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花王 奪還「失われた25年」  2014.10.13  <1>




日経ビジネスの特集記事(77)

花王
奪還「失われた25年」
2014.10.13



今週の特集記事のテーマは

米P&Gに勝つことを夢見た中興の祖、丸田芳郎氏
の社長退任から来年で25年。
海外事業で思うように伸ばせず、アジア攻勢でライバルの
ユニ・チャームに先を越されている。
国内では、カネボウ買収で2006年に24期連続増益は
途絶え、昨年は白斑問題が深刻化した。
そして今年2月、澤田道隆社長を残してすべての取締役が
退任する異例の決定を下す。
「技術」か「マーケティング」かという二項対立を超えた
「超・技術経営」。再攻の狼煙は上がった 
 (『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.026)

ということです。


花王<br />奪還「失われた25年」

花王 奪還「失われた25年」

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 表紙)





まず、今年2月に行われた異例とも言える決定を
振り返ってみることにしましょう。


PART1 「2月4日」の変
役員総辞職ににじむ覚悟


国内トイレタリーメーカーのトップに君臨する花王に、
何が起こったのでしょうか?


 2014年2月4日。沈黙を守ったまま、1人の

 経営者が表舞台から消えることを決定した。

 2004年から花王の社長を務め、2012年に

 その座を澤田道隆に譲って会長に退いていた

 尾崎元規、64歳(当時)。この日の取締役会で

 退任を決め、3月28日の株主総会で正式に

 退いている。

 やや異例なのは、尾崎と共に、社長の澤田を

 除く全ての社内取締役が一斉に退任したことだ。

 その数、尾崎を含めて6人。1人の例外も許さ

 ない尾崎体制の「総辞職」だった。
 

  (P.028)

何があったのでしょうか?
そして、その後、澤田さんはどんな方向へ舵を切る
決意を固めたのでしょうか?


その点に着目して、ご覧ください。


 新体制では、社内と社外の取締役を同数の

 3人とし、議長は社外取締役の元マッキンゼー・

 アンド・カンパニーのシニアパートナー、

 門永宗之助が務める体制とした。

 取締役会における社外取締役の発言力は、

 相対的に大きく強まった。
 

  (P.028) 



澤田道隆社長(右)と尾崎元規前会長(左)

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.029)



以前から、『日経ビジネス』は社外取締役について、
何度も取り上げています。


欧米では普通のことですが、しがらみのない社外
取締役が、取締役会で歯に衣着せぬ発言をし、
鋭い質問を浴びせます。


その一番大きな理由は、株主の存在です。
コーポレート・ガバナンス(企業統治)の問題が
あるからです。


企業統治とは、平たい言葉で言えば、
「会社は誰のものか?」
ということです。


企業のステークホルダー(利害関係者)には、
株主、顧客、取引先、従業員、社会などがあります。


ですが、欧米では、利害関係者は「株主」である、
という考え方が一般的です。


日本では、前述したすべてが利害関係者と考える
むきがまだ多いように思います。


ただ、日本企業の株主には、外国人投資家が多く、
発行済株式数に対する持株比率が、10%を超える
企業は珍しくありません。


「もの言わぬ」日本人投資家と違い、「もの言う」
外国人投資家は、配当金の増額や株式の値上がり
益に、常に関心があります。


昔は、株主総会での「総会屋対策」が大きなテーマ
でしたが、現在では外国人投資家の鋭い質問へ
の対策が重要なテーマになっています。


花王の外国人持株比率を調べてみました。
せいぜい30%くらいかと思っていましたが、
何と50%(50.7%)を超えていました!


花王の外国人持株比率
花王の外国人持株比率
花王 ヒストリカル株価情報のサイトから


私が説明したことに納得していただけました
でしょうか?


では、このような状況を踏まえた上で、
『日経ビジネス』の記事を読んでいくことにしましょう。


花王関係者にはカネボウの買収に対し、
快く思っていない人たちがいたということです。
そうした「空気」が尾崎前会長に退任の決断を
させたのではないか、と日経ビジネス取材班は
推測しています。


 花王OBには、そもそも社内風土がまるで

 異なるカネボウの買収を快く思わない者、

 約4000億円という買収金額を「高すぎる

 買い物だった」と考える者などが少なくない。

 尾崎は、そうした声に押し切られるように
 
 して退いたのではないか。尾崎を支えた当時

 の取締役の1人も、「(2月4日の取締役会に

 おける)ガバナンスを巡る議論の背景に、

 カネボウ問題があったのは間違いない」

 と話す。
 

  (P.029) 


花王が以前、フロッピーディスクを生産していたこと
をご存じでしょうか?


