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ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を超える 2015.02.23 <3>


メンズデオ7200


日経ビジネスの特集記事(96)

ニッポンの家
進化したウサギ小屋、海を越える
2015.02.23



今週の特集記事のテーマは

苦し紛れの賭けか、日本再生の起爆剤か――。
国内市場の縮小に悩む日本の住宅産業が海外進出を
本格化させている。
「車や家電ならともかく、気候も所得水準も文化も違う
海外で住宅が売れるはずがない」
そう思う人も多いだろう。
だが、住宅メーカー自身は「非常識な挑戦」とは考えて
いない。
「ウサギ小屋」などと揶揄されてきたニッポンの家だが、
防水や断熱など快適な住環境を効率的に作る技術や、
アフターサービスの質は世界屈指のレベルにある。
「強みを融合し現地ニーズを反映した“世界戦略住宅”
を開発すれば、海外市場開拓は十分可能」
これが多くの住宅メーカーの考え方だ。
果たして日本の住宅産業は、世界に類がない「家の輸出材化」
は成し遂げられるのか
 (『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.024-025)

ということです。




ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.026-027)



今週号の表紙も、今週のスタートページもとても
インパクトの強いデザインですね。




長年、ニッポンの家は狭いため、「ウサギ小屋」と
海外から揶揄されてきました。


その「ウサギ小屋」が今では、アジア諸国をはじめ
として先進国でも、優れた性能や工期の短さなどが
高く評価され、大きなマーケットが形成されている
そうです。



第1回は、
「PROLOGUE 日本よ案ずるな まだ『家』がある」
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の後半
を取り上げました。

第3回は、
「先兵は『トイレ』と『高層建築』」
「PART 2 世界制覇、原理的には可能」
をお伝えします。





日本の本格的伝統住宅の強みは6つある、
と『日経ビジネス』は指摘しています。

快適性
長寿命
耐震性
省エネ
循環性
健康的
(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.044)


この6つの強みを頭の片隅に置いて、特集記事を
ご覧ください。



では、本題に入りましょう!





 先兵は「トイレ」と「高層建築」 

第1回、第2回とハウスメーカーの海外進出の状況
をお伝えしてきました。


実は、住宅メーカーが海外進出するよりもずっと
前から、海外進出を果たした住設メーカーや、
高層建築に重点を置いて成果を出している企業
があります。


ここでは、それらの企業の奮闘の記録をご紹介
しましょう。





 住宅に先行して、トイレなどの住設メーカーの

 海外進出は既に発展期に突入している。

 今後、海外戦略を本格化させる住宅各社が

 「先輩」から学ぶべき点は多い。


 TOTOにとって初の海外進出先であるインド

 ネシア。1977年から35年以上かけて

 「トイレ=TOTO」というブランドイメージを構築

 してきた。今では中高級品市場でトップシェア

 を誇る。

 TOTOはアジアを中心に、実に17の国と地域

 で事業を展開。2016年のリオデジャネイロ五輪

 を見据えて、地球の裏側であるブラジルにまで

 進出している。代理店経由で他国にも販売して

 おり、既にブランドは世界に知れ渡っている。
 

  (P.040)


TOTOが現在に至るまでには、試行錯誤の連続
だったであろうと推測されますが、明確なマーケ
ティング戦略のもとで着実に成果を上げてきました。





 TOTOはマーケティング戦略を3つのステージに

 区分。まず取り組んだのが、現地の文化やニーズ

 をとことん意識した商品開発だった。

 例えば中国。日本では便器と水をためるタンクが

 分かれているが、中国の高級トイレは一体型で、

 タンクの位置が低い。その分、水圧は落ちる。


 TOTOは「郷に入っては郷に従え」で日本式を持ち

 込まず、「洗浄力の高い一体型トイレ」を新たに

 開発した。


 同様に、インドネシアでは、合弁先であるローカル

 企業の発案で、「電気を使わないウォシュレット」

 を開発した。温水でなく水を噴射するものだ。


 インドネシアは年中、温暖な気候。イスラム文化圏

 で、用を足した後に水で洗う習慣もあり、受け入れ

 られると判断した。


 こうして商品開発の現地化を十分に進めてから、

 初めて販売チャネルの拡大と現地工場の拡充に

 踏み切った。

 時には販売代理店を国内工場やショールームに

 招待し、品質の高さと国内シェアを説明。中国では

 約10年で省都のほぼ全ての販売店と代理店契約

 を結んだ。


 そして、最終ステージとして、ブランディングを実施。

 ショールームでの富裕層向けセミナー開催や、

 高級ホテルや空港などの著名物件への導入も加速

 させ、高級ブランドを確立していった。
 

  (PP.040-041)



慌てず、着実に、時間をかけて、ブランディングしていった
のですね。一朝一夕に「高級ブランド」になることはあり
ません。歴史と伝統、そして最近よく言われるのは物語性
(ストーリー性)です。これはとても重要です。


そのブランドを知らない人に説明するには、ストーリーを
語ると理解が早まり、深まります。



トイレだけでなく、高層建築の海外進出も歴史が長いそう
です。




 トイレ同様、マンションやビルなどの高層建築の海外進出

 も、その歴史は住宅よりはるかに長い。高層建築も

 TOTOのトイレ同様、現地化に注力することで、海外市場

 を開拓してきた。


 建築業界における海外戦略の「先兵」とも呼べるトイレと

 高層建築。その軌跡から改めて浮かび上がるのは、

 海外市場攻略における現地化の重要性だ。
 

  (P.041)



17カ国・地域に日の丸トイレ TOTOが進出している地域と売上高

17カ国・地域に日の丸トイレ
TOTOが進出している地域と売上高

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.040-041)




画像が見にくいと思いますので、主な国・地域ごとに、
2013年度と2017年度の売上高比較を書き出し
ます。

        2013年度     2017年度  (単位:億円)
欧州       37        110
アジア・
オセアニア    184         360
中国       544       710
米州        244         400





 PART 2 世界制覇、原理的には可能 

国内を見渡すと、あらゆる業界で需要は縮小して
きています。


ですが、目を海外に向けるとそこには果てしなく
広い市場が広がっています。


いかにしてその市場の先駆者となり、市場を占有
するかという壮大なテーマがあります。


企業人にとって、やりがいのある仕事のはずです。


今までは、「郷に入っては郷に従え」で現地化が
重要という視点で語られてきました。


このパートでは、『日経ビジネス』取材班は、あえて
ニッポンの伝統の家をそのまま販売していこうとして
いる企業に着目しています。


中堅の住宅メーカーは、大手と同じ戦略を取って
いては勝ち目はありません。


そこで、超富裕層向けに、経験豊富な大工職人の
手による、在来工法によって建てられる高級注文
住宅を販売しようとしているのです。


ただし、日本の高級注文住宅とは、桁が違います。




 米ロサンゼルスの南に位置する全米屈指の
 
 富裕層居住エリア、オレンジ郡。

 ここでは今、住宅ローン市場崩壊など忘れた

 かのように、郡全土で100を超える高級住宅街

 の造成が進められている。


 ニッポンの家を売ろうとする試みだ。

 ここで言うニッポンの家とは、PART 1の主役と

 なったプレハブ工法の住宅ではない。

 在来工法と木材で大工が匠の技を駆使して造る

 “真の日本住宅”だ。

 仕掛け人は、静岡県沼津市に本社を置く住宅メーカー、

 平成建設の秋元久雄社長。既に現地で日系企業の

 進出サポートを手掛ける米ウエストウイング

 (榑松寿延社長)と組み、2013年から市場調査を

 開始した。中心都市ニューポートビーチなど4~5

 エリアで、平均資産5億ドルの超富裕層にアプローチ。

 早ければ2015年内にも事業化に踏み出す。


 平成建設は、ニッポンの家をほぼそのまま売るという。

 理由は明快で「在来工法と木で大工が造る日本の

 伝統的高級住宅こそ、今後、世界の人々に受け入れ

 られる条件を兼ね備える」(秋元社長)と考えるからだ。
 

  (PP.042-043)


しかし、疑問が湧いてきます。
吉田兼好は徒然草の中で、「家の作りやうは、夏をむねと
すべし」(第55段)と語っています。


暑い夏に涼しい家を中心に考えなさい、という意味ですね。
寒い冬は我慢しなさい(?)ということでしょうか。


冗談はさておき、平成建設の秋元社長の考え方をもう少し、
読んでみましょう。




 夏は涼しく冬は温かい省エネ住宅を造ることも

 可能だ。適切な施工さえすれば、耐震性も他の

 工法に劣らない。

 「それに何より美しい」と秋元社長は強調する。

 「年間100万を超える外国人が京都を訪れる

 ことからも分かるように、我が国の伝統建築への

 憧れは人類共通の価値観」(秋元社長)。
 

  (P.043)



ただ、そうなると問題はコストです。
高品質な木材を用い、匠の大工さんの工賃も高く
なるのは必定です。
そこで、秋元社長は考えたのです。
超富裕層向けに販売すればいい、と。




 秋元社長は発想を大胆に転換した。

 「べらぼうな費用がかかるなら、べらぼうな価格

 でも買ってくれる人に売ればいい」。オレンジ郡

 を選んだのはそのためだ。

 平均世帯年収は全国平均より1万ドル高いと言わ

 れる。人口当たりのベンツ保有率が全米一とされる

 ニューポートビーチでは4分の1の世帯が年収20

 万ドル以上。経営者、芸能人、有名スポーツ選手、

 高額遺産相続者が数多く暮らし、資産15億以上

 の超富裕層も少なくない。

 平成建設とウエストウイングは、こうした超富裕層

 向けに、まず「和室」の販売から始める考え。
 

  (P.043)


見込み客は、年収20万ドル(約2400万円)以上で、
中には資産15億ドル(約1800億円)以上の超富裕層。


この人たちに売るニッポンの家は、あらゆる面で超高級
なのでしょう。庶民の私は想像力が貧困(!)で、実感
がわきません。


和室(畳部屋)の広さが数十畳(それ以上かもしれません)で、
無垢の木材(檜など)をふんだんに使い、大木を柱に何本も
使うくらいしか思いつきません。法隆寺などのように、釘などは
一切使わず、木材を組み合わせる宮大工のような匠の技術の
粋を駆使するのでしょう。


棟梁もさぞ、張り合いが出ることでしょう。


オレンジ郡の住宅街はどのようなものでしょうか?
日本とは広さも金額も違います!



 「オレンジ郡で建設中の住宅街は1区画500~

 1000坪。富裕層は200万~2000万ドルの

 土地に、1000万ドルの住まいを建てる。

 その10%を和室に充てたとしても、日本の

 高級住宅1棟分に匹敵する」(榑松社長)。


 将来的には域外での別荘建設も視野に入れる。

 事業が軌道に乗り次第、両社による合弁会社の

 設立など検討。ゆくゆくは現地に大工や多能工

 を駐在させていく考えだ。
 

  (P.043)


カリフォルニア州オレンジ郡と言えば、確か破綻したと
記憶しています。


詳細は、下記をご覧ください。
カリフォルニア州オレンジ郡の破綻 Wikipedia から



さて、日本の本格的伝統住宅を米国内の超富裕層向けに
販売するという大胆な企画についてお伝えしました。


『日経ビジネス』取材班は、日本の本格的伝統住宅には
6つの強みがあると指摘しています。





 日本の本格的伝統住宅

 つの強み

 1 快適性
    夏は涼しく冬は暖かく、様々な気候に対応
 
 2 長寿命
    蒸れや腐れがなく長持ちする

 3 耐震性
    適切な施工さえすれば他工法に劣らず

 4 省エネ
    素材と設計次第で冷暖房要らずも可能

 5 循環性
    素材の循環性が高く、廃材を大地に戻せる

 6 健康的
    通気性高く、シックハウスのリスクも下がる 
  

  (P.044)




日本の生きる道はまだ残されている、と実感しました。






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ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える 2015.02.23 <2>


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日経ビジネスの特集記事(96)

ニッポンの家
進化したウサギ小屋、海を越える
2015.02.23



今週の特集記事のテーマは

苦し紛れの賭けか、日本再生の起爆剤か――。
国内市場の縮小に悩む日本の住宅産業が海外進出を
本格化させている。
「車や家電ならともかく、気候も所得水準も文化も違う
海外で住宅が売れるはずがない」
そう思う人も多いだろう。
だが、住宅メーカー自身は「非常識な挑戦」とは考えて
いない。
「ウサギ小屋」などと揶揄されてきたニッポンの家だが、
防水や断熱など快適な住環境を効率的に作る技術や、
アフターサービスの質は世界屈指のレベルにある。
「強みを融合し現地ニーズを反映した“世界戦略住宅”
を開発すれば、海外市場開拓は十分可能」
これが多くの住宅メーカーの考え方だ。
果たして日本の住宅産業は、世界に類がない「家の輸出材化」
は成し遂げられるのか
 (『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.024-025)

ということです。




ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.026-027)



今週号の表紙も、今週のスタートページもとても
インパクトの強いデザインですね。




長年、ニッポンの家は狭いため、「ウサギ小屋」と
海外から揶揄されてきました。


その「ウサギ小屋」が今では、アジア諸国をはじめ
として先進国でも、優れた性能や工期の短さなどが
高く評価され、大きなマーケットが形成されている
そうです。



第1回は、
「PROLOGUE 日本よ案ずるな まだ『家』がある」
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の後半
を取り上げます。

第3回は、
「先兵は『トイレ』と『高層建築』」
「PART 2 世界制覇、原理的には可能」
をお伝えします。





日本の本格的伝統住宅の強みは6つある、
と『日経ビジネス』は指摘しています。

快適性
長寿命
耐震性
省エネ
循環性
健康的
(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.044)


この6つの強みを頭の片隅に置いて、特集記事を
ご覧ください。



では、本題に入りましょう!





