スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

JAPAN RUSHING 世界の企業は日本を目指す  2015.05.25 <3>







日経ビジネスの特集記事(108)

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す
2015.05.25




テーマ

今週の特集記事のテーマは

経済は成熟し、少子高齢化で人口は減り、国家財政も大赤字──。
そんな「明日なき国」日本になぜか今、世界中の企業が殺到している。
横浜市にアジア最大の開発拠点を作る米アップルは、ほんの一例。
製造業から外食、サービス産業に至るまで、世界中の様々な企業が
日本で事業を強化し始めた。
中国などアジアの台頭による「Japan Passing(日本を素通り)」から
「Japan Rushing(日本へ殺到)」へ。
なぜ、彼らは今さら日本を目指すのか。
その背景には、日本人も気付いていないニッポンの魅力がある。

 (『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.026)

ということです。



1980年代に、テレビ、新聞、雑誌で頻繁に取り上げられた
言葉は、Japan Bashing(日本たたき)でした。 
Japan Nothing(日本無視)という言葉も一部では使われ
ました。


Japan Bashing とはどのようなものであったのか、
見てみましょう。


このような歴史を知ると、Japan Rushing が奇異に
感じられるのも無理はない、と思います。



 Japan bashing(ジャパン・バッシング)

 ジャパンバッシング(Japan bashing、日本叩き)とは、

 アメリカ合衆国の対日貿易不均衡についての反発や対抗

 手段、バッシングを指す。

 派生して日本に対する抗議や日本を非難する言動を指す。


 ビル・クリントン以降の民主党による中国重視の結果として、

 日本が軽視されるジャパン・パッシング(Japan passing)、

 日本が無視されるジャパン・ナッシング(Japan nothing)が

 起こっていると日本では指摘されている。
 

  (ジャパンバッシング Wikipedia から)





JAPAN RUSHING<br />世界の企業は日本を目指す

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.25号 PP.026-027)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25







第1回は、
「PROLOGUE 『明日なき国』そう思っているのは
日本人[あなた]だけ
優良外資、『今さら日本殺到』の怪」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力1
を取り上げました。


第2回は、
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力2と3
を取り上げました。


最終回は、
「COLUMN1と2」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力4
「EPILOGUE 『灯台下暗し』ではもたいない」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 




では、本題に入りましょう!



ポイント

ニッポンの魅力は何なのか。




次から「ニッポンの魅力」を探っていきましょう。
私たち日本人が気がつかなかったり、
当たり前過ぎて何とも思わない点に、
外資は着目しています。


[ニッポンの4つの魅力]


ニッポンの魅力1  「社会的課題」が山ほどある

ニッポンの魅力2 製品開発に最適な「インフラ」がある

ニッポンの魅力3 「ニッチ市場」でも十分なパイがある

ニッポンの魅力4 実はまだまだ「人材」の宝庫





最終回は、ニッポンの魅力4です。


ニッポンの魅力4 実はまだまだ「人材の宝庫」


背景を探っていきましょう。
『日経ビジネス』は次のようにまとめています。



 「日本にはグローバルで活躍できる人材がいない」

 「若者の理系離れで技術力が低下する」──。

 日本人の競争力について、そうした自虐的論調が

 幅を利かせるようになって久しい。

 だが世界には、そんなことをつゆほども考えていない

 企業が数多くある。
 

  (P.040)






介護人材

現在、日本では介護に従事する人たち(介護士、
介護福祉士など)の待遇が悪く、離職率が他業界
よりも高くなっています。


肉体的にも精神的にも重い負担を強いられる
介護業務ですが、賃金が安いためです。


そのような状況の中、介護に携わるプロをスカウト
する企業が出てきました。それは中国企業です。



  「老人ホームを運営できる人材を探してほしい。

 年俸800万円まで出す」。

 2015年3月、都内のヘッドハンティング会社に

 こんなオファーが届いた。

 依頼主は、自社で保有するビルを介護施設として

 活用しようと考えている中国の不動産デベロッパー。

 依頼を受けたヘッドハンターは「中国企業による

 自動車や電機のエンジニアの紹介依頼は多いが、

 介護まで広がるとは」と驚きを隠さない。

 だが今後は、そんな介護人材を求める中国からの

 スカウトも、日本に殺到する可能性が高い。
 

  (P.040)



最近、マーケティングでよく言及されることは、
「モノ → コト →ヒト」への流れです。
ハコモノ(建物)がまず必要になります。
そこで何をするのか、つまりコトです。
一番重要なことは、それらを実際に行うヒトの存在
です。人財です。


日本の介護に携わるプロを欲しがっているのです。
破格の条件のように見えますが、その経営者は
話題作りのためにオファーをしたのではなく、
中国の介護に携わる人たちの指導を含めて考えれば、
賃金は決して高くない、ということです。



 一人っ子政策の影響で、中国は少子高齢化が急速に

 進んでいる。40~50代の人口は既に2億人以上で、

 2026年ごろに高齢化社会を迎え、介護施設の需要が

 急激に高まるのは確実だ。

 しかしながら、ベッドやリハビリ機具など必要なモノは

 いくらでも買いそろえられるが、公的な介護保険制度が

 存在しない中国では、介護人材が圧倒的に少ない。

 ましてや奉仕の精神でサービスに携わる一流の介護士

 は稀有だ。
 

  (P.040)



日本の介護業界の実態を知ることが必要でしょう。



 日本には世界的にも質の高い介護士が約130万人

 いるが、低賃金や過酷な労働環境もあって実際に

 職に就いているのはその6割にも満たない。

 福祉施設の常勤の介護員、訪問介護員(ホーム

 ヘルパー)の月給は2014年の全国平均でそれぞれ

 約22万円。介護計画を作るケアマネジャーも26万

 2900円で全産業平均の29万9600円を大きく下回る。

 おのずと、離職率と人材の流動性は高い。

 日本にとって深刻な問題に、このデベロッパーは

 着目した。
 

  (P.040)




ポイント1

プロの活用ができるか



日本には多くの研究者がいます。
ただ、十分に活用できていないのが現状です。
その理由は、産官学の連携が不十分だったからです。
ところが、最近、流れが変わってきたそうです。


ドイツのバイエルのケースが紹介されています。



 「日本でのポテンシャルが再評価された」。

 こう話すのは、独バイエル日本法人、

 バイエル薬品の高橋俊一・オープンイノベーション

 センター長だ。


 バイエルが日本での活動を強化する理由も、

 大学を中心とした研究者のレベルの高さにある。

 中国などの追い上げもあるが、下の表が示すように、

 人口当たり研究者の数や国際特許の申請数では

 まだ世界トップレベル。


 「日本の大学には新しい原石が眠っている。

 他の企業や大学との連携がますます重要になる中で、

 幅広いコラボレーションが期待できる場所になった」

 (高橋センター長)。

 これまでは外資系企業は大学の教授や研究成果など

 にアクセスしにくかったが、ここ数年で多くの大学に

 産官学連携の専門組織が置かれ、海外にも門戸が

 開かれたことも大きい。
 

  (P.041)




米国を抑え世界一をキープ<br />・人口1万人当たりの研究者数(G8での比較)<br />出願数では中国に大差をつける<br />・国際特許の出願数上位10カ国(2014年)

米国を抑え世界一をキープ
・人口1万人当たりの研究者数(G8での比較)
出願数では中国に大差をつける
・国際特許の出願数上位10カ国(2014年)

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.041)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25






ポイント1

共創の重要性を考える(P.035)




次にご紹介することは、今までとは一味違う辛口の
記事です。 耳が痛い話と言い換えても良いくらいです。


 Column 1 外資系企業、ここだけの本音 
 「正直、“カモ”が多いのも事実」 



 古くは「大阪万博に月の石が来た」と聞けば4時間待ち

 でも並び、最近でもパンケーキやポップコーンなど

 新しいスイーツがはやっていると言われれば炎天下に

 並ぶことさえいとわない。

 そんな日本人の「カモがネギを背負ってやってくる」習性を、

 外資系企業がしたたかに見ているのも事実だ。

 日本で事業を展開する外食チェーンの幹部は、

 そんな日本人を「実験的なモノを好む傾向がある」

 と指摘する。
 

 「特に清潔や気候の変化にはお金をかけてくれる。

 たとえ目に見えなくても気にしており、洗浄力について

 認証機関からお墨付きを得られれば、水戸黄門の印籠の

 ように効く」と語るのは家電メーカー。

 公的な評価を得たものを盲目的に信じるのも国民性故か。
 

  (P.039)



国民性は致し方ないと思います。
どの国でも形は違えど、他国民から見ると、
「不思議」「バカじゃないの」「シメシメ」
と感じることはありますから。




もう1つは、良い面です。シリコンバレーより日本の方が
「ある条件」のもとでは、上という話です。


 Column 2 まだまだあるニッポンの魅力 
 「“ヒナ”を育てるには日本が最高」 



 シリコンバレーよりも日本を選ぶ起業家が増えてきた。

 「シリコンバレーでの起業は全く考えなかった」と話すのは、

 2012年に研修管理システムを提供するコースベースを

 起業したジョン・英誉・マーティン共同社長。

 マーティン社長はニューヨークで富裕層向けの大手資産

 管理会社、ブラックロックで働いていた。

 起業を考えた時、真っ先に候補に挙げたのは東京だった。

 「東京の方がシリコンバレーよりも優れていることが

 いくつもある」(マーティン社長)。


 まずオフィス環境の良さ。

 コースベースが本社を置く東京・台場から東京駅や新宿駅

 までは、電車を使えば30分以内で行ける。


 住環境も優れている。社員全員が近隣に住み自転車で通う。

 「シリコンバレーは大きな資金調達ができても、

 人材やオフィス賃料など固定費が高い。日本の方が少ない

 資金で運営でき、事業が軌道に乗りやすい」(マーティン社長)。


 人材の層も厚いと指摘する。優秀なエンジニアが豊富で

 賃金もシリコンバレーと比べたら安い。

 ソフト開発を手掛けるインディゴのクマール・ラジェッシュ社長は

 「シリコンバレーでは社員に本来払うべき給料の2割増しを

 払っても定着しない。日本にはそんな心配がない」と話す。
 

  (P.039)




ポイント


「ニッポンの魅力」に惹かれた外国企業が
定着するかどうか






 EPILOGUE 日本企業が知らない 
 ニッポンの活用法 
 「灯台下暗し」ではもったいない 

日本の組織の問題が毎年のように指摘されてきました。
「決断が遅い」「会議が長い」「生産性が低い」
「残業時間が長い」「コミュニケーションの取り方が下手」
など・・・・・


ですが、ここにきて、日本のそうした問題点を含めても、
見直しがされてきているように感じます。


まるで、「振り子が逆に振れる」かのように、見方によって
短所が長所に変わることがあるのです。


そのようなケースを含め、『日経ビジネス』特集班の記事を
ご覧ください。 「なるほどと納得する」か、「ちょっと違うと
考える」かは、あなた次第です!



 「泳ぐ宝石」と呼ばれるニシキゴイの価値を認め、

 海外市場を開拓したのは日本の養鯉業社でも

 大手商社でもなく、KoiBitoのような外国企業だった。

 それがなければ、今ごろ国内の養鯉産業は大きく

 衰退していてもおかしくなかっただろう。

 「灯台下暗し」とはまさにこのことだ。

 新興国市場や海外発のビジネスモデルばかりに目を

 奪われ、足元にある宝の山を生かしきれていないのは、

 大きな損失にほかならない。国内では成熟した製品や

 技術でも海外では無限の可能性がある──。

 そんなニシキゴイのような資源はまだまだあるに違い

 ない。


 日本は狭い国土の中に、自動車以外にも幅広い分野で

 世界的な企業が存在する。加えて、人間同士のコミュニ

 ケーションをベースに、多様な技術やノウハウを

 「擦り合わせ」できる柔軟さがある。

 だからこそ「組織や担当者ごとに役割分担が明確な海外

 とは違い、顧客ニーズに基づいた新たな成果を生み出し

 やすい土壌がある」(石岡治道・常務執行役員デュポン

 ジャパンイノベーションセンター長)と考えている。
 

  (P.043)



『日経ビジネス』は最後に次のように述べています。
日本全国へエールを送っていると考えました。


 海外の有力企業は既に、日本企業が知らない

 様々な「ニッポンの活用法」を見つけている。

 日本企業も、日本経済の成熟が迫りつつある

 今だからこそ、自らが見落としている日本の魅力

 に改めて注目すべきだ。

 「灯台下暗し」のままではあまりにももったいない。
 

  (P.043)





私見

今特集で、私の知らなかった「ニッポンの魅力」を
知ることができたことは大きな収穫でした。


日本人はどこか自虐的なところを樂しんでいるように
感じます。もっと自信を持つべきだ、と強く感じました。


一方から見ると欠点のように見えても、
他方面から見ると、他者を寄せ付けない特徴となって
いることもあるのですから。







今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






スポンサーサイト

JAPAN RUSHING 世界の企業は日本を目指す  2015.05.25 <2>







日経ビジネスの特集記事(108)

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す
2015.05.25




テーマ

今週の特集記事のテーマは

経済は成熟し、少子高齢化で人口は減り、国家財政も大赤字──。
そんな「明日なき国」日本になぜか今、世界中の企業が殺到している。
横浜市にアジア最大の開発拠点を作る米アップルは、ほんの一例。
製造業から外食、サービス産業に至るまで、世界中の様々な企業が
日本で事業を強化し始めた。
中国などアジアの台頭による「Japan Passing(日本を素通り)」から
「Japan Rushing(日本へ殺到)」へ。
なぜ、彼らは今さら日本を目指すのか。
その背景には、日本人も気付いていないニッポンの魅力がある。

 (『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.026)

ということです。



1980年代に、テレビ、新聞、雑誌で頻繁に取り上げられた
言葉は、Japan Bashing(日本たたき)でした。 
Japan Nothing(日本無視)という言葉も一部では使われ
ました。


Japan Bashing とはどのようなものであったのか、
見てみましょう。


このような歴史を知ると、Japan Rushing が奇異に
感じられるのも無理はない、と思います。



 Japan bashing(ジャパン・バッシング)

 ジャパンバッシング(Japan bashing、日本叩き)とは、

 アメリカ合衆国の対日貿易不均衡についての反発や対抗

 手段、バッシングを指す。

 派生して日本に対する抗議や日本を非難する言動を指す。


 ビル・クリントン以降の民主党による中国重視の結果として、

 日本が軽視されるジャパン・パッシング(Japan passing)、

 日本が無視されるジャパン・ナッシング(Japan nothing)が

 起こっていると日本では指摘されている。
 

  (ジャパンバッシング Wikipedia から)





JAPAN RUSHING<br />世界の企業は日本を目指す

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.25号 PP.026-027)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25







第1回は、
「PROLOGUE 『明日なき国』そう思っているのは
日本人[あなた]だけ
優良外資、『今さら日本殺到』の怪」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力1
を取り上げました。


第2回は、
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力2と3
を取り上げます。


最終回は、
「COLUMN1と2」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力4
「EPILOGUE 『灯台下暗し』ではもたいない」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 




では、本題に入りましょう!



