スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

三菱重工 遅すぎた改革、最後の挑戦  2014.10.20 <3>




日経ビジネスの特集記事(78)

三菱重工
遅すぎた改革、最後の挑戦
2014.10.20



今週の特集記事のテーマは

国内市場に依存し、改革が遅れ、停滞を続けた
三菱重工。
世界市場で取り残されまいと、硬直的な組織を
変え始めた。
欧米勢との実力差に愕然とし、遅まきながら
国際化を急ぐ。
だが、頼みのモノ作りは世界の壁に突き当たり、
トラブルが目立つ。
経営陣の危機感が現場に浸透しているとは
言い難い
 (『日経ビジネス』 2014.10.20 号 P.025)

ということです。


三菱重工遅すぎた改革、最後の挑戦

三菱重工
遅すぎた改革、最後の挑戦

(『日経ビジネス』 2014.10.20 号 表紙)




前回は、GEやシーメンスなどの海外の巨人たちとの
戦いにおいて、大きく水を開けられている実情を
お伝えしました。


最終回は、社長の宮永さんの危機感が従業員の心に
届いているか、その1点に注目してお伝えしていきます。


尚、PART4は変則的に、編集長インタビューで構成され
ています。詳細は、日経ビジネスのインタビューをご覧
ください。



PART3 宮永社長 初めての「経営」

宮永さんは、キーマンとなる人物を抜擢し、
日立製作所と事業統合した会社のトップに据えました。


私は、その人物は宮永さんの後継者の一人と目されて
いると感じました。そのキーマンとは?


 今年5月、三菱日立パワーシステムズ(MHPS)

 社長の西澤隆人は、緊張した面持ちで三菱重

 工業社長の宮永俊一と対峙していた。

 台湾新幹線なども手掛け、国際感覚あふれる

 西澤は、世界の巨人に負けない会社を目指す

 という改革の先兵的な役割を期待して、宮永が

 抜擢した人物だ。


 率いるのは2014年2月に設立した、三菱重工

 と日立製作所の火力発電事業の統合会社。

 三菱重工が65%を出資して主導権を握り、

 世界で拡大する発電設備の獲得を目指す

 グローバル戦略の要である。


 その日、西澤には腹案があった。三菱重工と

 日立という文化が大きく異なる2社を早急に

 融合するため、両社の生産現場の部長級を

 そっくり入れ替えるという荒業の決行だ。


 西澤は「半年は混乱が続くだろう」と宮永に

 心中を打ち明けた。宮永は一言、「正しいと

 思うならやってください」と告げ、背中を押した。
 

  (P.036)


ここで重要な事は、権限移譲したのであれば、
すべてを任せることです。一任するということは、
簡単のようで、そう簡単なことではありません。


つい口出ししたくなるのが人情です。
日本人のそうしたウェットな部分に目をつむり、
欧米の巨人たちに対峙するためには、ドライな
対応が不可欠だ、と宮永さんと西澤さんは確認
し合ったのだ、と思います。


西澤さんの決断は、手本にしたケースがありました。


 旧NKK(日本鋼管)と旧川崎製鉄の統合

 で生まれたJFE。

 当時社長(現相談役)だった数土文夫が

 お互いの製鉄所の部長クラスを総入れ替え

 する「交換人事」を断行。

 統合効果を早期に引き出し、業績回復と

 グローバル化を果たした。「数土さんのやり方

 はすごい」と感じ入った西澤は、教えを請いに

 JFEの門を叩いた。
 

  (P.037) 


すぐに行動に移した西澤さんもすごいと思います。
フットワークの軽い経営者は、そう多くはいない
でしょう。自分の代わりに誰か他の人物に任せる
ケースが多いと思います。


さらに、「交換人事」という「荒業」を早急に断行した
点もすごいと思います。


判断・決断・断行という「3断跳び」と、私は言って
いますが、判断・決断という二段階の思考過程を経て、
断行という行動が素早くできるかどうかが、極めて重要
です。


 交換人事は今年10月1日に実施した。

 三菱重工の拠点だった長崎工場と、日立側の

 主力工場だった呉工場の間で、設計部長と

 製造部長を入れ替えた。現場を統括する管理者

 も交換した。
 

  (P.037)


