステークホルダーの幸せもない 

アシックスは、昔はオニツカタイガーという名称で
親しまれていました。


今、アシックスはオリンピックに出場する選手を
はじめ、多くのスポーツマンの足元に欠かせない
存在になっています。


そのアシックスが「危機」に見舞われた話から、
『日経ビジネス』はスタートしています。




 61位、アシックス の“危機”は突然訪れた。

 2004年のアテネ五輪に合わせ、英国を拠点と

 する国際NGO(非政府組織)「オックスファム」

 などが、労働環境改善を求める告発キャンペーン

 を展開したのだ。

 アシックスやミズノ、プーマなどのスポーツウェア

 メーカー7社がやり玉に上がった。


 アシックスでもインドネシアの靴工場で過酷労働

 の疑いが持たれた。その後の調査で、告発された

 工場にその事実はなかった。


 アシックスはその後、サプライチェーンの管理を

 強化。

 2006年には日本企業として初めて、労働者の

 権利保護に取り組む国際NPO(非営利組織)で

 ある公正労働協会(FLA)に加盟。自社、監査会社、

 FLAによるトリプルチェックを開始した。


 尾山社長は「善い会社であるためには成長が必須。

 そうでなければステークホルダーに利益を与えること

 もできないからだ」と言い切る。


 最近では、主力のスポーツシューズが欧米を中心と

 する海外で順調に伸びている。株価がこの10年で

 278円から2029円にまで伸びたことも同社が

 ランキングで61位に入ったが理由の一つだ。
 

  (PP.034-035)



“危機”をバネに成長を続ける同社に期待する声が
多いのも納得できます。



アシックス 尾山 基社長 CEO

アシックス 尾山 基社長 CEO

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.035)






 社会悪との偏見 「善行」重ねて覆す 

今まで「善い会社」をご紹介してきました。
次に、『日経ビジネス』は「善い会社」とは真逆な
イメージを持たれているパチンコ、たばこ、産業
廃棄物処理の会社にスポットライトを当てています。


何とか悪いイメージを払拭しようと「善行」を重ねて
いる姿を追っています。




 パチンコ、たばこ、産業廃棄物処理――。

 世間の風当たりが強い業界で、存続をかけて

 「善行」を重ねる企業がある。
 

  (P.036)



 ダイナム 



 「街と生きるパチンコ」を標榜するのが、全国に

 386店を展開するダイナムだ。

 佐藤公平社長は「善人ぶりたいわけではないが、

 地域の一員として認めてもらうため、各店舗の

 店長の判断で、従業員を地域の清掃活動や、

 花火大会の手伝いなどに参加させている」と話す。

 活動内容はテレビCMなどでも紹介している。


 パチンコに対する世間一般のイメージは依然として

 良くない。そこでダイナムはパチンコ依存症対策を

 支援し、貸し玉料を抑えて過度な遊興を防ぎ、

 町の景観になじむ木造店舗を建てるなど、イメージ

 向上に一層力を入れる。佐藤社長は「業界に対する

 偏見を取り除きたい」と強調する。
 

  (P.036)


ただ、1社(グループ)だけの「善行」では限界がある
のも事実です。業界の負のイメージを払拭するため
には、業界全体で行動しなければ、あまり効果がない
気がします。





 日本たばこ産業(JT) 



 ボストンコンサルティンググループの杉田浩章

 ジャパン・アジアビジネス代表は、「負のイメージ

 を背負う企業は、社会との関わりを深めて信用

 を勝ち取らねばならない」と指摘する。

 
 地道な活動などで9位につけた日本たばこ産業

 (JT)もその一社だ。過去20年間に、

 国内のたばこ消費量は半分以下にまで減った。

 嫌煙家が増えたのが一因だ。


 そこで、JTが取り組んでいるのが、「分煙コンサル

 ティング」だ。


 コンサル件数は活動を始めた10年前は年間200件

 程度だったが、積極的な営業によって、

 今では年3000件前後にまで増えた。
 

  (P.037)



