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どん底から世界一へ LEGO グーグルも憧れる革新力 2015.02.16 <2>



日経ビジネスの特集記事(95)

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力
2015.02.16



今週の特集記事のテーマは

3歳の幼児から米グーグルの創業者、米航空宇宙局(NASA)まで――。
年間7500万人超のファンを熱狂させている玩具メーカー、
レゴの勢いが止まらない。
9期連続の増収増益を更新中で、今や玩具世界最大手の地位も
手に入れた。
このデンマーク企業が作るプラスチックのブロックが、
なぜここまで支持されるのか。
そこには、レゴがこの10年で構築した、イノベーションを継続的に
生む仕組みがある。
復活を遂げたレゴの教訓は、日本企業の革新力を呼び覚ます
処方箋になる
 (『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)

ということです。




どん底から世界一へ<br />LEGO<br />グーグルも憧れる革新力

どん底から世界一へ
LEGO
グーグルも憧れる革新力

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 PP.024-025)



レゴブロックで INNOVATION(革新) という文字が
デザインされています。


LEGOに簡単に触れておきましょう。


 プラスチック製のブロック玩具メーカー。

 デンマークの都市ビルンで1932年に創業。

 非上場で創業家が株式の75%を保有。

 25%は教育事業などを展開するレゴ財団が

 持つ。2013年12月期の売上高は253億
 
 デンマーク・クローネ(約4310億円)。

 営業利益が83億デンマーク・クローネ

 (約1410億円)。「LEGO」は「よく遊べ」を

 意味するデンマーク語「Leg Godt」から取った。
 


 (『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.025)


LEGO社は非上場ですが、超優良企業ですね。
売上高営業利益率は実に、32.8%です。
ROE(自己資本利益率)は、驚異的な58.4%
です。


第1回は、
「グーグルも羨む創造力と成長力」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 ヒット連発、組織に秘策」
を取り上げます。

第3回は、
「PART 2 制約が革新を生む」
「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO
(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」
「PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓」
をお伝えします。





LEGOのキーワードは4つです。
揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)



『日経ビジネス』の今週の特集記事は、ロンドン支局
の2人の記者の手によるものです。
1人は日本人男性で、もう1人は英国人(?)女性です。


今までほとんど、LEGO社の内部が紹介されたことは
ありません。それだけにとても興味深く読みました。


尚、記事だけでなく、「日経ビジネスオンライン」上に、
工場内部に入ることを許可された記者の報告が掲載
されていますので、最後にリンクを張っておきます。
こちらを見るだけでも、興味をそそられますよ。



では、本題に入りましょう!


 PART 1 ヒット連発、組織に秘策 

LEGOの真の強さはどこにあるのかを探るのが、
このパートのテーマです。


一言で言えば、伝統に胡座をかいていないという
ことです。常に革新し続ける考え方と仕組みが構築
されています。


例えば、「レゴブロックの基本特許は、80年代から
各国で期限切れを迎えている」(P.027)にもかかわらず、
「競合他社を退け、トップブランドとしての地位を保ち
続けている」(P.027)のは、イノベーションを継続して
いるからにほかなりません。


イノベーションに関連する話で、よくビジネス書で紹介
される事例があります。


カリスマが存在し、その人物のもとでイノベーションが
行なわれ、業績が著しく向上するというものです。


ところが、カリスマが去ると、輝きを失ってしまうという
後日談です。


その文脈で、レゴを見てみるとどうなるでしょうか?
そもそもレゴにカリスマは存在するのか?



 イノベーションとは多分に「個人」の才能に依存する

 と考えられてきた。

 その一方で、こうした世間の常識に挑むかのように、

 「組織」の力でイノベーションを生み続けている企業

 がある。それがレゴだ。

 世代を超えて熱狂的なファンを抱えているという点で

 は、レゴはアップルに勝るとも劣らない。しかし、「レゴ」

 というブランドは、ヒットメーカーとしてのカリスマ技術者、

 もしくはカリスマデザイナーなど特定の個人を連想させ

 ない。それでも、レゴはヒット商品を連打し、急速な成長

 を遂げている。
 

  (P.028)


レゴの魅力はどこにあるのでしょうか?
私は、レゴブロックを自由な発想で組み合わせることで、
セレンディピティーを生み出すことができる点も見逃せ
ないと考えています。


当初、自分では「こういうものを作りたい」と思っていたが、
全く違うものが出来上がった。


ところが、新たな発見をし、当初考えていたものより、よい
ものができた、と感じられることです。もちろん、それは主観
的なものです。


ですが、うまくいった(と本人が感じた)としたら、創造性と
革新性が発揮された、と見ることができます。




 そもそもレゴの魅力は、部品としての「ブロック」を

 自由な発想で組み立てて遊べるところにある。
 

  (P.028)


