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賃上げ余力 格付け500社 2014.02.24<1>

日経ビジネスの特集記事(46)

賃上げ余力 格付け500社
あなたの会社はもっと払える 2014.02.24


春闘の時期を迎え、大企業の多くで賃上げが実施されるが、
中小企業ではどうなのか
が主要テーマです。


まず、私の経験をお話します。


25~30歳まで、私は日産系ディーラーで営業部員として勤務したことが
あります。今から30年近く前のことです。


担当地域は、住宅街と工業団地でした。
工業団地に絞ってお話します。


当時の工業団地には、日産系の下請け会社の工場が数多くありました。
1次下請けから社長以下10人未満の中小企業までありました。


親しくしていただいた、中小企業の社長や従業員の方からお聞きした
話で、今でも印象に残っている言葉があります。


「大手メーカーから部品単価の値下げ要請を受けている」


その企業では、新型車両向けの部品の試作を行い、お墨付きを得て、
部品の量産を行っていました。


部品単価を聞いた時、あまりの安さに、
「これではとても利益は出せないな」
と感じたものです。


その点を、率直に伝えると、
「数がまとまったり、追加生産があれば何とかなる」
と答えました。


さらに、こう付け加えました。
「条件が厳しくても、受けないと次に仕事を回してくれないのでね」


下請けを泣かして、上流のメーカーは自動車生産していたことを
知りました。


それから約30年後、現状はどうなっているでしょうか。
その点を頭の片隅において、ご覧ください。



トヨタ社員の高揚と戸惑い

春闘を迎えるトヨタ自動車の現状を見てみましょう。
世界生産台数が、初の1000万台超えをしたトヨタは思い切った賃上げ
を実施しそうですが、実情はどうでしょうか。


今期の営業利益は2兆4000億円と

リーマンショック前の過去最高益を

更新する見通し。内部留保に当たる

利益剰余金も日本一の規模だ。

それでもベアは業績不振の企業も

多く加盟する電機連合と同じ4000円

で、一時金はリーマンショック前を

下回る。

  (P.024)


トヨタは上記のような、業界の標準的な賃上げしかできないのです。


リーマンショックの後遺症があり、
「賃上げどころか、雇用を維持できるかどうか」
という、同様な危機に見舞われるおそれがあり、組合員が強く要求
できない状況にあるのです。



なるか賃上げドミノ

ベアについてお話しておきたいましょう。

ベアとはベースアップの略で、社員の

基本給を底上げすることを指す。賃金表を

書き換えて、賃金カーブ全体を引き上げる。

  (P.027)


ベアは、基本給ですから、残業手当や企業が負担する社会保険料さらに、
退職金の算定にも影響するものなので、企業は二の足を踏むのです。


では、一時金はどうでしょうか。
一時金というのは、ボーナスのことです。
一時金は業績に連動して決まる傾向がありますから、アベノミクスで
潤った一部の輸出企業は支払い余力はあるでしょう。


こうした現状であるため、労組も賃上げに慎重になっているそうです。
無理強いをして、企業業績が悪化した場合、リストラされたり、経営破綻
に見舞われるおそれがあるからです。



ハードルなき200社

日経ビジネスは、主要500社を次のように選びました。

「日経500種平均株価の採用企業から一部の金融を除き、
かつ十分なデータが取得できる457社とした」(P.031)


具体的な指標は下記の10項目です(P.031)。

①従業員1人当たり人件費の絶対水準

②人件費の5期前との比較

③労働分配率の水準

④労働分配率の5期前との比較

⑤今期経常利益の増減率

⑥来期経常利益の見込み

⑦売上高経常利益率

⑧経常利益の絶対水準

⑨自己資本比率

⑩営業キャッシュフローの有利子負債に対する倍率


格付けはAAA、AA、A、BBB、BBまでの5つ
までです。


今回は、AAAからAAまでの企業の一部をご紹介します。


それぞれのトップ10は次のとおりです。

AAA

 1 国際石油開発帝石

 2 KDDI

 3 NTT

 4 ソフトバンク

 5 SANKYO

 6 シスメックス

 7 カカクコム

 8 NTTドコモ

 9 日本たばこ産業

10 ブリジストン





AA

 1 富士フィルムHD

 2 丸一鋼管

 3 トヨタ自動車

 4 ホンダ

 5 クボタ

 6 ヤフー

 7 花王

 8 村田製作所

 9 SMC

10 セガミトミーHD



最後に、3人の経営者をご紹介します。
賃上げは当然と公言しています。


一休の森正文社長DMG森精機の森昌彦社長アイリスオーヤマの
大山健太郎社長
です。


一休の森正文社長

大企業の経営者には自身を持ってもらいたい。

収益の拡大をコミットし、賃上げを

決断すべきだ。これができない経営者は

去るべきじゃないか

  (P.034)


DMG森精機の森昌彦社長

子育て世代、また介護が必要な従業員に

大きく傾斜してはどうか。約3000人の

正社員のうち、1000人ほどが子育て中だ。

ここに3億円を投入すれば1世帯当たり30

万円。子供1人当たり2万~3万円支給し、

2人いれば5万円。これなら、暮らしを支える

という感じが出るのではないか。

  (P.035)


アイリスオーヤマの大山健太郎社長

世の中の消費を支えているのは、一部の

金持ちではない。むしろ、所得が低い層だろう。

年収1000万円の人の給料を上げるよりも、

年収200万円の人の給料を上げた方が、

確実に消費に回る。社員は消費者でもある。

その消費が盛り上がらなければ、社会に

とっても、アイリスにとってもマイナスだ。

  (P.035)


あなたの会社は、賃上げ余力のある会社ですか。


次回は、「戦略的賃上げの作法」他についてお伝えします。






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