ポイント

ニッポンの魅力は何なのか。




次から「ニッポンの魅力」を探っていきましょう。
私たち日本人が気がつかなかったり、
当たり前過ぎて何とも思わない点に、
外資は着目しています。


[ニッポンの4つの魅力]


ニッポンの魅力1  「社会的課題」が山ほどある

ニッポンの魅力2 製品開発に最適な「インフラ」がある

ニッポンの魅力3 「ニッチ市場」でも十分なパイがある

ニッポンの魅力4 実はまだまだ「人材」の宝庫





今回は、
ニッポンの魅力2と3
の2つを取り上げます。


ニッポンの魅力2 製品開発に最適な「インフラ」がある


海外企業の目的は何か?
その点を『日経ビジネス』は次のようにまとめています。



 ここへきて日本拠点の構築を進める海外企業の

 目的は、必ずしも自社の商品やサービスを売る

 ことだけではない。

 日本を自社の競争力を高める“修業の場”にする──。

 そんな考えで日本に進出する企業も多い。
 

  (P.033)



「“修業の場”にする」とは?
日本の消費者は、世界一厳しいとはよく言われることです。
それを嫌って日本に進出しない海外企業がある一方で、
あえて日本の消費者の厳しさを逆手に取って、
「日本で成功すれば、世界のどこでも売ることができる」
と考える外国企業は、日本に進出しています。



環境1 厳しい消費者

台湾の「かき氷店」チェーンのケースは、
なるほどそういう見方、考え方もあるのか、
と唸らされました。



 台湾発のかき氷店「アイスモンスター表参道」

 一般的なかき氷は普通の氷にシロップを掛けるが、

 同店はミルクティーやマンゴーなど素材自体を氷にし、

 それを削って提供する。

 軽い食感が特徴で1997年の創業以来、急成長。

 既に台湾名物の座を獲得し、今回、初の中華圏以外

 への出店先として日本を選んだ。

 ただ、創業者のフランク・ロー氏が、日本での事業

 展開に踏み切った目的は、店舗網を拡大するため

 だけではない。


 ではなぜ、世界展開の橋頭堡にわざわざ日本を

 選んだのか。

 その理由について、ロー氏は「厳しい日本の消費者に、

 まず製品やサービスの質を鍛えてもらいたかったから」

 と説明する。
 

  (P.033)




ポイント1

「厳しい日本の消費者に、 まず製品やサービス
の質を鍛えてもらいたかった」
(P.033)


ただ、ロー氏は「受け身」なだけではありませんでした。
提携先の日本企業からのアドバイスを早速実践した
のです。



 提携している日本企業から「日本では、行列対策を

 しっかりしておかないと人気が持続しない」との助言

 を受け、新システムを導入した。

 QRコードを利用し、その場に並んでいなくても順番が

 近くなればメールを送って知らせるシステムだ。

 そのかいあって、オープン当初の長蛇の列は開店から

 しばらくして解消。

 顧客からは「とても気が利いている」「待ち時間を利用

 して買い物ができて便利」と評価の声が上がった。

  「素晴らしいシステムだ。台湾にも必ず持ち帰りたいね」

 とロー氏も満面の笑みを浮かべる。

 今後も日本の消費者の“洗礼”を受けることで品質と

 サービス水準を向上し、ゆくゆくは台湾流かき氷を世界中

 に普及させていきたい考えだ。
 

  (P.034)





環境2 複雑な都市構造


日本では高層ビルが立ち並ぶ地域があれば、
住宅が密集している地域、逆に過疎化した地域
が混在しています。


そうした環境では、スマートフォンの通話、通信
の速度を速くしたり、つながりやすくさせることは
困難と思われます。


あえてそうした状況に挑戦している外国企業が
あります。



 今年2月、NTTドコモと次世代超高速通信5Gの

 通信実験に成功したエリクソン。そんな同社が

 日本で磨きをかけているのは、大黒柱である

 携帯電話向け地上固定設備の品質だ。

 「日本ほどスマートフォンの通信速度を速くしたり、

 つながりやすくしたりするのに工夫が必要な国は

 ない」。

 エリクソン・ジャパンでCTO(最高技術責任者)を

 務める藤岡雅宣氏はこう話す。

 その最大の理由が、世界的にも有数の都市部の

 複雑な構造だ。

 例えば東京。高層ビルや地下街などが入り組み、

 入念に検討しアンテナを立てても思わぬ障害物に

 電波が遮られることは日常茶飯。


 「いずれは中国や東南アジアの主要都市も日本の

 都市と同様の状況になり、高品質な固定設備に

 対するニーズはますます高まる」というのが同社の

 見立て。

 そんな未来でも業界の覇権を握り続けるため、

 今後も日本に開発資源を注ぎ込んでいく構想だ。
 

  (PP.034-035)




ポイント1

 「いずれは中国や東南アジアの主要都市も
日本の都市と同様の状況になり、
高品質な固定設備に対するニーズは
ますます高まる」
(P.035)




環境3 消費不況


政府は長期にわたるデフレ脱却のため、
政策を実施してきました。
その結果、ドル安円高からドル高円安に転換し、
輸出産業は軒並み最高益を更新するなど、
好業績を上げました。


これを受けて、日経平均株価は2万円を回復し、
持続してます。


ですが、庶民感覚では好景気を実感できません。
そのような日本でも、高価な製品が売れている、
というケースを『日経ビジネス』は紹介しています。



 小売業者へメーカーが直接製品を売り込むことは

 よくあるが、ダイソンはレベルが違う。

 全国に約200人の専門部隊を抱え、量販店に日参。

 店員に時間をもらい、実際に商品を使いながら性能

 の良さをアピールする。

 ポイントはいずれの販売員もダイソン製品のみならず

 競合商品についても熟知していること。

 競合商品の良さも伝えつつ、それでもなおダイソンを

 薦めていく。
 

  (P.035)



信頼性と実績をもとに、価値の高さをアピールし、
販売方法を研究し、地道に実践することで、
日本で売ることができれば、世界のどこでも売ること
ができるという信念を持っているのが、ダイソンです。



ダイソンが手応えを感じていることは、次の言葉が
語っています。



 「最近は、海外拠点から『どうして不況の日本で

 成果が上がるのか』とますます聞かれるようになった。

 今後も、日本で磨いた売り方を海外に伝えていきたい」。

 ダイソン日本法人の麻野信弘社長はこう話す。
 

  (P.035)




ポイント


日本で磨いた売り方を海外に伝えていきたい(P.035)





ニッポンの魅力3 「ニッチ市場」でも十分なパイがある


ニッチ市場に分類されても、「大きなニッチ市場」
であることに着目した外国企業は日本に再度進出
しました。


市場1 エスニック系ファストフード


一言でメキシカン料理と言えば、エスニック系料理
となりますね。エスニック系料理は、明らかにニッチ
市場です。


ですが、「エスニックファストフード市場」という括りで
捉えると、大きなニッチ市場であることが明らかに
なりました。


同業の日本企業は、エスニック系料理市場を知り
すぎているために、先入観を抱いたまま新たな
チャレンジを仕掛けてくるところはありませんでした。


そうした間隙を縫って渋谷道玄坂にエスニックファス
トフード店を開店させた外国企業がありました。



 4月21日、メキシカンフードの外資系チェーン、

 タコベルが約20年ぶりに再上陸した。

 記念すべき復活第1号店は渋谷道玄坂店。

 来日した米タコベルインターナショナルの

 メリッサ・ロラ社長は「日本市場は依然、

 開拓余地が大きい」と意欲を見せた。


 再挑戦を決めたのは「前回の撤退から長い時間

 が経過して日本の消費者も変わり、

 新しいものが受け入れられやすくなったと感じた」

 (ロラ社長)からだという。
 

  (P.036)


ここで、市場規模を確認しておきましょう。



 市場規模は97年の約29兆700億円をピークに下降。

 2013年はアベノミクス効果で2年連続の増加となったが、

 規模自体は約23兆9000億円(公益財団法人「食の安全・

 安心財団」推計)と全盛期から約2割減となっている。

 確かに、ニッチ分野とあって、ファストフード市場に占める

 比率自体は15%程度しかない(店舗数から推計)。

 が、英調査会社、ユーロモニターによると日本のファスト

 フード市場の規模は約4兆6600億円(2014年実績)。

 “変わり種”のファストフードも、7000億円の市場があること

 になる。

 ニッチなはずが、それなりの規模を持っている──。

 日本では、外食産業以外にも、そんな「大きなニッチ市場」

 とでも呼ぶべき市場が散見され、往々にして、海外勢の

 活躍が目立つ。
 

  (PP.036-037)





ポイント


日本の消費者の多様性(ダイバーシティー)が重要で、
いかに対応できるかということ。






市場2 特殊家電


「ジャパネットたかた」のCMで一躍脚光を浴びることに
なった『レイコップ布団クリーナー』。


韓国の製品ですが、布団クリーナーという機能に特化
することで大ヒットしました。



 日本でレイコップを発売したのは2010年。

 当初こそあまり売れなかったが、通販大手ジャパネット

 たかたとの連携で人気に火が付き、累計販売台数は

 300万台を突破した。


 家電市場もまた外食産業同様、全体としては成熟化が

 進んでいる。調査会社GfKジャパンによれば、

 2014年の冷蔵庫市場は前年比4%減の488万台。

 エアコンも前年比9%減の830万台となった。

 洗濯機は比較的健闘しているものの、それでも前年比

 1%増にすぎない(532万台)。

 そんな中で例外的に好調なのが、前年比6%増の931万台

 となった掃除機だ。中でも布団クリーナーは数量・金額共

 に前年の2倍を超える販売を記録した。


 レイコップ・ジャパンのリ・ソンジン社長は「日本市場には

 本当に付加価値が高い製品には購入をためらわない顧客

 がいる。確かに、そこまで布団の清潔さにこだわる顧客は

 比率としては全体の一部かもしれないが、それでも日本の

 場合、十分にビジネスが成り立つ」と自信を見せる。
 

  (P.037)



どこの国の製品だろうと、また高価であろうと、
製品の価値が高ければ購入する日本人が存在する、
ということです。私の家では購入しませんが。





市場3 高級調理器具

以前にも、『日経ビジネス』は高額な家庭用ミキサー
を取り上げたことがあります。


次の記事です。

日経ビジネスの特集記事(52)
脱デフレで勝つ 高く売るための経営七策(1)




価格は税抜きで8万円以上するというのですから、
たかがミキサーとは言えません。
それでも売れているのは、きちんとした理由[わけ]
があるからです。


ですが、私の家では必要ありませんし、買えません!



 ミキサーメーカーの米バイタミックスも、

 日本におけるニッチ家電の深掘りを狙う。

 同社が日本で販売するミキサーは税抜き

 価格8万円以上。

 1万~2万円台程度の一般的な日本メーカー

 の家庭用ミキサーに比べ3倍以上も高い。

 それでも年間5万台以上が売れている。

 最大の特徴はアボカドの種をも粉々にする

 強力な破砕力だ。

 短時間でスープなどバイタミックスならでは

 の調理ができる。
 

  (P.037-038)



価格だけを考えたら、手を出せない製品ですが、
その製品に価値を見出した人たちにとっては、
「高い!」とはあまり感じないのでしょう。


もちろん、話題性もあると思います。
「クックパッド」などのサイトで自宅のオリジナル料理
を公開することは普通になっているからです。


あるいは Facebook、Twitter、Instagram などのNSN
で画像を公開し、「見せびらかす」ことが一般化した
ことも影響しているでしょう。



「ニッチでも日本ではそれなりの市場になる」(P.038)
と『日経ビジネス』は指摘しています。



 多くの優良外資のトップが繰り返し指摘している通り、

 たとえニッチでも日本ではそれなりの市場になる。

 理由は2つ。一つは単純に今はまだ人が多いからだ。

 人口減少が始まったとはいえ、日本の人口はまだ

 1億2000万人。仮に100人に2人しか興味を示さない

 マニアックな商品でも対象人口は240万人と、

 モンゴル一国分の人口に相当する。


 ただでさえ人が多い上に、世界的に見れば日本は

 依然裕福であり、国民一人ひとりの購買力は世界

 屈指の水準にある。
 

  (P.038)



興味深い指摘があります。
「日本は7カ国に相当する」(P.038)というのです。


次の図をご覧ください。
もちろん、厳密にそのように区分けできるわけでは
ありませんが、そうした傾向はあるかもしれません。



日本は7カ国に相当<br />関東だけで英国と同じ<br />・日本の地方別名目GDPの規模


日本は7カ国に相当
関東だけで英国と同じ
・日本の地方別名目GDPの規模

(『日経ビジネス』 2015.05.25号 P.038)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25







私見

一つのモノをいろいろな角度から眺めると、
異なる形に見えることは誰でも知っていること
です。


例えば、円筒形の物体を上から見れば、
円にしか見えませんが、横から見れば
長方形に見えます。
斜めから見れば、コーヒーなどの飲料缶に
見えます。


そのように、日本の課題を見ると、一面から
でしか見なければ解決には至りません。


課題をいろいろな角度から研究すれば、
「コロンブスの卵」のように解決策が見つかる
かもしれません。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 



最終回は、
「COLUMN1と2」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力4
「EPILOGUE 『灯台下暗し』ではもたいない」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






JAPAN RUSHING 世界の企業は日本を目指す  2015.05.25 <1>







日経ビジネスの特集記事(108)

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す
2015.05.25




テーマ

今週の特集記事のテーマは

経済は成熟し、少子高齢化で人口は減り、国家財政も大赤字──。
そんな「明日なき国」日本になぜか今、世界中の企業が殺到している。
横浜市にアジア最大の開発拠点を作る米アップルは、ほんの一例。
製造業から外食、サービス産業に至るまで、世界中の様々な企業が
日本で事業を強化し始めた。
中国などアジアの台頭による「Japan Passing(日本を素通り)」から
「Japan Rushing(日本へ殺到)」へ。
なぜ、彼らは今さら日本を目指すのか。
その背景には、日本人も気付いていないニッポンの魅力がある。

 (『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.026)

ということです。



1980年代に、テレビ、新聞、雑誌で頻繁に取り上げられた
言葉は、Japan Bashing(日本たたき)でした。 
Japan Nothing(日本無視)という言葉も一部では使われ
ました。


Japan Bashing とはどのようなものであったのか、
見てみましょう。


このような歴史を知ると、Japan Rushing が奇異に
感じられるのも無理はない、と思います。



 Japan bashing(ジャパン・バッシング)

 ジャパンバッシング(Japan bashing、日本叩き)とは、

 アメリカ合衆国の対日貿易不均衡についての反発や対抗

 手段、バッシングを指す。

 派生して日本に対する抗議や日本を非難する言動を指す。


 ビル・クリントン以降の民主党による中国重視の結果として、

 日本が軽視されるジャパン・パッシング(Japan passing)、

 日本が無視されるジャパン・ナッシング(Japan nothing)が

 起こっていると日本では指摘されている。
 

  (ジャパンバッシング Wikipedia から)





JAPAN RUSHING<br />世界の企業は日本を目指す

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.25号 PP.026-027)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25 号







第1回は、
「PROLOGUE 『明日なき国』そう思っているのは
日本人[あなた]だけ
優良外資、『今さら日本殺到』の怪」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力1
を取り上げます。


第2回は、
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力2と3
を取り上げます。


最終回は、
「COLUMN1と2」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力4
「EPILOGUE 『灯台下暗し』ではもたいない」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 




では、本題に入りましょう!


