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Jスタンダード ルールは「守る」より「作る」 2015.01.26 <2>



日経ビジネスの特集記事(92)

Jスタンダード
ルールは「守る」より「作る」
2015.01.26



今週の特集記事のテーマは

グローバル経済はルールの下に成り立っている。
クレジットカードが世界中で使えるのも、共通規格が
あるからだ。
これまでの日本はルールの順守にこだわり、
自ら作ることに関心が薄かった。
技術力が高ければ売れるという過信があったから
だろう。
だが、企業の競争力はルールが左右する。
ビジネスの展開はもちろん、社会課題の解決を促す
ため、今こそ「ジャパンスタンダード」を世界標準に
押し広げる時だ
 (『日経ビジネス』 2015.01.26 号 PP.024-025)

ということです。




Jスタンダード<br />ルールは「守る」より「作る」

Jスタンダード
ルールは「守る」より「作る」

(『日経ビジネス』 2015.01.26 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.01.26 号 PP.024-025)




第1回は、
「PART 1 成功のカギはルールメーキング」
「PART 2 ルールを制する3つのセオリー」
のうちの、「Theory 1 仲間を増やせ」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 2 ルールを制する3つのセオリー」
のうちの、「Theory 2 早い者勝ち」、
「Theory 3 土俵を変える」
「PART 3 規格作りはゴールにあらず」
を取り上げます。


「日経ビジネスの特集記事」は通常、3回に
分けてご紹介していますが、先週号に引き続き、
2回でお伝えしていきます。


キーワードは、3つあります。
ルールを作る
ルールを変える
仲間を増やす
です。



スタートページのカリカチャー(風刺画)が、
とても印象的です。


ドイツのメルケル首相、米国のオバマ大統領、
中国の習近平国家主席、そして汗だくの
安倍首相。


それぞれの立場が、表情にとてもよく描かれて
います。



では、本題に入りましょう!
前回に引き続き、「PART 2 ルールを制する
3つのセオリー」のうちの、 「Theory 2 早い者
勝ち」からスタートします。



PART 2 ルールを制する3つのセオリー


国際ルールを制するポイントは何なのか、
というのが、PART 2 の主題です。


「日経ビジネス」取材班は、3つのセオリーを
提示しました。

1. 仲間を増やせ
2. 早い者勝ち
3. 土俵を変える


3つのセオリーのうち、仲間を増やせ
前回お伝えしました。

最終回は、残りの2つ 早い者勝ち
土俵を変えるをお伝えします。



Theory 2
早い者勝ち

サイバーダインのケース

まず、高齢者の介護などを補助するロボット「HAL」
を開発したサイバーダインの山海嘉之CEO (最高
経営責任者)の発言にご注目ください。


 「国際ルールを制する一番のポイントは

 革新的な技術であること。前例がないと、

 ISOなどの担当者はどのような技術かを

 詳しく知るために必ず開発企業やその

 分野の先進事例を知りたがる。当社は

 その機会を利用してここぞとばかり自社の

 技術をアピールし、規格作りのメンバーに

 なれた」
 

  (P.034)


用意周到な対応が奏功した好例です。
サイバーダインは国際規格を取得しました。


 高齢者の介護などを補助する生活支援
 
 ロボットの分野で、安全性を検証する基準

 や方法を盛り込んだ規格「ISO13482」を

 ISOが2月(2014年)に発行。

 サイバーダインの「HAL作業支援用」と

 「HAL介護支援用」が11月、装着型ロボット

 として世界で初めて同規格を取得した。
 

  (P.034)


上記のようにサイバーダインの「HAL」がISO
に認められた理由は、「技術的な優位性」(P.034)
によるものです。


サイバーダインの技術力の高さと、戦略の巧みさは、
次の一節を読むとよく分かります。


 HALはなぜ、ISO取得に成功したのか。

 そのカギは、サイバーダインが生活支援

 ロボットの分野のパイオニアだったことが

 大きい。

 技術的にも進んでいたことで、同社は当初、

 ISO13482の発行を目指す国際会議の

 委員会にオブザーバーとして参加していた。


 サイバーダインが、ISO13482より複雑で

 取得へのハードルが高いISO13485(医療

 機器の品質管理の国際規格)を2012年に

 取得していたことも、委員の信頼を得る要素

 となった。
 

  (P.034)