交換人事の対象となった人たちや、現場で働く人たち
は混乱すると同時に、反対は相当なものだった、
と推測されます。


西澤さんは、そんなことは百も承知で、文化が大きく
異なる2社を融合するためには、強烈な刺激を短時間
に与える必要がある、と判断したのでしょう。


ただ、西澤さんは辞令を出し、突き放すだけといった
ことはしませんでした。ケアをきちんとしました。


 西澤は異動の2週間前となる9月中旬、

 MHPS本社の入る三菱重工横浜ビルに、

 辞令が下りた部長8人、統括十数人を

 集め、こう語りかけた。

 「今度の人事で君たちは現場で絶対に困る

 だろう。ノイローゼになるかもしれない。

 だからちゃんと(私が)現場を見に行く。

 1人で悩まず執務室に来てほしい。心配事は

 いつでも相談してほしい」。アウェーとも言える

 現場に送り出す社員たちにそう訴えかけ、

 冷静さを取り戻させたのだ。
 

  (P.037) 


ここまで気を使ってくれたトップに、異動の決まった
人たちが、早急に、目に見える成果で応えようと
いう気持ちにさせた、と思います。


さらに、西澤さんは新たな策を講じました。
米国現地法人の社長や駐在員の入れ替えも行った
のです。


背景には、米国人の不満がありました。


 西澤は米国各地の拠点を訪れて「ここにいる

 日本人は役に立っているか?」と質問した。

 しかし、米国人の誰からも「イエス」の回答は

 なかった。そこで駐在員70人のうち、

 生産管理など必要な人員を20人だけ選ぶと、

 残り50人は「日本に帰れ」と命じた。

 駐在員は突然の辞令に面食らった。


 社内に不穏な空気が広がったが西澤は決断を

 翻さなかった。

 厳しい態度の背景には、現場を担う米国人の

 募る不満があった。日本人ばかりが実権を握り、

 米国人の現場採用者は冷遇されていたのだ。
 

  (P.037)


引き続き行われた改革は、現地法人の社長を
米国人に就けたことです。


しかも、現地法人の経営で実績のある日立方式
を採用したのです。


 マイナー出資者である日立方式の導入に

 踏み切る。日立は海外法人を、トップを含め

 て現地の人材に任せて、権限も移譲し、

 経営や営業の現地化を進めてきた先駆者で

 ある。


 西澤は駐在員の帰国に先立ち、今年4月、

 米国のトップを米国人のデビッド・ウォルッシュ

 に委ねる人事を決めていた。
 

  (P.038)


矢継ぎ早の施策に、社員の戸惑いは並大抵の
ことではなかったはずです。


ですが、そのような荒療治を断行しない限り、
硬直した三菱重工の組織を変革する最善策
はなかったのだ、と思います。


そうしなければ、生き残っていけない、と三菱重工
の経営層はひしひしと感じていたからでしょう。


宮永さんの話に戻します。
宮永さんが西澤さんというキーマンを抜擢したのは、
三菱重工を改革するためには自分の右腕となって、
共に行動してくれる人物が必要だったからです。


その覚悟ができている人物が、西澤さんだったの
でしょう。


社内のゴタゴタに時間を割いている場合ではない
のです。全社一丸となって、欧米の巨人と戦っていか
なければならない状況に、既になっているからです。


 GEやシーメンスという世界メジャーを相手に、

 初めて真剣勝負を挑まなければならなくなった

 経営者としての「恐怖心」がある。

 実際、宮永は「自分よりすごい経営者がいて、

 負けている。引き離されている。そんな恐怖心

 がある」と明かしている。
 

  (P.038)


宮永さんは「恐怖心」と戦いながら、今頃、武者震い
しているかもしれません。
「何としてでもやってやるぞ!」と。


下図をご覧ください。
三菱重工を取り巻く業界の相関図です。
三菱重工は日立製作所と火力発電事業で提携
しましたが、東芝は火力発電整備でGEと合弁
会社(ジョイント・ベンチャー)を設立しています。


さらに、三菱重工は仏アレバと原子炉を共同
開発しています。シーメンスと製鉄機械事業を
統合しています。


M&Aを進めながら巨人GEに挑む

M&Aを進めながら巨人GEに挑む

(『日経ビジネス』 2014.10.20 号 P.039)




宮永さんを中心に、三菱重工を早急に変革しようと
していますが、厚い壁に阻まれているというのが、
現実でしょう。


 三菱重工を変えるのは、決して簡単なこと

 ではない。最大のハードルは、経営者の

 危機感がなかなか現場に伝わらないことに

 ある。
 

  (PP.038-039)


