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ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を超える 2015.02.23 <3>


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日経ビジネスの特集記事(96)

ニッポンの家
進化したウサギ小屋、海を越える
2015.02.23



今週の特集記事のテーマは

苦し紛れの賭けか、日本再生の起爆剤か――。
国内市場の縮小に悩む日本の住宅産業が海外進出を
本格化させている。
「車や家電ならともかく、気候も所得水準も文化も違う
海外で住宅が売れるはずがない」
そう思う人も多いだろう。
だが、住宅メーカー自身は「非常識な挑戦」とは考えて
いない。
「ウサギ小屋」などと揶揄されてきたニッポンの家だが、
防水や断熱など快適な住環境を効率的に作る技術や、
アフターサービスの質は世界屈指のレベルにある。
「強みを融合し現地ニーズを反映した“世界戦略住宅”
を開発すれば、海外市場開拓は十分可能」
これが多くの住宅メーカーの考え方だ。
果たして日本の住宅産業は、世界に類がない「家の輸出材化」
は成し遂げられるのか
 (『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.024-025)

ということです。




ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

ニッポンの家 進化したウサギ小屋、海を越える

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 表紙)




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.026-027)



今週号の表紙も、今週のスタートページもとても
インパクトの強いデザインですね。




長年、ニッポンの家は狭いため、「ウサギ小屋」と
海外から揶揄されてきました。


その「ウサギ小屋」が今では、アジア諸国をはじめ
として先進国でも、優れた性能や工期の短さなどが
高く評価され、大きなマーケットが形成されている
そうです。



第1回は、
「PROLOGUE 日本よ案ずるな まだ『家』がある」
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の前半
を取り上げました。


第2回は、
「PART 1 ハウスメーカー、海を渡る」の後半
を取り上げました。

第3回は、
「先兵は『トイレ』と『高層建築』」
「PART 2 世界制覇、原理的には可能」
をお伝えします。





日本の本格的伝統住宅の強みは6つある、
と『日経ビジネス』は指摘しています。

快適性
長寿命
耐震性
省エネ
循環性
健康的
(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 P.044)


この6つの強みを頭の片隅に置いて、特集記事を
ご覧ください。



では、本題に入りましょう!





 先兵は「トイレ」と「高層建築」 

第1回、第2回とハウスメーカーの海外進出の状況
をお伝えしてきました。


実は、住宅メーカーが海外進出するよりもずっと
前から、海外進出を果たした住設メーカーや、
高層建築に重点を置いて成果を出している企業
があります。


ここでは、それらの企業の奮闘の記録をご紹介
しましょう。





 住宅に先行して、トイレなどの住設メーカーの

 海外進出は既に発展期に突入している。

 今後、海外戦略を本格化させる住宅各社が

 「先輩」から学ぶべき点は多い。


 TOTOにとって初の海外進出先であるインド

 ネシア。1977年から35年以上かけて

 「トイレ=TOTO」というブランドイメージを構築

 してきた。今では中高級品市場でトップシェア

 を誇る。

 TOTOはアジアを中心に、実に17の国と地域

 で事業を展開。2016年のリオデジャネイロ五輪

 を見据えて、地球の裏側であるブラジルにまで

 進出している。代理店経由で他国にも販売して

 おり、既にブランドは世界に知れ渡っている。
 

  (P.040)