 PART 1 ハウスメーカー、海を渡る の後半

中国 編
難市場で気を吐く「建材」
大和が見つけた第3の道



大和ハウス工業
圧倒的な短工期

大和ハウス工業は、同業他社が手掛けていない
第3の道を見つけ、中国市場を攻めています。


まず、中国では「土地は全て国有」(P.034)という
現実を認識する必要があります。それが日本との
大きな違いです。




 中国では、土地は全て国有のため、住宅供給の

 方法は大きく2つしかない。

 1つ目は、デベロッパーが土地を政府から借り

 上げるか、政府が農村の集約を目的にして自ら

 マンションや戸建て住宅を開発する方法。

 日系デベロッパーもマンション事業として既に

 中国進出を果たしている。

 一方、農村部の一般的な住宅の建て替え需要も

 ある。ただし、農村住宅は住民自身が修繕したり、

 地場の工務店が安価で建て直したりするのが

 一般的。日系企業が進出してもコストがまるで

 合わない。つまり、中国で家を売るには、デベロッ

 パーとして進出するしかなかった。

 これが、住宅メーカーにとって中国が難市場と

 言われる理由だ。

 加えて、2012年の尖閣諸島問題が打撃を与えた。
 

  (P.034)


国家間の政治問題が、民間ベースの事業に暗い影を
落としていたということですね。


大和ハウスは、それでもひるみませんでした。




 家そのものを消費者向けに売るのではなく、

 柱や梁などの鉄骨部材を現地のデベロッパー

 向けに売る――。


 同社(大和ハウス工業)は2013年9月に、

 地元有力建設会社である宝業集団と合弁で

 「宝業大和工業化住宅製造」を設立。工場を

 建設し、住宅用の部材販売を開始した。

 2014年には二十数戸分の部材を販売。

 2015年は140~200戸を目指す。

 宝業大和の王栄標総経理は強気だ。

 「中国の住宅市場は日本と比較して格段に
 
 大きい。数年後には年間1000戸を達成

 したい。売れる自信はある」。
 

  (P.034)



この「自信の背景には、中国政府の政策が
ある」(P.034)ということです。



 政府は2000年代から、省エネルギー性と
 
 高品質を兼ね備える工業化住宅の導入を

 推進。

 「政府が開発する低層住宅にも部材を販売

 したい」と王氏は言う。
 

  (PP.034-035)



「最大の強みは、短工期」(P.035)にある、
と『日経ビジネス』は伝えています。




 鉄筋コンクリートによる中国の在来工法では、

 戸建て住宅を造るのに基礎完成後、半年程度

 掛かる場合がざら。

 大和ハウス工業の鉄骨部材などを使って住宅

 を建てれば、中国でも45日で完成させることが

 可能だ。
 

  (P.035)


つまり、4分の1の短工期(45日/180日)、
言い換えると4倍の速さで住宅建設が可能になる
ということです。





先進国 編
プラスアルファは「エコ」
積水・住林、木材で豪米開拓



積水ハウス
独自の木造工業化住宅

次に、オーストラリアの事例を見てみましょう。
2社の事例をご紹介します。


1社目は、積水ハウスと、現地子会社の取り
組みです。ASEAN 編で見てきたプレハブ住宅
とは異なります。


私事ですが、オーストラリアには1991年5月の
ゴールデンウィーク期間中に出かけています。
ケアンズから車で1時間半以上もかかるポート
ダグラス、日本でもよく知られたゴールドコースト、
そしてシドニーの3カ所です。


積水ハウスの事例は、シドニー郊外が舞台に
なっています。




 積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」。

 ASEAN編で見てきた鉄骨やコンクリート材に

 よるプレハブ住宅とは異なり、工場で木材の

 加工を済ませ寸分の狂いもなく現場で組み

 立てる、いわば木造の工業化住宅だ。

 日本の住宅メーカーは先進国では木造という

 もう一つの武器でも勝負を仕掛けている。
 

  (P.036)



オーストラリアと日本で、面積と人口を比較して
みると、オーストラリアはいかに人口密度が
小さいか分かります。


              面積        人口
 オーストラリア  7,692,024km2      2360万人
 日本         377,930km2    1億2700万人

(面積は、国の面積順リスト Wikipedia から)


オーストラリアは日本の約20倍の広さがあります。
人口比では、オーストラリアは日本のわずか5分の
1です。



世界人口白書(2014年)人口ランキング 1~10位



世界人口白書(2014年)人口ランキング 51~60位


以上2表、世界人口白書(2014年)人口ランキング
MEMORVAから

 


人口の減少が確実な日本とは対照的に、
オーストラリアは人口が増加しているそうです。



 豪州の人口は日本のわずか5分の1の2300

 万人。だが、移民を積極的に受け入れている

 ため年2%前後のペースで人口増加が続いて

 いる。総人口は2050年に2010年比5割増

 になるとの試算もある。それだけ住宅需要も

 大きく、人口の増加ペースに土地の確保や住宅

 の着工が追い付いていない状況だ。

 加えてこの1年、同国の主要8都市の住宅価格

 は8・3%も上がっている。

 そんな絶好の市場に積水ハウスが進出したのは

 2008年。


 今、この好市場で攻勢をかけているのが日本の

 看板商品でもある木造戸建てのシャーウッド。

 豪州はシャーウッドを販売する唯一の海外市場

 でもある。
 

  (P.036)



シャーウッドはどのように組み立てるのか、
『日経ビジネス』は概要を伝えています。




 シャーウッドでは、シドニー郊外の専用工場で

 日本と同じ機械を用いて木材のカットや穴開け、

 接合部金物の取り付けなどの加工を施す。

 その加工済みの柱や梁を現場で組み立てピン

 で固定する。職人の腕によるズレが生じにくく、

 気密性や断熱性が保たれる。
 

  (P.036)



いいコトずくめですが、割高になることは間違い
ありません。それでもオーストラリアでは販売が
好調な秘密があります。




 シャーウッドの売りは、省エネ性能や耐久性の

 高さ。資源が豊富な豪州は、「日本に比べて

 環境意識が薄い」(セキスイハウスオーストラリア

 の阿部亨社長)。しかし、電気料金の度重なる

 値上げや水不足などを背景に、省エネ機運は

 年々高まっている。
 

  (P.037)



オーストラリアの戸建て住宅には大きな特徴が
あります。ほとんどがレンガ壁であることです。
そこに、積水ハウスは日本製の外壁を施しました。




 豪州の戸建て住宅は、9割がレンガ壁。

 レンガは熱をため込みやすいが、施工者

 によって仕上がりにばらつきがあり隙間も

 できやすい。一方シャーウッドは日本製の

 特殊な繊維セメント板を外壁に使っており、

 太陽の熱をより室内に伝えにくくしている。

 在来のレンガ壁住宅と比べ電気代を約5割

 削減できた住宅もあったという。
 

  (P.037)




人口増に住宅着工戸数が追いつかない<br />豪州の人口推移と新築着工戸数の増加率

人口増に住宅着工戸数が追いつかない
豪州の人口推移と新築着工戸数の増加率

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.037)






住友林業
エコを前面に勝負

オーストラリアの2社目の事例は、住友林業です。
国内でテレビCMを一度は、ご覧になったことが
あると思います。社名通り木造住宅メーカーです。


住友林業は、オーストラリアの老舗住宅メーカー
(豪ヘンリー・プロパティーズ・グループ)を買収し、
「ブランド力」を手に入れ、住友林業の「技術や
デザイン力、経営ノウハウを組み合わせることで、
より付加価値の高い住宅を提供できる」(オース
トラリア住友林業の吉澤雄次郎副社長)(P.038)
そうです。



住友林業は「エコ」を前面に出して勝負しています。

「節水」「節電」「断熱」の3つのキーワードで、
「7割エネルギーを削減できる省エネ住宅」を建てて
いるそうです。




 豪州では日照りによる水不足が懸念されており、

 国民の節水意識は高い。ゼロエミッションハウス

 では、雨水をトイレで利用するための1000リット

 ルの大型タンクを設置したり、生活排水をガーデ

 ニングに使用できる再利用システムを導入して

 いる。

 これらのゼロエミッションシステムを付加するには
 
 4万豪ドル(約400万円)がかかるが、案件ベース

 では7~8戸の引き合いがあるという。


 「今後の競争軸の一つとして省エネは大きなテーマ」。

 ビクトリア州を統括するヘンリーのジャスティン・

 マックディーン氏は自信をのぞかせる。
 

  (P.038)



住友林業はオーストラリアだけでなく、米国での事業も
拡大している、と『日経ビジネス』は伝えています。





 住友林業も、グループのヘンリーUSAを通じ、

 事業を急拡大させている。ヘンリーUSAは

 もともとワシントン州を中心に高価格帯の

 住宅販売で実績があり、昨年は米テキサス州

 に進出した。
 

  (P.039)



『日経ビジネス』取材班は、ここまでの話を総括
して、次のように断言しています。




 アジアのみならず先進国でも市場開拓を

 加速させるニッポンの家。「ウサギ小屋」と

 揶揄される時代は終わった。
 

  (P.039)




日本の本格的伝統住宅の強みは6つある、
と『日経ビジネス』は指摘しています。
確認しておきましょう。

快適性
長寿命
耐震性
省エネ
循環性
健康的
(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.044)




最終回は、
「先兵は『トイレ』と『高層建築』」
「PART 2 世界制覇、原理的には可能」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える 2015.02.23 <1>


長生酵素


日経ビジネスの特集記事(96)

ニッポンの家
進化したウサギ小屋、海を越える
2015.02.23



今週の特集記事のテーマは

苦し紛れの賭けか、日本再生の起爆剤か――。
国内市場の縮小に悩む日本の住宅産業が海外進出を
本格化させている。
「車や家電ならともかく、気候も所得水準も文化も違う
海外で住宅が売れるはずがない」
そう思う人も多いだろう。
だが、住宅メーカー自身は「非常識な挑戦」とは考えて
いない。
「ウサギ小屋」などと揶揄されてきたニッポンの家だが、
防水や断熱など快適な住環境を効率的に作る技術や、
アフターサービスの質は世界屈指のレベルにある。
「強みを融合し現地ニーズを反映した“世界戦略住宅”
を開発すれば、海外市場開拓は十分可能」
これが多くの住宅メーカーの考え方だ。
果たして日本の住宅産業は、世界に類がない「家の輸出材化」
は成し遂げられるのか
 (『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.024-025)

ということです。




ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.026-027)



今週号の表紙も、今週のスタートページもとても
インパクトの強いデザインですね。




長年、ニッポンの家は狭いため、「ウサギ小屋」と
海外から揶揄されてきました。


その「ウサギ小屋」が今では、アジア諸国をはじめ
として先進国でも、優れた性能や工期の短さなどが
高く評価され、大きなマーケットが形成されている
そうです。



第1回は、
「PROLOGUE 日本よ案ずるな まだ『家』がある」
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の前半
を取り上げます。


第2回は、
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の後半
を取り上げます。

第3回は、
「先兵は『トイレ』と『高層建築』」
「PART 2 世界制覇、原理的には可能」
をお伝えします。





日本の本格的伝統住宅の強みは6つある、
と『日経ビジネス』は指摘しています。

快適性
長寿命
耐震性
省エネ
循環性
健康的
(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.044)


この6つの強みを頭の片隅に置いて、特集記事を
ご覧ください。



では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE 日本よ案ずるな まだ「家」がある 

タイで「ニッポンの家」が人気があるという報告です。
タイで思い出すのは、大洪水によって、タイに進出
していたキャノンなど日本メーカーが大被害を被った
ことです。


当時、現地の商店街の映像を見ましたが、水がひい
たとは言え、そこで働く人たちは膝上くらいまで水に
浸かって必死に困難と戦っていました。


住宅も相当な被害を受けたと思われます。



時がたち、タイの富裕層や中間層に、「ニッポンの家」
の品質が高評価を受けています。



 今、タイでは、日本の住宅メーカーが手掛ける

 注文住宅の人気が高まっている。

 国内で「セキスイハイム」を販売する住宅メーカー

 大手、積水化学工業が2009年からタイの建材

 大手と合弁で展開する「SCGハイム」だ。

 建物の平均価格が4500万円ほどする富裕層向け

 商品のみならず、2013年からは平均床面積60坪、

 平均価格500万バーツ(約1900万円)と広さ・価格

 を抑えた新商品も投入。200万~300万バーツを

 中心価格帯とする現地の業者より割高だが、中間層

 を取り込みながら昨年から販売数が急伸している。
 

  (P.028)


セキスイハイムの工法を確認しておきましょう。
いわゆる「プレハブ(prefabricated = 組立て)住宅」
と言われるものです。この工法をタイに持ち込みました。
見学会には多数のタイ人が詰めかけたそうです。



 積水化学は、家の80%を工場で造り、現場で

 組み立てる独自の「ユニット工法」をタイにも

 持ち込んだ。

 新しいものには目がないタイ人。その工程を

 見学できるとあって、2013年に406組863人

 だった参加者は2014年、約4000人まで激増。

 見学会はこれまで月3回程度の開催だったが、

 人気に応え、今年1月は6回開催した。
 

  (P.028)


見学会への参加者の激増に比例して、年間販売
戸数も勢いを増しています。




 当初、わずか数棟だった年間販売戸数は昨年

 約160棟に急伸。今年は300棟をうかがう

 勢いだ。2015年度は完全黒字化させ、2021年

 には「年間1000棟、売上高300億円」の達成を

 目指す。
 

  (P.029)



日本は少子化が急速に進み、今後人口は確実に
減少していきます。住宅建設も減少していくことでしょう。


住宅業界の中には、縮小均衡の日本から、成長著しい
アジアへ目を向け、長期的視野で「ニッポンの家」を
販売する道を選択する住宅メーカーが増えてきました。




 野村総合研究所によると、年間の新規住宅

 着工戸数は今後、90万戸から漸減。

 2025年にはリーマンショック時の過去最低

 水準を下回る62万戸まで落ち込む見通しだ。

 だが、海の向こうは、成長と可能性で満ちあふ

 れている。
 

  (P.029)



タイで「ニッポンの家」人気が急上昇

タイで「ニッポンの家」人気が急上昇

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.029)






 PART 1 ハウスメーカー、海を渡る の前半

ASEAN 編
高温多湿に「工業化住宅」
パナ、最新型“長屋”で攻める



パナホーム
高温多湿に徹底対応


パナソニックの子会社、パナホームはASEAN
(東南アジア諸国連合)諸国に重点を置いて、
住宅販売を推進しています。


富裕層向けの住宅だけでなく、中間層向けの
「リンクハウス」という、いわば「長屋」のような
戸建て住宅を販売しています。


 「リンクハウス」と呼ばれる戸建て住宅。

 2階建ての住宅を10戸程度つなげた、

 日本で言うところの「長屋」だ。

 パナホームマレーシアは今年4月から、

 中間層向けに現地の業者と同価格の50万

 リンギット(約1600万円)の長屋を売り出す。

 目指すは年間2000~3000戸の安定供給

 だ。
 

  (P.030)



パナホームはなぜ、ASEANに注目したのでしょうか?



