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挫折の核心 イオン セブンも怯えるスーパーの終焉 2015.04.27・0504 <3>







日経ビジネスの特集記事(105)

挫折の核心
イオン
セブンも怯えるスーパーの終焉
2015.04.27・05.04



今週の特集記事のテーマは

「もう、『トップバリュ』というブランドなんて、やめてしまおうか」
3期連続で営業減益となったイオン。
昨年後半、岡田元也社長は幹部に対し、そんな弱音を
はいたという。
規模では国内最大級になった同社のPB(プライベートブランド)
には、「質より安さ」の印象が染み付き、ブランドイメージはここ
数年で急速に悪化した。
イオンの挫折。その核心は、限界に達した中央集権の拡大
路線にある。
規模の追求を宿命づけられた、総合スーパーという高度成長期
の遺産。
イトーヨーカ堂を傘下に抱えるセブン&アイ・ホールディングスも
錆びついた事業モデルを捨てられなければ、グループの成長を
妨げると怯える。「スーパーの終焉」──。
そのリスクを、巨大流通は乗り越えられるか。

 (『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 P.024)

ということです。






(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 表紙)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 PP.024-025)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




スーパー業界でいつも比較対象となるイオンとセブン。
今回はイオンに重点を置いた、『日経ビジネス』特集班
による勢力取材をご覧ください。


盤石に見えるセブンもアキレス腱を抱えています。


尚、今週号は2015.04.27号と05.04号の合併号となる
ため、来週はお休みとなります。
そのため、「日経ビジネスオンライン」から興味深い
記事をご紹介しようと考えています






第1回は、
「PART 1 “イオン化”の挫折、『解体』で出直し」
を取り上げました。


第2回は、
「PART 2 セブンに迫る、規模の復讐」
を取り上げました。


最終回は、
「PART 3 生存の条件は『物量』より『知量』」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

 イオン化 
 トップバリュ 
 解体 
 規模の復讐 
 知量 




では、本題に入りましょう!


 PART 3 生存の条件は「物量」より「知量」 

最終回は、地場スーパーの勝ち組である、ライフコーポレーション
とイズミを中心にお伝えしていきます。


尚、前回に引き続き、『鈴木敏文 商売の創造』から、今特集に
関連のある箇所をご紹介します。


 ライフコーポレーション 

勝ち組のライフコーポレーションの岩崎高治社長は
厳しい表情を浮かべていたそうです。
どうしたことでしょうか?



 関西と関東を地盤にする都市型スーパー大手、

 ライフコーポレーションの岩崎高治社長は、

 好業績にもかかわらず険しい表情を浮かべる。

 2014年度の連結営業利益は前期と比べて4割増。

 それでも、「変われなければ、生き残れない」と

 危機感が募る。
 

  (P.040)



何が発端となったかは、『日経ビジネス』特集班の
次の解説で分かります。



 岩崎社長が危機感を抱いたのは今から約2年前。

 米国視察でスーパーの栄枯盛衰を目の当たりに

 した時だった。

 チェーンストア理論の教科書とされるウォルマート・

 ストアーズなど、価格志向でマスの消費者をターゲット

 にしたスーパーの売り場に活気がない。


 「ライフは、売り手の論理に陥っていないだろうか」

 実態を把握するため、岩崎社長は昨年春、

 店舗やインターネットで調査を実施し、

 1万件以上の顧客の声を集めた。

 その結果は、岩崎社長ら経営陣が予想だにしないもの

 だった。価格から売り場まで不満の声があふれ、

 「完全にダメ出しをされていた」(岩崎社長)。
 

  (PP.040-041)



「ダメ出しをされた」反省から、次の手を打つことを決断
しました。



 今年3月にスタートした中期経営計画では、

 顧客目線で行動する会社への原点回帰を

 柱に据えた。
 

  (P.041)




ライフコーポレーション社長 岩崎 高治 氏

ライフコーポレーション社長 岩崎 高治 氏

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 P.040)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号



危機感を抱いた岩崎社長の即断即決が、奏功することを
期待しています。





 イズミ 

イズミの山西泰明社長も、ライフコーポレーション同様に
危機感を募らせていたそうです。



 潮目の変化に危機感を募らすのは、イズミの山西泰明社長も

 同じだ。同社は、中四国や九州で総合スーパーの「ゆめタウン」

 を展開する。山西社長は、「これまで、いかに安く売るかだけを

 考えてきた。このままでは消費者から拒否される」と話す。

 「総合スーパー総崩れ」とも言われる中、イズミは堅調な業績を

 維持するまれな存在だ。2014年度の営業利益率は5%超もある。
 

  (P.041)