TOTOが現在に至るまでには、試行錯誤の連続
だったであろうと推測されますが、明確なマーケ
ティング戦略のもとで着実に成果を上げてきました。





 TOTOはマーケティング戦略を3つのステージに

 区分。まず取り組んだのが、現地の文化やニーズ

 をとことん意識した商品開発だった。

 例えば中国。日本では便器と水をためるタンクが

 分かれているが、中国の高級トイレは一体型で、

 タンクの位置が低い。その分、水圧は落ちる。


 TOTOは「郷に入っては郷に従え」で日本式を持ち

 込まず、「洗浄力の高い一体型トイレ」を新たに

 開発した。


 同様に、インドネシアでは、合弁先であるローカル

 企業の発案で、「電気を使わないウォシュレット」

 を開発した。温水でなく水を噴射するものだ。


 インドネシアは年中、温暖な気候。イスラム文化圏

 で、用を足した後に水で洗う習慣もあり、受け入れ

 られると判断した。


 こうして商品開発の現地化を十分に進めてから、

 初めて販売チャネルの拡大と現地工場の拡充に

 踏み切った。

 時には販売代理店を国内工場やショールームに

 招待し、品質の高さと国内シェアを説明。中国では

 約10年で省都のほぼ全ての販売店と代理店契約

 を結んだ。


 そして、最終ステージとして、ブランディングを実施。

 ショールームでの富裕層向けセミナー開催や、

 高級ホテルや空港などの著名物件への導入も加速

 させ、高級ブランドを確立していった。
 

  (PP.040-041)



慌てず、着実に、時間をかけて、ブランディングしていった
のですね。一朝一夕に「高級ブランド」になることはあり
ません。歴史と伝統、そして最近よく言われるのは物語性
(ストーリー性)です。これはとても重要です。


そのブランドを知らない人に説明するには、ストーリーを
語ると理解が早まり、深まります。



トイレだけでなく、高層建築の海外進出も歴史が長いそう
です。




 トイレ同様、マンションやビルなどの高層建築の海外進出

 も、その歴史は住宅よりはるかに長い。高層建築も

 TOTOのトイレ同様、現地化に注力することで、海外市場

 を開拓してきた。


 建築業界における海外戦略の「先兵」とも呼べるトイレと

 高層建築。その軌跡から改めて浮かび上がるのは、

 海外市場攻略における現地化の重要性だ。
 

  (P.041)



17カ国・地域に日の丸トイレ TOTOが進出している地域と売上高

17カ国・地域に日の丸トイレ
TOTOが進出している地域と売上高

(『日経ビジネス』 2015.02.23 号 PP.040-041)




画像が見にくいと思いますので、主な国・地域ごとに、
2013年度と2017年度の売上高比較を書き出し
ます。

        2013年度     2017年度  (単位:億円)
欧州       37        110
アジア・
オセアニア    184         360
中国       544       710
米州        244         400





 PART 2 世界制覇、原理的には可能 

国内を見渡すと、あらゆる業界で需要は縮小して
きています。


ですが、目を海外に向けるとそこには果てしなく
広い市場が広がっています。


いかにしてその市場の先駆者となり、市場を占有
するかという壮大なテーマがあります。


企業人にとって、やりがいのある仕事のはずです。


今までは、「郷に入っては郷に従え」で現地化が
重要という視点で語られてきました。


このパートでは、『日経ビジネス』取材班は、あえて
ニッポンの伝統の家をそのまま販売していこうとして
いる企業に着目しています。


中堅の住宅メーカーは、大手と同じ戦略を取って
いては勝ち目はありません。


そこで、超富裕層向けに、経験豊富な大工職人の
手による、在来工法によって建てられる高級注文
住宅を販売しようとしているのです。


ただし、日本の高級注文住宅とは、桁が違います。




 米ロサンゼルスの南に位置する全米屈指の
 
 富裕層居住エリア、オレンジ郡。

 ここでは今、住宅ローン市場崩壊など忘れた

 かのように、郡全土で100を超える高級住宅街

 の造成が進められている。


 ニッポンの家を売ろうとする試みだ。

 ここで言うニッポンの家とは、PART 1の主役と

 なったプレハブ工法の住宅ではない。

 在来工法と木材で大工が匠の技を駆使して造る

 “真の日本住宅”だ。

 仕掛け人は、静岡県沼津市に本社を置く住宅メーカー、

 平成建設の秋元久雄社長。既に現地で日系企業の

 進出サポートを手掛ける米ウエストウイング

 (榑松寿延社長)と組み、2013年から市場調査を

 開始した。中心都市ニューポートビーチなど4~5

 エリアで、平均資産5億ドルの超富裕層にアプローチ。

 早ければ2015年内にも事業化に踏み出す。


 平成建設は、ニッポンの家をほぼそのまま売るという。

 理由は明快で「在来工法と木で大工が造る日本の

 伝統的高級住宅こそ、今後、世界の人々に受け入れ

 られる条件を兼ね備える」(秋元社長)と考えるからだ。
 

  (PP.042-043)