 日本とは対照的に、ASEAN地域の住宅市場は

 成長著しい。人口は6億人を超え、2030年には

 7億人を突破するとの予測もある。労働年齢人口

 が過半数を超えていることもあって、域内全体で
 
 住宅購入意欲の高止まりが続く。

 ASEANにおける新規住宅着工戸数は、

 2006年から2021年で約38%も伸びる見込み

 だ。
 

  (P.031)


ただ、これだけが理由ではないそうです。



 ただ、市場の成長余力だけを見て戦略転換を

 決めたわけではない。日本勢には、海外勢には

 ない武器がある。工場で主な部材を大量生産

 する「プレハブ方式」、いわゆる「工業化住宅」だ。

 日本独自の進化を遂げた工業化住宅は、

 豪雪地帯から沖縄まで多様な気候に対応し、

 台風や地震といった自然災害にも耐えられる

 品質を誇る。こうした施工技術は、高温多湿

 のASEANでも存分に発揮できる。
 

  (P.031)



次の図をご覧ください。
「世界の新規住宅着工戸数の地域別伸び率」の
比較ですが、欧州と日本だけが大きなマイナス
になると予測されています。


中国は突出していますが、ASEANも大きな
伸び率を示しています。



日本市場だけでは「ジリ貧」 世界の新規住宅着工戸数の地域別伸び率

日本市場だけでは「ジリ貧」
世界の新規住宅着工戸数の地域別伸び率

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.031)




大手・中小の住宅メーカーがASEAN市場に
進出している現況は下図を見ると、よく分かります。



大手・中小メーカーがASEAN市場を攻める

大手・中小メーカーがASEAN市場を攻める

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.032)






積水化学工業
最新工場で高度な施工

日本では建築現場を支える人たち(大工さんなど)の
不足が深刻化しています。若い人のなり手が少なく、
一方で高齢化が進んでいることは一般企業と同様です。


そのため、在来工法といわれる建築方式ではいずれ
立ちいかなくなるのではないか、と考えています。
いくら需要が少なくなってきているとはいえ、1軒の家を
建てるためには建築材料は当然のこととして、大工さん
の確保が必須です。


その意味で、プレハブ工法は工場で大半を製造し、現場
で組み立てる方が、圧倒的に工期は短縮できます。
しかも均質な建材を作ることができます。



PROLOGUEで、積水化学工業のセキスイハイムに少し
触れましたが、タイではどのようにして建築しているのか、
『日経ビジネス』は次のように伝えています。




 日本の工場では装置を多用しているが、タイでは

 23台の6軸ロボットアームが溶接などを担う。

 「人の手による狂いやばらつきがなくなることが

 最大のポイント」。住宅カンパニーの藤原雅也・

 海外事業推進部長はこう胸を張る。

 そもそも、配線やスイッチ類まで工場で仕上げて

 しまうユニット工法は、プレハブ化率が高く、

 気密性や断熱性に優れている。
 

  (P.033)



地場の工務店と比べて、圧倒的な差を見せつけて
います。




 ユニット工法ならではの工期の短さも顧客には

 魅力。自前の施工職人の確保・育成、協力施工

 会社の拡充などが実を結び、タイにおいても

 基礎工事の完了後、2カ月ほどで完成させること

 が可能になった。度重なる洪水被害に見舞われた

 バンコクの地盤はもろく、基礎工事に2カ月かかる。

 それでも、トータルで4カ月という短納期。

 地場の工務店だと1年~1年半かかるという。
 

  (P.033)



工期の短さは大きな武器ですね。
価格面でも解決しつつあるそうです。




 唯一の懸念であるコスト面も、現地に合わせた

 スペックに下げることで、解決しつつある。

 積水化学は新工場の稼働で合理化が進み、

 シンプルにそぎ落とした新商品の投入で、

 中間層でも手が届く価格帯を実現させた。
 

  (P.033)



日本の本格的伝統住宅の強みは6つある、
と『日経ビジネス』は指摘しています。
確認しておきましょう。

快適性
長寿命
耐震性
省エネ
循環性
健康的
(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.044)




次回は、
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の後半
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




どん底から世界一へ LEGO グーグルも憧れる革新力 2015.02.16 <3>



日経ビジネスの特集記事(95)

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力
2015.02.16



今週の特集記事のテーマは

3歳の幼児から米グーグルの創業者、米航空宇宙局(NASA)まで――。
年間7500万人超のファンを熱狂させている玩具メーカー、
レゴの勢いが止まらない。
9期連続の増収増益を更新中で、今や玩具世界最大手の地位も
手に入れた。
このデンマーク企業が作るプラスチックのブロックが、
なぜここまで支持されるのか。
そこには、レゴがこの10年で構築した、イノベーションを継続的に
生む仕組みがある。
復活を遂げたレゴの教訓は、日本企業の革新力を呼び覚ます
処方箋になる
 (『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)

ということです。




どん底から世界一へ<br />LEGO<br />グーグルも憧れる革新力

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)



レゴブロックで INNOVATION(革新) という文字が
デザインされています。


LEGOに簡単に触れておきましょう。


 プラスチック製のブロック玩具メーカー。

 デンマークの都市ビルンで1932年に創業。

 非上場で創業家が株式の75%を保有。

 25%は教育事業などを展開するレゴ財団が

 持つ。2013年12月期の売上高は253億
 
 デンマーク・クローネ(約4310億円)。

 営業利益が83億デンマーク・クローネ

 (約1410億円)。「LEGO」は「よく遊べ」を

 意味するデンマーク語「Leg Godt」から取った。
 


 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)


LEGO社は非上場ですが、超優良企業ですね。
売上高営業利益率は実に、32.8%です。
ROE(自己資本利益率)は、驚異的な58.4%
です。


第1回は、
「グーグルも羨む創造力と成長力」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 ヒット連発、組織に秘策」
を取り上げました。

第3回は、
「PART 2 制約が革新を生む」
「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO
(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」
「PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓」
をお伝えします。





LEGOのキーワードは4つです。
揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)



『日経ビジネス』の今週の特集記事は、ロンドン支局
の2人の記者の手によるものです。
1人は日本人男性で、もう1人は英国人(?)女性です。


今までほとんど、LEGO社の内部が紹介されたことは
ありません。それだけにとても興味深く読みました。


尚、記事だけでなく、「日経ビジネスオンライン」上に、
工場内部に入ることを許可された記者の報告が掲載
されていますので、最後にリンクを張っておきます。
こちらを見るだけでも、興味をそそられますよ。



では、本題に入りましょう!


 PART 2 制約が革新を生む 

レゴランドが2017年春に名古屋にオープンするそうです。
東京にはディズニーリゾート、大阪にはUSJ(ユニバーサル・
スタジオ・ジャパン)そして、東京と大阪の中間にレゴランド
ということになりますね(私の地元横浜にもできるといいの
ですが・・・・・)。


もっとも、一足先に、大阪で今春の開業に向けて準備が進ん
でいるそうです。



 2017年春、愛知県名古屋市に、世界で8番目

 となるレゴのテーマパーク「レゴランド」がオープン

 する。日本では既に屋内型施設の「レゴランド・

 ディスカバリー・センター」が東京にあり、大阪でも

 今春の開業に向けて準備が進む。堅調な客の入り

 を受けて、初の屋外型施設が誕生する。
 

  (P.034)



レゴランドの経営は、レゴ本体では行なっていません。
以前ご紹介しましたように、レゴ本体は「レゴの開発と
製造」に特化しているからです。




 レゴランドは現在、レゴ創業家の資産管理会社が

 29.9%出資するテーマパーク運営会社、英マーリン・

 エンターテイメンツが経営している。同社の業績は

 ここ数年、レゴランドが牽引しており、レゴランドの

 世界展開を加速している。既に日本以外にも、

 韓国、中国、米国での開発準備に入った。
 

  (P.034)



今でこそレゴは好調を維持していますが、一時、
破綻の危機に直面しました。
どこに原因があったのかに注目してご覧ください。




 レゴの業績を反映するようなレゴランドの好調

 ぶり。ところが、ほんの10年前まで、同施設は

 レゴの経営を破綻に導きかねない不良資産

 だった。
 

  (P.034)



「イノベーションのジレンマ」という言葉が出てきます。




 圧倒的な市場シェアを持っていた企業が、

 技術革新によって新規事業者の参入を許し、

 その地位を追われる――。

 1990年代後半、米ハーバード大学の

 クレイトン・クリステンセン教授の指摘する

 「イノベーションのジレンマ」がレゴを襲っていた。



 レゴを揺さぶる地殻変動は2つあった。

 一つは、競合他社の登場だ。レゴの基本特許

 が切れた80年代後半から、次々と類似の

 ブロックを製造するメーカーが現れた。


 もう一つは、デジタル化の波が押し寄せたこと

 だ。子供たちはブロックよりも刺激のあるテレビ

 ゲームに夢中になった。
 

  (P.034)



そこで、当時CEO (最高経営責任者)だった創業家
の3代目ケル・キアク・クリスチャンセン氏は、外部の
経営者に再建を託したのです。
その結果は――。




 クリスチャンセン氏は1つの決断を下す。

 難局打開を外部の経営者に託したのである。

 こうして98年、ポール・プローメン氏が招聘

 される。経営不振に陥ったデンマークの高級

 音響機器メーカー、バング&オルフセンを再建

 し、「再建請負人」として脚光を浴びていた人物

 だった。
 

  (P.035)



よくある話ですね。そして、成功事例となるか、
失敗事例となるか、2つに1つです。
レゴの場合、後者でした。




 レゴのCOO(最高執行責任者)に就任した

 プローメン氏は、レゴの再生の柱を「脱ブロック」

 に見いだそうとした。徹底的な多角化を指示した。

 
 レゴブロックでは、従来のレゴとは互換性のない

 新シリーズを投入。直営店の経営にも乗り出す。

 レゴランド事業の拡大もその一つだった。
 

  (P.035)



ご存じだと思いますが、「SWOT分析」という手法が
あります。


Strengths(強み)
Weaknesses(弱み)
Opportunities(機会)
Threats(脅威)
の頭文字4つを合わせたものです。


自社の「強み」と「弱み」を知り、他業界へ参入
できる「機会」の有無、他業界からの参入の
「脅威」の有無を分析する手法です。


自社の「強み」をさらに強化し、機会があれば
異業種に参入するための戦略を立案し、一方で、
外部からの異業種参入に対しては、高い障壁を
築いて防ぐ、つまり、攻守が要になるということ
です。


とてもシンプルな考え方ですが、レゴの場合にも
当てはまります。


レゴの強みは、「レゴの開発と製造」です。
中核となる、自らの強みを放棄したら自滅して
しまいます。まして、守るべき時に攻めに転じたら、
自分で自分の首を絞めることになってしまいます。




物事を行うと、必ず「功」と「罪」があります。
まず一方だけということはありません。
「功」と「罪」を比較し、影響力の大きい方に
よって評価されます。




 「功」の側面は、組織が活性化したことだ。

 何事にも挑戦が許される環境となり、

 組織にはイノベーティブな事業が生まれそうな

 “雰囲気”が漂った。実際、いくつかのヒット

 商品が生まれた。


 しかし、その一方で多角化がもたらした「罪」

 の側面も大きかった。

 ブロックに代わる新たな収益源を目指した

 事業は、大半が失敗に終わった。


 さらに、従来のブロックと全く互換性のない

 新製品を投入したことで、固定ファンを怒ら

 せてしまった。


 最高益を記録したわずか2年後の2004年

 12月期。当期損益は18億デンマーク・クローネ

 (約310億円)の赤字に沈み、自己資本比率は

 5.9%という危険水域に低下した。
 

  (PP.035-036)



「制約」を課しイノベーションを誘発

「制約」を課しイノベーションを誘発

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.034-035)




この事態に頭を抱えた創業家3代目のクリスチャン
センCEOは苦悩の末、「社内の状況を最も冷静に
見られる男を抜擢すること」(P.036)を決断。


白羽の矢が立ったのが、現CEO (最高経営責任者)
のヨアン・ヴィー・クヌッドストープ氏だったそうです。
クヌッドストープ氏は、当時35歳で、周囲の人たち
は「こんな若者に再建できるのか」(P.036)、と不安
を抱いたそうです。



クヌッドストープ氏は一度に改革を行わず、3段階に
分けて改革していきました。慌てなかったのです。
なぜなら「個々の打ち手は間違っていない。問題は、
それを担う組織にあった」(P.036)と考えていたから
です。



クヌッドストープ氏が行なった大きな改革の一つは、
「『制約』というタガをはめること」(P.036)だった
と言えます。それまで、野放図に自由にやらせて
いたことが問題だった、と捉えたのです。




 クヌッドストープCEOは、改革を3段階で絞り込んでいく。

 まず手を着けたのが、事業の絞り込み。つまりリストラ

 だ。全社員の3分の1に当たる約1200人をカット、

 製品ラインアップも3割削減した。


 そしてリストラの成果が見え始めた2005年、次の

 絞り込みに着手する。それは、レゴが目指すべき

 ビジョンを再定義することだ。


 新しい価値観は「最大ではなく、最高を目指す」という

 ものだった。ターゲットを高級玩具市場に絞り、そこで

 高いシェアを獲得する。規模ではなく質を追求すること

 がレゴの価値だと定め、目指すイノベーションの方向を

 そろえた。


 そして最後の絞り込みが、レゴが手掛ける事業を定め、

 それに数字を伴ったルールを導入することだった。


 具体的には、開発段階の損益予想で、利益率が13.5%

 を超えなければ製品開発を許可しない。開発担当者に

 総コストを細かく見積もることを求めた。


 「使える物が限られている時にこそ、良いイノベーションが

 生まれる。少ないほどよい」(クヌッドストープCEO)
 

 インタビューを顧客の反応を見ながら製品を改善する

 重要なプロセスと位置付けたことで、開発者やデザイナー

 の自己満足による製品の投入を防ぐ効果もある。

 今でこそこうした開発が当たり前だが、改革前のインタビュ
 
 ーは製品披露の場にすぎなかった。
 

  (PP.036-037)



創業当時の基本理念に立ち返った

創業当時の基本理念に立ち返った

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.036)




このようなクヌッドストープCEOの手法をつぶさに
見ていきますと、経営コンサルティングファームが
よく用いる仕組みであることに気づきます。


クヌッドストープCEOのレゴ入社以前の経歴を知ると、
納得できます。


詳しくは、次の「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープ
CEO(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」で
お伝えします。





 Interview  
 ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO(最高経営責任者) 
 革新にカリスマはいらない 


クヌッドストープCEOの経歴をご紹介します。



 1968年11月生まれ。デンマークのオーフス大学
 卒業。英クランフィールド大学で経営学修士を取得。
 米マサチューセッツ工科大学の博士号も持つ。
 2001年にレゴに参画する前は、米コンサルティング
 大手、マッキンゼー・アンド・カンパニーのコペンハー
 ゲン支社に勤めていた。2004年、35歳(当時)で
 レゴのCEOに就任した。
 

  (P.038)





レゴ ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO(最高経営責任者)

レゴ ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO(最高経営責任者)

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.038





 誰も将来の変化は予測できません。

 レゴも含め、大抵の組織にはそんなリーダーは

 いないのです。

 カリスマなき組織で大切なのは、起こりうる変化

 に柔軟に対応し、自律的にイノベーションを起こ

 せる仕組みを作ることです。これが、レゴ再建の

 カギでしたし、今後の成長の原動力にもなると

 信じています。


 私たちは今、レゴをデンマークのローカル企業から、

 本当のグローバル企業へと脱皮させられるかどうか

 の岐路に立たされています。

 実は、レゴの収益の9割近くは、世界の人口の20%

 の地域で占められています。


 今後の成長のカギは、アジアです。2017年には

 アジア初のブロック製造工場が中国で立ち上がり

 ます。


 経営幹部の採用でも、アジアを重視し始めました。


 もちろん、グローバル化を加速するうえで課題も

 あります。それは、理念の共有です。

 組織が大きくなり、事業も全世界に広がると、

 組織の末端にメッセージが伝わりにくくなる。

 そこでまず3年前から、重要案件の意思決定

 のプロセスを変えました。従来、CEOやCOO

 (最高執行責任者)ら幹部5人で決めていた

 経営会議を、上級副社長級の役職者を加えて
 
 総勢約25人で実施するように改めたのです。


 階層を減らすことで、現場との意思疎通を円滑

 に進めることにしたのです。


 レゴの強さは、もはや汎用品のブロックを作る

 ことではなく、ストーリー作りにあります。

 優れたストーリーは、会議室からは生まれません。

 社員同士の活発なコミュニケーションから紡がれる

 ものです。


 大切なのは「顧客にとって何が価値か」です。

 レゴの価値は、あくまでもブロックを組み立てる

 仕組み、つまりレゴの独自のシステムにあります。

 それはデジタルでもアナログでも変わりありません。

 「汎用性」と「独自性」――。このパラドックスを同時

 に実現できる組織であること。それこそが、レゴの

 存在意義であり、今後も成長の原動力であり続ける

 と思います。
 

  (PP.038-039)




意思決定の優先順位を変えた

意思決定の優先順位を変えた

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.039)






 PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓 

『日経ビジネス』取材班は、レゴの歴史と現状から
3つの教訓を導き出しました。


 教 訓 1  
 あえて「負け」を認める 
 革新はそこから始まる 




 「イノベーションのジレンマに抗(あらが)うことは

 できない」。そうクヌッドストープCEOは言い切る。

 
 クヌッドストープCEOの言葉は、逆説的だが、

 「陳腐化を避けるには、陳腐化を受け入れること」

 に突破口があることを示唆している。つまり、

 あえて「負け」を認めるのである。


 日本の家電メーカーの失敗は、レゴの「ブロック」

 に相当するテレビが破壊的イノベーションに「負ける」

 という事実を、受け入れられなかったことだ。


 肝心の「ストーリー」、つまり「画面の先にある何か」

 に経営資源を大胆に移行できなかった。 
 

  (P.040)





 教 訓 2 
 「多角化」を急ぐな 
 再生には順序がある 




 レゴは1度、再生に失敗している。クヌッドストープ

 CEOはその原因をこう分析する。

 「事業の多角化は間違いではない。失敗は全てを

 一度にやろうとしたこと」


 クヌッドストープCEOは、慎重に、改革の打つ手の

 順序を変えた。

 まずはリストラで体制を整える。

 イノベーションを生むための仕組み作りは、リストラ

 の成果が出てからだった。
 

  (PP.040-041)





 教 訓 3 
 「原点回帰」はしない 
 理念を再定義する 



 再生のビジョンを見いだすためにクヌッドストープ

 CEOは、創業理念に立ち返った。ただし、それは

 単なる原点回帰ではない。創業理念を現在の

 事業環境に合わせて再定義することだ。


 より重要なことは、過去からの連続性の中で、

 進むべき未来を社員全員が共有することだった。

 
 企業を再生するには、戦う武器が必要だ。

 しかし、それを社外だけに求めては、ライバルと

 の差別化は難しい。イノベーションの源泉と未来は、

 そもそも自らの中にしか存在しない。

 クヌッドストープCEOは言う。

 「行動から新しい習慣が生まれ、習慣から進むべき

 未来への信念が生まれる」。迷ったら、まず、理念

 に立ち返る。次の革新は、そこから始まる。
 

  (P.041)


クヌッドストープCEOの言葉は、なかなか深いですね。
言葉が先にあったのではなく、試行錯誤した結果、
生み出されたのだ、と思います。



『日経ビジネス』は今特集のまとめとして、次のように
述べています。


現在、もがき苦しんでいるソニーも、一度「基本理念に
立ち返る」必要がある、と考えますが、あなたはどう
思いますか?