フロッピーディスクの時代から外付けハードディスクへ、
さらに外部サーバー(クラウドコンピューティングなど)
へと外部記憶装置は移行してきました。


 花王は86年、自社の化学品部門が持つ

 界面活性剤の技術を生かし、化粧品などに

 並ぶ新たな収益の柱を育てるべくフロッピー

 ディスクなど情報事業に参入した。技術力を

 武器にシェアを伸ばし、一時は世界三強の

 一角を占めた。新事業育成は成功したかに

 見えた。

 しかし、台湾勢などの参入で価格は急速に

 下落し、利益を確保するのが厳しくなっていく。
 

  (PP.029-030)

新規事業に船出する決断よりも、既存事業の
撤退を決断することの方が、ずっと難しいのです。


長年携わってきて愛着があり、その部門の従業員
の処遇をどうしたらよいか、ということに頭を悩ませ、
なかなか決断できず、ズルズル先延ばししてしまい、
大きな損失を被ることはよくあります。


 後藤は98年、情報事業からの撤退を決めた。

 経済成長の波に乗ってひたすら事業を拡大して

 いた「成長期の経営」から、経営資源をより効率

 よく配分して利益を稼ぐ「成熟期の経営」への

 転換だったと言えるだろう。


 役員が一斉に退任したのは、その2年後のこと

 だった。
 

  (P.030)


日経ビジネス取材班は、一歩踏み込んで、
次のように考えました。


 経営が大きな節目を迎える時、経営陣

 を一新し、ガバナンス体制を強化する。

 これと同じことが2014年2月に再び

 起こったとすれば、今、花王はまた大きな

 節目を迎えているのではないか。
 

  (P.030)


花王が深刻に受け止めているのは、
海外事業を展開する時期は決して他社に
遅れていたわけではないのにもかかわらず、
いまだに国内ほどにはうまくいっていない
ことです。


 花王は、国内市場に徹底して事業構造を

 最適化し、かつてP&Gなどの海外勢の

 日本進出に対抗した。だが一方で、

 国内を主とし海外は二の次という意識から

 抜けられなかった。
 

  (P.031)


下図をご覧ください。
「海外売上高比率の推移」を示しています。
青線はP&G、黄線はユニ・チャームそして緑線は
花王です。


2006年に、ユニ・チャームは花王を抜き去り、
その差を広げ、P&Gに接近しています。



海外進出で花王は完全に出遅れた

海外進出で花王は完全に出遅れた

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.031)




花王にとって厳しい現実を突き付けられている
グラフがあります(下図参照)。


縦軸に売上高、横軸に営業利益率という重要な
2つの指標に基づいて、どこに位置付けられて
いるかがひと目で分かるように出来ています。


当然のことですが、できるだけ上で、さらに
できるだけ右によっていることが2つの指標で
優っていることを示します。


P&Gは圧倒的なトップ企業です。
時価総額は24.8兆円、売上高は9.0兆円、
営業利益率は18.4%です。


2位はユニリーバで、それぞれ順に、13.0
兆円、6.8兆円、15.1%です。


3位の花王と4位のユニ・チャームは接近して
います。


花王は、2.2兆円、1.3兆円、9.4%です。
一方、ユニ・チャームは1.5兆円、0.6兆円、
11.2%です。


花王はユニ・チャームと比べ、時価総額では
約1.5倍、売上高では2倍以上ですが、
営業利益率では2%近く劣っています。


P&Gは花王と比較すると、時価総額で10倍
以上、売上高で4倍以上、営業利益率は約2倍
となっています。その差は限りなく大きい。
容易にその差を埋めることができないのは、
誰が考えても分かります。


収益力と時価総額で世界トップとの差は歴然

収益力と時価総額で世界トップとの差は歴然

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.033)



中興の祖と言われた丸田芳郎さんは、このように
願い続けたそうです。


 「国体(国内市場)で勝ち抜いて、オリンピック

 (グローバル市場)に挑戦しよう」。花王の

 黄金時代を築いた丸田芳郎元社長は、

 この言葉を好んで用いた。海外進出の進まない

 「内弁慶」企業。それを変えたいと願い続けた。
 

  (P.033)


しかし、それからおよそ25年経った現在でも
状況は変わっていません。


「少なくとも、新しい稼ぎ頭が生まれていないのは
確かだ」(P.033)という指摘が、的を射ていると
思います。


当の花王は、その事実を骨の髄まで感じている
はずです。


ですが、いつかは現状を打開し、P&Gやユニ
リーバに対抗できる日が来ることを願ってやみ
ません。



次回は、「PART2 内弁慶、海を渡る 動き出した
アジア総力戦」をお伝えします。






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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