 PROLOGUE 
 「明日なき国」そう思っているのは 
 日本人[あなた]だけ 
 優良外資、「今さら日本殺到」の怪 



『日経ビジネス』特集班は、書き出しで、アップルが、
日本初だけでなく、アジア初の開発拠点を横浜に
設けることについて触れています。



 東急東横線・綱島駅から12分程歩くと、

 白いフェンスが張り巡らされた広大な敷地が

 見えてくる。

 総面積3万7900平方メートルに広がる、

 旧・松下通信工業の工場跡地だ。

 この一角に2016年、米アップルの技術開発

 拠点が完成する。


 今年3月、アップル自身が、拠点を置くのは

 横浜市内の工場跡地だと明らかにした。

 同社が米国以外に開発拠点を設けることを、

 正式に発表したのは今回が初となる。
 

  (P.028)


アップルのように、外資が日本に重要拠点を
設けるケースが増えているそうです。


もう少し記事を読んでみましょう。
世界的に知られた大企業が、日本に進出して
きているのです。


 “明日なき国”に今なぜか、世界中から優良

 外資が殺到している。

 米EV(電気自動車)メーカー、テスラ・モーターズは

 日本市場攻略に向け投資を拡大する。

 米国で成長の原動力となっている無料で急速

 充電できる設備を日本にも展開する計画だ。

 現在6カ所の設備を2015年中に全国の30カ所に

 増やし、アフターサービスの拠点も拡大する方針

 だという。

 他にも、米IBMもアップル、日本郵政と組み、

 日本で日本郵政の顧客と「iPad」を活用した、

 新たな事業を展開することを発表した。
 

  (P.029)



今、お伝えした内容はいずれも企業の
日本進出ですが、ベンチャーキャピタリストも
日本に熱い視線を注いでいるそうです。
現在の日本は「新生ジパング」なのでしょうか?



 大企業ばかりではない。世界のベンチャー

 キャピタリストも日本企業を「今、世界でも

 有数の有望な投資先」と捉えている。

 シリコンバレー在住の著名なベンチャー

 キャピタリストで、フェノックスベンチャー

 キャピタルCEO(最高経営責任者)の

 アニス・ウッザマン氏もその一人。

 「私から見れば日本は宝の山」というウッザマン氏

 は今後3年間で、日本企業に200億円投資する

 計画だ。

 既に約10社へ数十億円を投資することを検討。

 「アジアのほかの地域を減らしてでも、

 日本への投資額を増やしたい」とウッザマン氏は言う。

 特に大学発のベンチャー企業への投資を強化する

 予定で、毎月のように来日しては、日本の起業家と

 面談を繰り返す日々が続いている。
 

  (P.029)



ここで、マスコミで繰り返し伝えられている、
「日本の3つの現実=大きな課題」を確認して
おきましょう。


グラフ1


ニッポンの現実1<br />経済は完全に成熟

ニッポンの現実1
経済は完全に成熟

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.028)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25



グラフ2


ニッポンの現実2<br />進む人口減+高齢化

ニッポンの現実2
進む人口減+高齢化

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.028)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25



グラフ3


ニッポンの現実3<br />国家財政も大赤字

ニッポンの現実3
国家財政も大赤字

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.029)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25




以上、ご覧になった3つの現実があります。
それにもかかわらず、対日投資は急上昇して
いるという、もう一つの現実があります。


次のグラフをご覧ください。
明らかに、Japan Passing から Japan Rushing に
急変したことが見て取れます。


グラフ4


なのに対日投資はは急上昇

なのに対日投資はは急上昇

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.029)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25




対日投資をしているのは米国企業が多いですが、
ドイツや中国、台湾、デンマークに企業に至るまで、
日本に投資しています。




ポイント

ニッポンの魅力は何なのか。




次から「ニッポンの魅力」を探っていきましょう。
私たち日本人が気がつかなかったり、
当たり前過ぎて何とも思わない点に、
外資は着目しています。


[ニッポンの4つの魅力]


ニッポンの魅力1  「社会的課題」が山ほどある

ニッポンの魅力2 製品開発に最適な「インフラ」がある

ニッポンの魅力 「ニッチ市場」でも十分なパイがある

実はまだまだ「人材」の宝庫





初回は、
ニッポンの魅力1を取り上げます。


ニッポンの魅力1  「社会的課題」が山ほどある



 日本にあまり明るい未来はない──。

 少なからぬ日本人がそのように感じているのは、

 この国があまりに多くの社会的課題を抱えているからだ。

 だが、ジャパンを目指す海外企業の多くは

 「だからこそビジネスチャンスに事欠かない」と考えている。
 

  (P.030)



「社会的課題」とはどのようなものだ、
と思いますか?


『日経ビジネス』は、「社会的課題を」3つに
まとめています。

「語学音痴」「人口減少」「災害国」です。



課題1 語学音痴


日本人の多くが、語学に苦手意識を持っていますね。
日本人の苦手意識を解消してもらおうと、
アイスランドからはるばる日本にやってきた
AI(人工知能)研究者がいます。


その研究者が「画期的英語習得方法」(P.031)を
開発したそうです。



 北大西洋に浮かぶ最果ての国、アイスランド。

 火山と氷河に覆われた絶海の孤島に生まれ

 育った地元のAI(人工知能)研究者、

 アルナ・イェンソン氏は2009年、

 「世界の語学学習の常識を覆す、画期的英語

 習得方法」を開発した。

 「Cooori(コーリ)」と名付けたそのシステムは、

 オンライン英語学習ソフトだが、「AIが学習者の

 思考を分析し、最適なプログラムをパーソナライ

 ゼーションする」のが最大の特徴。

 「システムが学習者の語学適性や言語化の癖を

 把握し成長することで、他のどんな方法もまね

 できない速度で英語がマスターできる」

 (イェンソン氏)という。
 

  (P.031)




ポイント

「『自社の製品が必要とされるのは日本』と確信
したから」
(P.031)




 不名誉ながら、日本人は世界でも有数の“英語音痴”

 の国民だ。スイスのビジネススクールIMDによると、

 日本の語学力は60カ国中54位。

 遅々として向上しない「英語力」は、グローバル化が

 進む中、喫緊の国民的課題となっている。

 それだけに学習意欲は高い。矢野経済研究所によると、

 2014年度の語学ビジネス市場は前年度比2.1%増の

 8259億円を見込み、ここ数年、8000億円規模を維持し

 続けている。

 「すべての条件を鑑みても、我が社にとって日本ほど

 ビジネスチャンスがある国はない」。イェンソン氏は

 こう話す。
 

  (P.031)



考えをすぐに行動に移せるところが素晴らしい、
と思います。 開発した製品によほど自信があるの
でしょう。




課題2 人口減少


少子高齢化は、耳がタコになるくらい言われている
ことです。
ただし、この問題は日本固有ではありません。
今後、先進国が直面する問題です。
ですから、日本の課題の解決策を提示することが
できれば、世界に向けて事業を拡大することが可能
になります。




 「高齢化が進めば、住宅リフォーム市場が活性化する」──。

 そんな予測の下、2015年4月から日本でのサービス提供を

 開始した企業もある。

 米Houzz(ハウズ)だ。

 住宅リフォーム情報を提供するウェブサイト「Houzz」を

 米国や英国など7カ国で展開する。


  同社が「高齢化がリフォーム市場を拡大する」と考える

 理由は2つ。

 一つは「居住者の年齢が上がれば、室内設備のバリア

 フリー化が必要になるから」

 (ハウズ・ジャパンの加藤愛子社長)。

 もう一つが、「空き家が増え、必ず対策が必要になるから」

 (米ハウズのアディ・タタルコ最高経営責任者)だ。
 

  (P.031)




課題3 災害国


2011年3月11日に発生した東日本大震災が契機になり、
日本全国のハザードマップを作成するなど、
災害対策が重要な課題となっています。


災害対策の重要性を熟知し、一つの解答を提示したのは、
フランスの企業でした。



 日本の「悩みの種」をビジネスチャンスに変えよう

 としている海外勢の中には、災害支援に貢献する

 ことで事業拡大を目指す企業もある。

 世界最大手の民生用ヘリコプターメーカー、

 仏エアバス・ヘリコプターズだ。


 ここ数年、日本での事業基盤を急速に強化

 しており、2012年には約50億円を投じ神戸空港

 に新拠点を構築。

 25機が収納できる大型格納庫や訓練飛行設備

 があり、120人のスタッフが整備や操縦指導に

 当たる。

 2014年には日本で1台しかない大型フライト

 シミュレーターも導入。

 ヘリ販売のみならず、パイロット育成サービスも

 本格化する体制を整えた。

  「6000以上の島々があり、災害が多い日本は、

 世界一のヘリコプター運用国」。

 神戸事業所を統括するオリヴィエ・ティリエ業務

 本部長はこう話す。
 

  (P.032)



「世界大都市の自然災害リスク指数」によれば、
日本は世界一リスクが高いことを明らかになっています。
それも東京と横浜が断トツの数値を示しています。




 ティリエ業務本部長の指摘通り、「災害の多さ」もまた、

 日本が抱える大きな弱点の一つだ。

 ドイツのミュンヘン再保険が公表した「世界大都市の

 自然災害リスク指数」によれば東京・横浜は710ポイント。

 2位の米サンフランシスコ(167ポイント)を大きく引き離し

 世界主要50都市の中で断トツで、大阪・神戸・京都も

 4位にランクインするありさまだ。

 地震、火山噴火、台風、豪雪など様々な天災と向き合う

 以上、救援隊や物資の搬送、人命救助のためヘリコプター

 は欠かせない。

 現在の納入先は海上保安庁や警察、消防署などが中心

 だが、最近は医療機関向けのドクターヘリの需要も高まって

 いるという。
 

  (P.032)




ポイント


外資各社が商機にしようとしている日本の課題は、
近い将来、中国や東南アジアが確実に直面する
問題でもある。
(P.032)






私見

3つの課題は、日本企業は決定的な解決策を
見出せていません。


そのような状況で、経験豊富で実績を残している
のであれば、外資に委ねることを選択肢に加えて
みてもよいのではないか、と思いました。






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 



次回は、
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力2と3
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






円安でも儲からない アベノミクスに乗れないワケ 2015.05.18 <3>







日経ビジネスの特集記事(107)

円安でも儲からない
アベノミクスに乗れないワケ
2015.05.18




テーマ

今週の特集記事のテーマは

2年連続の賃上げ、2万円を付けた日経平均株価、
急増する訪日外国人──。
アベノミクス下で進んだ円安の効果が出始めている。
だが、産業界を見回すと、為替安でも苦戦している企業は
少なくない。
アベノミクスのシナリオは、輸出産業の復活とトリクルダウン効果で、
円安の弊害を相殺して余りある景気回復を実現することだ。
「円安で利益が増えない輸出企業」や「恩恵が及ばない内需企業」
が増えれば、その前提は根底から瓦解しかねない。
なぜ典型的な加工貿易国なのに、円安で苦境に見舞われるのか。

 (『日経ビジネス』 2015.0518 号 P.024)

ということです。

* トリクルダウン効果:


 トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、

 trickle-down effect)とは、

 「富める者が富めば、貧しい者にも自然に

 富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」とする

 経済理論または経済思想である。
 

  (トリクルダウン理論 Wikipedia から)


ピケティ教授の最新理論によれば、
「富める者はさらに富み、貧しい者はさらに
貧しくなる」
ということになります。


トリクルダウン理論とは、全く違いますね!





円安でも儲からない<br />アベノミクスに乗れないワケ

円安でも儲からない
アベノミクスに乗れないワケ

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 PP.024-025)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号







第1回は、
「序章 アベノミクスが微笑まなかった人々
 『話が違うよ、安倍首相』」
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、1と2のパターン
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、3と4のパターン
を取り上げました。


最終回は、
「PART 2 1ドル60~300円でも生き残る
 為替変動に打ち勝つただひとつの方法」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 産業構造の転換 
 顧客の不在 
 競争力の欠如 
 価格転嫁の不可 
 為替の行方 





正直な話、誰にも正確な予想を立てることができない
のが、為替変動です。


私の体験談をお話しします。


10年近く前まで勤務していた、洋書・洋雑誌の輸入卸
会社で、経理業務に約20年間携わっていました。


海外出版社への支払い業務において、為替の変動は
経営にプラスにもマイナスにも大きな影響を与えました。


概算ですが、米ドル、英ポンド、ユーロ他と3種類に
分けますと、それらの支払い比率は6:2:2でした。


その比率は売上比率に比例していました。
決済時に頻繁に為替が変動していては支払い計画
に大きな狂いが生じかねないため、為替予約をして
いました。


米ドルを中心に、3カ月通期で為替予約していました。
6カ月通期での為替予約もあったかもしれません。


外国為替の話が出たついでに、少し外国為替相場
についてご説明します。


下の表をご覧ください。
外国為替相場一覧表です。



表01

外国為替相場一覧表

外国為替相場一覧表





この表の中に「T.T.S」「T.T.B.」があります。
海外送金や海外からの入金(外国小切手の
買い取りなど)にはこの2つのレートを使います。


ニュースや新聞で伝えられるレートがありますね。
「現在、1ドル120円71銭から74銭の間で取引されて
います」
といった表現が使われます。


金融機関同士の通貨取引に使用されているレートで、
T.T.S. 、T.T.B. とは異なります。


さらに、外国為替相場一覧表に示されているレートは、
金融機関によって少しずつ異なっています。


金融機関側から見て、売りと買いを示します。
海外送金の場合は、売りとなるので T.T.S. レート
を適用し、外国小切手の買い取りなどの場合は、
買いとなるので T.T.B. レートを適用します。


T.T.S. と T.T.B. の意味は下記の通りです。


 TTS

 お預入時 TTSは「円」を「外貨」に交換するときの
 レート

 TTS(Telegraphic Transfer Selling)=電信売相場


 TTB

 お引出時 TTBは「外貨」を「円」に交換するときの
 レート

 TTB(Telegraphic Transfer Buying)=電信買相場
 

  (近畿大阪銀行のサイトから)



ちなみに、外国為替相場一覧表には掲載されていませんが、
T.T.M. というレートもあります。これは Telegraphic Transfer
Middle Rate で、T.T.S. と T.T.B の中間にあるため「仲値」と
呼ばれるレートです。



 TTMは、"Telegraphic Transfer Middle Rate"の略で、

 日本語では「「公表仲値」や「電信仲値相場」、

 単に「仲値」とも呼ばれ、顧客が金融機関で外国通貨

 (外貨)を売買する際の基準レートのことをいう。
 

  (金融情報サイト iFinance のサイトから)



2015年5月22日の日経電子版の金融情報一覧を
掲載します。


表02


日経電子版 金融情報一覧(2015.05.22)





さて、前置きが長くなりましたので、
この辺りで本題に入りましょう!