ちなみに、ご存じだと思いますが、
「HALとは、Windows NTおよびWindows 2000などの
OSに搭載されたプログラムのうち、アプリケーション
が動作するためのハードウェアプラットフォームの
差異を吸収する機能をもつプログラムのことである」
IT用語辞典 BINARY から)
ということですが、「HAL は IBM の個々のアルファ
ベットを1つずつ前に移したもの」という認識のほうが
多い気がします。

H ← I  A ← B  L ← M 

私も当初、その認識しかありませんでした。



国際規格を取得したサイバーダインの<br />生活支援ロボット(右)と同規格の認証書(左)

国際規格を取得したサイバーダインの
生活支援ロボット(右)と同規格の認証書(左)

(『日経ビジネス』 2015.01.26 号 P.034)





Theory 3
土俵を変える

日本の鉄鋼業界のケース

日本の鉄鋼業界は、「製鉄所の省エネ技術や
エネルギー管理方法」が海外より優れています。


ですが、残念ながら世界標準として機能して
いません。技術力だけでは世界を制することは
困難なのです。


当初は、「ドイツやイタリアなど欧州の主要国」が
反対しましたが、米国の支持を取り付けたことで、
最終的には日本が策定したISO14404を発行
することができたそうです。


少し専門的な話になりますが、ISO14404とは
どのような規格なのか、「日経ビジネス」の解説
を見てみましょう。


 ISO14404は、1トンの鉄鋼製品を製造

 するのにどの程度のエネルギーが消費され、

 CO2が排出されるかの計算方法を定めた

 世界初の規格だ。

 日本の手法をベースに製鉄所全体を計算

 対象とする。ISOの規格として初めて間接

 排出の概念を具体的に数値化した。
 

  (P.036)



日本の鉄鋼業の省エネ技術は優れている

日本の鉄鋼業の省エネ技術は優れている

(『日経ビジネス』 2015.01.26 号 P.036)





金メダルだってルール次第

日本にとって不利になるルール変更が行なわ
れたケースは、国際的なビジネスだけでなく、
スポーツ界でもよく見られます。


記憶に新しいことは、「キング・オブ・スキー」、
と呼ばれる、スキーの複合競技がそうでした。


当時、荻原健司選手が圧倒的に強かったため、
ジャンプと距離で配点が変更されました。
ジャンプの配点を下げたのです。
日本選手はジャンプで点数を稼いで、距離で
逃げ切っていました。
それができなくなったのです。
以後、日本選手は国際舞台で勝てなくなりました。


スキージャンプの高梨沙羅選手は、今シーズンも
ワールドカップで優勝を重ねています。そのうち、
ルール変更が行なわれると、優勝が難しくなる
恐れがあります。


欧米人にとって、小が大に勝つことは気に入らない
のでしょう。


 ルール形成が結果を左右するのは、

 ビジネスの世界だけではない。

 スポーツ界でも、日本人選手に不利と

 されるルール改正が繰り返された歴史

 がある。

 「身長プラス80cm」の板の使用が認め

 られていた1998年の長野五輪後には、

 「身長✕146%」へとルールが変更。

 身長の低い選手は以前より短い板しか

 使えないようになり、日本選手団は表彰

 台から遠のいた。


 日本発祥のスポーツである柔道も同様だ。

 一本を狙う美しい柔道を標榜する日本に

 対し、欧州を中心とした世界の主流は

 効率よくポイントを稼ぐ競技性の高い柔道。

 国際ルールはこれまで、後者の方向性で

 改定が進んできた。


 なぜスポーツで欧米主導のルール改正が

 まかり通るのか。一つはISOなどと同様に、

 主要ポストにおける欧米人比率が高い点

 が挙げられる。さらに、ルールに対する

 考え方も異なる。ルールは可変的で、

 新しいものを積極的に取り入れていくべき

 だと考える欧米に対し、日本は基本的に

 変化を嫌う。ルール作りに関わるのはひきょう

 で、改正後に対応すればよいという風潮すら

 ある。


 柔道の国際ルールは、最近の改定で一本を

 狙う日本方式に戻ってきた。

 だが、それを主導してきた上村春樹氏が

 2013年に起きた全柔連の不祥事の責任を

 取り、要職を辞任。「今年の改定で、相手の

 足を取りに行く技が全面禁止になるなど、

 日本人選手にとって不利な形に変わりつつ

 ある」(全柔連関係者)。現在、国際柔道連盟

 に日本人理事は一人もいない。
 

  (P.037)




PART 3 規格作りはゴールにあらず

規格の作り方について、欧米と日本とで大きな
違いがあると、「日経ビジネス」は指摘しています。


その違いとは?