総合スーパー業界では、イズミは高業績を上げています。
それでも、危機感は募るばかりだそうです。


「これまで、いかに安く売るかだけを考えてきた」戦略の転換
を図ろうとしています。


一言で言えば、価格と価値の関係を見直そうとしているのです。
価値ある商品を提供できていたかどうか、を振り返った結果、
LB(ローカルブランド)で、差別化を図る戦略を採りました。



 山西社長は「『3%の差異化』が、これまで以上に

 重要になる」と話す。

 生鮮品や総菜を除くと、店頭で扱う商品の約90%をNBが、

 5~7%をPBが占める。山西社長が言う「3%の差異化」とは、

 残りの地元メーカーが作るLB(ローカルブランド)商品のこと。

 これでライバルを圧倒する。
 

  (P.041)



LBの意味は、「店舗の従業員が自らの判断で、顧客の声に
耳を傾けながら選んだ商品」(P.041)です。
ですから、山西社長が次のように述べるように「経営上の
意味は大きい」のです。



 「全体の商品に占める割合はわずかだが、

 消費者はそれがあるからイズミを地域の店

 と感じてくれる。経営上の意味は大きい」

 (山西社長)
 

  (P.041)




イズミ社長 山西 泰明 氏

イズミ社長 山西 泰明 氏

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 P.041)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




「人口減少によって限られたパイの争奪戦は過熱している」
(P.041)という指摘は、特定の地域、商圏だけに偏在する
現象ではありません。


規模の大小はあっても、全国と言っても過言ではないでしょう。


消費者の意識の変化が、背景にあることは間違いありません。



 昨年の消費増税で、消費者は価格と品質のバランスに

 これまで以上に厳しい視線を向けるようになった。

 地元スーパーでは創業オーナーの高齢化が進み、

 事業継承に頭を抱えるチェーンも少なくない。
 

  (PP.041-042)



大手商社も虎視眈々と機会をうかがい、手を打ってきて
います。 規模の拡大ではなく、「消費者の変化のスピード」
に対応するためです。



 大手商社も機会をうかがう。伊藤忠商事が出資する

 ユニーグループ・ホールディングスとファミリーマートの

 2社は、経営統合へと動いた。ライフやローソンの筆頭

 株主で、北海道のアークスなどにも出資をする三菱商事も、

 「持ち分法適用会社として収益を得られる出資先を増や

 していきたい」(西尾一範リテイル本部長)との考えを持つ。
 

  (P.042)


下の図をご覧ください。
スーパー業界の巨人、イオンとセブンに対抗するのか、
それとも提携という選択肢を模索するのか、
その結果、下克上は起きるのか、
いずれにせよ、スーパー業界の今後の動きから目が
離せません。


イオン、セブンに対し、下克上は起きるのか<br />・スーパーの再編軸になり得る主な企業

イオン、セブンに対し、下克上は起きるのか
・スーパーの再編軸になり得る主な企業

(『日経ビジネス』 2015.04.27・05.04 合併号 PP.042-043)
日経ビジネスDigital 2015.04.27・05.04 合併号




では、今後、優勝劣敗を決めるのは何なのか、
ということになります。


『日経ビジネス』は、それは「知量」であると断言
しています。



 規模を追うことで乖離した現場と経営の距離を

 縮められるのは、ナレッジしかない。

 つまり、小売企業は「物量」ではなく、知恵の総量、

 いわば「知量」を追求する経営へと転換しなければ

 ならない。
 

  (P.043)



ナレッジという言葉で思い出すことは、野中郁次郎氏と
竹内弘高氏が20年近く前に英語で出版した、

『The Knowledge Creating Company(知識創造企業)』



の中に書かれていた一文です。


Adaptation precludes adaptability.

「(環境などに)適応しすぎてしまうと、適応能力を失ってしまう」


これはどういうことかと言いますと、ある環境に一旦適応
すると、その環境に依存し、周囲の変化に適応できなく
なってしまうということです。その結果、滅びることになり
ます。


話を戻します。
今、スーパー業界に求められることは、下記のとおりです。


 スーパーやコンビニに限らず日本企業の多くは、

 一億総中流の分厚い中間層の存在に依拠してきた。

 だが、もはやその前提は崩壊し、これからは一人

 ひとりのニーズにきめ細かく対応することが求められ

 ている。
 

  (P.043)



『日経ビジネス』特集班は最後にこう述べています。



 インターネットやスマートフォンが普及し、

 企業は容易に「個」の消費者とつながることができる。

 業態の垣根を越えた競争が激化する中で、

 各社は「マス」から「個」に最適化された経営へ転換する

 必要がある。さもなければ、「スーパーの終焉」は避け

 られない。
 

  (P.043)