 PART 2 1ドル60~300円でも生き残る
 為替変動に打ち勝つただひとつの方法 



ポイント

「下手な予想をするのでなく、為替変動に合わせ、
迅速に事業構造を最適化していくこと」(PP.40-041)



前回まで、日本企業を中心に話を進めてきましたが、
『日経ビジネス』は、PART2では一転して、
来日する外国人労働者の視点から問題を掘り下げて
います。


 「ベトナムでも、ハノイなどの都市部で人材を

 リクルートするのは既に難しくなってきた」。

 こう話すのはAHPネットワークスの二文字屋修・専務。

 経済連携協定(EPA)に基づき、看護師や介護福祉士

 を目指すベトナム人の来日を支援するNPO法人の

 幹部だ。

 ハノイでは月収500ドルを超えるタクシー運転手が

 出てきた。

 外資系の病院に勤める看護師なら毎月1000ドルは

 稼げるという。

 その結果、「日本に行く価値は無いと考えるベトナム

 人が増えた」と二文字屋氏は話す。
 

  (P.038)



問題はどこにあるのでしょうか?
大きく分けて、2つの問題が取り上げられています。
日本語の習得が難しいことと、介護関連の給与が
高くないことです。


 日本語の習得は難しく、必要な資格取得にも

 時間がかかる。

 首尾よく来日しても介護関連の給与は高くない。

 手取りの月給が15万円程度だとすると、

 1ドル80円の水準なら2000ドル弱を稼げる計算。

 だが、130~150円になれば自国で働いた方が

 むしろ、可処分所得は高くなる可能性がある。
 

  (P.038)



家政婦派遣業の代表が実情を語っています。



 家政婦派遣業、ピナイ家政婦サービスの

 茂木哲也代表取締役は、

 「1ドル150円程度まで円安が進むと日本を

 選ぶ人は減る」と懸念する。

 これまで通り中東諸国などに出稼ぎした方が、

 高給を得られる公算が大きいという。
 

  (PP.038-039)


日本への「出稼ぎ労働者」が、以前ほど日本に
魅力を感じなくなってきているのです。



下の図をご覧ください。
「主要各国の最低賃金を円換算した上で、
2000年と直近を比較したもの」(P.039)
です。


図01

円換算した主要各国の最低賃金(時給)の増加率<br />2000年と2014年の比較

円換算した主要各国の最低賃金(時給)の増加率
2000年と2014年の比較

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 PP.038-039)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号




主要各国で軒並み増加していることが一目で分かります。
増加率は、ベトナム(10.8倍)、インドネシア(6.3倍)、
中国(5.7倍)が突出していますね。


金額ベースでの増加額では、カナダ(596円↑)、
フランス(596円↑)、英国(571円↑)がベスト3です。


日本の増加率は18%で、金額ベースでの増加額は
わずか121円です。


彼我の差は一目瞭然です。


為替とは何を示すものなのか、という基本命題に対し、
コマツの野路國夫会長は次のように語っています。



  「為替が国力の代弁者だとすれば、この20年間で

 日本の競争力は本当に高まったと言えるのか」。

 日本を代表する輸出企業、コマツの野路國夫会長は、

 こんな問題意識とともに一つの経験則を導き出そうと

 している。

 「企業が持続的に発展するために、経営者は目先の

 為替水準に一喜一憂せず、絶え間ない構造改革を

 続けるべきだ」。

 野路会長がここで、あえて「為替に一喜一憂しない姿勢」

 を強調するのは、それだけ為替の先行きが読みづらい

 ことの裏返しでもある。
 

  (P.039)




ポイント

「為替変動を決定する要因の一つは金利差」(P.039)
にある。


ポイント

「為替はインフレ率にも左右されるとも言われる
(購買力平価説)」(P.039)



為替変動に関して、『日経ビジネス』は下記のように
まとめています。


 1.低金利通貨は短期で下落、長期で上昇する

  可能性が高い(高金利通貨は逆)

 2.デフレなら通貨は上昇する(インフレは逆)。

  ただ、金利差の影響により短期的にはその限り

  ではない。
 

  (PP.039-040)



なかなか一筋縄ではいかないことが、この説明からでも
理解できるでしょう。


一般にあまり知られていない事実があります。
「円は今なお世界有数の安全資産とされる」(P.040)
ことです。


その意味から言えば、円がもっと買われていいはず
ですが、円安ということは売られているのです。



 円は今なお世界有数の安全資産とされる。

 欧州危機の再来や中国の不動産バブル崩壊など

 世界経済が変調をきたせば、消去法的な円買い

 を誘発。結果として円高方向に揺り戻しが起きる

 可能性がある。

 もちろん、反アベノミクス派が主張するように、

 日本の財政状況や貿易収支が極端に悪化し国債

 価格が暴落すれば、円の安全性は薄らぐ。

 そうなれば、もはや金利やインフレ率も関係なく、

 問答無用に「1ドル200円超の大円安時代が訪れる」

 (びとうファイナンシャルサービスの尾藤峰男・

 代表取締役)との指摘もある。

 つまり、為替の行方は誰にも分からない。
 

  (P.040)





図02

神のみぞ知る今後の為替の行方<br />・金利平衡説などから導く円相場の見通し

神のみぞ知る今後の為替の行方
・金利平衡説などから導く円相場の見通し

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 P.0)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号





キーセンテンス

「為替の行方は誰にも分からない」(P.040)



では、どうしたらよいのか、というのが次の課題です。



 対策の一つは、世界各地に拠点を構え複数の通貨

 を組み合わせて事業を展開する「為替フリー経営」だ。

 が、それができるのは一部の大企業に限られる。

 こうしたことから企業の中には、金融テクノロジーを

 活用し為替変動のリスクを乗り切ろうとするところも

 少なくない。それは両刃の剣でもある。
 

  (P.040)



結論として、『日経ビジネス』は次のように述べています。
「当たり前のことを実践」することだ、と。



 下手な予想をするのでなく、為替変動に合わせ、

 迅速に事業構造を最適化していくことだ。

 PART1に登場した“円安で儲からない企業”も、

 結局、それができていれば、結果は違っていた。

  「そんな当たり前の結論では何の参考にもならない」

 と憤慨する読者もいるだろう。

 だが、一流と呼ばれる経営者は、まさにその当たり前

 のことを実践し、事業を拡大してきた。
 

  (P.041)




私見

当たり前のことを当たり前に実践すれば、
かなりのことができる、という証明でもあります。


当たり前のことだ、と頭では理解していても、
当たり前に実践できていないから現在、
思わしい結果が得られていないのも事実です。


何も経営に限った話ではありません。
いろいろなことに当てはまることです。


基本あるいは原理原則に外れたことをしては
いけないということです。


「守破離」を考えるのは、その後でも、
決して遅くはない、と固く信じています。


基本がしっかり身についていないのに、
基本や原理原則に反したことばかりやっていては、
仮にまぐれで上手くいったとしても、
長続きしません。


自分の実体験からも断言できます。




『日経ビジネス』は今特集の最後で、
次のように述べています。
「経営者の反射神経一つにかかっている」と。


 グローバル化の流れは加速し、経営に対する為替変動

 の影響は高まる一方だ。

 今後も多くの企業が円安、円高双方の苦難に立ち向かわ

 ざるを得ない。

 その時、傷を最小限に抑え、なおかつ危機を好機に変え

 られるかどうか ──。

 結局のところ、それは、経営者の反射神経一つにかかって

 いる。
 

  (P.041)







今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 産業構造の転換 
 顧客の不在 
 競争力の欠如 
 価格転嫁の不可 
 為替の行方 






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






円安でも儲からない アベノミクスに乗れないワケ 2015.05.18 <2>







日経ビジネスの特集記事(107)

円安でも儲からない
アベノミクスに乗れないワケ
2015.05.18




テーマ

今週の特集記事のテーマは

2年連続の賃上げ、2万円を付けた日経平均株価、
急増する訪日外国人──。
アベノミクス下で進んだ円安の効果が出始めている。
だが、産業界を見回すと、為替安でも苦戦している企業は
少なくない。
アベノミクスのシナリオは、輸出産業の復活とトリクルダウン効果で、
円安の弊害を相殺して余りある景気回復を実現することだ。
「円安で利益が増えない輸出企業」や「恩恵が及ばない内需企業」
が増えれば、その前提は根底から瓦解しかねない。
なぜ典型的な加工貿易国なのに、円安で苦境に見舞われるのか。

 (『日経ビジネス』 2015.0518 号 P.024)

ということです。

* トリクルダウン効果:


 トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、

 trickle-down effect)とは、

 「富める者が富めば、貧しい者にも自然に

 富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」とする

 経済理論または経済思想である。
 

  (トリクルダウン理論 Wikipedia から)


ピケティ教授の最新理論によれば、
「富める者はさらに富み、貧しい者はさらに
貧しくなる」
ということになります。


トリクルダウン理論とは、全く違いますね!





円安でも儲からない<br />アベノミクスに乗れないワケ

円安でも儲からない
アベノミクスに乗れないワケ

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 PP.024-025)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号







第1回は、
「序章 アベノミクスが微笑まなかった人々
 『話が違うよ、安倍首相』」
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、1と2のパターン
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、3と4のパターン
を取り上げます。


最終回は、
「PART 2 1ドル60~300円でも生き残る
 為替変動に打ち勝つただひとつの方法」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 産業構造の転換 
 顧客の不在 
 競争力の欠如 
 価格転嫁の不可 
 為替の行方 




では、本題に入りましょう!


 PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン 



苦境パターン1 輸出したくても「客」がいない

苦境パターン2 輸出したくても「競争力」がない

苦境パターン3 原料高を価格転嫁できない

苦境パターン4 事業構造が既に円高モード





今回は、
「苦境パターン3 原料高を価格転嫁できない」
「苦境パターン4 事業構造が既に円高モード」
の2つを取り上げます。


苦境パターン3 原料高を価格転嫁できない


円安は輸出する外需型産業にとっては追い風ですが、
輸入に依存する内需型産業にとっては向かい風です。


内需型産業には、輸入原価高・コスト高となります。
価格転嫁がスムーズにできればよいのですが、
必ずしも希望通りにはいきません。


小売業者との力関係で、納入価格に価格転嫁が
できにくい構造になっているからです。


具体的なケースを見てくことにしましょう。


 「このままでは豆腐屋は、アベノミクスで逆に全滅だ。

 需給逼迫により国産大豆が値上がりした上に、

 輸入大豆価格も円安により高止まり。

 燃料費も資材費も上がっている。

 深刻なのは、コスト増を販売価格に全く転嫁できない

 こと」。

 全国豆腐連合会の齊藤靖弘・代表理事はこう話す。


 豆腐の原料となる食用大豆は約8割を輸入に頼り、

 主に北米から調達する。

 その値段の基となるシカゴ市場の先物相場は、

 2005年頃の1ブッシェル6ドル程度から現在、

 同10ドル前後へ上昇。

 中国が大豆の「爆食」を始めたことなどが原因とされる。

 ここに追い打ちをかけたのが、アベノミクス下で進んだ

 円安だ。

 2015年2月の海上コンテナによる大豆輸入価格は、

 2012年末と比べて約4割高騰した。
 

  (P.034)



中国の「爆食」といえば、健康ブームに乗って
マグロの爆食も話題になりましたね。
これが原因で、マグロが高騰しているそうです。


近畿大学は「マグロの養殖」で有名になり、
受験者数が急増したという話題も耳新しい
ことです。



価格転嫁が思うように進まない理由について、
『日経ビジネス』は次のように指摘しています。



 かつては豆腐業界も、原材料高騰を価格に転嫁

 できていた時期もあった。

 例えば1996年から97年の円安局面では値上げに

 成功。

 豆腐1丁の平均価格は100円を超えた(総務省

 家計調査)。今よりも30円程度高い水準だ。

 だがそれ以降は、右肩下がりが続いている。

 背景には、この20年で小売業者の発言力が高ま

 ったことがある。


  「今や大手と取引している豆腐メーカーは、

 価格から納期までスーパー側の言いなりになら

 ざるを得ない状況にある」(齊藤代表理事)。

 ここ数年、ドラッグストアなど流通業界の新勢力が、

 豆腐の取り扱いを増やしたこともデフレ傾向に拍車を

 掛けた。

 こうした店では豆腐は、医薬品など利幅の大きい商品

 を売るための「客寄せパンダ」。

 20円や30円といった原価ギリギリの価格で販売する店

 が多く、メーカー側が値上げ交渉で成功する確率はゼロ

 に近い。
 

  (P.034)


上記のように小売業者の力が強くなり、
完全に「いいなり」になっています。


それだけではありません。
円安が豆腐業界の苦境に拍車をかけて
います。



 販売価格は上がらない一方で、原材料高は止まらない。

 「2014年に続き今年も中小メーカーが相次いで倒産しか

 ねない」と齊藤代表理事は唇をかむ。
 

  (P.034)




ポイント

円安による仕入原価の高騰を、販売価格に転嫁
できないことです。


そのため利益を出せない負のスパイラルに陥って
います。事態は深刻度を増しています。



私見

安倍政権の政策は大企業優先ですから、
「弱小企業は去れ」と言っているのと同じです。





苦境パターン4 事業構造が既に円高モード


円高が長年続き、輸出産業は工場を国内から海外へ
移転する企業がありました。


「産業の空洞化」という言葉が新聞紙面で踊って
いました。


現在、円安になり海外へ工場を移転した企業の国内
回帰が目立ってきました。


為替リスクを極力減らしたい、という意向の表れですが、
国内に製造拠点を新たに建設できる企業はそう多くは
ありません。資金力のある一部の企業だけです。


ソニーも例外ではありません。


 「金融緩和で日本の景気全体が良くなるのはプラスだが、

 (自社の業績にとって)円安はマイナス影響の方が大きい」。

 ソニーの吉田憲一郎CFO(最高財務責任者)はこう話す。

 ソニーは2015年3月期に、テレビの販売会社や本社の

 人員削減、スマートフォン(スマホ)事業の減損損失などで

 3300億円強の構造改革費用を計上。

 「大掛かりなリストラがほぼ終了した」(吉田CFO)ことで、

 2016年3月期の連結最終損益は3期ぶりの黒字に転換

 する見通しだ。


 それでも今期は、円相場が対ドルで1円円安に振れると

 連結営業利益を約70億円押し下げる見込み。


 円高の長期化を見越し、スマートフォンを中国生産に切り

 替えるなど携帯電話やテレビの生産拠点の海外シフトを

 敢行。

 戦略は奏功し、2011~12年度は円ドル相場の損益への

 影響をほぼゼロに抑えることに成功した。

 ただ、企業業績にとって海外生産シフトは劇薬にもなり

 かねない。

 2013年度に入ると急激に円安が進んだことで、

 ソニーもスマホなど海外で生産した製品のコストが想定

 以上に拡大。逆に利益を押し下げる要因となった。
 

  (P.036)



グラフ2をご覧ください。
わずか1円円安ドル高となるだけで、連結営業損益に
大きな影響を及ぼすことが分かります。



グラフ02

ソニーは為替影響を抑える対策に苦心する<br />・1円円安ドル高に進んだ場合の、連結営業損益への影響額

ソニーは為替影響を抑える対策に苦心する
・1円円安ドル高に進んだ場合の、連結営業損益への影響額

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 P.036)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号





為替の変動をマクロで見るとどうなのでしょうか?
シティグループ証券は、次のように指摘しています。



 シティグループ証券によると、2000年時点では10%の

 円安・ドル高は日本の貿易黒字を1.6兆円拡大させた。

 2014年は10%の円安・ドル高は貿易収支を1.5兆円

 悪化させる要因になっている。
 

  (P.036)





ポイント


 足元で円安だからと言って、一方的に恩恵を享受

 できる事業構造とは限らない。

 海外生産シフトを進めた企業ならではの新たな

 課題だ。
 

  (P.037)



「為替フリー経営」という言葉が出てきます。
現地通貨で決済したり、「地産地消」による事業展開
などで為替の影響を極力抑える経営です。



 ソニーは4月、世界シェア首位の画像センサーについて、

 約450億円を投じて国内の生産能力を増強する方針を

 打ち出した。

 オムロンも家庭用血圧計の一部を中国から松阪工場に

 移管。ダイキン工業はエアコン部品を中国から国内に

 戻す。

 だが、各社が目指すのはいずれも目先の円安に乗って

 「輸出主導型」のビジネスモデルに回帰することではない。

 為替変動のリスクを分散させ、本質的な競争力を取り戻

 そうとする動きだ。

 問題は、そうした「為替フリー経営」ができるのが一部の

 大企業に限られることだ。
 

  (P.037)




ポイント


 「円安=日本に有利」が必ずしも絶対でないことや、

 ここ数年の環境変化により円安で逆に不利を被る

 業界が少なからず存在する
 

  (P.037)

  



私見

一つだけ明白なことは、国の政策(国策)に頼って
いては自滅するだけだ、ということです。


自助努力だけでは限界があることは確かですが、
国に頼らずに自立することがなりよりも重要なことだ、
と思います。






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 産業構造の転換 
 顧客の不在 
 競争力の欠如 
 価格転嫁の不可 
 為替の行方 




最終回は、
「PART 2 1ドル60~300円でも生き残る
 為替変動に打ち勝つただひとつの方法」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






円安でも儲からない アベノミクスに乗れないワケ 2015.05.18 <1>







日経ビジネスの特集記事(107)

円安でも儲からない
アベノミクスに乗れないワケ
2015.05.18




テーマ

今週の特集記事のテーマは

2年連続の賃上げ、2万円を付けた日経平均株価、
急増する訪日外国人──。
アベノミクス下で進んだ円安の効果が出始めている。
だが、産業界を見回すと、為替安でも苦戦している企業は
少なくない。
アベノミクスのシナリオは、輸出産業の復活とトリクルダウン効果で、
円安の弊害を相殺して余りある景気回復を実現することだ。
「円安で利益が増えない輸出企業」や「恩恵が及ばない内需企業」
が増えれば、その前提は根底から瓦解しかねない。
なぜ典型的な加工貿易国なのに、円安で苦境に見舞われるのか。

 (『日経ビジネス』 2015.05.18 号 P.024)

ということです。

* トリクルダウン効果:


 トリクルダウン理論(トリクルダウンりろん、

 trickle-down effect)とは、

 「富める者が富めば、貧しい者にも自然に

 富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」とする

 経済理論または経済思想である。
 

  (トリクルダウン理論 Wikipedia から)


ピケティ教授の最新理論によれば、
「富める者はさらに富み、貧しい者はさらに
貧しくなる」
ということになります。


トリクルダウン理論とは、全く違いますね!