 破壊的イノベーションに負けない組織。それは、

 一夜にしてできるものではない。レゴも、最初の

 失敗に学び、地道に組織を再生してきた。

 そして、どん底から世界一になった。その教訓は、

 日本企業にとってもイノベーションの力を呼び覚ま

 す処方箋になる。
 

  (P.041)




今回の特集記事はとても面白く、思わずのめり込んで
しまい、お伝えしたいことが次々に出てきて、長文の
ブログとなってしまいました。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
レゴの「面白さ」と「強さ」の秘密を理解していただけたら、
管理人として幸いです。




LEGOの4つのキーワードを確認しておきましょう。

揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)



こちらもご覧ください。
『日経ビジネス』のロンドン支局の記者で、今号の特集記事
の担当者の1人でもある、蛯谷敏さんの報告です。

 レゴ工場に潜入! ROE58%、超効率経営の心臓部
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150213/277451/?P=1
 から
 『日経ビジネス』 ロンドン支局 記者 蛯谷 敏さん






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どん底から世界一へ LEGO グーグルも憧れる革新力 2015.02.16 <2>



日経ビジネスの特集記事(95)

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力
2015.02.16



今週の特集記事のテーマは

3歳の幼児から米グーグルの創業者、米航空宇宙局(NASA)まで――。
年間7500万人超のファンを熱狂させている玩具メーカー、
レゴの勢いが止まらない。
9期連続の増収増益を更新中で、今や玩具世界最大手の地位も
手に入れた。
このデンマーク企業が作るプラスチックのブロックが、
なぜここまで支持されるのか。
そこには、レゴがこの10年で構築した、イノベーションを継続的に
生む仕組みがある。
復活を遂げたレゴの教訓は、日本企業の革新力を呼び覚ます
処方箋になる
 (『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)

ということです。




どん底から世界一へ<br />LEGO<br />グーグルも憧れる革新力

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)



レゴブロックで INNOVATION(革新) という文字が
デザインされています。


LEGOに簡単に触れておきましょう。


 プラスチック製のブロック玩具メーカー。

 デンマークの都市ビルンで1932年に創業。

 非上場で創業家が株式の75%を保有。

 25%は教育事業などを展開するレゴ財団が

 持つ。2013年12月期の売上高は253億
 
 デンマーク・クローネ(約4310億円)。

 営業利益が83億デンマーク・クローネ

 (約1410億円)。「LEGO」は「よく遊べ」を

 意味するデンマーク語「Leg Godt」から取った。
 


 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)


LEGO社は非上場ですが、超優良企業ですね。
売上高営業利益率は実に、32.8%です。
ROE(自己資本利益率)は、驚異的な58.4%
です。


第1回は、
「グーグルも羨む創造力と成長力」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 ヒット連発、組織に秘策」
を取り上げます。

第3回は、
「PART 2 制約が革新を生む」
「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO
(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」
「PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓」
をお伝えします。





LEGOのキーワードは4つです。
揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)



『日経ビジネス』の今週の特集記事は、ロンドン支局
の2人の記者の手によるものです。
1人は日本人男性で、もう1人は英国人(?)女性です。


今までほとんど、LEGO社の内部が紹介されたことは
ありません。それだけにとても興味深く読みました。


尚、記事だけでなく、「日経ビジネスオンライン」上に、
工場内部に入ることを許可された記者の報告が掲載
されていますので、最後にリンクを張っておきます。
こちらを見るだけでも、興味をそそられますよ。



では、本題に入りましょう!


 PART 1 ヒット連発、組織に秘策 

LEGOの真の強さはどこにあるのかを探るのが、
このパートのテーマです。


一言で言えば、伝統に胡座をかいていないという
ことです。常に革新し続ける考え方と仕組みが構築
されています。


例えば、「レゴブロックの基本特許は、80年代から
各国で期限切れを迎えている」(P.027)にもかかわらず、
「競合他社を退け、トップブランドとしての地位を保ち
続けている」(P.027)のは、イノベーションを継続して
いるからにほかなりません。


イノベーションに関連する話で、よくビジネス書で紹介
される事例があります。


カリスマが存在し、その人物のもとでイノベーションが
行なわれ、業績が著しく向上するというものです。


ところが、カリスマが去ると、輝きを失ってしまうという
後日談です。


その文脈で、レゴを見てみるとどうなるでしょうか?
そもそもレゴにカリスマは存在するのか?



 イノベーションとは多分に「個人」の才能に依存する

 と考えられてきた。

 その一方で、こうした世間の常識に挑むかのように、

 「組織」の力でイノベーションを生み続けている企業

 がある。それがレゴだ。

 世代を超えて熱狂的なファンを抱えているという点で

 は、レゴはアップルに勝るとも劣らない。しかし、「レゴ」

 というブランドは、ヒットメーカーとしてのカリスマ技術者、

 もしくはカリスマデザイナーなど特定の個人を連想させ

 ない。それでも、レゴはヒット商品を連打し、急速な成長

 を遂げている。
 

  (P.028)


レゴの魅力はどこにあるのでしょうか?
私は、レゴブロックを自由な発想で組み合わせることで、
セレンディピティーを生み出すことができる点も見逃せ
ないと考えています。


当初、自分では「こういうものを作りたい」と思っていたが、
全く違うものが出来上がった。


ところが、新たな発見をし、当初考えていたものより、よい
ものができた、と感じられることです。もちろん、それは主観
的なものです。


ですが、うまくいった(と本人が感じた)としたら、創造性と
革新性が発揮された、と見ることができます。




 そもそもレゴの魅力は、部品としての「ブロック」を

 自由な発想で組み立てて遊べるところにある。
 

  (P.028)


これが、レゴの「基本セット」(P.028)と言われるものです。
「従来の売れ筋」です。


ところが、現在では「基本セット」とは異なるコンセプトの
セットが主力になっているそうです。




 一方、現在の主力は「プレイテーマ」と呼ばれる商品群。

 「スター・ウォーズ」や「レゴムービー」「フレンズ」といった

 具合に、何らかのストーリーに沿って開発されたものだ。

 基本的に従来と変わらないブロックを使いつつ、特定の

 ストーリーに基づいた作品を作って遊ぶ。

 このスター・ウォーズに象徴されるプレイテーマは現在

 30種類以上あり、年間400近くの新商品が開発されて

 いる。これら新商品の売り上げが、年間の収益の約6割

 を支えている。10年ほど前は、その比率は約2割程度。

 つまり、毎年新しいプレイテーマをヒットさせてきたことが、

 この10年のレゴの躍進につながったのだ。
 

  (PP.028-029)


つまり、「汎用品となったブロックにストーリーの付加価値
をつける仕組みを作り上げたからこそ、今のレゴがある」
(P.029)ということになります。



従来の売れ筋

従来の売れ筋

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.028)




現在の主力製品

現在の主力製品

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.029)




次のグラフをご覧ください。
営業利益率も在庫回転数も上昇傾向にあることが
はっきり分かります。




ヒット連打で経営効率が上昇

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.029)




レゴの強さの秘密をこれから解き明かしていく
ことになります。じっくりご覧ください。
「なるほど」と感じるか、それとも「当たり前のこと
を当たり前にやっている」と感じるか、どちらで
しょうか?


『日経ビジネス』取材班は、2つの「秘策」として
取り扱いました。


 秘 策 1 
 革新の見取り図 

イノベーション・マトリクス(イノベーションの発生源)
という言葉が出てきます。



 ヒット商品を作る全ての要素を可視化するツール

 として、社内では「イノベーション・マトリクス(イノ

 ベーションの発生源)」と呼ばれている。

 横軸は、「企画」「レゴの開発・製造」「マーケティ

 ング」「収益化」という、レゴが新商品を生み出す

 うえでの事業の流れだ。一方の縦軸は、イノベー

 ションの起こし方を、「(既存のものを)改善する」

 「組み合わせる」「全く新しく作る」の3段階に分けて

 示している。


 ポイントはブロックの開発だけでなく、企画から販売

 全ての活動を「イノベーションの要素」として位置付け

 ること。つまり、完成したマトリクスはその商品に関連

 する全てのイノベーションを俯瞰した見取り図となる。
 

  (P.030)



言い換えますと、「バリューチェーン(価値連鎖)」を構築
するために見取り図を作成し、可視化することで誰もが
理解できるようにした、ということです。



日本には伝統的に、消費の落ち込む時期をを表す
「ニッパチドキ」という言葉が使われてきました。
2月と8月、つまり冬枯れと夏枯れの時期のことですね。


芥川賞と直木賞が1月と7月に、文藝春秋社の経営者
であり、作家でもあった菊池寛によって設けられました。


その理由は、本の売り上げが「ニッパチドキ」に落ちる
ので、それぞれの前月に芥川賞と直木賞を設けること
によって、売り上げの落ち込みをカバーしようとしたから
だそうです。


ちなみに、上半期に対象となる作品の表彰は7月に、
下半期に対象となる作品の表彰は1月に行われます。


レゴの売り上げにも「季節変動」があったそうです。



 例年、レゴにとって、売り上げが最も跳ね上がる

 のは、クリスマスシーズンの12月である。一方で、

 年明けの2月は、その反動から1年間で最もビジ

 ネスが停滞する時期だった。そこでレゴはこの

 時期に映画を公開することで、新たな売り上げの

 山を作り出そうと考えたのである。
 

  (P.030)


そのプロジェクトの結果はどうだったのでしょうか?



 結果的に映画は大ヒットを記録。全世界で4.7億

 ドル(549億円)を稼ぎ出し、2014年の世界興行

 成績でトップ10に入った。
 

  (PP.030-031)


大成功だったのです。
ただし、映画制作は社内で行なっていません。
外部に委託して、議論を交わしながら作品に
仕上げているそうです。


問題は、「イノベーション・マトリクス」にはどのような
意味があるかということです。
『日経ビジネス』は、「このマトリクスには3つの意味
がある」(P.031)と指摘しています。



 レゴにとっては、このマトリクスには3つの意味が

 ある。

 1つは、イノベーションを起こすべき対象を、

 「ブロック」の開発・製造だけでなく、全てのビジネス

 の要素に広げたことだ。


 2つ目の意味は、イノベーションは必ずしも大変化

 である必要はないということだ。

 「小さな改善も立派なイノベーションだということを

 社内に周知させた」とレゴのバリー・パダCOO(最高

 執行責任者)は言う。


 そして3つ目が、ヒットを生み出すノウハウの可視化

 と蓄積である。
 

  (P.031)


レゴのコア事業は、あくまで「レゴの開発と製造」です。
これを外すことはありません。



 レゴはマトリクスでヒットを生むすべてのイノベー

 ションの要素を描くが、あくまでも事業の中心は、

 「レゴの開発と製造」。それが高い収益性をもたら

 している。
 

  (P.032)


レゴの競合他社への強みは、「ブロックの設備を
ほとんど変更する必要がない」(P.032)ことです。
新たな設備投資をほとんど必要としていないの
です。


通常、設備投資額は莫大になりますので、その差
は大きいですね。キャッシュ・フローの面や、製品を
素早く市場に投入できる点でも、同業他社に大差を
つけていることでしょう。




 ブロックの組み合わせを変え、新たなパッケージ

 を用意すれば、即座に新商品を投入できる。
 

  (P.032)




 秘 策 2 
 ファンを取り込む 

業績好調のレゴを支えるマトリクスにも弱点はあります。
「実験的な製品を生み出す手法には適していない」(P.032)
という指摘がそれに当たります。


一般ウケする無難な製品を作り出すことになってしまう、
ということが懸念されます。


そこで、考えだされたことがあります。
「先端的ファンのアイデアを取り込む」(P.032)ことです。


新しいIT(情報技術) 製品が発売されると、真っ先に購入
し、使いこなす「ヘビーユーザー」に近いでしょうか。
いや、むしろそれ以上の人たちかもしれません。


しかも、その頂点に立つ日本人がいることに驚きました。



 レゴは新製品開発にもう一つの仕組みを用意した。

 レゴは、熱狂的ファンを会員として組織しており、

 その数は全世界で約460万人。そのファンの知恵

 を、製品開発に巧みに取り入れている。

 その会員組織の頂点に立つ日本人がいる。

 三井淳平氏、27歳。世界に13人しかいない

 「レゴ認定のプロフェッショナル」と呼ばれるファンの

 一人である。


 レゴは三井氏のような認定プロと、直接意見交換

 できるパイプをもっている。レゴ製品の感想にとど

 まらず、時には製品開発のアイデアなどを求める。

 レゴは三井氏らを頂点としたファンのピラミッドを

 組織し、様々な形で製品開発に生かしている。

 「ファンを超えて、共同開発者として活躍してもらう

 こともある」。レゴでコミュニティー担当のピーター・
 
 エスパセン氏は言う。
 

  (PP.032-033)



先端的ファンのアイデアを取り込む<br />世界で13人しかいないレゴ認定プロの三井淳平氏

先端的ファンのアイデアを取り込む
世界で13人しかいないレゴ認定プロの三井淳平氏

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.032)



実際に、製品化されシリーズ物になった例がある
そうです。




 成果の一端が、2008年に発売した「アーキテク

 チャー」シリーズだ。認定プロの1人が制作して

 いた世界の有名建築がきっかけとなり製品化が

 決まった。当初ネットの口コミで噂が広がり、

 ニッチ製品からレゴの主力製品へと昇格した。

 今ではマトリクスを使って継続的に新商品が

 開発される人気シリーズとなっている。
 

  (P.033)