 欧米のグローバル企業が自らの影響力の

 大きさを背景に実質的なルール作りを主導。

 政府だけでなく国際的なNGOもプレーヤー

 として存在感を増しているのだ。

 これに対し、日本では「国際ルール作りは

 政府の役割」との空気が依然支配的だ。

 そのため大半の企業や業界団体は、ルール

 形成に積極的に関わろうとしていないのが

 実情だ。
 

  (P.038)


私は、欧米諸国はどちらかと言うと、官よりも
民の方が上位と考えられているのに対し、
日本では逆に民よりも官の方が上位と考え
られている、という違いが国際ルール作りにも
影響を与えている、と考えています。


日本は、官民一体で、かつ民主導でルール
作成や変更、追加に関わってほしい、
と切望しています。



 ルール形成は、経験や人脈がものをいう世界。

 完全な「自前主義」にこだわらず、ルール作り

 という分野に関心を持つ人材の厚みを、

 官民を挙げて増やしていくことが必要だ。

 欧米ではこの領域は官僚やNGO職員、

 議員経験者、シンクタンクのスタッフなどが

 担い、グローバルな人材市場が形成させて

 流動性も高い。
 

  (P.039)



「日経ビジネス」は、日本はあらゆる分野でルール作り
に関わるのではなく、分野を絞り込んで注力すべきだ、
と述べています。


「日経ビジネス」は、注力すべき6分野の提言を
しています。




日本がルール形成に注力すべき6分野


本誌提言「日本がルール形成に注力すべき6分野」

本誌提言「日本がルール形成に注力すべき6分野」

(『日経ビジネス』 2015.01.26 号 P.040)



上図が見にくいかもしれませんので、書き直します。

① 介護システム

② 水

③ 鉄道

④ 安全

⑤ ロボット

⑥ 省エネルギー



上図の6分野は日本の強みをさらに強化できる
可能性が高いものです。


例えば、高齢化はデメリットばかりではありません。
日本は現在、高齢化対策として介護サービスを
行なっていますが、このノウハウを蓄積し、
磨き上げていけば、システムを輸出することが
可能になります。ビジネスを拡大させることが
できます。


ただし、問題点を一つひとつ潰していくことが
必要不可欠になります。


「日経ビジネス」は、その際の課題を指摘しています。


 欧米が得意な「社会課題の解決」という視点で、

 ルール作りをリードする意識を日本が高めること

 も必要だ。

 有限な資源を守りながら持続可能な成長を目指す。
  

  (P.040)



「日経ビジネス」が、6分野の提言をする理由は
下記のとおりです。


 海外では新興国を中心に経済成長が続くが、

 温暖化ガスの排出削減など環境問題には、

 世界中で取り組む必要がある。

 日本が強みを持つクリーンエネルギーの技術

 で国際ルールを作り世界に普及させれば、

 環境対策とビジネス拡大という二兎を追うこと

 ができる。

 海外先進国では、日本が抱える超高齢化や

 労働人口の減少などの問題に今後直面する

 ことも予想される。これは、課題解決に向けて

 日本が作り上げてきた介護システムやロボット

 などの技術を、海外に普及させる好機にもなる。

 水資源が相対的に豊富な日本の強みを生かした、

 ルール作りを主導できれば絶大な効果がある。


 国際ルール形成の場で主導権を発揮することが

 日本の成長のカギになる。

 ルールを制する者がビジネスを制す。
 

  (P.041)  


つまり、日本の強みや経験を、新興国にも先進国
にも生かすことができるということです。
日本が世界に貢献できる余地は大いにあります。


日本に対する世界の風あたりは強いですが、
日本はもっと自信を持ち、自国の強みをアピール
することは必要不可欠だ、と考えています。






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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