円安でも儲からない<br />アベノミクスに乗れないワケ

円安でも儲からない
アベノミクスに乗れないワケ

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 PP.024-025)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号







第1回は、
「序章 アベノミクスが微笑まなかった人々
 『話が違うよ、安倍首相』」
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、1と2のパターン
を取り上げます。


第2回は、
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、3と4のパターン
を取り上げます。


最終回は、
「PART 2 1ドル60~300円でも生き残る
 為替変動に打ち勝つただひとつの方法」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 産業構造の転換 
 顧客の不在 
 競争力の欠如 
 価格転嫁の不可 
 為替の行方 




では、本題に入りましょう!


 序章 アベノミクスが微笑まなかった人々 
 「話が違うよ、安倍首相」 

アベノミクスによる円安誘導政策によって、
恩恵を受けたのは一部の輸出産業の先頭に
立って活動する大企業でした。


この事実は以前から指摘されていたことです。


ですから、そのこと自体を聞いても目新しいこと
ではなく、再確認したにすぎません。


ところが、ことはそう簡単には終わらないことが、
『日経ビジネス』特集班によって伝えられました。


順を追って見ていくことにしましょう。
日本海側の港湾からロシアへの日本の中古車
輸出がにぎわいを見せている、という話題を何度か
見聞きしたことがあります。


現在ではどうなっているでしょうか?


 2012年12月の政権交代以来、アベノミクス下で

 進んだ円安は、日本の中古車輸出業全体に

 とっては干天の慈雨となった。

 財務省貿易統計によれば、2014年の輸出台数は

 前年比12万台増の128万台。

 1ドル90円台だった2009年の1.9倍に増えた計算だ。

 だが昨年、ロシア向けは逆に2割超も減少。

 君臨してきた輸出先首位の座から陥落した。


 中古車であふれていた新潟東港近くの「ディーラー街」は、

 今年に入り閑古鳥が鳴くようになった。
 

  (P.026)


円安、円安と強調されますが、基本的には、対米ドル、
対ユーロで「円安」ということです。


他国の通貨に対して、同様に円安であるかどうかは
まちまちです。通貨によっては「円高」もあり得るのです。




 2007年に4円超で推移していたルーブルは翌年、

 約2.9円に下落。2009年にはプーチン政権の関税

 引き上げもあって、輸出台数は減少した。


 原因は、1ドル70円台から120円台に円安が進む中

 で超常現象さながらに発生した、ルーブルの独歩安

 にある。

 
 5年にわたって安定してきたルーブル相場が急落した

 のは、2014年10月のこと。1ルーブル約2.7円から、

 2015年2月には約1.8円まで下落した。

 背景の一つは2014年のウクライナ危機。

 もう一つが、2013年から本格化した米国のシェール革命と、

 それに伴う原油価格の下落だ。
 

  (P.027)



このような現象は一部のことと片付けてよいものでしょうか?


ポイント

『日経ビジネス』は「円安局面でも儲からなくなった
産業は広範囲に存在
する」(P.027)と指摘しています。





 PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン 



苦境パターン1 輸出したくても「客」がいない

苦境パターン2 輸出したくても「競争力」がない

苦境パターン3 原料高を価格転嫁できない

苦境パターン4 事業構造が既に円高モード





今回は、
「苦境パターン1 輸出したくても『客』がいない」
「苦境パターン2 輸出したくても『競争力』がない」
の2つを取り上げます。



苦境パターン1 輸出したくても「客」がいない

『日経ビジネス』は、造船業界について解説しています。
造船業界特有の問題が、将来に暗い影を落としています。


輸出したくても「客」がいない、という理由がよく分かります。


 円安になれば、国内業者の海外での競争力は

 おのずと高まる。だが、市場が消えてしまえば、

 売り上げが増えることはない。


 「円安でメード・イン・ジャパンはお買い得なはず

 なのに、注文がすっかり途切れてしまった」

 「このままだと2018年には干上がってしまう」

 造船所や海運会社などが集積する瀬戸内地方では

 昨年夏頃から、株高・円安で盛り上がるアベノミクス

 の陰でこんな「嘆き節」が漏れるようになった。
 

  (PP.028-029)


これはどういうことなのでしょうか?


ポイント

「船は受注してから完成するまで通常3~4年ほど
かかる」ことです。3~4年後には、世界情勢が大きく
変わっている可能性があるのです。



 船は受注してから完成するまで通常3~4年ほど

 かかるため、呉事業所が現在、建造しているのは、

 2008年秋のリーマンショックから景気が回復する

 局面で注文を受けた船ばかり。

 「2018年以降に着工する船の注文を今、

 どれだけ確保できるかが、これから勝負の分かれ目

 になる」と関田彰・常務執行役員経営企画部長は

 打ち明ける。
 

  (P.029)

* 関田彰氏:
  ジャパンマリンユナイテッド(JMU)役員



さらに、事業構造の転換も見逃せません。



 中国の経済減速や資源安で海上運賃が下落、

 船主が発注を手控えているとの事情もある。

 それ以上に注目すべきなのが、ここ数年で、

 主な荷主であるグローバル企業の事業構造が

 大きく転換したことだ。

 
 自動車メーカーを中心に世界の輸出企業は

 リーマンショック以降、「地産地消型」へのシフトを

 加速させた。従来の「輸出主導型」から、

 市場のある国・地域で設計から製造、販売までを

 手掛けるようになった。

 その結果、企業が国境を越えて運んでいた完成品

 や部品の荷動きは鈍化。

 経済がグローバル化しているにもかかわらず、

 世界の海上輸送量は思ったほど伸びない事態に

 陥った。


 日本船主協会の統計によれば、2008年から2012年

 までの海上荷動き量の増加率は約14%。

 一方、同期間、世界の商船船腹量は約30%も増えて

 いる。荷動きに照らして世界で「船余り」が深刻化し、

 円安でどんなにバーゲンプライスになっても日本の船

 が売れない理由の一つはここにある。
 

  (P.029)




苦境パターン2 輸出したくても「競争力」がない


かつての強みが弱みに転じたことも、苦境に陥っている
理由の一つに挙げられます。


世界的な健康ブームによる日本食への関心が高まり、
和牛も強みになっていました。


ところが、海外では、霜降り肉は脂肪が多いため敬遠され、
赤身肉が好まれています。



ポイント

象徴的な言葉は、「いざ円安になり打って出ようと思ったら、
『グローバルで戦う競争力』が失われていたことだ」(P.031)
というものです。



 美しいサシ(霜降り)が全体に行き渡り、

 熱を加えると香りやうまみが溶け出し、

 舌の上でとろけるような食感が生まれる──。

 米国や豪州産にはもちろん、等級の低い国産牛にもない

 独特の特徴を持つ「和牛」に、世界進出の道が開かれた

 のはここ数年のことだ。

 米国向けに輸出が始まったのは1990年代に遡る。

 90年代中盤には米国に加え東南アジアにも年間約300トン

 を輸出するまでになったが、2000年に日本で口蹄疫が発生。

 各国で輸入禁止措置が取られ、以降、ほとんど輸出できない

 状況に陥った。

 事態が好転したのは2012年のことだ。
 

  (P.031)



牛肉で思い出したことがあります。
大前研一さんが自著の中で語っていたことです。



 本当にオーストラリアやアルゼンチンの牛肉を食べた

 ことがある人は、神戸牛などは脂っぽくて食べられない。

 日本では霜降り肉が珍重されているが、オーストラリア

 ではこのような肉は大理石状の脂肪があることから

 マーブルド・ビーフと呼ばれ、「脂肪の含有量が多すぎて

 健康被害がある」という理由で販売が禁止になっている

 ほどだ。
 

  (『ロウアーミドルの衝撃』)


オージー・ビーフは現地オーストラリアで、20年以上前に
食べたことはあります。


アルゼンチン産牛肉は食べたことはありませんが、
大前さんはアルゼンチン産牛肉が「世界一美味しい」、
と以前語っていました。



ポイント

日本の畜産業界に立ちはだかるのは、
「WAGYU」の存在です。



 足元の統計だけを見ると、和牛の輸出額は4年連続で

 前年を上回り、2014年は前年比42%増の81億7000

 万円に達した。

 だが関係者は「物足りない数字。このままでは政府が

 掲げる目標である『2020年の輸出額250億円』に及ば

 ない。

 今後は輸出のペースが大きく鈍る可能性もある」と顔を

 曇らせる。

 和牛輸出の拡大を阻んでいるのは、「WAGYU」だ。

 1990年代に研究用として米国に渡った黒毛和牛と、

 現地の品種との交配を重ねて誕生した新種。

 和牛の3~5割程度の安さを武器に今では世界中に

 普及した。

 外国のスーパーなどでは精肉売り場に「WAGYU」と書か

 れたポップが躍り、国によっては本家の和牛を圧倒して

 いる。


 中林氏は、いざ輸出を再開し米国の卸業者に売り込んだ

 ところ、「昔と違って今は健康志向から脂身ではなく、

 赤身を好む人が多い。これでは海外でWAGYUに太刀打ち

 できない」と言われ、仰天したという。

 日本食が現在、海外で受け入れられ始めた最大の理由は

 「ヘルシー」。和牛には、そんな日本食の一番の魅力が

 乏しい、というわけだ。
 

  (PP.031-032)

* 中林正悦氏:
   中林牧場(三重県伊賀市)オーナー   





 今後も多発する恐れの「円安倒産」 

「円安倒産」が増加していることが報告されています。
この事実は、マスコミで報道されることは少ないですね。



 今年3月19日、スポーツ用品販売のリージェント・

 ファーイースト(兵庫県)が自己破産を申請した。

 同社は阪神タイガースを代表するエース、

 故・村山実氏が設立し、社長を務めていたことで

 知られる。

 野球用品を中心に手掛け、最盛期には年40億円を

 売り上げたが、サッカーなど他のスポーツ人気の

 高まりから徐々に低迷。

 2013年度の売上高は17億円まで落ち込んだ。

 破産の引き金となったのは、円安だった。

 輸入コスト増による採算悪化で資金繰りが行き詰まり、

 連続で赤字を計上。


 帝国データバンクの調査によると、倒産原因に円安の

 影響があった事例は2014年度で401件に上り、

 前の年度の2.3倍に急増。

 特に、日本銀行による追加の金融緩和を受け、

 円安が急速に進んだ昨秋ごろから伸びている。
 

  (P.033)



下のグラフを見ますと、特徴的なこととして、
倒産件数は右肩上がりになっていますが、
負債総額は必ずしも倒産件数に比例して
いないことです。


「小型倒産の増加」を示しています。




追加緩和後に急増<br />・円安原因による月次倒産件数と負債総額

追加緩和後に急増
・円安原因による月次倒産件数と負債総額

(『日経ビジネス』 2015.05.18 号 P.033)
日経ビジネスDigital 2015.05.18 号




業種別倒産ではどの業種が多いのでしょうか。



 業種別では、一時の運送コストの高止まりで

 収益が悪化した運輸業が最も多く、

 輸入原材料の高騰を価格転嫁しづらい繊維・衣料、

 飲食料品、農業・林業・漁業などが続いている。
 

  (P.033)




今後の見通しはどうなのか、専門家に意見を
聞いています。


ポイント

「全体の倒産件数も増加に転じる可能性がある」
(P.033)と専門家は指摘しています。



 「円安倒産」が増える一方で、全体の倒産件数は

 減少傾向にある。

 2014年度は前の年度と比べ10.5%減の9044件。

 2009年度から6年連続で前の年度比マイナスの

 状況が続いている。

 帝国データバンク情報部の内藤修氏は「中小企業

 金融円滑化法の効果が続いている影響が大きい」

 と指摘する。

 
 だが、円滑化法関連の救済効果は永続的ではない。

 内藤氏は今年度以降、円安がきっかけとなった倒産が

 牽引する形で、全体の倒産件数も増加に転じる可能性

 があるとみている。
 

  (P.033)





私見

今後、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、
インバウンドの観光客による売り上げ増加の期待感が
高まる一方で、内需型産業はさらに一層厳しい日々を
過ごすことになるかもしれません。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 産業構造の転換 
 顧客の不在 
 競争力の欠如 
 価格転嫁の不可 
 為替の行方 




次回は、
「PART 1 絶対儲かるはずなのに・・・
 円安が効かない4つのパターン」
のうち、3と4のパターン
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






サムスンの次は生まれるか 韓国 脱財閥へのもがき 2015.05.11 <3>







日経ビジネスの特集記事(106)

サムスンの次は生まれるか
韓国
脱財閥へのもがき
2015.05.11



今週の特集記事のテーマは

韓国経済を支え、世界を舞台に急成長してきた財閥が今、
もがいている。
原因は、ウォン高や頼みの綱だった新興国経済の低迷だけ
ではない。
独裁型経営や、既にある技術の組み合わせといった「強み」が
通用しなくなったのだ。
スマートフォンの売れ行きが鈍り、収益も伸び悩むサムスン。
崩壊し始める中堅財閥。
一方で、産業構造が大きく転換する中、これまでにないような
革新も生まれている。
続々と世界を目指す新興企業。そこからサムスンの次を担う
企業は現れるのか。
そして、日本企業は変貌する韓国とどう向き合えばいいのだろうか。

 (『日経ビジネス』 2015.0511 号 P.026)

ということです。






(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




今週号の特集は、「韓国」です。
戦時中の慰安婦問題や、閣僚による靖国神社参拝、
竹島をめぐる領有権問題などで、日本との確執が
しばしば取り沙汰されます。


一方、韓国にはサムスンのような財閥企業が多く、
日本企業を凌駕している分野もあります。


『日経ビジネス』特集班は、そんな韓国に対し、
どのように切り込んでしていくでしょうか?
お楽しみください。


尚、『日経ビジネス』特集班はサムスン本社に
取材を申し込んだそうですが、
「『現地での直接取材は難しい』などと明確な
回答は得られていない」(P.029)そうです。


事実上の取材拒否です。



第1回は、
「PART 1 日本人元社員の証言
 サムスンが超えられない壁」
を取り上げました。


第2回は、
「Column 『課題先進国』日本より
 重たい足かせ」
「PART 2 復活への胎動
 『新韓流』モデル」
を取り上げました。


最終回は、
「PART 3 韓国企業を
 侮るのはまだ早い」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 財閥 
 カリスマ性 
 サムスンの次 
 脱独裁 
 したたかさ 




では、本題に入りましょう!