JTたばこ事業本部の石井哲郎・社会環境
推進部長はこう語っています。
「喫煙者も吸わない人も、気持よく暮らせる
社会を目指す」。


喫煙権も嫌煙権も認め、どうやって折り合いを
つけるのかを考え、最終的に「分煙」という
考え方に落ち着いたのでしょう。



ちなみに、私はたばこを直接吸ったことは一度も
ありません。副流煙(間接喫煙)にさらされたこと
は何度もありますが。今は、もうそうしたことも全く
ありません。





 石坂産業 



 埼玉県三芳町で産廃処理を手掛ける石坂産業

 世間の逆風にさらされた経験を持つ。

 1999年、「所沢の葉物野菜からダイオキシンが

 検出された」と報道されたのを機に、野菜が売れ

 なくなった。これに悩んだ地元農家が、怒りの矛先

 を産廃会社に向けたのだ。


 石坂産業は同業他社に先駆けてダイオキシン対策炉

 を導入していたが、全く理解されなかった。

 「私たちのどこがいけないの?」。石坂典子社長は

 憤りを感じながらも、地域社会に受け入れてもらえる

 ための方法を来る日も来る日も考えた。そこでたどり

 着いたのが、「『非難』を『教え』に転換させる」という

 方法だ。

 例えば、地域住民から「会社の周辺が汚い」と言われ

 れば、誰がどう見ても汚いと思わないレベルまで掃除

 をする。「態度が悪い」と指摘されれば、社員に毎朝、

 挨拶を復唱させた。

 その過程では「やってられねぇ」と古参が次々退職。

 半年間で従業員数は6割に減った。


 同時に取り組んだのが、荒れ果てた周囲の森の

 手入れだった。土地を地主から借り、果樹園や散策

 路を作って地元に開放する。工場内に見学路を作り、

 地域の子供たちがリサイクルについて学べる環境を

 整えた。

 これが従業員の意識を変えた。興味津々で見学する

 子供たちを見ているうちに、仕事に対する誇りが高ま

 っていった。


 売上高は右肩上がりに増え続け、昨年度は41億

 3000万円に達した。

 「地域貢献は永続企業になるための投資」。

 石坂社長は今、そう確信している。
 

  (P.037)



事実を理解せず、腹いせに疑わしい業者を
犯罪者扱いする人たちは、自分が加害者に
なっていることに気づくべきです。


資源保護のためには、3Rが大切と言われます。
Reduce(減らす)、Reuse(同じものを何度も使用)、
Recycle(リサイクル)です。


産業廃棄物処理を考えると、製品作りの段階で、
ゴミをできるだけ出さない工夫が望まれます。
元の段階から減らすということです。


現状、製造段階で工夫せずに、分別を消費者に
押し付けているのは、明らかにおかしなことで
あると思っています。




「善」の定義を確認しておきましょう。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)





最終回は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング 2015.02.09 <1>



日経ビジネスの特集記事(94)

善い会社
2015年版 いま必要とされる100社ランキング
2015.02.09



今週の特集記事のテーマは

会社とは何か。単なる「営利組織」という定義は、
もはや通用しなくなりつつある。
働き手、顧客、取引先、地域社会、投資家――。
多様な利害関係者のすべてに、持続的にプラスの
影響を与える組織。
いま必要とされるのは、利益の向上と社会への
貢献が一体化した「善い会社」だ。
その会社とはどこか
 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)

ということです。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ『善』」
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の前半
を取り上げます。


第2回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
を取り上げます。


第3回は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。




『日経ビジネス』が今回初めて実施した「善い会社」
ランキング。どのような基準で100社を選出したのか
大変興味がありました。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)


一言で言えば、ステークホルダー(利害関係者)に
対する「善」です。


本題に入る前に、スタートページの右側に掲載されている
ベスト20社をご覧ください。


「なるほど、あの会社は20位以内にランクインしているな」
「えっ!? あの会社は20位以内にランクインしていないの?」
と様々な印象を持たれることでしょう。



「善い会社」ランキング ベスト20社

「善い会社」ランキング ベスト20社

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)



見にくい箇所があるかもしれませんので、書き出します。

 1 ソフトバンク         70.7
 2 ファーストリテイリング   65.4
 3 キーエンス          65.2
 4 ファナック           63.9
 5 ヤフー             63.5
 6 イオンモール         62.4 
 7 楽天              61.9
 8 マニー             60.2
 9 日本たばこ産業       59.8
10 武田薬品工業        59.7
11 東海旅客鉄道        58.4
12 KDDI             58.2
13 ABCマート          58.0
14 住友不動産         57.9
15 ユー・エス・エス       57.8
16 アステラス製薬       57.7 
17 トヨタ自動車         57.5
18 SMC             57.3
19 ナカニシ            57.2
20 トレンドマイクロ        57.1

