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花王 奪還「失われた25年」  2014.10.13  <3>




日経ビジネスの特集記事(77)

花王
奪還「失われた25年」
2014.10.13



今週の特集記事のテーマは

米P&Gに勝つことを夢見た中興の祖、丸田芳郎氏
の社長退任から来年で25年。
海外事業で思うように伸ばせず、アジア攻勢でライバルの
ユニ・チャームに先を越されている。
国内では、カネボウ買収で2006年に24期連続増益は
途絶え、昨年は白斑問題が深刻化した。
そして今年2月、澤田道隆社長を残してすべての取締役が
退任する異例の決定を下す。
「技術」か「マーケティング」かという二項対立を超えた
「超・技術経営」。再攻の狼煙は上がった 
 (『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.026)

ということです。


花王<br />奪還「失われた25年」

花王 奪還「失われた25年」

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 表紙)




前回は、インドネシアや中国での花王の奮闘ぶりを
お伝えしました。


ただし、P&Gやユニリーバという強大な海外勢や、
国内では勝っているユニ・チャームにも海外では、
シェアで水を開けられています。


花王の再攻はその緒についたばかりです。


最終回は、強さのさらなる強化と、澤田道隆社長が、
「原点回帰」の方針を明確にした「超・技術経営」の
内容をお伝えしていきます。



PART3 盤石をもっと強く
成熟する国内市場を深掘り



まず、花王のヒット商品を時系列でご覧いただたい、
と思います。このうち、あなたはいくつご存じですか?
商品名は知っていても、 「花王の商品」 とは
知らなかったものもあると思います。


私は、すべての商品名は知っていましたが、そのうち
3分の2程度は 「花王の商品」 と分かりましたが、
残りは他社商品だと思っていました。


では、始めます。

70年 メリットシャンプー 
74年 8×4  
76年 カオーフェザー エッセンシャルシャンプー 
78年 ロリエ
80年 ビオレ
82年 ソフィーナ
83年 メリーズ
83年 バブ
87年 アタック
91年 リンスのいらないメリット
94年 クイックルワイパー
96年 ビオレ 毛穴すっきりパック
99年 健康エコナ クッキングオイル
03年 ヘルシア緑茶
03年 アジエンス
09年 アタック Neo
13年 ヘルシアコーヒー


概観していただきましたが、すごい数のヒット商品ですね!
全16品目です。


実際、 「花王の商品」 が他社商品を圧倒していることは、
データ上でもはっきり裏付けられています。 


 首都圏のスーパー、サミットが80年から毎年

 実施してきた新商品の人気ランキングによれば、

 家庭用品部門で花王は過去34年間で33回、

 5位以内に入賞した。その回数はライオンや

 P&Gの2倍以上の多さだ。

 サミットの田尻一社長は、「洗浄力などの花王

 製品の機能に対する消費者の信頼感は大きい」

 と評価する。

 販売シェアで見ても、カテゴリートップの商品は

 少なくない。洗濯洗剤では38%、シャンプーでも

 24%のシェアを抑えている(日経シェア調査)。
  

  (PP.040-041)


それでも、花王社内には危機感が漂っています。
それは、03年のヘルシア緑茶を最後に、
10年以上大ヒットは生まれていないからだ、
というのです。



「丸田(芳郎)さんの遺産で食べているという問題
意識は、花王社内にはずっとある」(P.041)と、
花王のある役員は打ち明けています。



『日経ビジネス』は花王の強さの源泉は4つある、
と指摘しています。


研究開発 総合力で需要の一歩先へ

販売 生産と一体の機動力生かす

コスト削減 知恵を絞る文化を浸透

リバースイノベーション 海外発の日本テコ入れ



研究開発 総合力で需要の一歩先へ


 今年8月、花王はシャンプーの主力ブランド

 「エッセンシャル」を久々にリニューアルした。

 実に、8年ぶりである。新商品で訴求したのは、

 髪を乾かす時間が従来製品よりも約4割も

 短縮できることだ。


 速乾性という新しい価値が実現したのは、

 技術だった。カギは髪の毛をコーティング

 してばらけさす成分。この成分は、化学

 事業が以前から持っていたもので、

 「髪の毛が縮みにくくなる」として、海外の

 シャンプーメーカーに販売していた。


 花王の強さの秘訣はここにある。化学や

 日用品、化粧品の各事業が持つ技術を

 横展開。どこの事業にも属さない基盤技術

 の開発にも余念がない。 
 

  (P.041-042) 


ここでも、 横断的組織 が生かされているのです。



販売 生産と一体の機動力生かす


 花王の強さの一つは、丸田社長時代に整備を

 進めた小売りとの直接取引であると言われる。


 花王は1970年代に卸を介さない自前の販社網

 を確立した。

 それが今も進化を続けている。
 

  (P.042) 