ただ、こうした一部の熱烈なファンだけにたよる
のではなく、「一般のレゴユーザーの取り込み
にも挑んでいる」(P.033)そうです。
それは、「レゴアイデアズ」というサービスです。




 レゴはごく一部の熱烈なファンではない、一般の

 レゴユーザーの取り込みにも挑んでいる。

 日本での実験を経て、昨年世界展開を開始した

 「レゴアイデアズ」というサービスは、インターネット

 上でファンが「自分の欲しいレゴ」を制作し、

 投票によって製品化を決めるというものだ。

 いわゆる「クラウド(大衆)」の知恵を開発に生かす

 取り組みである。
 

  (P.033)



幅広いファンの要望をかなえる

幅広いファンの要望をかなえる

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.033)




このパートをまとめると、次のようになるでしょう。



 製品開発におけるイノベーションの要素をマトリクスに

 分解して管理することで、主力製品のヒット率を上げる。

 そして、その枠にとどまらない新製品の開発には顧客

 の知恵を借りる。今、レゴは自ら作り上げたイノベー

 ションの仕組みによって、組織の力で継続的にヒット

 製品を生み出している。
 

  (P.033)





こちらもご覧ください。
『日経ビジネス』のロンドン支局の記者で、今号の特集記事
の担当者の1人でもある、蛯谷敏さんの報告です。

 レゴ工場に潜入! ROE58%、超効率経営の心臓部
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150213/277451/?P=1
 から
 『日経ビジネス』 ロンドン支局 記者 蛯谷 敏さん 





LEGOの4つのキーワードを確認しておきましょう。

揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)





最終回は、
「PART 2 制約が革新を生む」
「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO
(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」
「PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




どん底から世界一へ LEGO グーグルも憧れる革新力 2015.02.16 <1>



日経ビジネスの特集記事(95)

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力
2015.02.16



今週の特集記事のテーマは

3歳の幼児から米グーグルの創業者、米航空宇宙局(NASA)まで――。
年間7500万人超のファンを熱狂させている玩具メーカー、
レゴの勢いが止まらない。
9期連続の増収増益を更新中で、今や玩具世界最大手の地位も
手に入れた。
このデンマーク企業が作るプラスチックのブロックが、
なぜここまで支持されるのか。
そこには、レゴがこの10年で構築した、イノベーションを継続的に
生む仕組みがある。
復活を遂げたレゴの教訓は、日本企業の革新力を呼び覚ます
処方箋になる
 (『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)

ということです。




どん底から世界一へ<br />LEGO<br />グーグルも憧れる革新力

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)



レゴブロックで INNOVATION(革新) という文字が
デザインされています。


LEGOに簡単に触れておきましょう。


 プラスチック製のブロック玩具メーカー。

 デンマークの都市ビルンで1932年に創業。

 非上場で創業家が株式の75%を保有。

 25%は教育事業などを展開するレゴ財団が

 持つ。2013年12月期の売上高は253億
 
 デンマーク・クローネ(約4310億円)。

 営業利益が83億デンマーク・クローネ

 (約1410億円)。「LEGO」は「よく遊べ」を

 意味するデンマーク語「Leg Godt」から取った。
 


 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)


LEGO社は非上場ですが、超優良企業ですね。
売上高営業利益率は実に、32.8%です。
後ほど出てきますが、ROE(自己資本利益率)は、
驚異的な58.4%です。


第1回は、
「グーグルも羨む創造力と成長力」
を取り上げます。


第2回は、
「PART 1 ヒット連発、組織に秘策」
を取り上げます。

第3回は、
「PART 2 制約が革新を生む」
「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO
(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」
「PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓」
をお伝えします。





LEGOのキーワードは4つです。
揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)



『日経ビジネス』の今週の特集記事は、ロンドン支局
の2人の記者の手によるものです。
1人は日本人男性で、もう1人は英国人(?)女性です。


今までほとんど、LEGO社の内部が紹介されたことは
ありません。それだけにとても興味深く読みました。


尚、記事だけでなく、「日経ビジネスオンライン」上に、
工場内部に入ることを許可された記者の報告が掲載
されていますので、最後にリンクを張っておきます。
こちらを見るだけでも、興味をそそられますよ。



では、本題に入りましょう!


 グーグルも羨む創造力と成長力 

『日経ビジネス』は、一見すると関係なさそうなグーグルの
話からスタートしています。


 世界有数のイノベーション企業、米グーグルの

 ロゴに使われている「赤」「青」「黃」の3原色。

 あまり知られていないが、実はこの配色、レゴの

 基本ブロックから着想を得ている。

 2人の創業者、セルゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ

 氏はレゴの大ファン。

 「レゴは創造力を活性化する素晴らしいツール」

 と公言し、社内にはアイデアを誘発するための

 「レゴ広場」まで用意した。


 昨年、念願のレゴとの業務提携を果たした。

 現在開発しているスマートフォンも、コンセプトは

 「レゴのように組み立てられる」だ。
 

  (P.026)


確かにそう言われてみますと、グーグルのロゴに
使われているカラーは、レゴブロックによく似ている
な、と気付かされました。


グーグルのロゴには、光の3原色「赤」「緑」「青」に
レゴブロックの象徴的な色、「黃」を加えた4色です。






レゴは、子供向けの「教育玩具」と思い込んで
いました。


ところが、今回の特集記事を読んで、考え直す
ことになりました。


幼児からグーグルの創業者まで熱狂させる、
「創造性」と「革新力」を生み出すツールである
ということです。かなり説得力を持つ内容でした。



 教育現場でも、レゴは新たな学習ツールと
 
 して存在感を発揮する。座学で知識を詰め

 込む受け身の教育に対し、昨今注目を集め

 ているのが「経験教育」。各自の経験に基づく

 意見や考えを、自分なりの表現で披露する。

 その有力な表現手段として、レゴが脚光を

 浴びている。こうしたレゴ教材は、幼児教育

 から米航空宇宙局(NASA)の研修まで広がっ

 ている。
 

  (P.026)


さて、ここからがNo.1経済誌、『日経ビジネス』の
真骨頂です。


 ブロックという単純な玩具がなぜ、これほど

 世界に広がったのか。理由の一つは、

 「ブロックを組み立てる」という遊びのプロセス

 が、アイデアを具現化するのに最適な手段

 だからだ。
 

  (P.026)


レゴブロックは単純構造をしていますが、
組み合わせの数は膨大になります。



 2✕4ポッチのブロック2個で24通り、3個で

 1060通りになる。そして6個では1億通り

 以上。「何でも作れる」という自由度に、

 多くの人が無限の可能性を見いだしてきた。
 

  (P.026)


レゴRスクール http://www.legoschool.jp/edu/possibility.php
で調べてみると、
「6個で1億通り以上」どころか、なんと
「9億通り以上」になることが書かれていました。


9億1510万3765通りの組み合わせ



さらに、原色を使っている理由も書かれていました。



 レゴRブロックに鮮やかな原色が使用されている理由は、

 子どもの発達に色が非常に重要とされているからです。

 鮮やかな発色のブロックは子どもの健やかな成長を

 促します。
 

 (同ウェブサイト)



レゴが世界中で受け入れられている理由は、
何なのでしょうか?



 レゴが世界で受け入れられている理由。

 それは、ブロックを開発・製造しているレゴ

 という会社自体が、ヒット商品を生み続け、

 絶えず革新を遂げているからにほかなら

 ない。
 

  (P.027)


レゴが素晴らしい会社だと思うのは、大きな困難
に遭遇しながら乗り越え、成長を続けていること
です。



 直近5年の売上高は、年平均で21.5%も成長。

 2008年の金融危機をものともせず、米グーグル

 に匹敵するベースで成長を続けてきた。

 2014年上期には、売上高で「バービー」人形の

 米マテルを抜き玩具世界最大手の称号を手に

 入れた。通期では4500億円規模になる見込み

 だ。

 事業をブロックの開発と製造に絞り込み、

 ROE(自己資本利益率)で58.4%(2013年

 12月期)という、高水準の効率経営を実現。

 事業規模の拡大に伴ってブランド力も上昇し、

 米調査会社によるブランド信頼ランキングでは

 3年連続で世界10傑に入った。
 

  (P.027)



レゴの主要な経営指標を他社と比較したグラフが
ありますので、ご紹介しましょう。
これらのグラフを見ますと、企業の強さは、単なる
規模の大きさだけではないことが分かります。



売上高とROE(自己資本利益率)の比較

売上高とROE(自己資本利益率)の比較



売上高の年平均成長率と自己資本比率

売上高の年平均成長率と自己資本比率

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.026-027)




『日経ビジネス』取材班の1人である、蛯谷 敏(えびたに・
さとし)さんが、LEGOのデンマーク工場内の取材許可を
得て、「日経ビジネスオンライン」に取材記事を公開して
います。その一部を掲載します。


リンクを張っておきますので、ぜひ、ご一読ください。
ブロックの製造工程の一部の動画もありますよ。


少し長くなりますが、概要は下記の通りです。


レゴ工場に潜入! ROE58%、超効率経営の心臓部
将来はファンの人気作品を自動的に製造へ


 工場は、クリスマスを除いて364日、24時間稼働。

 年間550億超といわれる全世界のブロック生産の

 約半分に当たる260億個を生産している。

 地元を中心に約800人の従業員が、2交代シフト制

 で業務に就いている。


 ブロックの材料となる、ABS樹脂から作られたプラス

 チック素材で、トラックで毎日工場に運ばれてくる。

 1日に使われる量は70~80トン。先のパイプを通って、

 工場内に24基ある巨大なサイロに貯蔵されていく。


 1回の成形にかかる時間は約10秒で、複数のブロッ

 クを同時に成形する。これを1年間繰り返し、年間

 260億個のブロックを生産する。


 現在、生産されているレゴブロックの「型」の種類は、

 約3000に及び、色の種類は55以上ある。


 レゴのパーツはすべてに識別子が割り当てられている

 ため、どのパーツがどこに保管されているかは、自動

 管理される。

 別室の倉庫にはパーツ42万箱が保管され、梱包・

 出荷を待っている。


 レゴブロックには全て固有の識別子が振られていると

 説明したが、この仕組を利用して、レゴでは数年前から

 ある壮大な構想を進めている。

 それが「LEGO IDEAS(レゴアイデアズ)」と呼ぶサー

 ビスである。このサービスは、端的に言えば「レゴの

 ファン同士が自律的に新製品を生み出す仕組み」を

 構築することにある。

 レゴは本来、子供向けの玩具だが、大人のファンも

 世界中に抱えている。

 彼らを囲い込み、社内では考えつかないような潜在

 需要を掘り起こす仕掛けを作ろうとしている。


 今後、ファンのレゴ作品を、オンライン上のバーチャル

 (仮想)空間で組み立てられるようにする計画がある。

 それが実現すれば、作品が完成した時点で「どのブロ

 ックがいくつ必要か」という情報を自動的に取得できる。

 その情報を工場に送れば、必要なブロックを即座に

 パッケージ化できる。


 今後、3Dプリンターが普及すれば、集荷・配送工程すら

 不要になり、ファンが自宅で3Dプリンターを使って必要な

 ブロックを生産する時代が来るかもしれない。

 その時、レゴの新しい製造モデルは大きな注目を集める

 可能性を秘めている。


 中核事業をブロック製造に絞り込み、見事に復活させた

 のが、現在のクヌッドストーブCEOだ。「レゴの唯一の事業

 はブロックの製造とその世界観の提案であり、これは今後

 も変わることはない」と断言する。レゴは、破綻の瀬戸際を

 経て、改めて自社の強みを再確認した。その競争力の源泉

 である製造工場は、今後も進化を続けていく。
 

  

 レゴ工場に潜入! ROE58%、超効率経営の心臓部
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150213/277451/?P=1
 から
 『日経ビジネス』 ロンドン支局 記者 蛯谷 敏さん 





LEGOの4つのキーワードを確認しておきましょう。

揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)





次回は、
「PART 1 ヒット連発、組織に秘策」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング 2015.02.09 <3>



日経ビジネスの特集記事(94)

善い会社
2015年版 いま必要とされる100社ランキング
2015.02.09



今週の特集記事のテーマは

会社とは何か。単なる「営利組織」という定義は、
もはや通用しなくなりつつある。
働き手、顧客、取引先、地域社会、投資家――。
多様な利害関係者のすべてに、持続的にプラスの
影響を与える組織。
いま必要とされるのは、利益の向上と社会への
貢献が一体化した「善い会社」だ。
その会社とはどこか
 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)

ということです。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ『善』」
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
を取り上げました。


第3回(最終回)は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。




『日経ビジネス』が今回初めて実施した「善い会社」
ランキング。どのような基準で100社を選出したのか
大変興味がありました。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)


一言で言えば、ステークホルダー(利害関係者)に
対する「善」です。


本題に入る前に、スタートページの右側に掲載されている
ベスト20社をご覧ください。


「なるほど、あの会社は20位以内にランクインしているな」
「えっ!? あの会社は20位以内にランクインしていないの?」
と様々な印象を持たれることでしょう。



「善い会社」ランキング ベスト20社

「善い会社」ランキング ベスト20社

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)



見にくい箇所があるかもしれませんので、書き出します。

 1 ソフトバンク         70.7
 2 ファーストリテイリング   65.4
 3 キーエンス          65.2
 4 ファナック           63.9
 5 ヤフー             63.5
 6 イオンモール         62.4 
 7 楽天              61.9
 8 マニー             60.2
 9 日本たばこ産業       59.8
10 武田薬品工業        59.7
11 東海旅客鉄道        58.4
12 KDDI             58.2
13 ABCマート          58.0
14 住友不動産         57.9
15 ユー・エス・エス       57.8
16 アステラス製薬       57.7 
17 トヨタ自動車         57.5
18 SMC             57.3
19 ナカニシ            57.2
20 トレンドマイクロ        57.1

営業利益率/従業員増減/法人税額/株価変動率
の4つの指標に点数配分し、100点満点で、総合計を
ランキングしています。(詳細は本文の中で)


今まで「いま必要とされる100社ランキング」という
タイトルでありながら、ごく一部しかご紹介してきま
せんでした。


そこで、最後に100社を一挙公開します。
あなたの会社は100社の中に入っているでしょうか?




では、本題に入りましょう!