私たち消費者にとっても、スーパー業界の再編や、
今後、私たちにどんな価値ある商品を提供し続けて
くれるのか、とても関心のあることです。


多様性(ダイバーシティー)にどう対応していくのか、
がカギを握ることは間違いないことです。





前回、鈴木敏文会長兼CEOの本から、今特集記事に
関連のある箇所を抜粋して、ご紹介しました。


最終回も、引き続き、重要と思われる箇所をご紹介します。


『鈴木敏文 商売の創造』
(緒方知行 編 講談社 2003年10月22日 第1刷発行)


10年以上前に出版された本ですが、現在のイオンの
状況を予見したことも書いてありますし、セブンの問題
もすでに指摘していたことを知りました。


この本を読んだのは10年近く前ですが、『日経ビジネス』
の特集を読み、『鈴木敏文 商売の創造』を再読して
見ました。


当時は、さっと目を通しただけだったことは、再読して
見て気づきました。内容をほとんど覚えていません
でしたし、まさかここまで流通業の未来を予見していた
とは想像できませんでした。


率直にお話しすると、「そんなものかな」というのが
実感だったのです。


引用箇所をお読みになり、『日経ビジネス』の特集と
照らし合せて、特集のテーマをお考えください。



 お客様に飽きられないように店の鮮度を維持する

 には、商品や品ぞろえや店を見る目を、

 いつも客観性の高いものに保っておく必要があります。

 自分の言っていること、やっていることを、

 必ずもう一人の自分が、第三者の目で見ていくという

 仕事の進め方をしていかなければならないでしょう。

 自分を客観視できなければ、どんどん自分の殻の中

 にこもって独りよがりになり、自分自身の成長の可能性

 を閉ざしてしまうことになります。

 その意味では、自己を客観視できることが、自己革新

 の力のみなもとといってもいいと思います。
 

  (『鈴木敏文 商売の創造』 PP.80-81 以下同様)




 現場で毎日やっていて、そのことにもっとも詳しいはずの

 担当者から、改善案や課題意識が出てこないのは、

 自分からもっと前向きに踏み込もうとしないからなのです。
 

  (P.95)




  先にも触れた「朝令暮改」という言葉は、あまりよくない

 意味で使われがちです。しかし、変化に対応していくため

 には、朝決めたことを夕方になって変えたからといって、

 なにも悪いことはないし、むしろ、それこそ正しい対応の

 仕方だと思います。
 

  (P.99)




 小売業では、いつも値下げロスや廃棄ロスのことが

 問題になりますが、それよりも、私は機会損失のほう

 がはるかに重要な問題だと考えています。


 世界の小売業でイトーヨーカ堂のように機会損失の

 データまでとっているところはないでしょう。

 それは、機会損失に対する関心が低いからです。

 私がいくら機会損失の問題を指摘しても、国内の

 小売業で、すぐにその重大性を理解できる人は

 非常に少ないのが現状です。 これは、いまだに

 過去の売り手市場時代の発想に支配されている

 からにほかなりません。


 お目当ての商品が品切れを起こしていれば、

 他のものはなにも買わずに帰ってしまいます。

 お客様のニーズに合わないものは代替品

 としても売れないから、当然、値下げロスや

 廃棄ロスが増えます。

 したがって、いまでは、値下げロスの多いところは、

 必ず機会損失が多く、機会の多いところは、

 値下げロスや廃棄ロスも多いという関係になって

 いるのです。


 

  (P.113-115)




 機会損失が多くなれば、当然、売り上げは伸びません。

 いくら廃棄ロスが小さくなっても、利益は上がりません。

 米飯のコーナーなどで、売れ残ることを恐れるあまり、

 発注を控えめにし、棚が空っぽになっているという状態

 をよく見受けます。売り上げ上位の商品の廃棄ロスが

 ゼロという状態では、売り上げが上がるはずがありません。
 

  (P.117)




 お客様が私たちの店で買物をしてくださる理由はなんなのか、

 あるいは買わない理由はなんなのか、一つひとつのことが

 すべて的確に分析され、それらの情報が集大成されなければ、

 仮説・検証は不可能なのです。
 

  (P.145)






今特集のキーワードを確認しておきましょう。

 イオン化 
 トップバリュ 
 解体 
 規模の復讐 
 知量 




変革せずに、未来永劫生き延びるものなど
何一つないことをもう一度、考えてみる必要が
あります。






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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