営業利益率/従業員増減/法人税額/株価変動率
の4つの指標に点数配分し、100点満点で、総合計を
ランキングしています。(詳細は本文の中で)




では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ「善」 

先に4つの「善」についてお伝えしましたが、
配点はどのようになっているかがポイントです。


『日経ビジネス』の説明を読んでみましょう。



 営業利益率の指標には、 100点満点中40点

 を割り振った。顧客満足を測れるとともに、雇用

 や納税、株主への貢献の源泉となるからだ。

 残る60点は3項目に20点ずつ配点し、各項目

 でバランスよく貢献しているかを評価した。
 

  (P.027)


本業の儲けを示す「営業利益」を「売上高」で割った
ものが「営業利益率」です。


(参考)
営業利益 = 売上高 ー 売上原価 ー 販売費及び一般管理費
売上総利益(粗利) = 売上高 ー 売上原価
経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用


つまり、営業利益率に重点配分しているのです。




 第2位 ファーストリテイリング 
 ブラックにあらず 成長こそ「善」 


柳井 正ファーストリテイリング会長兼社長
は、こう語る。



 私が会長兼社長を務めるファーストリテイリングが

 「善い会社」ランキングで 2位となった。おまけに、

 社外取締役に名を連ねるソフトバンクが1位だ。
 
 率直にうれしい。

 ファーストリテイリングは数年前、インターネットや

 報道で「ブラック企業」というレッテルを貼られた。

 一方で今回のランキングでは上位をつけた。

 私は当社をブラック企業と呼ぶ人たちの方が

 間違っていると思う。


 当社には全世界に100社ほどの取引先がある。

 その一部の事象を取り上げて、全体に問題が

 あるかのように批判するのはおかしい。


 仮に過半数の社員が、「うちはブラック企業だ」

 などと考えるような会社なら、入社したいと思う

 人は一人もいないはずだ。取引先からも敬遠され、
 
 当社は存続できなくなっているに違いない。


 私にとっての「善い会社」とは、「長期的に成長し、

 収益を上げられる会社」だ。成長性と収益性が

 高ければ、顧客、地域社会、従業員、取引先、

 株主などすべてのステークホルダー(利害関係者)

 とウィンウィンの関係を結べる。その中でも最も

 重要なのが顧客だ。顧客が不在なら、そもそも

 ビジネスは成立しないからだ。


 成長性や収益性が高ければ、従業員や取引先は

 夢を抱くことができる。人々は勢いのある会社に

 ビジネスチャンスを見いだし、人、物、カネなどの

 経営資源が集まってくる。
 

  (PP.026-027)


柳井さんが述べていることは、経験の浅い経営者
にとっても「生きた教科書」として、とても参考になる
はずです。実績に裏打ちされた言葉だからです。
血肉となるはずです。


柳井さんの言葉を受けて、『日経ビジネス』は
次のように書いています。



 柳井氏が指摘する通り、企業はきちんと利益

 を稼いでこそ、ステークホルダーに「善」を届け

 られる。成長してこそ、より多くの者を幸せに

 できる。さもなければ、いくら高邁な理想を掲げ

 ても、その「善」は長続きしない。
 

  (P.027)



柳井 正 ファーストリテイリング会長兼社長

柳井 正 ファーストリテイリング会長兼社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.026-027)






 PART 1 利益の追求が社会を「善く」する」の前半

 第3位 キーエンス 
 社会に付加価値を提供し事業を永続させる 

キーエンスという社名はあまり聞いたことがないかも
しれません。ですが、この会社は高収益企業として
知られています。


BtoC(消費者向けビジネス)企業ではなく、BtoB
(企業向けビジネス)企業であることと、メディアの
取材をほとんど受けてこなかったことが、一般に
あまり知られていない理由です。黒子に徹している
のです。