 PART 2 今日から始める善い会社の作り方 

前回まで、「善い会社」や「社会から認めてもらうため、
『善行』を重ねて善い会社を目指す会社」をご紹介して
きました。


最終回は、「善い会社はどのようにして作るのか」に
焦点を当てて、『日経ビジネス』は3つの方法を提言
していますので、その提言を中心にお伝えしていきます。


「社会」
「社員」
「顧客」


これら3つのキーワードが、どのような意味を持つのか
見ていくことにしましょう。




 作り方 1 「社会」問題を商機に 

 伊藤園 



 大分県の国東半島南部に位置する杵築市。

 市の山間部に、真冬でも鮮やかな緑が

 まぶしい約30万㎡の茶畑がある。


 ここは、伊藤園が緑茶飲料「お~いお茶」

 の原料を入手する契約農園。

 地元の建設会社である昭和建設工業(大分県

 日出町)が2005年に設立した。農事組合法人

 カヤノ農産が運営する。


 伊藤園は1990年代半ばから、農家の高齢化

 などの理由で放置された耕作放棄地を活用し、

 茶畑を育てる地域活性化事業「茶産地育成事業」

 に取り組んでいる。県や市などの地方自治体と

 連携して放棄地を探索し、茶園の経営に参入

 したい地元企業を募集。その企業に、茶葉の育成

 法や農園を運営するノウハウなどを伝授している。


 カヤノ農産はその第1号。だが、新規参入を試み

 る“素人”にとって、茶園の経営は決して甘くはない。

 苗を植えてから最初の収穫まで4年。ようやく成長

 しても、際限なく生える雑草に霜、害虫など「敵」は

 多い。


 伊藤園農業技術部の社員が救いの手を差し伸べ

 る。そのかいもあって、カヤノ農産の事業は軌道に

 乗った。


 伊藤園がここまでするのは、地域活性化のためだけ

 ではない。自社が抱えてきた悩みを解決するため

 でもある。その悩みとは、原料調達先である茶葉生産

 者の減少。「このままでは安心・安全な国内茶葉を

 安定して調達できなくなる」。この危機感が、同社を

 地域活性化の取り組みに駆り立てた。


 自社の利益の追求が社会貢献にもつながれば、企業

 側はより真剣になるし、社会も永続的に恩恵を受けら

 れる。このウィンウィンの関係をいかに築くかが、

 「善い会社」を作る最大のコツだ。
 

  (PP.038-039)



伊藤園は、日本茶の茶葉は国産に限定しています。
そのこだわりは「安心・安全な茶葉を安定して調達」
するだけでなく、日本茶葉生産農家の育成という、
大切な使命感に支えられているからだ、とも言えます。





 作り方 2 社員の幸せを優先 

 ランクアップ 



 多くの日本の企業が抱える、優秀な女性を活用
 
 しきれないという悩み。化粧品を開発・販売する

 ランクアップ(東京都中央区)の取り組みからは、

 その原因と解決策が見える。

 岩崎裕美子社長は以前、広告代理店で取締役

 営業本部長を務めていた。多くの社員が女性

 だったが、長時間労働が当たり前の職場で、

 出産を経て育児をしながらキャリアを積むことは

 事実上不可能。辞めていく女性社員たちを見送

 りながら、環境を変えようと社長に直訴しても、

 のれんに腕押しだった。


 岩崎社長は会社を辞め、ランクアップを起業した。


 ランクアップでは出産退職はゼロ。就業時間は

 午前8時半から午後5時半で、仕事が早く終われ

 ば午後5時での帰宅も認めている。


 もっとも現在の環境にたどり着くまでには試行錯誤

 があった。


 転機は2011年。サマータイムを導入し、仕事が

 終わったら午後5時で帰宅することを認めた。

 すると、「皆が必死に仕事を早く終わらせた」(岩崎

 社長)。


 短時間業務を実現しても、業績が下降線をたどって

 は意味がない。だが、ランクアップは9年連続で

 増収増益だ。
 

  (P.049)


要は、労働時間の長さではないのです。
1時間あたりの生産性をいかに上げ、絶え間なく、
付加価値を高めていく工夫と、努力が不可欠である
ということです。





 作り方 3 顧客の人生を助ける 

 小川の家 



 小川の家は、長崎市内にオフィスを構える、

 従業員5人の小さな工務店。かつては、施工主の

 要望に沿って住宅を建てるという、当たり前の業務

 を淡々とこなす会社だった。


 「心身ともに健康に暮らせる家を建てるべきでは

 ないか」。

 施工主にこう訴えたことは数知れない。

 しかし、そのたびに、「あなたのこだわりはどうでも

 いいから」と言い返された。


 2002年、ついに我慢の限界に達する。

 そして、「自分の信念にのっとった家しか造らない」

 と誓った。それは、間仕切りが少なく開放的な家。

 個室には扉がないので、子供が自室にひきこもる

 ことはできず、親子の対話が促される。

 そうした家は同時に経済的でもあった。住宅の構造

 を簡素にできるため、より少ない建材で家を建てら

 れる。


 「これこそが真の顧客志向だ」。そう信じたが、
 
 当初はなかなか理解されなかった。


 小川の家では家計診断からスタートする。年収を

 上回る高級車のローンの支払いに追われている

 ことが分かれば、「軽自動車に買い替えませんか」

 と勧める。


 家計の無駄を省いた上で、支払い能力の範囲内

 に収まるように、立地や住宅の価格を決めていく。


 あえて最初に現実と理想のギャップを突き付ける。

 小川勇人社長は、「顧客の利益を本当に考えれば、

 入居後のローンの支払いに追われるような住宅は

 建てられない」と言う。


 顧客志向とは、ただ顧客の要望に応えることに

 あらず――。これが顧客の利益を突き詰めた小川

 社長の結論だ。
 

  (P.042)


見方を変えれば、「余計なお節介」ですが、
顧客にとって何が本当に大切なことのかを熟慮すると、
「これが正解だ」と自信を持って言える領域まで踏み
込んでいかなければ、顧客のハートをがっちり掴むこと
はできないでしょう。


ただ、見栄を張り通したい人には、小川の家は向いて
いません。




最終的には、顧客から感謝される存在になるのです。



『日経ビジネス』取材班は、善い会社の「3つの作り方」
をまとめて次のように述べています。



 「社会」「社員」「顧客」の3つの視点から善い会社

 の作り方を見てきた。共通するのは、取っ掛かりは

 違えど、最終的にはすべてのステークホルダーに

 利益をもたらしている点だ。


 善い会社の形は、会社の数だけ存在する。

 あなたの会社も、「善い会社」に必ずなれるはずだ。
 

  (P.043)



プラスの影響を多方面に波及させながら成長

プラスの影響を多方面に波及させながら成長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.043)




では、お約束の通り、「善い会社 ランキング 100社」
をご覧ください!



 1  ソフトバンク
 2  ファーストリテイリング
 3  キーエンス
 4  ファナック
 5  ヤフー
 6  イオンモール
 7  楽天
 8  マニー
 9  日本たばこ産業
10  武田薬品工業
11  東海旅客鉄道
12  KDDI
13  ABCマート
14  住友不動産
15  ユー・エス・エス
16  アステラス製薬
17  トヨタ自動車
18  SMC
19  ナカニシ
20  トレンドマイクロ

21  シスメックス
22  久光製薬
23  コマツ
24  テルモ
25  キャノン
26  ホンダ
27  マキタ
28  ニトリホールディングス
29  シマノ
30  J トラスト
31  小野薬品工業
32  ダイビル
33  ヒューリック
34  NTT
35  ミスミグループ本社
36  オリックス
37  クボタ
38  ダイキン工業
39  NTTドコモ
40  JPホールディングス

41  ブリヂストン
42  ユニ・チャーム
43  プレステージ・インターナショナル
44  日本電産
45  参天製薬
46  デンソー
47  セコム
48  村田製作所
49  田辺三菱製薬
50  新日鉄住金
51  住友電気工業
52  ローソン
53  ロート製薬
54  三井不動産
55  ハーモニック・ドライブ・システムズ
56  アダストリアホールディングス
57  中外製薬
58  浜松ホトニクス
59  沢井製薬
60  東京建物

61  アシックス
62  大東建託
63  ヒロセ電機
64  花王
65  日本ガイシ
66  イオンディライト
67  伊藤忠商事
68  ピジョン
69  信越化学工業
70  キリンホールディングス
71  アイシン精機
72  大日本住友製薬
73  日揮
74  ダイセキ
75  阪急阪神ホールディングス
76  プロトコーポレーション
77  王将フードサービス
78  住友ゴム工業
79  ドクターシーラボ
80  エーザイ

81  日立キャピタル
82  モーニングスター
83  オリエンタルランド
84  ケネディクス
85  ジーテクト
86  日精ASB機械
87  野村総合研究所
88  住友不動産販売
89  良品計画
90  三菱電機
91  丸一鋼管
92  船井総研ホールディングス
93  日本パーカライジング
94  EPSホールディングス
95  生化学工業
96  関西ペイント
97  キャノン電子
98  ツムラ
99  アサヒグループホールディングス
100 TPR

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.030-031)




最後に、「善」の定義をもう一度確認しておきましょう。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング 2015.02.09 <2>



日経ビジネスの特集記事(94)

善い会社
2015年版 いま必要とされる100社ランキング
2015.02.09



今週の特集記事のテーマは

会社とは何か。単なる「営利組織」という定義は、
もはや通用しなくなりつつある。
働き手、顧客、取引先、地域社会、投資家――。
多様な利害関係者のすべてに、持続的にプラスの
影響を与える組織。
いま必要とされるのは、利益の向上と社会への
貢献が一体化した「善い会社」だ。
その会社とはどこか
 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)

ということです。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ『善』」
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
を取り上げます。


第3回は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。




『日経ビジネス』が今回初めて実施した「善い会社」
ランキング。どのような基準で100社を選出したのか
大変興味がありました。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)


一言で言えば、ステークホルダー(利害関係者)に
対する「善」です。


本題に入る前に、スタートページの右側に掲載されている
ベスト20社をご覧ください。


「なるほど、あの会社は20位以内にランクインしているな」
「えっ!? あの会社は20位以内にランクインしていないの?」
と様々な印象を持たれることでしょう。



「善い会社」ランキング ベスト20社

「善い会社」ランキング ベスト20社

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)



見にくい箇所があるかもしれませんので、書き出します。

 1 ソフトバンク         70.7
 2 ファーストリテイリング   65.4
 3 キーエンス          65.2
 4 ファナック           63.9
 5 ヤフー             63.5
 6 イオンモール         62.4 
 7 楽天              61.9
 8 マニー             60.2
 9 日本たばこ産業       59.8
10 武田薬品工業        59.7
11 東海旅客鉄道        58.4
12 KDDI             58.2
13 ABCマート          58.0
14 住友不動産         57.9
15 ユー・エス・エス       57.8
16 アステラス製薬       57.7 
17 トヨタ自動車         57.5
18 SMC             57.3
19 ナカニシ            57.2
20 トレンドマイクロ        57.1

営業利益率/従業員増減/法人税額/株価変動率
の4つの指標に点数配分し、100点満点で、総合計を
ランキングしています。(詳細は本文の中で)




では、本題に入りましょう!



 PART 1 利益の追求が社会を「善く」する」 の後半

 第19位 ナカニシ 
 顧客を「感動」させる製品やサービスを生み出し続ける 

ナカニシも凄い会社です。
日本にこのような会社があるということは、
日本の誇りです。


他社にまねのできない技術を持っていることは
強みです。そして、その強みをさらに強化し、
新製品に生かしていくことができれば、好循環
ができ、鬼に金棒ですね。


と同時に、大都市に本社ほかの拠点を置かなく
ても、顧客は世界中に存在するのであれば、
本社所在地がどこにあろうと関係ないことを証明
しています。


今や、情報は世界中からインターネットを使って
収集したり、国内外の企業との連携によって、
人脈によっても得られるのです。


規制に守られていたり、官公庁の指示待ちを
しているような企業は、遅かれ早かれ淘汰され
ます。


顧客志向という言葉は使い古されましたが、
顧客に目を向けなくなった企業が業績不振に
あえぐのは当然の帰結です。


頭では「お客様は大切」と理解していても、
経営トップや役人の顔色を伺うようになった
企業は要注意です。




 19位に入った、栃木県鹿沼市に本社と工場を

 置く、ナカニシも、他社にまねできない技術を

 武器に、顧客やその先にいる真の顧客に貢献し、

 「善い会社」となった。

 ナカニシが手掛けるのは、歯科医が歯を削る時に

 使うドリルだ。世界市場はこれまで、100年以上

 の歴史を持つドイツの老舗、カボがトップを走り

 続けていた。これをナカニシが4年前に奪取。

 起爆剤になったのが、競合製品に比べて約30%

 小型化した歯科医向け高速回転ドリルだった。

 小型化はユーザーである歯科医にとって大きな

 意味を持っていた。ドリルが小さくなると患者の口

 の中に入れた時の視認性が上がり、患部を治療

 しやすくなる。また、小刻みにドリルを動かせるので、

 より繊細な治療も可能になる。


 「顧客を感動させる製品やサービスを生み出し

 続けること」。これが中西社長の定義する善い会社

 の条件であり、2000年の社長就任以来、大切に

 し続けている経営方針でもある。

 現在の従業員数は約1000人。世界135カ国に

 輸出し、欧州や米国などの13カ所に直営販売拠点

 を設ける。

 グローバル企業になった今も変わらず守り続けて

 いるのが、「メード・イン・ジャパンのモノ作り」だ。

 その理由は2つある。

 まず、日本の雇用を守ること。もう一つは事業の

 根幹である「感動製品」を生み出すためだ。

 例えば、ナカニシの製品は他社製に比べて、

 患者を悩ませる「キーン」という嫌な音や振動が

 少ないことで知られる。音や振動は、ドリルの回転時

 に内部の部品が微妙に接触することで発生する。

 この接触を少なくするには、部品一つひとつをミクロン

 単位で精密に加工することが欠かせない。

 「ミクロン単位の加工ができるのは日本だけ。精密な

 作業は日本人が適している」と中西社長は説明する。
 

  (P.032)


私は、今では歯科医院に通院することはありません。
通院していた頃のことを思い出しますと、治療器具の
耳障りな金属音は嫌でしたね。


ナカニシの直接の顧客は歯科医ですが、その先の顧客
は患者です。患者のことまで考えた製品作りをしている
から世界中から支持されるのです。



中西英一 ナカニシ社長

中西英一 ナカニシ社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.032)






 第23位 コマツ 
 顧客、取引先、社員、株主に「なくてはならない」存在になる 

コマツの建機は、世界中の建設現場で欠かせない
存在になっているようです。




 23位に入ったのは建機大手のコマツ

 「ないと困る会社になる」――。これが、コマツが目指す

 善い会社だ。


 部品会社で不良品率が高い工程があると、コマツの

 技術者は現場に赴く。そして、実際に不良品を出して

 いる機械の前で、工程を検証しながら議論する。

 すると、それまで見えていなかった問題の原因や解決

 法が浮かび上がる。

 これが、コマツ流「5ゲン主義」だ。「現場」で「現物」を

 前に、物事の「原点」に立ち返り、データで「現実」を

 直視し、問題点を「顕在化」する。


 大橋徹ニ社長は「ステークホルダーにとっての選択肢

 は常に当社以外にもある。株主は他の企業に投資

 することもできるし、顧客は競合他社を選ぶことも

 できる。取引先もそう。様々なステークホルダーから

 の信頼の総和が、企業の価値だ」と話す。

 5ゲン主義を取引先や投資家など、様々なステーク

 ホルダー相手に実践することを目指す。
 

  (PP.032-033)



昔から、3現主義は知られていました。
「現場」へ足を運び、「現物」に接し、「現実」を直視し、
改善していくという一連の流れです。


コマツは、この3現主義に「原点」と「顕在化」の2つを
加え、5ゲン主義にまとめ実践しています。


すべてのステークホルダーに、「なくてはならない」存在
になることを目指しています。



大橋 徹ニ コマツ社長

大橋 徹ニ コマツ社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.033)






 第73位 日揮 
 人類に貢献するために常に新しい挑戦をする 

日揮と言えば、2013年に起こったアルジェリアの
テロ事件で日本人従業員を含め、多くの関係者の
尊い命を奪われた際に、記者会見に社長が涙を
流して臨んだ姿が、今でも印象に残っています。