 PART 3 韓国企業を 
 侮るのはまだ早い 

サムスンなどの大手財閥の業績が急激に悪化
したことを受けて、韓国政府が新興企業の支援
に乗り出している実態を、前回お伝えしました。


最終回は、そのような韓国に日本は「もう学ぶ
ことは何もない」と断言できるのか、
という問題提起を『日経ビジネス』はしています。


日本人の特質の一つに、一度自分たちが頂点を
極めると、外国の制度や外国企業に「学ぶことは
ない」と決めつけてしまうことです。


米GM(ゼネラル・モーターズ)が破綻した際にも、
一部のマスコミや自動車業界は「日本は自動車
に勝利した」と思い込む論調が多かったように
思います。


その間隙を縫うように、独フォルクスワーゲンは
トヨタの生産台数を超し、世界一となりました。


一度破綻した米GMも復活への確かな歩みを
始めました。


目を転じて、韓国企業の実態を見てみますと、
確かにサムスンの業績悪化は象徴的な出来事
のようですが、「では、日本企業でサムスンに
対抗できる企業はありますか?」と聞かれて、
答えられる人はいるでしょうか。


スマホの日本の部品メーカーには、グローバル
企業が名を連ねています。東芝やソニー、
村田製作所、シャープなどです。


しかしながら、完成品としてのスマホを市場に
出しているのは実質的にソニーだけとなって
います。国内の市場シェアは小さいですね。



『日経ビジネス』特集班は、韓国2番手の電機
メーカー、LG電子に焦点を当てています。


 韓国2番手の電機メーカー、LG電子。

 サムスンなどに比べて「財閥らしくない財閥」

 と言われ、不透明なグループ内株式持ち合い

 を整理するなど、改革への動きを見せる

 数少ない財閥だ。

 テレビの世界シェア2位の同社も、

 中国勢の猛追を受け苦しんでいる。

 しかし、その成長戦略には、転んでもタダでは

 起きない「したたかさ」が見える。
 

  (P.042)


どんな点に「したたかさ」を見たのでしょうか?


ポイント

「したたかさ」


 「他社はやめてもウチは粘り強く続けていきます」

 3月、有機ELテレビの新製品発表会のために来日

 したLG電子のイ・インギュ専務は、こう語った。

 歩留まりが悪い上、大型の設備投資が必要な有機EL。

 ソニーやパナソニック、サムスンなどは次々と大型

 パネルの開発を中断したが、LGは惜しみなく人とお金

 を投じてきた。

 液晶テレビ一色の市場で、他社がやめたため結果的に

 「独自」になった技術を武器に、新市場の覇権を狙う。
 

  (P.042)


この戦略は、「ガラパゴス化」ではないのか、
と考えられがちです。


ところが、必ずしもそうではないようです。


同業他社が開発や生産をとりやめたことで、
残ったのは1社のみとなったため、顧客には選択肢が
なくなったのです。


図らずも「ブルーオーシャン」になったのです。


似たようなケースが、日本にもあります。
富士フイルムです。


「チェキ」というインスタントカメラをご存じでしょうか?


図1

チェキ


チェキ


チェキフィルム

インスタントカメラ




これだけのラインナップがあります。
私も、かつてチェキを使ったことがあります。
小さな印画紙(10cm四方にも満たない)に
シャッターを押すと、すぐにプリントされて、
押し出されてきました。


一昔前までは、インスタントカメラと言ったら、
「ポラロイド」でした。


ところが、ポラロイドはデジカメが出現すると、
その流れに乗ることができず、経営破綻しました。
強みが弱みに転じたのです。自社の強みにこだわり
過ぎたため、世の中の変化についていけなくなった
のです。


フィルムメーカーの「コダック」も同じでした。
フィルム業界を富士フイルムと二分していたコダック
もデジカメの普及を甘く見ていたのです。


その点で、富士フイルムは「したたかさ」でした。
長年蓄積してきた「ナノテクノロジーや写真分野で
培った技術」を応用し、医療機器業界や化粧品業界に
進出し、中核事業に育てました。


その一方で、デジタルカメラを製造したり、
デジタルカメラにはない、「撮ったらすぐにその場で
プリントが見られる」特徴を持つ、チェキの製造販売を
再開したのです。


今、「再開」と書きました。
デジカメが登場する前に発売していました。
デジカメの登場後、チェキの売上は下落しましたが、
ライバルがいなくなったことで、インスタントカメラ
市場を独占できたのです。


カメラもフィルムも富士フイルムしか製造販売でき
ません。カメラとフィルムの微妙な調節のノウハウ
を持っているのは、もはや富士フイルムだけになった
からです。



話を韓国の電機メーカー、LG電子に戻します。


 勢いを再び取り戻そうと、日本企業の調査や学習に

 今とても熱心だ。利益率の高いBtoB(企業向け)

 シフトを狙うLGがベンチマークにしているのは

 パナソニック。

 一時は経営が悪化したにもかかわらず、

 「なぜ彼らは車載や住宅事業で軌道に乗れたのか」。

 LG関係者は日本に足を運び、有識者らにこう聞いて回る。

 韓国にとって、日本の経験は「転ばぬ先の杖」。

 政府や経済団体の間では、日本の失敗事例などを研究

 する動きが広がる。
 

  (P.043)



サムスンの二代目、イ・ゴンヒ会長も若かりし頃、日本で
働き、日本企業に学び、ついに日本企業を凌駕する会社
に育て上げたのです。その手法に批判が多いとは言え、
グローバル企業にした手腕は認めるべきである、
と思います。



ポイント

「韓国にとって、日本の経験は『転ばぬ先の杖』。

 政府や経済団体の間では、日本の失敗事例などを研究

 する動きが広がる」(P.043)



『日経ビジネス』は日本は韓国に学ぶことはないのか、
と問うています。


ポイント


 日本企業の側にも、韓国企業に学ぶべき点は

 ないのだろうか。今や勢いが落ちたとはいえ、

 韓国企業は日本企業に足りないものを持っている。

 韓日産業技術協力財団のイ・ジョンユン専務理事は

 「日本企業の強さは緻密さだが、韓国企業はスピード」

 と指摘する。PART1で見たように、オーナー経営者に

 よる独裁で、速すぎる決断は企業を間違った方向に

 導く恐れがある。だが、チャンスを人より早くつかむには、

 やはりスピードは大切な要素である。

 消費者ニーズに素早く合わせるマーケティング力も

 優れている。
 

  (P.043)


私見

私は、韓国企業が日本企業より優れている、
もう一つの点は「駆け引きの巧みさ」、
と考えています。


日本人は、この点で韓国人にとてもかないません。



外交面では敵対することが多い日韓両国ですが、
企業間では提携の動きが出てきています。


図2

「サプライヤー」から「パートナー」へ<br />・日本企業と韓国企業のコラボ案件

「サプライヤー」から「パートナー」へ
・日本企業と韓国企業のコラボ案件

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.043)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




新興国はどのように日韓両国を見、どのような対応を
しようとしているのでしょうか?


『日経ビジネス』はミャンマーのケースを取り上げて
います。


ポイント


 実は、新興国が日韓連携に期待するケースもある。

 「日本企業単独ではなく、韓国企業と一緒に開発

 してはどうか」

 ミャンマー政府関係者は最近、周囲にこう漏らしている。

 三菱商事ら日本の商社が開発を進めるティラワ工業

 団地についてである。

 ミャンマー政府側には、違った強みを持つ日韓の企業の

 双方に来てもらった方が、自国の産業活性化につながる

 という期待があると言われる。
 

  (P.043)





まとめ

『日経ビジネス』は特集の最後で、次のように
述べています。


 日韓企業が助け合うなど、理想論にすぎないと

 見る向きもある。

 だが、日韓は、中国勢の追い上げや、人口減、

 縮小する内需など共通の課題を抱えている。

 本来なら、最も深く分かり合える仲なのかもしれない。

 日本企業はこれから成長を目指す中で、

 したたかな韓国企業と渡り合いつつ、

 時には歩み寄って連携するというような柔軟さも

 求められるだろう。
 

  (P.043)


いかがでしたでしょうか?
国家間の日韓関係はギクシャクしていますが、
企業間や個人間では日韓がパートナーとなることは
望ましいことです。


サッカーを例に挙げますと、韓国は日本に対して、
異常とも思えるほどに攻撃的なプレーを仕掛けて
きます。


今でこそ、FIFAランキングで日本は韓国より上位
にランキングされていますが、今から40年以上前
には、韓国だけでなく、タイにも日本はなかなか
勝てなかった、というサッカーの苦い歴史があります。


サッカーの歴史と逆のケースが、グローバル経営
において「そのようなことが起こるはずはない」、
と誰が断言できるでしょうか。




今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 財閥 
 カリスマ性 
 サムスンの次 
 脱独裁 
 したたかさ 





私見

「近くて遠い国」と言われ続けた、日韓両国ですが、
領土問題や歴史問題は重要な課題とは言え、
他の面で協力し合えるようになりたいものです。


雪解けは、もう始まっていると見ています。






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






サムスンの次は生まれるか 韓国 脱財閥へのもがき 2015.05.11 <2>







日経ビジネスの特集記事(106)

サムスンの次は生まれるか
韓国
脱財閥へのもがき
2015.05.11



今週の特集記事のテーマは

韓国経済を支え、世界を舞台に急成長してきた財閥が今、
もがいている。
原因は、ウォン高や頼みの綱だった新興国経済の低迷だけ
ではない。
独裁型経営や、既にある技術の組み合わせといった「強み」が
通用しなくなったのだ。
スマートフォンの売れ行きが鈍り、収益も伸び悩むサムスン。
崩壊し始める中堅財閥。
一方で、産業構造が大きく転換する中、これまでにないような
革新も生まれている。
続々と世界を目指す新興企業。そこからサムスンの次を担う
企業は現れるのか。
そして、日本企業は変貌する韓国とどう向き合えばいいのだろうか。

 (『日経ビジネス』 2015.0511 号 P.026)

ということです。






(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




今週号の特集は、「韓国」です。
戦時中の慰安婦問題や、閣僚による靖国神社参拝、
竹島をめぐる領有権問題などで、日本との確執が
しばしば取り沙汰されます。


一方、韓国にはサムスンのような財閥企業が多く、
日本企業を凌駕している分野もあります。


『日経ビジネス』特集班は、そんな韓国に対し、
どのように切り込んでしていくでしょうか?
お楽しみください。


尚、『日経ビジネス』特集班はサムスン本社に
取材を申し込んだそうですが、
「『現地での直接取材は難しい』などと明確な
回答は得られていない」(P.029)そうです。


事実上の取材拒否です。



第1回は、
「PART 1 日本人元社員の証言
 サムスンが超えられない壁」
を取り上げました。


第2回は、
「Column 『課題先進国』日本より
 重たい足かせ」
「PART 2 復活への胎動
 『新韓流』モデル」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 3 韓国企業を
 侮るのはまだ早い」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 財閥 
 カリスマ性 
 サムスンの次 
 脱独裁 
 したたかさ 




では、本題に入りましょう!


 Column 「課題先進国」日本より 
 重たい足かせ 


韓国も日本と同じ問題に直面しています。
「少子高齢化」と「非正規雇用者の増加」です。


韓国の人口を確認しておきましょう。
これからいくつかの比率が示されます。
その際に、人口比で何人に相当するかを知る
ためです。


最新の統計(2015年4月の推計)によれば、
5000万人を超えました。





韓国の人口 「世界経済のネタ帳」から



韓国の人口の推移を見た後で、『日経ビジネス』
特集班の解説を読んでみましょう。



 ウォン高や財閥の行き詰まりに苦しむ韓国経済。

 企業にとってはこれから先、さらなる難題が待ち

 受けている。最も大きいのは、少子高齢化を

 はじめとした構造問題の負担がのしかかってくる

 ことだ。これまで軽い社会保障費や税の恩恵を

 享受してきた企業は一転、重荷を背負う。

 その負担は同様の課題で先進国とされてきた日本

 をも上回りかねない。

 問題の一つが、貧困層の拡大だ。
 

  (P.034)


ポイント

韓国では、収入の格差が拡大しているようです。
非正規雇用者の比率が高まっています。



 韓国の非正規比率は、政府統計で32.5%(2013年)。

 この数字は過去10年、大きく変わってはいない。

 しかし、労働組合側の推計では、正規労働者と

 されていても、社会保険が非適用だったり、

 派遣のように勤務場所が変わり続けたりといった

 人たちを含めると、非正規の比率は45.9%に

 跳ね上がる。政府側統計では、日本の37.9%

 (2014年10~12月期)に近づいており、

 労組側推計では既に抜いている。
 

  (P.034)


これだけでありません。
先の人口の推移グラフでは、右肩上がりに人口増加
傾向にあるように見えますが、「2017年から減少に
転じ」(P.034)るそうです。



 中長期的にボディーブローのように効いてくるのが

 少子高齢化・人口減だ。現役世代の生産年齢人口

 (15~64歳)が、2017年から減少に転じ、2020年頃

 からは人口減が始まると予測されている。

 しかも、高齢化のスピードが非常に速い。

 2013年には出生率が、日本を下回る1.19を記録した。

 全人口に占める65歳以上の人口が7%の「高齢化社会」

 から倍の14%に達するまでに、日本は24年を要したが、

 韓国は18年で到達するという。
 

  (P.034)




韓国は急速に少子化が進んできた<br />・日韓の出生率の推移

韓国は急速に少子化が進んできた
・日韓の出生率の推移

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.034)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号



ポイント

「高齢化社会」へ到達するのは、韓国のほうが日本よりも
速いということです。
少し先の話ですが、2050年時点での韓国と日本の比較
がされています。



 65歳以上人口は2010年には全人口の11%で日本

 (23%)の半分にも満たなかった。

 これが、2050年には一気に37.4%に達し、

 日本(36.6%)を抜いて世界一の高齢国になると

 見られている。
 

  (P.034)



ポイント

生産年齢人口が減少することは、企業にも暗い影を
落とし始めています。



 韓国の主要な社会保障制度は、公的年金と健康保険、

 介護保険など。その保険料率は国民年金が9%、

 健康保険が5.89%、介護保険が6.55%などとなっており、

 ほとんどが労使折半負担だ。

 保険料の計算方法は一部異なるが、今の保険料率は

 日本の半分程度。日本より速く少子高齢化が進むことを

 考えれば、保険料は今後、上昇し続け、日本を上回る

 可能性もある。
 

  (P.035)


韓国の将来に対して、「怖ろしい」数字があります。



 基礎年金増額に必要な財源は、2014年の7兆ウォン

 (約7700億円)から2040年には157兆ウォン

 (約17兆2700億円)に跳ね上がると推計されている。

 一方で韓国の財政は、税収で政策的経費を賄えるか

 どうかを見る基礎的財政収支(プライマリーバランス)

 が2013年から赤字に転じている。
 

  (P.035)


財政破綻への道をジワリジワリと進んでいる様子が
伺えます。


基礎年金増額に必要な財源が2014年から26年後に
は、20倍以上になるということは、韓国首脳陣は認め
たくないことでしょう。




韓国も財政が悪化してきた<br />・基礎的財政収支の推移

韓国も財政が悪化してきた
・基礎的財政収支の推移

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.035)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号





「課題先進国」日本より重たい足かせ

「課題先進国」日本より重たい足かせ

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.034-035)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号





 PART 2 復活への胎動 
 「新韓流」モデル 

大財閥の経営が揺らいでいる一方で、新興企業が
躍進しています。


 アジアで「韓国スタンダード」 


アールサポートという企業があります。
そこの「遠隔サポート」をとても興味深く思いました。


まず、下の図をご覧ください。





NTTドコモも認める韓国のイノベーション
・アールサポートの遠隔サポートの例

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.038)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