花王が「小売りとの直接取引」を始めたのは、
スーパーなどの目玉商品として、激安で販売
され、値崩れを起こしてしまうからです。


いったん、値崩れを起こした商品は、
ブランド価値を毀損し、適正利益を確保する
ことが困難になるからです。



コスト削減 知恵を絞る文化を浸透


 花王は86年から,TCR活動と呼ぶコスト削減
 
 プロジェクトを継続している。

 TCR活動は、長期化するデフレの下でも利益

 を絞り出す重要なツールとなった。


 一言でコスト削減と言っても、花王のTCR活動

 は通常のコスト削減活動とは様子が異なる。

 TCR活動の特徴は、「必ず知恵や工夫を入れる

 こと」(TCR推進室の井手一敏室長)だという。 
 

  (P.043) 


TCR活動を継続してきた成果が実を結び、
「細かいコスト削減を積み上げたことで、
2013年度はTCR活動が営業利益を
90億円押し上げた」(P.043)ということです。



リバースイノベーション 海外発の日本テコ入れ


 海外で生まれた様々なイノベーションを

 日本へ逆輸入する構想だ。


 エリアイノベーションの横展開は、日本

 だけでは出てこないイノベーションが

 生まれる可能性があるだけではない。

 ある地域で生まれた様々なイノベーション

 を様々な地域で使いこなすことで、

 開発投資の効率を高めることが可能になる。
 

  (P.043) 


国内だけでなく、様々な地域で 横断的組織 を生かし、
成果に結びつけていく試みがなされています。



下図をご覧ください。
長期デフレの下で、洗濯洗剤、柔軟剤、紙オムツの
価格下落を示しています。

長期のデフレに苦しんできた

長期のデフレに苦しんできた

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.042)



2004年度の値段を100とする折れ線グラフです。

洗濯洗剤   289円 ⇒ 244円  15%下落

柔軟剤     250円 ⇒ 234円   6%下落

紙オムツ   23.8円 ⇒ 20.6円  13%下落

(洗濯洗剤と柔軟剤は1パッケージ当たりの値段。
 紙オムツは1枚当りの値段。)





PART4 「技術の花王」再び
原点回帰は懐古か、挑戦か


澤田道隆社長は、「原点回帰」の経営方針を明確に
示しました。


「原点回帰」は懐古ではなく、挑戦でした。


 澤田社長は、社員に向けて「原点回帰」という

 言葉をよく口にする。「原点」という言葉から

 連想されるのは、花王の黄金時代――

 丸田時代の経営だろう。


 花王は、なぜまた「技術」という原点に立ち

 返ろうとしているのか。

 「むしろ今、さらにハイパーフォーマンスの

 『技術』が求められているからだ」と、

 吉田(勝彦)常務は説く。  
 

  (P.044) 


澤田社長にとって、「原点回帰」とは、「技術の花王」
に戻るだけではありませんでした。


「技術」と「感性」の一体化あるいは、融合でした。


 アジエンスは「感性のマーケティング」に

 チャレンジし、後発(資生堂のTSUBAKI 註:藤巻)

 に猛追された。だが花王はその「感性」すらも

 「技術」で取り込もうと試みている。


 カネボウが培ってきた「感性」を、花王の「技術」

 で分析しようという試みが始まっている。

 感性という定性的なものに対しても、心理学や

 生理学、脳科学などでアプローチしようという

 発想は、いかにも花王的だ。

 「技術」が「感性」を高め、また逆に感性の要素が

 入ることで技術が磨かれる。


 つまり、花王の「原点回帰」とは、化学技術が

 ヒット商品を生み出していた時代への回帰を意味

 するのではない。丸田経営を「技術経営」と呼ぶなら、

 今の花王が取り組むのは「超・技術経営」。

 感性のマーケティングから開発技術まで、あらゆる

 ものを「技術」で捉えようという姿勢だ。

 この経営が、「技術」の本丸である「基礎研究」をも

 強くする。
 

  (P.045) 



長期のデフレに苦しんできた

花王 元社長・会長 丸田芳郎 氏

(『日経ビジネス』 2014.10.13 号 P.045)




失われた25年を取り戻すべく、「技術」と「感性」
の一体化した、「超・技術経営」への挑戦は、
まだ始まったばかりです。



本特集を読んで、P&Gやユニリーバなどの
世界の巨人に対抗できる「グローバル企業」に、
国内のライバル、ユニ・チャームとともに、
成長してほしい、という思いを強くしました。






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以前、ジュゲムブログで、
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「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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