日揮は、どんなに危険な地域でも顧客が望むなら
出かけていき、プラントの建設に長期間にわたって
従事する仕組みを構築しています。


その技術者たちが失われたことは大きな損失ですが、
くじけるような企業ではありません。


 「人材がすべての会社。ありとあらゆる技術者が

 集まり、総合的に解決策を提案する。最終目標は

 人類に貢献することだ」。

 73位、日揮の川名浩一社長が強調するのは

 「人の力」だ。

 日揮は巨大プラントなどの設計・調達・建設を手掛

 けるプラント・エンジニアリング会社。灼熱の砂漠や

 過酷な極寒地といった環境でも稼働できる付加価値

 の高いプラントを構築する。


 資源を安心して得るための施設を作ることで、

 世界の問題解決に資する。それが日揮の考える

 存在意義だ。

 過酷な環境で、危険を伴うプロジェクトにも従事する

 のはそのためだ。

 だからこそ、技術者の安全を守ることが、日揮に

 とって最重要課題となる。

 2013年に起こったアルジェリアのテロ事件では、

 関係者17人を失った。「イスラム国」の台頭など、

 地政学リスクは一層高まっている。


 日揮は事件後、セキュリティー組織を「部」から

 社長直轄の「本部」に格上げ。海外からセキュリ

 ティーの専門家を招くなど人員を増強した。


 近年、資源・エネルギーの開発は「3Dの時代」に

 突入した。Deep(深い)、Difficult(難しい)、

 Distant(遠い)の頭文字を取ったもので、

 開発プロジェクトが複雑化し、難易度が上がって

 いることを意味する。


 川名社長は「高度になっても、『日揮ならやってくれる』

 という信頼感を得ている」と話す。
 

  (PP.033-034)


川名社長は「高度になっても、『日揮ならやってくれる』
という信頼感を得ている」と語っています。


この信頼感は、相当の実績の積み重ねがなければ、
得られないものです。技術者たちの熱い思いが伝わって
くるような話ですね。


日揮は新入社員でもすぐに海外へ派遣することが「普通」
に行われる会社であることが、川名社長の経歴からも
推察されます。



 川名社長は入社3カ月でインドネシアの

 スマトラ島で働いた経験を持つ。

 「プロジェクトには工場のような決められた

 システムやルールがない。自ら作って言葉

 で説明しなければ、人は期待した能力を

 発揮してくれない」。それだけに、

 巨大プロジェクトの成否を握るプロジェクト

 マネージャーの組織的な育成がカギとなる。
 

  (P.034)



川名 浩一 日揮社長

川名 浩一 日揮社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.034)






 第61位 アシックス 
 企業が成長しなければステークホルダーの幸せもない 

アシックスは、昔はオニツカタイガーという名称で
親しまれていました。


今、アシックスはオリンピックに出場する選手を
はじめ、多くのスポーツマンの足元に欠かせない
存在になっています。


そのアシックスが「危機」に見舞われた話から、
『日経ビジネス』はスタートしています。




 61位、アシックス の“危機”は突然訪れた。

 2004年のアテネ五輪に合わせ、英国を拠点と

 する国際NGO(非政府組織)「オックスファム」

 などが、労働環境改善を求める告発キャンペーン

 を展開したのだ。

 アシックスやミズノ、プーマなどのスポーツウェア

 メーカー7社がやり玉に上がった。


 アシックスでもインドネシアの靴工場で過酷労働

 の疑いが持たれた。その後の調査で、告発された

 工場にその事実はなかった。


 アシックスはその後、サプライチェーンの管理を

 強化。

 2006年には日本企業として初めて、労働者の

 権利保護に取り組む国際NPO(非営利組織)で

 ある公正労働協会(FLA)に加盟。自社、監査会社、

 FLAによるトリプルチェックを開始した。


 尾山社長は「善い会社であるためには成長が必須。

 そうでなければステークホルダーに利益を与えること

 もできないからだ」と言い切る。


 最近では、主力のスポーツシューズが欧米を中心と

 する海外で順調に伸びている。株価がこの10年で

 278円から2029円にまで伸びたことも同社が

 ランキングで61位に入ったが理由の一つだ。
 

  (PP.034-035)



“危機”をバネに成長を続ける同社に期待する声が
多いのも納得できます。



アシックス 尾山 基社長 CEO

アシックス 尾山 基社長 CEO

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.035)






 社会悪との偏見 「善行」重ねて覆す 

今まで「善い会社」をご紹介してきました。
次に、『日経ビジネス』は「善い会社」とは真逆な
イメージを持たれているパチンコ、たばこ、産業
廃棄物処理の会社にスポットライトを当てています。


何とか悪いイメージを払拭しようと「善行」を重ねて
いる姿を追っています。




 パチンコ、たばこ、産業廃棄物処理――。

 世間の風当たりが強い業界で、存続をかけて

 「善行」を重ねる企業がある。
 

  (P.036)



 ダイナム 



 「街と生きるパチンコ」を標榜するのが、全国に

 386店を展開するダイナムだ。

 佐藤公平社長は「善人ぶりたいわけではないが、

 地域の一員として認めてもらうため、各店舗の

 店長の判断で、従業員を地域の清掃活動や、

 花火大会の手伝いなどに参加させている」と話す。

 活動内容はテレビCMなどでも紹介している。


 パチンコに対する世間一般のイメージは依然として

 良くない。そこでダイナムはパチンコ依存症対策を

 支援し、貸し玉料を抑えて過度な遊興を防ぎ、

 町の景観になじむ木造店舗を建てるなど、イメージ

 向上に一層力を入れる。佐藤社長は「業界に対する

 偏見を取り除きたい」と強調する。
 

  (P.036)


ただ、1社(グループ)だけの「善行」では限界がある
のも事実です。業界の負のイメージを払拭するため
には、業界全体で行動しなければ、あまり効果がない
気がします。





 日本たばこ産業(JT) 



 ボストンコンサルティンググループの杉田浩章

 ジャパン・アジアビジネス代表は、「負のイメージ

 を背負う企業は、社会との関わりを深めて信用

 を勝ち取らねばならない」と指摘する。

 
 地道な活動などで9位につけた日本たばこ産業

 (JT)もその一社だ。過去20年間に、

 国内のたばこ消費量は半分以下にまで減った。

 嫌煙家が増えたのが一因だ。


 そこで、JTが取り組んでいるのが、「分煙コンサル

 ティング」だ。


 コンサル件数は活動を始めた10年前は年間200件

 程度だったが、積極的な営業によって、

 今では年3000件前後にまで増えた。
 

  (P.037)



JTたばこ事業本部の石井哲郎・社会環境
推進部長はこう語っています。
「喫煙者も吸わない人も、気持よく暮らせる
社会を目指す」。


喫煙権も嫌煙権も認め、どうやって折り合いを
つけるのかを考え、最終的に「分煙」という
考え方に落ち着いたのでしょう。



ちなみに、私はたばこを直接吸ったことは一度も
ありません。副流煙(間接喫煙)にさらされたこと
は何度もありますが。今は、もうそうしたことも全く
ありません。





 石坂産業 



 埼玉県三芳町で産廃処理を手掛ける石坂産業

 世間の逆風にさらされた経験を持つ。

 1999年、「所沢の葉物野菜からダイオキシンが

 検出された」と報道されたのを機に、野菜が売れ

 なくなった。これに悩んだ地元農家が、怒りの矛先

 を産廃会社に向けたのだ。


 石坂産業は同業他社に先駆けてダイオキシン対策炉

 を導入していたが、全く理解されなかった。

 「私たちのどこがいけないの?」。石坂典子社長は

 憤りを感じながらも、地域社会に受け入れてもらえる

 ための方法を来る日も来る日も考えた。そこでたどり

 着いたのが、「『非難』を『教え』に転換させる」という

 方法だ。

 例えば、地域住民から「会社の周辺が汚い」と言われ

 れば、誰がどう見ても汚いと思わないレベルまで掃除

 をする。「態度が悪い」と指摘されれば、社員に毎朝、

 挨拶を復唱させた。

 その過程では「やってられねぇ」と古参が次々退職。

 半年間で従業員数は6割に減った。


 同時に取り組んだのが、荒れ果てた周囲の森の

 手入れだった。土地を地主から借り、果樹園や散策

 路を作って地元に開放する。工場内に見学路を作り、

 地域の子供たちがリサイクルについて学べる環境を

 整えた。

 これが従業員の意識を変えた。興味津々で見学する

 子供たちを見ているうちに、仕事に対する誇りが高ま

 っていった。


 売上高は右肩上がりに増え続け、昨年度は41億

 3000万円に達した。

 「地域貢献は永続企業になるための投資」。

 石坂社長は今、そう確信している。
 

  (P.037)



事実を理解せず、腹いせに疑わしい業者を
犯罪者扱いする人たちは、自分が加害者に
なっていることに気づくべきです。


資源保護のためには、3Rが大切と言われます。
Reduce(減らす)、Reuse(同じものを何度も使用)、
Recycle(リサイクル)です。


産業廃棄物処理を考えると、製品作りの段階で、
ゴミをできるだけ出さない工夫が望まれます。
元の段階から減らすということです。


現状、製造段階で工夫せずに、分別を消費者に
押し付けているのは、明らかにおかしなことで
あると思っています。




「善」の定義を確認しておきましょう。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)





最終回は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング 2015.02.09 <1>



日経ビジネスの特集記事(94)

善い会社
2015年版 いま必要とされる100社ランキング
2015.02.09



今週の特集記事のテーマは

会社とは何か。単なる「営利組織」という定義は、
もはや通用しなくなりつつある。
働き手、顧客、取引先、地域社会、投資家――。
多様な利害関係者のすべてに、持続的にプラスの
影響を与える組織。
いま必要とされるのは、利益の向上と社会への
貢献が一体化した「善い会社」だ。
その会社とはどこか
 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)

ということです。




善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

善い会社 2015年版 いま必要とされる100社ランキング

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ『善』」
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の前半
を取り上げます。


第2回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
を取り上げます。


第3回は、
「PART 2 今日から始める善い会社の作り方」
をお伝えします。




『日経ビジネス』が今回初めて実施した「善い会社」
ランキング。どのような基準で100社を選出したのか
大変興味がありました。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)


一言で言えば、ステークホルダー(利害関係者)に
対する「善」です。


本題に入る前に、スタートページの右側に掲載されている
ベスト20社をご覧ください。


「なるほど、あの会社は20位以内にランクインしているな」
「えっ!? あの会社は20位以内にランクインしていないの?」
と様々な印象を持たれることでしょう。



「善い会社」ランキング ベスト20社

「善い会社」ランキング ベスト20社

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)



見にくい箇所があるかもしれませんので、書き出します。

 1 ソフトバンク         70.7
 2 ファーストリテイリング   65.4
 3 キーエンス          65.2
 4 ファナック           63.9
 5 ヤフー             63.5
 6 イオンモール         62.4 
 7 楽天              61.9
 8 マニー             60.2
 9 日本たばこ産業       59.8
10 武田薬品工業        59.7
11 東海旅客鉄道        58.4
12 KDDI             58.2
13 ABCマート          58.0
14 住友不動産         57.9
15 ユー・エス・エス       57.8
16 アステラス製薬       57.7 
17 トヨタ自動車         57.5
18 SMC             57.3
19 ナカニシ            57.2
20 トレンドマイクロ        57.1

営業利益率/従業員増減/法人税額/株価変動率
の4つの指標に点数配分し、100点満点で、総合計を
ランキングしています。(詳細は本文の中で)




では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE ブラックにあらず 成長こそ「善」 

先に4つの「善」についてお伝えしましたが、
配点はどのようになっているかがポイントです。


『日経ビジネス』の説明を読んでみましょう。



 営業利益率の指標には、 100点満点中40点

 を割り振った。顧客満足を測れるとともに、雇用

 や納税、株主への貢献の源泉となるからだ。

 残る60点は3項目に20点ずつ配点し、各項目

 でバランスよく貢献しているかを評価した。
 

  (P.027)


本業の儲けを示す「営業利益」を「売上高」で割った
ものが「営業利益率」です。


(参考)
営業利益 = 売上高 ー 売上原価 ー 販売費及び一般管理費
売上総利益(粗利) = 売上高 ー 売上原価
経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用


つまり、営業利益率に重点配分しているのです。




 第2位 ファーストリテイリング 
 ブラックにあらず 成長こそ「善」 


柳井 正ファーストリテイリング会長兼社長
は、こう語る。



 私が会長兼社長を務めるファーストリテイリングが

 「善い会社」ランキングで 2位となった。おまけに、

 社外取締役に名を連ねるソフトバンクが1位だ。
 
 率直にうれしい。

 ファーストリテイリングは数年前、インターネットや

 報道で「ブラック企業」というレッテルを貼られた。

 一方で今回のランキングでは上位をつけた。

 私は当社をブラック企業と呼ぶ人たちの方が

 間違っていると思う。


 当社には全世界に100社ほどの取引先がある。

 その一部の事象を取り上げて、全体に問題が

 あるかのように批判するのはおかしい。


 仮に過半数の社員が、「うちはブラック企業だ」

 などと考えるような会社なら、入社したいと思う

 人は一人もいないはずだ。取引先からも敬遠され、
 
 当社は存続できなくなっているに違いない。


 私にとっての「善い会社」とは、「長期的に成長し、

 収益を上げられる会社」だ。成長性と収益性が

 高ければ、顧客、地域社会、従業員、取引先、

 株主などすべてのステークホルダー(利害関係者)

 とウィンウィンの関係を結べる。その中でも最も

 重要なのが顧客だ。顧客が不在なら、そもそも

 ビジネスは成立しないからだ。


 成長性や収益性が高ければ、従業員や取引先は

 夢を抱くことができる。人々は勢いのある会社に

 ビジネスチャンスを見いだし、人、物、カネなどの

 経営資源が集まってくる。
 

  (PP.026-027)


柳井さんが述べていることは、経験の浅い経営者
にとっても「生きた教科書」として、とても参考になる
はずです。実績に裏打ちされた言葉だからです。
血肉となるはずです。


柳井さんの言葉を受けて、『日経ビジネス』は
次のように書いています。



 柳井氏が指摘する通り、企業はきちんと利益

 を稼いでこそ、ステークホルダーに「善」を届け

 られる。成長してこそ、より多くの者を幸せに

 できる。さもなければ、いくら高邁な理想を掲げ

 ても、その「善」は長続きしない。
 

  (P.027)



柳井 正 ファーストリテイリング会長兼社長

柳井 正 ファーストリテイリング会長兼社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 PP.026-027)






 PART 1 利益の追求が社会を「善く」する」の前半

 第3位 キーエンス 
 社会に付加価値を提供し事業を永続させる 

キーエンスという社名はあまり聞いたことがないかも
しれません。ですが、この会社は高収益企業として
知られています。


BtoC(消費者向けビジネス)企業ではなく、BtoB
(企業向けビジネス)企業であることと、メディアの
取材をほとんど受けてこなかったことが、一般に
あまり知られていない理由です。黒子に徹している
のです。