 ソフトバンク、ファーストリテイリングに続き、

 3位に入ったのがキーエンスだ。

 過去10期にわたって営業利益率40%以上を

 維持し続ける驚異的な収益力が、「善い会社」

 たる源泉だ。


 キーエンスの主力製品は工場の生産ラインで

 使われるセンサーなど。一般の人の目には

 触れない商材を扱っているのに加えて、メディア

 の取材をほとんど受けてこなかった。


 通常は立ち入ることが許されない顧客の生産

 ラインにまでズカズカと入り込み、不良品率削減

 など具体的なメリットを伴う改善策を提案する

 「コンサルティング営業」に特化している。


 製品競争力の高さも見逃せない。キーエンスの

 新製品には「世界初」「業界初」という言葉が頻出

 する。


 営業が集めてくる様々なニーズを、企画と開発

 部門が徹底的に分析して製品に落とし込む。

 「競争力のある製品以外はそもそも開発しない」

 (山本晃則社長)と明快だ。


 キーエンスの経営理念を知る必要がある。

 「最小の資本と人で最大の付加価値を上げる」、

 そして「会社を存続させる」だ。


 本業で付加価値を生み出してこそ、社会に

 役立つ存在になる。この考え方は、トップから

 現場まで浸透している。


 同社は付加価値を「粗利」(既出)と定義している。

 社員一人ひとりが自分の生み出す付加価値を

 計算しながら行動し、それが給与にも跳ね返る。

 組織と個人の目標が一致する仕組みになっており、

 その集合体として高収益企業が出来上がっている。
 

  (PP.028-029)



山本 晃則 キーエンス社長

山本 晃則 キーエンス社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.028)




キーエンスは技術力に加え、コンサルティング営業
によって他社との差別化を図っています。


キーエンスの製品は汎用品ではなく、個々の企業の
用途に最適な製品作りをしています。つまり、カスタ
マイズ製品です。ですから他社の追随を許しません。


汎用品では買い叩かれる可能性がありますが、
カスタマイズ製品ですから、高価格で販売できる
のですね。


その点が、キーエンスは「高収益企業」の秘密です。





 第58位 浜松ホトニクス 
 製品そのものが化学技術の発展に貢献 

大企業だけが「善い会社」なのでしょうか?
「そんなことはない」、と『日経ビジネス』は断言
しています。具体例があります。


浜松ホトニクスです。
「前人未到の先端製品の開発ばかりを手掛けて」
いる会社です。



 他社にまねのできない強みを武器に収益性を

 高めるという企業経営が、自然と様々なステー

 クホルダー、すなわち社会への貢献となる。

 
 もちろん、大企業でなくとも「善い会社」たること

 は可能だ。その好例が58位となった浜松ホトニクス

 だろう。

 「光」にまつわる研究と製品では、自他共認める

 世界一の技術力を持つ。

 素粒子ニュートリノの観測に成功した「カミオカンデ」

 など、その技術で幾多のノーベル賞につながる

 画期的な発見や発明を支えてきたことは有名だ。
 

  (PP.029-030)


研究者にとっても欠かせない存在となっていることが、
このエピソードからも読み取れますね。



 晝馬(ひるま)明社長は「我々の製品そのものが

 社会貢献。研究機関や医療機器などに使ってもらい、

 科学技術の発展そのものに貢献している。それが

 社員のプライドでもある」と言う。

 浜ホトが手掛けるのは、前人未到の先端製品の開発

 ばかり。完成までに5~10年以上かかることも珍しく

 ない。
 

  (PP.030-031)


「善い会社」は、社員が自社に誇りを持てることも
条件の一つと言えます。



 晝馬社長は「普通の会社の研究開発がヒットを狙う

 ライフルなら、当社は散弾銃。そちらの方向を向いて

 弾を撃つと、予想外のところで応用品が生まれる」

 という。「セレンディピティー」と呼ばれる考え方で、

 実際に人工衛星用カメラ向けに開発したTDI技術(註)

 が、バイオ分野研究に応用されるなど、様々な事例

 が生まれている。
 

  (PP.031-032)

(註)
「TDI(Time Delay Integration)とは、移動している対象を
積算しながら撮影するCCDの特殊な読み出し方式です」
浜松ホトニクス 公式サイト から



TDI技術

TDI技術




晝馬 明 浜松ホトニクス社長

晝馬 明 浜松ホトニクス社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.029)




「善」の定義を確認しておきましょう。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)





次回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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