その大きな理由の一つに「現場の神様」
存在があります。


 「三菱重工にはどの現場にも“神様”がいる」。

 そう話すのは、今春に三菱重工を退社した

 元社員だ。神様とは名人芸を持つベテラン

 社員、すなわち匠のこと。神様の発言に現場

 社員は逆らえない。現場によっては、経営トップ

 の指令より重要視されることも度々だという。

 高いレベルの技術を持つ匠はまだいい。

 問題なのは、実力がなくともある年次に達すると

 自動的にポストが用意され、匠に祭り上げられて

 いる人も少なくないことだ。

 若手社員らは、こうした大量の匠の存在が経営陣

 との距離感を広げ、自分たちの創意工夫を生かす

 舞台を奪っていると不満を募らせる。 
 

  (P.039)


長年、快適な「ぬるま湯」に浸かってきたため、
変化を嫌う体質が出来上がっています。


典型的な「茹でガエル」です。徐々に温度が
上がってきていることに気づかず、最後は
茹で上がってしまう事態になりかねません。


宮永さんたちの奮闘努力は実を結ぶのでしょうか?


 三菱重工が置かれている現実を社員に突き付けて

 覚醒させる。宮永は、自身が感じた恐怖心を、

 社員たちに浸透させられるのか。問われているのは、

 経営のリーダーシップそのものである。
 

  (P.039)




PART4 三菱重工 宮永俊一社長 インタビュー
常に負ける恐怖心 神に祈るような気持ち


このインタビューは、
日経ビジネスのインタビュー(142)
常に負ける恐怖心 神に祈るような気持ち

に掲載しましたので、ご覧ください。


宮永さんの「覚悟」が、ひしひしと伝わってきます。




PART5 “化石”にならないために

三菱重工の実情と今後の展望について見てきました。
このパートでは、日本の産業界で“化石”となった
三菱重工のどこが問題なのか、そして、日本では
三菱重工のようなケースは決して、例外ではないこと
を知るべきだ、というのが『日経ビジネス』取材班の
見解です。


マッキンゼー・アンド・カンパニーの元コンサルタント
だった一橋大学教授、名和高司さんはこう語っています。


 「改革で少し成果が出ると安心してしまい、

 形状記憶合金のように元に戻る企業が

 少なくない」。『失われた20年の勝ち組企業

 100社の成功法則』の著者で、マッキン

 ゼーの元コンサルタントとして数多くの

 メーカーの改革に携わった一橋大学教授、

 名和高司はこう警鐘を鳴らす。
 

  (P.044)


結局、改革を最後までやり抜く覚悟ができて
いるかどうかが、問われているということです。


 問われているのは改革をやり抜く覚悟だ。

 三菱重工がこれから改革を成功させる

 には条件がある。どのような企業を目指す

 のか。明確なビジョンを掲げることだ。

 そうすれば、どの事業が不要で、もしくは

 重要なのか、鮮明に見えてくるはずだ。
 

  (P.044)


ところが、現状の三菱重工を見ると、不採算部門
や将来性の乏しい事業からの撤退が不十分だ、
と『日経ビジネス』取材班は指摘しています。


 問題なのは、不採算だったり、将来性が

 期待できなかったりする事業からの撤退

 がほとんど進んでいないことだ。


 「50以上のビジネスユニットや700の製品

 はもっと絞り込みたい」と宮永は話すが、

 具体的な候補は、はっきり示されていない。
 

  (P.044)


三菱重工のようなケースは、日本の産業界では
例外ではありません。ただ、三菱重工はあまりに
変化してこなかったことに大きな問題があったの
です。


 三菱重工は、日本の産業界の中で、

 今や“化石”のような存在といっていい。

 その改革を「遅すぎる」と嗤(わら)う人も

 いるかもしれない。だが、変われないという

 意味では、「同じような悩みを抱えている
 
 日本企業はそこら中にある」(一橋大学

 教授の名和高司)。
 

  (P.045)


あなたの会社は大丈夫ですか?


「脱皮できない蛇は死ぬ」という言葉もあります。
変化できない組織、企業そして人間も、
「待っているのは衰退への道」(P.045)を
突き進むことになります。






記事を読んで、面白かったら
ポチッとしてください。





関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
検索フォーム

プロフィール

藤巻隆

Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

FC2カウンター

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ランキング

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ
にほんブログ村

スポンサード・リンク

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ビジネス
516位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
134位
アクセスランキングを見る>>

アクセスランキング

スポンサード・リンク

銀座カラー

カテゴリ

サイト内ランキング



FXってそもそも何?

スポンサード・リンク



外為ジャパン

アマゾン・サーチボックス

スポンサード・リンク

だいぽん
抜群の安定性と爆発力を誇るアフィリエイトの 秘訣を徹底解説しています。 だいぽんさんが今も月500万~1000万くらい稼いでいる ノウハウです。 あなたも安定的な収入の柱を作りませんか?

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。