これが、レゴの「基本セット」(P.028)と言われるものです。
「従来の売れ筋」です。


ところが、現在では「基本セット」とは異なるコンセプトの
セットが主力になっているそうです。




 一方、現在の主力は「プレイテーマ」と呼ばれる商品群。

 「スター・ウォーズ」や「レゴムービー」「フレンズ」といった

 具合に、何らかのストーリーに沿って開発されたものだ。

 基本的に従来と変わらないブロックを使いつつ、特定の

 ストーリーに基づいた作品を作って遊ぶ。

 このスター・ウォーズに象徴されるプレイテーマは現在

 30種類以上あり、年間400近くの新商品が開発されて

 いる。これら新商品の売り上げが、年間の収益の約6割

 を支えている。10年ほど前は、その比率は約2割程度。

 つまり、毎年新しいプレイテーマをヒットさせてきたことが、

 この10年のレゴの躍進につながったのだ。
 

  (PP.028-029)


つまり、「汎用品となったブロックにストーリーの付加価値
をつける仕組みを作り上げたからこそ、今のレゴがある」
(P.029)ということになります。



従来の売れ筋

従来の売れ筋

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.028)




現在の主力製品

現在の主力製品

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.029)




次のグラフをご覧ください。
営業利益率も在庫回転数も上昇傾向にあることが
はっきり分かります。




ヒット連打で経営効率が上昇

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.029)




レゴの強さの秘密をこれから解き明かしていく
ことになります。じっくりご覧ください。
「なるほど」と感じるか、それとも「当たり前のこと
を当たり前にやっている」と感じるか、どちらで
しょうか?


『日経ビジネス』取材班は、2つの「秘策」として
取り扱いました。


 秘 策 1 
 革新の見取り図 

イノベーション・マトリクス(イノベーションの発生源)
という言葉が出てきます。



 ヒット商品を作る全ての要素を可視化するツール

 として、社内では「イノベーション・マトリクス(イノ

 ベーションの発生源)」と呼ばれている。

 横軸は、「企画」「レゴの開発・製造」「マーケティ

 ング」「収益化」という、レゴが新商品を生み出す

 うえでの事業の流れだ。一方の縦軸は、イノベー

 ションの起こし方を、「(既存のものを)改善する」

 「組み合わせる」「全く新しく作る」の3段階に分けて

 示している。


 ポイントはブロックの開発だけでなく、企画から販売

 全ての活動を「イノベーションの要素」として位置付け

 ること。つまり、完成したマトリクスはその商品に関連

 する全てのイノベーションを俯瞰した見取り図となる。
 

  (P.030)



言い換えますと、「バリューチェーン(価値連鎖)」を構築
するために見取り図を作成し、可視化することで誰もが
理解できるようにした、ということです。



日本には伝統的に、消費の落ち込む時期をを表す
「ニッパチドキ」という言葉が使われてきました。
2月と8月、つまり冬枯れと夏枯れの時期のことですね。


芥川賞と直木賞が1月と7月に、文藝春秋社の経営者
であり、作家でもあった菊池寛によって設けられました。


その理由は、本の売り上げが「ニッパチドキ」に落ちる
ので、それぞれの前月に芥川賞と直木賞を設けること
によって、売り上げの落ち込みをカバーしようとしたから
だそうです。


ちなみに、上半期に対象となる作品の表彰は7月に、
下半期に対象となる作品の表彰は1月に行われます。


レゴの売り上げにも「季節変動」があったそうです。



 例年、レゴにとって、売り上げが最も跳ね上がる

 のは、クリスマスシーズンの12月である。一方で、

 年明けの2月は、その反動から1年間で最もビジ

 ネスが停滞する時期だった。そこでレゴはこの

 時期に映画を公開することで、新たな売り上げの

 山を作り出そうと考えたのである。
 

  (P.030)


そのプロジェクトの結果はどうだったのでしょうか?



 結果的に映画は大ヒットを記録。全世界で4.7億

 ドル(549億円)を稼ぎ出し、2014年の世界興行

 成績でトップ10に入った。
 

  (PP.030-031)


大成功だったのです。
ただし、映画制作は社内で行なっていません。
外部に委託して、議論を交わしながら作品に
仕上げているそうです。


問題は、「イノベーション・マトリクス」にはどのような
意味があるかということです。
『日経ビジネス』は、「このマトリクスには3つの意味
がある」(P.031)と指摘しています。



 レゴにとっては、このマトリクスには3つの意味が

 ある。

 1つは、イノベーションを起こすべき対象を、

 「ブロック」の開発・製造だけでなく、全てのビジネス

 の要素に広げたことだ。


 2つ目の意味は、イノベーションは必ずしも大変化

 である必要はないということだ。

 「小さな改善も立派なイノベーションだということを

 社内に周知させた」とレゴのバリー・パダCOO(最高

 執行責任者)は言う。


 そして3つ目が、ヒットを生み出すノウハウの可視化

 と蓄積である。
 

  (P.031)


レゴのコア事業は、あくまで「レゴの開発と製造」です。
これを外すことはありません。



 レゴはマトリクスでヒットを生むすべてのイノベー

 ションの要素を描くが、あくまでも事業の中心は、

 「レゴの開発と製造」。それが高い収益性をもたら

 している。
 

  (P.032)