 ソフトバンク、ファーストリテイリングに続き、

 3位に入ったのがキーエンスだ。

 過去10期にわたって営業利益率40%以上を

 維持し続ける驚異的な収益力が、「善い会社」

 たる源泉だ。


 キーエンスの主力製品は工場の生産ラインで

 使われるセンサーなど。一般の人の目には

 触れない商材を扱っているのに加えて、メディア

 の取材をほとんど受けてこなかった。


 通常は立ち入ることが許されない顧客の生産

 ラインにまでズカズカと入り込み、不良品率削減

 など具体的なメリットを伴う改善策を提案する

 「コンサルティング営業」に特化している。


 製品競争力の高さも見逃せない。キーエンスの

 新製品には「世界初」「業界初」という言葉が頻出

 する。


 営業が集めてくる様々なニーズを、企画と開発

 部門が徹底的に分析して製品に落とし込む。

 「競争力のある製品以外はそもそも開発しない」

 (山本晃則社長)と明快だ。


 キーエンスの経営理念を知る必要がある。

 「最小の資本と人で最大の付加価値を上げる」、

 そして「会社を存続させる」だ。


 本業で付加価値を生み出してこそ、社会に

 役立つ存在になる。この考え方は、トップから

 現場まで浸透している。


 同社は付加価値を「粗利」(既出)と定義している。

 社員一人ひとりが自分の生み出す付加価値を

 計算しながら行動し、それが給与にも跳ね返る。

 組織と個人の目標が一致する仕組みになっており、

 その集合体として高収益企業が出来上がっている。
 

  (PP.028-029)



山本 晃則 キーエンス社長

山本 晃則 キーエンス社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.028)




キーエンスは技術力に加え、コンサルティング営業
によって他社との差別化を図っています。


キーエンスの製品は汎用品ではなく、個々の企業の
用途に最適な製品作りをしています。つまり、カスタ
マイズ製品です。ですから他社の追随を許しません。


汎用品では買い叩かれる可能性がありますが、
カスタマイズ製品ですから、高価格で販売できる
のですね。


その点が、キーエンスは「高収益企業」の秘密です。





 第58位 浜松ホトニクス 
 製品そのものが化学技術の発展に貢献 

大企業だけが「善い会社」なのでしょうか?
「そんなことはない」、と『日経ビジネス』は断言
しています。具体例があります。


浜松ホトニクスです。
「前人未到の先端製品の開発ばかりを手掛けて」
いる会社です。



 他社にまねのできない強みを武器に収益性を

 高めるという企業経営が、自然と様々なステー

 クホルダー、すなわち社会への貢献となる。

 
 もちろん、大企業でなくとも「善い会社」たること

 は可能だ。その好例が58位となった浜松ホトニクス

 だろう。

 「光」にまつわる研究と製品では、自他共認める

 世界一の技術力を持つ。

 素粒子ニュートリノの観測に成功した「カミオカンデ」

 など、その技術で幾多のノーベル賞につながる

 画期的な発見や発明を支えてきたことは有名だ。
 

  (PP.029-030)


研究者にとっても欠かせない存在となっていることが、
このエピソードからも読み取れますね。



 晝馬(ひるま)明社長は「我々の製品そのものが

 社会貢献。研究機関や医療機器などに使ってもらい、

 科学技術の発展そのものに貢献している。それが

 社員のプライドでもある」と言う。

 浜ホトが手掛けるのは、前人未到の先端製品の開発

 ばかり。完成までに5~10年以上かかることも珍しく

 ない。
 

  (PP.030-031)


「善い会社」は、社員が自社に誇りを持てることも
条件の一つと言えます。



 晝馬社長は「普通の会社の研究開発がヒットを狙う

 ライフルなら、当社は散弾銃。そちらの方向を向いて

 弾を撃つと、予想外のところで応用品が生まれる」

 という。「セレンディピティー」と呼ばれる考え方で、

 実際に人工衛星用カメラ向けに開発したTDI技術(註)

 が、バイオ分野研究に応用されるなど、様々な事例

 が生まれている。
 

  (PP.031-032)

(註)
「TDI(Time Delay Integration)とは、移動している対象を
積算しながら撮影するCCDの特殊な読み出し方式です」
浜松ホトニクス 公式サイト から



TDI技術

TDI技術




晝馬 明 浜松ホトニクス社長

晝馬 明 浜松ホトニクス社長

(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.029)




「善」の定義を確認しておきましょう。


「善」の定義は4つです。
顧客に価値ある製品やサービスを提供する「善」
雇用を創出し、人々に安定した暮らしを提供する「善」
国を豊かにする「善」
株主に対する「善」
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.027)





次回は、
「PART 1 利益の追求が社会を『善く』する」の後半
「社会悪との偏見 『善行』重ねて覆す」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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物流の復讐 変わる産業の主導権 2015.02.02 <3>



日経ビジネスの特集記事(93)

物流の復讐
変わる産業の主導権
2015.02.02



今週の特集記事のテーマは

「荷物は時間通りに届くもの」「送料無料は当然」――。
あなたはそう思い込んではいないだろうか。
電気や水と同じように、あって当たり前とされてきた
「運ぶ」という社会インフラ。
ネット通販の急拡大による負担増と人手不足が重なり、
破綻へと近づいている。
これまでのモノの流れを抜本的に変えなければコスト
は跳ね上がり、米アマゾン・ドット・コムなど高度な
物流機能を持つ企業が顧客を独占する。
小売りも物流会社もメーカーも、物流を軸に経営戦略
を作り直す時がきた。
長らく販売や製造を支える黒子にすぎなかった物流が、
産業の主導権を握る。
その「復讐」の衝撃波は、日常生活から企業の現場、
国家戦略にも及んでいる
 (『日経ビジネス』 2015.02.02 号 PP.024-025)

ということです。




物流の復讐<br />変わる産業の主導権

物流の復讐
変わる産業の主導権

(『日経ビジネス』 2015.02.02 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.02 号 PP.024-025)




第1回は、
「PROLOGUE 明日、荷物が運べない」
「PART 1 ロストワンマイルの恐怖」
を取り上げました。


第2回は、
「1.5兆円市場に見る未来」
「PART 2 ヤマトの最終兵器」
を取り上げました。


第3回は、
「最新海外事情・米国編 物流イノベーション
次々と」
「PART 3 物流は国家なり」
をお伝えします。


今回の特集記事もお楽しみください。
テレビや新聞などではなかなか伝わってこない物流の
「今」を知ることができます。


物流先進国、英国、米国の事情を伝えるため、
「日経ビジネス」取材班は5人体制で詳細に伝えて
います。


5人の内訳は、男性3人、女性2人で、そのうち、
ロンドン支局の2人が含まれています。1人は
イギリス人女性と思われます。



キーワードは、3つあります。
深刻な人手不足
ラストワンマイルの争奪戦
国家レベルの戦略
です。



スタートページのイメージ画が素晴らしく、いつも
感心させられます。


では、本題に入りましょう!


COLUMN 最新海外事情・米国編
物流イノベーション次々と


前回は、「世界で最もネットスーパーの競争が
激しい市場と言われる英国」(P.033)の実情を
お伝えしました。


英国の場合、「ダークストア(闇の店舗)」を
活用しているという印象を受けました。


一方、米国の場合、IT(情報技術)の巨人たち
が覇を競いあっているだけに、ITを活用して
物流改革に乗り出している、と言った印象を
受けました。


あなたは、今回の記事をご覧になってどのような
印象を持たれるでしょうか?


とても興味深いです。


近い将来、日本も無人飛行機(ドローン)を使った
配送が現実化するかもしれません。


もちろん、日本の航空法規などの規制を緩和する
などの対応は不可欠ですが。


まず、言葉で説明するよりも画像で確認していた
だいたほうが理解しやすいと思われますので、
Amazon.com、Google、UPSの3社の現状をご覧
ください。


後ほど、ドローンを実際に飛ばした時の動画を
ご覧いただきます。個人で使用する例ですので、
ビジネス用とは異なりますが、昔のラジコンへり
をイメージしていただくと、かなり理解しやすくなる
と思います。


ドローンはアマゾンで販売していて、1万円少々で
買える製品もあるそうです。
ハマる人が増えそうですね(笑)。


Amazon.com の無人飛行機(ドローン)(左)と<br />倉庫内のロボット(右)

Amazon.com の無人飛行機(ドローン)(左)と
倉庫内のロボット(右)

(『日経ビジネス』 2015.02.02 号 P.038)




Google の即日配送サービス<br />「グーグル・エクスプレス」

Google の即日配送サービス
「グーグル・エクスプレス」

(『日経ビジネス』 2015.02.02 号 P.038)




UPS の荷物受け取り専用ロッカー<br />「スマートロッカー」

UPS の荷物受け取り専用ロッカー
「スマートロッカー」

(『日経ビジネス』 2015.02.02 号 PP.038-039)




では、表示順に「日経ビジネス」の解説を
読んでみましょう。


Amazon.com
倉庫も配送も高速化を極める


 世界最大のEC(電子商取引)企業、アマゾン・

 ドット・コムの進化が止まらない。

 無人飛行機(ドローン)を使った配送実験に

 乗り出そうとしている。「プライム・エア」という

 名前で、荷物の重さ約2.3kg、拠点から16km

 の範囲内であれば注文から30分内で届ける

 ことを目指している。


 倉庫内でも無人化によって物流の高速化を

 さらに進めている。

 2012年に買収したロボットメーカー、キバ・

 システムズの機器を物流センターに積極的に

 導入。既に複数のセンターで合計1万5000台

 以上が稼働しているという。
 

  (P.038)


「ラストワンマイル」ならぬ「ラストテンマイル」を
手中に収めようとしているのです。


ドローンでの配送とは凄いですね。グーグルも
ドローンを使った実験を行なっていると聞いて
います。


問題は天候ですね。
強風時や、米国ならハリケーン、あるいは大雪
といった悪天候の際には、空も陸も輸送は困難を
極めるでしょう。


荷物を届けるのではなく、単独で事故現場の
状況を空撮し、生データを収集したりするには、
向いていると思いますが。


では、ドローンが実際に飛行している(操縦している)
映像をご覧ください。単なるオモチャではないな、
という印象を持ちました。


ちなみに、この動画は、私がよく聴いているJ-WAVE
の番組の「HELLO WORLD」の YouTube Live 映像です。




特集「ドローン最前線」 ② J-WAVE HELLO WORLD




Google
検索の巨人も、モノの即日配送へ

グーグルもドローンの使用を前提に研究している
ようですが、陸上輸送にも力を入れています。


 検索サイト大手のグーグルも生鮮食品などの

 即日配送サービス「グーグル・エクスプレス」

 の展開エリアを全米の主要都市に広げるなど、

 強化している。


 注文が発生すると、グーグルと契約する配送員

 が地元の店舗で商品を収集して顧客宅などに

 届ける。年会費は95ドル。購入額が15ドル以上

 なら配送料が無料になる
 

  (P.038)




UPS
スマホと連携 ロッカー全米展開

集配送専門のUPSが、こうした流れに指をくわえて
待っているはずがありません。



 UPSは2014年10月、荷物受け取りのための

 専用ロッカーを初めて設置した。


 この「スマートロッカー」は、利用者が留守に

 している時などに配送先として指定できる。

 IDやスマートフォンを通じて個人を認証し、

 ATMから現金を引き出すようにして荷物を

 受け取ることが可能になる。
 

  (P.038)


一見すると、ATMや夜間金庫のような形状を
していますね。


以上の例の他に、世界最強の小売業と言われる、
Walmart は「ネットで注文し、専用拠点で受け
取り」というシステムを稼働させています。





PART 3 製造業にとっても「宝の山」
物流は国家なり



コマツのケース



コマツと言いますと、コムトラックスが条件反射的に
出てきます。ブルドーザーなどに無線通信機器を
標準装備し、海外へ販売しても日本国内から稼働
状況が把握できるという、優れた製品です。


ですが、このパートではコマツの倉庫に重点を置いて
「日経ビジネス」は掘り下げています。


 小山工場(栃木県小山市)は、油圧機器や

 エンジンなど建機のコア部品を生産し、

 多くを海外に輸出している。


 モノの流れを見直すべき2014年8月に

 稼働を始めた「新関東補給センタ」で、

 劇的な効率化を実現した。

 補給センタで扱う部品は約10万種類、

 340万個と膨大だ。


 切り札は最新鋭の機器だ。高さ9mの

 巨大な棚がズラリと並び、その間を専用

 フォークリフトが往来して部品を出し入れ

 する。


 新施設の投資額は34億円。単なる保管

 場所として見れば大きな出費だが、狙い

 通り効率化が進めば利益を生む有効な

 投資となる。

 例えば海外の販売店から「緊急で送って

 ほしい」というオーダーが入った場合は

 航空機を使うこともある。倉庫内のリード

 タイムが大幅に削減できたことでその利用

 頻度が減り、航空代金だけで数億円もの

 削減になったという。
 

  (P.040)



倉庫業者や配送業者を除き、倉庫や配送を
利用する企業にとって、今まではコストでしか
ありませんでした。
倉庫などは「コストセンター」でした。


ですが、ここにきて倉庫や配送を再定義し、
「コストセンター」を「プロフィットセンター」に
変貌させることが可能という動きが活発化
してきました。


コマツのケースはその好例だと思います。
結論として、部分最適ではなく、全体最適を
どのようにして実現するかということに、
集約されると考えています。


コマツ新関東補給センタの効果(目標)を
ご紹介しましょう。


庫内のリードタイム  >> 半減

建屋の面積      >> 半減

人員数         >> 半減

消費電力        >> 半減

フォークリフトの台数 >> 半減 



前回、トラックドライバー不足に頭を痛める
運送業界の実態をお伝えしました。


輸送には鉄道や航空機を使う場合もあります。
これらはトラック輸送と比べ、全輸送量の中で、
どの程度の比率を占めているのでしょうか?


 国内の輸送量(トンベース)で見れば鉄道

 のシェアは約1%。利用されないのにも理由

 がある。まずコスト。「700km以上の距離

 だとメリットが出るが、駅から自社の物流

 センターまでのトラック輸送コストがネック

 となる」(イオングローバルSCMの坪井康彦・

 運営管理部長)。


 内航船では陸の上と同じように船員不足に

 苦しんでいる。さらに、意外な落とし穴がある。

 東京湾のコンテナヤードでは、トラックが行列

 をなしている光景を目にする。待機時間が

 2~3時間という場合も少なくない。

 荷物の積み場をビルや倉庫にしてしまったため、

 荷物を積むためのスペースが不足しているのだ。
 

  (P.043)


輸送業界は、簡単には解決しそうにない問題が
山積しています。1企業や業界だけでは解決しない
重要な問題です。


国家レベルでの取り組みが求められます。


 人手不足対策やモーダルシフト(トラック依存を

 改め鉄道や船による輸送に切り替えること)

 推進に加え、過疎地域での買い物弱者対策、

 複数の荷主による共同配送の支援など、

 課題は多い。


 物流はもはや国家レベルでの覇権争いの軸

 になっている。


 企業の努力はもちろん、インフラ整備や産業

 政策、規制緩和など、国としての総合力が

 試されるのが物流だ。
 

  (P.043)


最終的には、「日経ビジネス」が次に述べる
ような結論になるでしょう。


 どれだけ優れた製品も、届かなければ価値は

 ゼロ。物流というピースが最後にそろわな

 ければ、新秩序の中で勝ち残ることはできない。
 

  (P.043)










「逆転の経済」最後のピース

(『日経ビジネス』 2015.02.02 号 PP.042-043)



「日経ビジネス」は5週連続でシリーズ「逆転の経済」
を取り上げました。


作るだけ  考える工場
(1月5日号「第4次産業革命」)

円高  円安経営
(1月12日号「1ドル150円経営」)

2極  超多極市場
(1月19日号「『ナノ市場』突破法」)

世界標準  日本発標準
(1月26日号「Jスタンダード」)

黒子  主役の物流
(2月2日号「物流の復讐」)


最後に、言い忘れましたが、表紙の画像はドローンが
荷物を運んでいるイメージシーンでしたね。






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藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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