この図だけでは分かりにくいと思いますので、
『日経ビジネス』の解説を読んでみましょう。
このようなサポートが今までなかったことが不思議です。



 家電メーカーなどの担当オペレーターが、

 顧客のスマートフォンやタブレット上で、

 製品やその分解写真を矢印などで指し示しながら、

 操作・修理方法を指示する仕組み。

 オペレーターと顧客が画面を共有、

 会話しながら進めるのできめ細かな対応が可能だ。

 アールサポートがこの事業に目をつけたのは、

 アフターサービスには顧客の不満が集まりやすく、

 改善へのニーズが大きいと考えたためだ。

 それなのに、日本も含めたアジアでは、

 多くの企業が旧来型のサービスにとどまっている。


 アールサポートには日本の大手からも注目が集まる。

 NTTドコモは、アールサポートが開発したシステムを、

 スマホの大半に導入した。操作法が分からないときの

 サポートが目的だ。
 

  (P.038)



 ベンチャーを「促成栽培」 

大財閥に以前のような牽引力がなくなってきたことを
受けて、韓国政府は新興企業の支援に乗り出して
います。



 政府はここ数年でさらなる支援を始めた。

 支援ぶりは手取り足取りの「尋常じゃないほど手厚い」

 内容。育成スピードも重視する、「促成栽培」だ。
 

  (P.039)


K-ICTボーンツーグローバルセンターという政府機関の
外郭団体があります。


この団体が、新興企業を手厚く支援しています。
具体的どのようなことをしているのかは、
『日経ビジネス』の解説で概要がつかめます。



 「K-ICTボーンツーグローバルセンター」だ。

 政府機関の一つである未来創造科学部の外郭団体。

 ベンチャーの海外展開を支援するため2013年9月に

 設立された組織だ。


 弁護士や会計士など起業や海外展開に必要な知識を

 持つスタッフ21人が常駐し、彼らとつながりがある外部

 の専門家も支援する。

 事業計画書の作成に始まり、海外進出に必要な法的

 手続きのノウハウ、ビジネススキルを、こうした専門家が

 起業家に叩き込む。
 

  (P.039)





海外進出に向けて手厚くサポート<br />・韓国政府のベンチャー企業への支援

海外進出に向けて手厚くサポート
・韓国政府のベンチャー企業への支援

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.039)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




 大手にも「脱独裁」の兆し 

大手財閥の業績が低下した理由の一つは、
「オーナーが独裁的に会社を動か」(P.040)してきた
からです。


「大手に中でも、これまでと違った動きが出始めた」
(P.040)ということです。


韓国は、序列が厳しいことで知られています。
そのような中で、徐々に新風が吹くようになって
きました。



 役職名では呼ばず、名前で呼び合うことは、

 日本では珍しくなくなってきたが、序列に厳しく

 上意下達の徹底した韓国ではめったにないことだ。

 しかも、オーナー会長が一般社員と対等に言葉を

 交わし合う光景は、まず見られない。
 

  (P.040)


韓国化粧品最大手、アモーレパシフィックでは、
オーナーであり、会長と、一般社員が対等に言葉を
交わし合う光景が普通に見られるそうです。


アモーレの業績を見てみましょう。
着実に業績を伸ばしています。




着実に業績を伸ばし続けている<br />・アモーレパシフィックの連結業績推移

着実に業績を伸ばし続けている
・アモーレパシフィックの連結業績推移

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.0)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




財閥企業はオーナーのトップダウンで、
一方通行の指示に従業員が従うというのが、
習わしでした。


ところが、アモーレは違います。


 風通しをよくして、現場のアイデアが上層部に

 上がりやすくする試みなら、日本企業でもよくある。

 アモーレの特徴は、従来からあったトップダウンの

 スピード感も失わないようにしようとしていることだ。

 それはどんな仕組みなのか。

 会長がまずトップダウンで指示を出し、現場がそれを

 議論した上でなんらかの結論を出し、会長に投げ返す。

 それを受け、会長が最終決断をする。

 あるいは現場から出てきた意見を基に会長が素早く

 判断して動かす。

 これまでの財閥が、トップから下へ一方的に指示する

 「剛速球型」なら、アモーレは「キャッチボール型」とも

 言えそうだ。
 

  (P.041)



サムスンをはじめ、大手財閥の「外国人株主比率が50%
前後に達している」(P.041)そうです。
外国人株主は業績が悪化すれば黙ってはいないでしょう。



 「株主の様々な意見を聞くガバナンス委員会を、

 理事会内に設置することを検討中」

 現代自動車は3月中旬に開いた株主総会で突如、

 こう報告して経済界を驚かせた。

 それには伏線があった。

 昨年秋、ソウル市中心部の一等地をグループの

 本社用地として約1兆円を投じて購入すると決めた。

 このことに対し、外国人株主を中心に「株主価値を

 無視した投資だ」との批判が噴出。

 対応せざるを得なくなったのだ。


 サムスン電子をはじめ、今やほとんどの大手財閥

 では、外国人株主比率が50%前後に達している。

 収益が悪化すれば外国人たちの声が強まり、

 改革の機運が高まることだって考えられる。
 

  (P.041)


財閥企業も変わらざるをえない状況になっている
ことが、よく理解できる話です。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 財閥 
 カリスマ性 
 サムスンの次 
 脱独裁 
 したたかさ 




最終回は、
「PART 3 韓国企業を
 侮るのはまだ早い」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






サムスンの次は生まれるか 韓国 脱財閥へのもがき  2015.05.11 <1>







日経ビジネスの特集記事(106)

サムスンの次は生まれるか
韓国
脱財閥へのもがき
2015.05.11



今週の特集記事のテーマは

韓国経済を支え、世界を舞台に急成長してきた財閥が今、
もがいている。
原因は、ウォン高や頼みの綱だった新興国経済の低迷だけ
ではない。
独裁型経営や、既にある技術の組み合わせといった「強み」が
通用しなくなったのだ。
スマートフォンの売れ行きが鈍り、収益も伸び悩むサムスン。
崩壊し始める中堅財閥。
一方で、産業構造が大きく転換する中、これまでにないような
革新も生まれている。
続々と世界を目指す新興企業。そこからサムスンの次を担う
企業は現れるのか。
そして、日本企業は変貌する韓国とどう向き合えばいいのだろうか。

 (『日経ビジネス』 2015.0511 号 P.026)

ということです。






(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.026-027)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




今週号の特集は、「韓国」です。
戦時中の慰安婦問題や、閣僚による靖国神社参拝、
竹島をめぐる領有権問題などで、日本との確執が
しばしば取り沙汰されます。


一方、韓国にはサムスンのような財閥企業が多く、
日本企業を凌駕している分野もあります。


『日経ビジネス』特集班は、そんな韓国に対し、
どのように切り込んでしていくでしょうか?
お楽しみください。


尚、『日経ビジネス』特集班はサムスン本社に
取材を申し込んだそうですが、
「『現地での直接取材は難しい』などと明確な
回答は得られていない」(P.029)そうです。


事実上の取材拒否です。



第1回は、
「PART 1 日本人元社員の証言
 サムスンが超えられない壁」
を取り上げます。


第2回は、
「Column 『課題先進国』日本より
 重たい足かせ」
「PART 2 復活への胎動
 『新韓流』モデル」
を取り上げます。


最終回は、
「PART 3 韓国企業を
 侮るのはまだ早い」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 財閥 
 カリスマ性 
 サムスンの次 
 脱独裁 
 したたかさ 




では、本題に入りましょう!


 PART 1 日本人元社員の証言
 サムスンが超えられない壁 


サムスンのスマホ「ギャラクシー」シリーズは、
アップルのスマホ「iPhone」に次いで世界的に
売れています。


しかし、最近、サムスンの業績が急落しています。
どこに原因があるのでしょうか?


4年前、日本人技術者を高報酬で大量に雇い入れ
ましたが、今年になって一斉に退社しているそう
です。


サムスンの急変は何を意味しているのでしょうか?



 パナソニック、ソニー、シャープ…。

 日本の電機大手で働く技術者をサムスンが

 大量にスカウトしていたのは4年ほど前。

 数千万円という報酬や手厚い住宅手当などに

 引かれ、多くの日本人がサムスンに身を投じた。

 今、彼らがこぞってサムスンを去っている。

 今年3月末、プリンターなど複数部門で数十人の

 日本人社員が一斉にサムスンを退社した。
 

  (PP.028-029)


一斉退社する日本人技術者には2種類あり、
自ら退社する人と、「サムスンから契約終了を
突き付けられた人も少なくない」(P.029)と、
『日経ビジネス』は解説しています。



自ら退社を決めた、遠藤直也さんについて触れて
おきましょう。



 4月以降の契約はどうしますか──。

 韓国水原市にあるサムスン電子でプリンター

 部門に勤める遠藤直也さん(仮名)は今年の

 1月、上司に聞かれ、迷わず答えた。

 「延長しません。3月末で日本に戻ります」。
 

  (P.028)


サムスンと日本人技術者との関係に何らかの
変化が生じている、と考えるのが自然でしょう。



 遠藤さんのように契約終了を自分で申し出た

 人もいれば、サムスンから契約終了を突き付け

 られた人も少なくない。これまでもサムスンを

 去る日本人はいたが、これほど多くが一度に

 辞めるのは初めてという。

 サムスンにノーを突きつける日本人社員。

 そして日本人社員をもはや必要としないサムスン。

 今、サムスンの中で何かが変わり始めている。

 それを探ろうと本社へ取材を申し込んだが、

 「現地での直接取材は難しい」などと明確な回答は

 得られていない。
 

  (P.029)


日本人技術者が自ら退社を決めた理由の一つに
ついて、遠藤さんは「新しいことに全くチャレンジ
できない組織なんです」(P.030)と語っています。


この言葉を理解するためには、サムスンの組織と、
サムスンをグローバル企業に育てたイ・ゴンヒ会長
についての理解が不可欠です。



 徹底した成果主義のサムスン。

 現在、病に伏している「2代目」のイ・ゴンヒ会長は、

 「よくやった人は抜てきし、そうでない人は抑え付ける」

 と述べ、結果が出せなければ容赦なく降格やクビの

 処分を下していた。

 権力が集中し、トップダウンの決断がしやすい。

 大規模投資を即決し、圧倒的な量産体制を整え一気に

 シェアを取る。これはサムスンの勝ちパターンで、

 「強み」でもあった。 
 

  (P.30)


下図をご覧ください。
サムスン創業家の家系図です。
2代目のイ・ゴンヒ会長は病に伏しているため、
3代目の長男・サムスン電子副会長、
イ・ジェヨン氏が実質的にサムスンを率いて
います。



同族経営は3代目に突入した<br />・サムスン創業家の家系図

同族経営は3代目に突入した
・サムスン創業家の家系図

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 PP.028-029)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号




ポイント

サムスンの変化を「ハード」から「ソフト」へ軸足を
移した、と捉えることができます。



 機器の進化よりもスマートフォンとの連携や

 クラウドサービスなどのソフトで勝負することで

 挽回しようとしている。この戦略転換に伴い、

 必要な人材が変わった面もある。

 これまでは機器の技術に強い日本人技術者を

 多く採用してきた。現在はソフトに強いインド人

 などに採用の中心が移っている。
 

  (P.031)


ポイント

さらに言えば、部門の経営に失敗すれば、
責任者は降格や解雇という運命にあることから、
先に遠藤さんが語ったように、
「新しいことに全くチャレンジできない組織」
になり、守りに入ったことも大きな理由です。



 部門のトップたちは失敗した場合の上からの

 「罰」を恐れ、現場からの新しい提案には耳を

 傾けず、リスクに挑戦しようとはしない。

 結果、イノベーションは生まれず、特徴のない

 汎用製品を開発、量産し続ける。

 だから、中国企業など新興国勢の台頭により、

 既存の技術を組み合わせたサムスン製品の

 競争力が、あっという間に失われてしまったのだ。
 

  (P.030)


サムスンの業績急落の状況は、次のグラフで一目瞭然
です。


2014年に営業利益が急落<br />・サムスン電子四半期別業績の推移

2014年に営業利益が急落
・サムスン電子四半期別業績の推移

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.029)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号



次のグラフもご覧ください。
「ギャラクシー」シリーズの販売実績です。
営業利益率が大きく低下していることが分かります。
かなり深刻な状況と言えます。


収益率は「S3」シリーズ以降減少<br />・「ギャラクシー」シリーズの発売後6カ月間の販売実績

収益率は「S3」シリーズ以降減少
・「ギャラクシー」シリーズの発売後6カ月間の販売実績

(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.030)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号



韓国国内でも、「ギャラクシー」シリーズの売れ行きが
下降している実態が報告されています。



 ソウル駅近くの龍山駅。ソウルの「秋葉原」と

 評される龍山の電気街に足を運ぶと、

 その廃れ具合に驚く。

 4月の平日。退社時間を過ぎた夕方になっても、

 どの店舗にも人の気配はない。

 「サムスンのギャラクシーを値下げしても、

 誰にも見向きもされない」。

 スマホの新中古品を店頭で販売する男性は

 あきらめ顔だ。
 

  (P.031)


こうした状況を払拭するため、
「新モデルは“ハード回帰”だ」(P.032)
とサムスンが迷走していることが分かります。


最新のギャラクシーS6の出荷価格は9万円を
超えているそうです。ちなみに、S5は8万円
だったということです。


サムスンの3代目、イ・ジェヨン氏についても
触れておきましょう。
「エリート」ですが、ひ弱さも露呈しています。



 迷走するサムスンを今、事実上率いるのが、

 病に倒れたオーナー、イ会長の長男で、

 3代目に当たるイ・ジェヨン副会長だ。

 米ハーバード大学を出て英語と日本語を

 流暢に話す。厳しい信賞必罰の手法で

 会社をまとめたイ会長とは正反対で、

 「穏やか」「スマート」という社内評だ。

 しかし、イ会長のようなカリスマ性に乏しく、

 既にいくつもの事業を失敗、頓挫させて

 しまった経験も持つ。

 兄弟との激しい権力闘争を勝ち抜いて

 トップの座を射止めたイ会長とは違い、

 イ・ジェヨン副会長は2人の妹とも今のところ

 確執は報じられていない。

 英才教育を極め帝王学も受け継いでいる

 はずだが、会長の長男であることが後継者に

 選ばれた最大の理由だろう。
 

  (P.032)



韓国には財閥企業が多いことが知られています。


次の表に掲載されている5社は日本でもよく知られた
企業ばかりです。その中で、サムスンがダントツの
存在であることが理解できますね。


 


(『日経ビジネス』 2015.05.11 号 P.033)
日経ビジネスDigital 2015.05.11 号



上記トップ5大財閥の下に、中堅財閥が
ありますが、「ここ2年余りで、破綻や
経営危機が相次いでいる」(P.032)そうです。



 韓国ではここ2年余りで、中堅財閥の破綻や

 経営危機が相次いでいる。

 セメント大手の東洋グループ、食品、化学などの

 熊津グループ、造船、海運のSTXグループなどは

 経営危機が表面化し、昨年は30大財閥の内、

 中堅以下を中心に9社が最終赤字に沈んだ。
 

  (PP.032-033)


その原因について、『日経ビジネス』特集班は
次のように指摘しています。



 ウォン高や新興国経済の低迷、中国の追い上げ

 による輸出不振などが要因とされる。

 もちろん、そうした面はあるだろうが、

 根っこに横たわるのは、独裁型オーナー経営の

 限界だ。
 

  (P.033)


具体例を挙げています。
STXグループのトップの「末路」です。
独裁者となり、裸の王様になってしまったのです。
こうなってしまうと本人はもちろんですが、
そこで働く社員も悲惨です。



 STXは、双竜重工業のサラリーマン社長だった

 カン氏が、私財を元に同社を買収し、

 2001年にSTXとして再出発した。

 M&A(合併・買収)で手に入れた企業を上場させ、

 資金を回収して次のM&Aを行う手法で事業を拡大。

 10年余りで中堅財閥へと駆け上がった。

 
 いわばグループ内での仕事の「付け回し」により

 需要を膨らませ、成長し続ける、というビジネス

 モデルである。

 事業拡大のために負債が積み上がっても、

 このビジネスモデルで売り上げが伸びれば、

 銀行は融資に応じた。

 拡大一辺倒の経営が暗転したのが2008年秋の

 リーマンショック。海運の需要が急落し、

 大打撃を受けた。

 だが、カン氏の暴走は止まらなかった。


 カン氏の蹉跌は、吟味が不十分でもトップが即決

 するワンマン経営のもろさだった。

 「リーマン後の需要急減時期にビジネスモデルを

 検討し直した方がいいと諫言する役員もいたが、

 皆飛ばされた」。
 

  (P.033)


部下の諫言に耳を貸そうとはしなかったのです。
その結果、不正が発覚し逮捕に至ったのです。



 そして強気の言葉の後には必ず、こう言った。

 「景気は間もなく回復する」。そして、行き詰まった。

 2014年初め、会長を辞任。間もなく逮捕され、

 グループは崩壊した。
 

  (P.033)


自分が見えなくなってしまったのでしょう。
己を客観視できなくなった時が、終わりなのかも
しれません。




今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 財閥 
 カリスマ性 
 サムスンの次 
 脱独裁 
 したたかさ 




次回は、
「Column 『課題先進国』日本より
 重たい足かせ」
「PART 2 復活への胎動
 『新韓流』モデル」
をお伝えします。


ご期待下さい!