レゴの競合他社への強みは、「ブロックの設備を
ほとんど変更する必要がない」(P.032)ことです。
新たな設備投資をほとんど必要としていないの
です。


通常、設備投資額は莫大になりますので、その差
は大きいですね。キャッシュ・フローの面や、製品を
素早く市場に投入できる点でも、同業他社に大差を
つけていることでしょう。




 ブロックの組み合わせを変え、新たなパッケージ

 を用意すれば、即座に新商品を投入できる。
 

  (P.032)




 秘 策 2 
 ファンを取り込む 

業績好調のレゴを支えるマトリクスにも弱点はあります。
「実験的な製品を生み出す手法には適していない」(P.032)
という指摘がそれに当たります。


一般ウケする無難な製品を作り出すことになってしまう、
ということが懸念されます。


そこで、考えだされたことがあります。
「先端的ファンのアイデアを取り込む」(P.032)ことです。


新しいIT(情報技術) 製品が発売されると、真っ先に購入
し、使いこなす「ヘビーユーザー」に近いでしょうか。
いや、むしろそれ以上の人たちかもしれません。


しかも、その頂点に立つ日本人がいることに驚きました。



 レゴは新製品開発にもう一つの仕組みを用意した。

 レゴは、熱狂的ファンを会員として組織しており、

 その数は全世界で約460万人。そのファンの知恵

 を、製品開発に巧みに取り入れている。

 その会員組織の頂点に立つ日本人がいる。

 三井淳平氏、27歳。世界に13人しかいない

 「レゴ認定のプロフェッショナル」と呼ばれるファンの

 一人である。


 レゴは三井氏のような認定プロと、直接意見交換

 できるパイプをもっている。レゴ製品の感想にとど

 まらず、時には製品開発のアイデアなどを求める。

 レゴは三井氏らを頂点としたファンのピラミッドを

 組織し、様々な形で製品開発に生かしている。

 「ファンを超えて、共同開発者として活躍してもらう

 こともある」。レゴでコミュニティー担当のピーター・
 
 エスパセン氏は言う。
 

  (PP.032-033)



先端的ファンのアイデアを取り込む<br />世界で13人しかいないレゴ認定プロの三井淳平氏

先端的ファンのアイデアを取り込む
世界で13人しかいないレゴ認定プロの三井淳平氏

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.032)



実際に、製品化されシリーズ物になった例がある
そうです。




 成果の一端が、2008年に発売した「アーキテク

 チャー」シリーズだ。認定プロの1人が制作して

 いた世界の有名建築がきっかけとなり製品化が

 決まった。当初ネットの口コミで噂が広がり、

 ニッチ製品からレゴの主力製品へと昇格した。

 今ではマトリクスを使って継続的に新商品が

 開発される人気シリーズとなっている。
 

  (P.033)



ただ、こうした一部の熱烈なファンだけにたよる
のではなく、「一般のレゴユーザーの取り込み
にも挑んでいる」(P.033)そうです。
それは、「レゴアイデアズ」というサービスです。




 レゴはごく一部の熱烈なファンではない、一般の

 レゴユーザーの取り込みにも挑んでいる。

 日本での実験を経て、昨年世界展開を開始した

 「レゴアイデアズ」というサービスは、インターネット

 上でファンが「自分の欲しいレゴ」を制作し、

 投票によって製品化を決めるというものだ。

 いわゆる「クラウド(大衆)」の知恵を開発に生かす

 取り組みである。
 

  (P.033)



幅広いファンの要望をかなえる

幅広いファンの要望をかなえる

(『日経ビジネス』 2015.02.16 号 P.033)




このパートをまとめると、次のようになるでしょう。



 製品開発におけるイノベーションの要素をマトリクスに

 分解して管理することで、主力製品のヒット率を上げる。

 そして、その枠にとどまらない新製品の開発には顧客

 の知恵を借りる。今、レゴは自ら作り上げたイノベー

 ションの仕組みによって、組織の力で継続的にヒット

 製品を生み出している。
 

  (P.033)





こちらもご覧ください。
『日経ビジネス』のロンドン支局の記者で、今号の特集記事
の担当者の1人でもある、蛯谷敏さんの報告です。

 レゴ工場に潜入! ROE58%、超効率経営の心臓部
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20150213/277451/?P=1
 から
 『日経ビジネス』 ロンドン支局 記者 蛯谷 敏さん 





LEGOの4つのキーワードを確認しておきましょう。

揺るぎない価値観
絞り込み
仕組み
試行錯誤
(『日経ビジネス』 2015.02.09 号 P.036)





最終回は、
「PART 2 制約が革新を生む」
「Interview ヨアン・ヴィー・クヌッドストープCEO
(最高経営責任者) 革新にカリスマはいらない」
「PART 3 レゴに学ぶ 脱・陳腐化へ、3つの教訓」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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