しかし、疑問が湧いてきます。
吉田兼好は徒然草の中で、「家の作りやうは、夏をむねと
すべし」(第55段)と語っています。


暑い夏に涼しい家を中心に考えなさい、という意味ですね。
寒い冬は我慢しなさい(?)ということでしょうか。


冗談はさておき、平成建設の秋元社長の考え方をもう少し、
読んでみましょう。




 夏は涼しく冬は温かい省エネ住宅を造ることも

 可能だ。適切な施工さえすれば、耐震性も他の

 工法に劣らない。

 「それに何より美しい」と秋元社長は強調する。

 「年間100万を超える外国人が京都を訪れる

 ことからも分かるように、我が国の伝統建築への

 憧れは人類共通の価値観」(秋元社長)。
 

  (P.043)



ただ、そうなると問題はコストです。
高品質な木材を用い、匠の大工さんの工賃も高く
なるのは必定です。
そこで、秋元社長は考えたのです。
超富裕層向けに販売すればいい、と。




 秋元社長は発想を大胆に転換した。

 「べらぼうな費用がかかるなら、べらぼうな価格

 でも買ってくれる人に売ればいい」。オレンジ郡

 を選んだのはそのためだ。

 平均世帯年収は全国平均より1万ドル高いと言わ

 れる。人口当たりのベンツ保有率が全米一とされる

 ニューポートビーチでは4分の1の世帯が年収20

 万ドル以上。経営者、芸能人、有名スポーツ選手、

 高額遺産相続者が数多く暮らし、資産15億以上

 の超富裕層も少なくない。

 平成建設とウエストウイングは、こうした超富裕層

 向けに、まず「和室」の販売から始める考え。
 

  (P.043)


見込み客は、年収20万ドル(約2400万円)以上で、
中には資産15億ドル(約1800億円)以上の超富裕層。


この人たちに売るニッポンの家は、あらゆる面で超高級
なのでしょう。庶民の私は想像力が貧困(!)で、実感
がわきません。


和室(畳部屋)の広さが数十畳(それ以上かもしれません)で、
無垢の木材(檜など)をふんだんに使い、大木を柱に何本も
使うくらいしか思いつきません。法隆寺などのように、釘などは
一切使わず、木材を組み合わせる宮大工のような匠の技術の
粋を駆使するのでしょう。


棟梁もさぞ、張り合いが出ることでしょう。


オレンジ郡の住宅街はどのようなものでしょうか?
日本とは広さも金額も違います!



 「オレンジ郡で建設中の住宅街は1区画500~

 1000坪。富裕層は200万~2000万ドルの

 土地に、1000万ドルの住まいを建てる。

 その10%を和室に充てたとしても、日本の

 高級住宅1棟分に匹敵する」(榑松社長)。


 将来的には域外での別荘建設も視野に入れる。

 事業が軌道に乗り次第、両社による合弁会社の

 設立など検討。ゆくゆくは現地に大工や多能工

 を駐在させていく考えだ。
 

  (P.043)


カリフォルニア州オレンジ郡と言えば、確か破綻したと
記憶しています。


詳細は、下記をご覧ください。
カリフォルニア州オレンジ郡の破綻 Wikipedia から



さて、日本の本格的伝統住宅を米国内の超富裕層向けに
販売するという大胆な企画についてお伝えしました。


『日経ビジネス』取材班は、日本の本格的伝統住宅には
6つの強みがあると指摘しています。





 日本の本格的伝統住宅

 つの強み

 1 快適性
    夏は涼しく冬は暖かく、様々な気候に対応
 
 2 長寿命
    蒸れや腐れがなく長持ちする

 3 耐震性
    適切な施工さえすれば他工法に劣らず

 4 省エネ
    素材と設計次第で冷暖房要らずも可能

 5 循環性
    素材の循環性が高く、廃材を大地に戻せる

 6 健康的
    通気性高く、シックハウスのリスクも下がる 
  

  (P.044)




日本の生きる道はまだ残されている、と実感しました。






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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