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






挫折の核心 イオン セブンも怯えるスーパーの終焉 2015.04.27・0504 <3>







日経ビジネスの特集記事(105)

挫折の核心
イオン
セブンも怯えるスーパーの終焉
2015.04.27・05.04



今週の特集記事のテーマは

「もう、『トップバリュ』というブランドなんて、やめてしまおうか」
3期連続で営業減益となったイオン。
昨年後半、岡田元也社長は幹部に対し、そんな弱音を
はいたという。
規模では国内最大級になった同社のPB(プライベートブランド)
には、「質より安さ」の印象が染み付き、ブランドイメージはここ
数年で急速に悪化した。
イオンの挫折。その核心は、限界に達した中央集権の拡大
路線にある。
規模の追求を宿命づけられた、総合スーパーという高度成長期
の遺産。
イトーヨーカ堂を傘下に抱えるセブン&アイ・ホールディングスも
錆びついた事業モデルを捨てられなければ、グループの成長を
妨げると怯える。「スーパーの終焉」──。
そのリスクを、巨大流通は乗り越えられるか。

 (『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 P.024)

ということです。






(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 PP.024-025)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




スーパー業界でいつも比較対象となるイオンとセブン。
今回はイオンに重点を置いた、『日経ビジネス』特集班
による勢力取材をご覧ください。


盤石に見えるセブンもアキレス腱を抱えています。


尚、今週号は2015.04.27号と05.04号の合併号となる
ため、来週はお休みとなります。
そのため、「日経ビジネスオンライン」から興味深い
記事をご紹介しようと考えています






第1回は、
「PART 1 “イオン化”の挫折、『解体』で出直し」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 2 セブンに迫る、規模の復讐」
を取り上げました。


最終回は、
「PART 3 生存の条件は『物量』より『知量』」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

 イオン化 
 トップバリュ 
 解体 
 規模の復讐 
 知量 




では、本題に入りましょう!


 PART 3 生存の条件は「物量」より「知量」 

最終回は、地場スーパーの勝ち組である、ライフコーポレーション
とイズミを中心にお伝えしていきます。


尚、前回に引き続き、『鈴木敏文 商売の創造』から、今特集に
関連のある箇所をご紹介します。


 ライフコーポレーション 

勝ち組のライフコーポレーションの岩崎高治社長は
厳しい表情を浮かべていたそうです。
どうしたことでしょうか?



 関西と関東を地盤にする都市型スーパー大手、

 ライフコーポレーションの岩崎高治社長は、

 好業績にもかかわらず険しい表情を浮かべる。

 2014年度の連結営業利益は前期と比べて4割増。

 それでも、「変われなければ、生き残れない」と

 危機感が募る。
 

  (P.040)



何が発端となったかは、『日経ビジネス』特集班の
次の解説で分かります。



 岩崎社長が危機感を抱いたのは今から約2年前。

 米国視察でスーパーの栄枯盛衰を目の当たりに

 した時だった。

 チェーンストア理論の教科書とされるウォルマート・

 ストアーズなど、価格志向でマスの消費者をターゲット

 にしたスーパーの売り場に活気がない。


 「ライフは、売り手の論理に陥っていないだろうか」

 実態を把握するため、岩崎社長は昨年春、

 店舗やインターネットで調査を実施し、

 1万件以上の顧客の声を集めた。

 その結果は、岩崎社長ら経営陣が予想だにしないもの

 だった。価格から売り場まで不満の声があふれ、

 「完全にダメ出しをされていた」(岩崎社長)。
 

  (PP.040-041)



「ダメ出しをされた」反省から、次の手を打つことを決断
しました。



 今年3月にスタートした中期経営計画では、

 顧客目線で行動する会社への原点回帰を

 柱に据えた。
 

  (P.041)




ライフコーポレーション社長 岩崎 高治 氏

ライフコーポレーション社長 岩崎 高治 氏

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 P.040)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号



危機感を抱いた岩崎社長の即断即決が、奏功することを
期待しています。





 イズミ 

イズミの山西泰明社長も、ライフコーポレーション同様に
危機感を募らせていたそうです。



 潮目の変化に危機感を募らすのは、イズミの山西泰明社長も

 同じだ。同社は、中四国や九州で総合スーパーの「ゆめタウン」

 を展開する。山西社長は、「これまで、いかに安く売るかだけを

 考えてきた。このままでは消費者から拒否される」と話す。

 「総合スーパー総崩れ」とも言われる中、イズミは堅調な業績を

 維持するまれな存在だ。2014年度の営業利益率は5%超もある。
 

  (P.041)



総合スーパー業界では、イズミは高業績を上げています。
それでも、危機感は募るばかりだそうです。


「これまで、いかに安く売るかだけを考えてきた」戦略の転換
を図ろうとしています。


一言で言えば、価格と価値の関係を見直そうとしているのです。
価値ある商品を提供できていたかどうか、を振り返った結果、
LB(ローカルブランド)で、差別化を図る戦略を採りました。



 山西社長は「『3%の差異化』が、これまで以上に

 重要になる」と話す。

 生鮮品や総菜を除くと、店頭で扱う商品の約90%をNBが、

 5~7%をPBが占める。山西社長が言う「3%の差異化」とは、

 残りの地元メーカーが作るLB(ローカルブランド)商品のこと。

 これでライバルを圧倒する。
 

  (P.041)



LBの意味は、「店舗の従業員が自らの判断で、顧客の声に
耳を傾けながら選んだ商品」(P.041)です。
ですから、山西社長が次のように述べるように「経営上の
意味は大きい」のです。



 「全体の商品に占める割合はわずかだが、

 消費者はそれがあるからイズミを地域の店

 と感じてくれる。経営上の意味は大きい」

 (山西社長)
 

  (P.041)




イズミ社長 山西 泰明 氏

イズミ社長 山西 泰明 氏

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 P.041)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




「人口減少によって限られたパイの争奪戦は過熱している」
(P.041)という指摘は、特定の地域、商圏だけに偏在する
現象ではありません。


規模の大小はあっても、全国と言っても過言ではないでしょう。


消費者の意識の変化が、背景にあることは間違いありません。



 昨年の消費増税で、消費者は価格と品質のバランスに

 これまで以上に厳しい視線を向けるようになった。

 地元スーパーでは創業オーナーの高齢化が進み、

 事業継承に頭を抱えるチェーンも少なくない。
 

  (PP.041-042)



大手商社も虎視眈々と機会をうかがい、手を打ってきて
います。 規模の拡大ではなく、「消費者の変化のスピード」
に対応するためです。



 大手商社も機会をうかがう。伊藤忠商事が出資する

 ユニーグループ・ホールディングスとファミリーマートの

 2社は、経営統合へと動いた。ライフやローソンの筆頭

 株主で、北海道のアークスなどにも出資をする三菱商事も、

 「持ち分法適用会社として収益を得られる出資先を増や

 していきたい」(西尾一範リテイル本部長)との考えを持つ。
 

  (P.042)


下の図をご覧ください。
スーパー業界の巨人、イオンとセブンに対抗するのか、
それとも提携という選択肢を模索するのか、
その結果、下克上は起きるのか、
いずれにせよ、スーパー業界の今後の動きから目が
離せません。


イオン、セブンに対し、下克上は起きるのか<br />・スーパーの再編軸になり得る主な企業

イオン、セブンに対し、下克上は起きるのか
・スーパーの再編軸になり得る主な企業

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 PP.042-043)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




では、今後、優勝劣敗を決めるのは何なのか、
ということになります。


『日経ビジネス』は、それは「知量」であると断言
しています。



 規模を追うことで乖離した現場と経営の距離を

 縮められるのは、ナレッジしかない。

 つまり、小売企業は「物量」ではなく、知恵の総量、

 いわば「知量」を追求する経営へと転換しなければ

 ならない。
 

  (P.043)



ナレッジという言葉で思い出すことは、野中郁次郎氏と
竹内弘高氏が20年近く前に英語で出版した、

『The Knowledge Creating Company(知識創造企業)』



の中に書かれていた一文です。


Adaptation precludes adaptability.

「(環境などに)適応しすぎてしまうと、適応能力を失ってしまう」


これはどういうことかと言いますと、ある環境に一旦適応
すると、その環境に依存し、周囲の変化に適応できなく
なってしまうということです。その結果、滅びることになり
ます。


話を戻します。
今、スーパー業界に求められることは、下記のとおりです。


 スーパーやコンビニに限らず日本企業の多くは、

 一億総中流の分厚い中間層の存在に依拠してきた。

 だが、もはやその前提は崩壊し、これからは一人

 ひとりのニーズにきめ細かく対応することが求められ

 ている。
 

  (P.043)



『日経ビジネス』特集班は最後にこう述べています。



 インターネットやスマートフォンが普及し、

 企業は容易に「個」の消費者とつながることができる。

 業態の垣根を越えた競争が激化する中で、

 各社は「マス」から「個」に最適化された経営へ転換する

 必要がある。さもなければ、「スーパーの終焉」は避け

 られない。
 

  (P.043)



私たち消費者にとっても、スーパー業界の再編や、
今後、私たちにどんな価値ある商品を提供し続けて
くれるのか、とても関心のあることです。


多様性(ダイバーシティー)にどう対応していくのか、
がカギを握ることは間違いないことです。





前回、鈴木敏文会長兼CEOの本から、今特集記事に
関連のある箇所を抜粋して、ご紹介しました。


最終回も、引き続き、重要と思われる箇所をご紹介します。


『鈴木敏文 商売の創造』
(緒方知行 編 講談社 2003年10月22日 第1刷発行)


10年以上前に出版された本ですが、現在のイオンの
状況を予見したことも書いてありますし、セブンの問題
もすでに指摘していたことを知りました。


この本を読んだのは10年近く前ですが、『日経ビジネス』
の特集を読み、『鈴木敏文 商売の創造』を再読して
見ました。


当時は、さっと目を通しただけだったことは、再読して
見て気づきました。内容をほとんど覚えていません
でしたし、まさかここまで流通業の未来を予見していた
とは想像できませんでした。


率直にお話しすると、「そんなものかな」というのが
実感だったのです。


引用箇所をお読みになり、『日経ビジネス』の特集と
照らし合せて、特集のテーマをお考えください。



 お客様に飽きられないように店の鮮度を維持する

 には、商品や品ぞろえや店を見る目を、

 いつも客観性の高いものに保っておく必要があります。

 自分の言っていること、やっていることを、

 必ずもう一人の自分が、第三者の目で見ていくという

 仕事の進め方をしていかなければならないでしょう。

 自分を客観視できなければ、どんどん自分の殻の中

 にこもって独りよがりになり、自分自身の成長の可能性

 を閉ざしてしまうことになります。

 その意味では、自己を客観視できることが、自己革新

 の力のみなもとといってもいいと思います。
 

  (『鈴木敏文 商売の創造』 PP.80-81 以下同様)




 現場で毎日やっていて、そのことにもっとも詳しいはずの

 担当者から、改善案や課題意識が出てこないのは、

 自分からもっと前向きに踏み込もうとしないからなのです。
 

  (P.95)




  先にも触れた「朝令暮改」という言葉は、あまりよくない

 意味で使われがちです。しかし、変化に対応していくため

 には、朝決めたことを夕方になって変えたからといって、

 なにも悪いことはないし、むしろ、それこそ正しい対応の

 仕方だと思います。
 

  (P.99)




 小売業では、いつも値下げロスや廃棄ロスのことが

 問題になりますが、それよりも、私は機会損失のほう

 がはるかに重要な問題だと考えています。


 世界の小売業でイトーヨーカ堂のように機会損失の

 データまでとっているところはないでしょう。

 それは、機会損失に対する関心が低いからです。

 私がいくら機会損失の問題を指摘しても、国内の

 小売業で、すぐにその重大性を理解できる人は

 非常に少ないのが現状です。 これは、いまだに

 過去の売り手市場時代の発想に支配されている

 からにほかなりません。


 お目当ての商品が品切れを起こしていれば、

 他のものはなにも買わずに帰ってしまいます。

 お客様のニーズに合わないものは代替品

 としても売れないから、当然、値下げロスや

 廃棄ロスが増えます。

 したがって、いまでは、値下げロスの多いところは、

 必ず機会損失が多く、機会の多いところは、

 値下げロスや廃棄ロスも多いという関係になって

 いるのです。


 

  (P.113-115)




 機会損失が多くなれば、当然、売り上げは伸びません。

 いくら廃棄ロスが小さくなっても、利益は上がりません。

 米飯のコーナーなどで、売れ残ることを恐れるあまり、

 発注を控えめにし、棚が空っぽになっているという状態

 をよく見受けます。売り上げ上位の商品の廃棄ロスが

 ゼロという状態では、売り上げが上がるはずがありません。
 

  (P.117)




 お客様が私たちの店で買物をしてくださる理由はなんなのか、

 あるいは買わない理由はなんなのか、一つひとつのことが

 すべて的確に分析され、それらの情報が集大成されなければ、

 仮説・検証は不可能なのです。
 

  (P.145)






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 イオン化 
 トップバリュ 
 解体 
 規模の復讐 
 知量 




変革せずに、未来永劫生き延びるものなど
何一つないことをもう一度、考えてみる必要が
あります。






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。






         
検索フォーム

プロフィール

藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

FC2カウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ランキング

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ
にほんブログ村

スポンサード・リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ビジネス
516位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
134位
アクセスランキングを見る>>

アクセスランキング

スポンサード・リンク

銀座カラー

カテゴリ

サイト内ランキング



FXってそもそも何?

スポンサード・リンク



外為ジャパン

アマゾン・サーチボックス

スポンサード・リンク

だいぽん
抜群の安定性と爆発力を誇るアフィリエイトの 秘訣を徹底解説しています。 だいぽんさんが今も月500万~1000万くらい稼いでいる ノウハウです。 あなたも安定的な収入の柱を作りませんか?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。