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JAPAN RUSHING 世界の企業は日本を目指す  2015.05.25 <2>







日経ビジネスの特集記事(108)

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す
2015.05.25




テーマ

今週の特集記事のテーマは

経済は成熟し、少子高齢化で人口は減り、国家財政も大赤字──。
そんな「明日なき国」日本になぜか今、世界中の企業が殺到している。
横浜市にアジア最大の開発拠点を作る米アップルは、ほんの一例。
製造業から外食、サービス産業に至るまで、世界中の様々な企業が
日本で事業を強化し始めた。
中国などアジアの台頭による「Japan Passing(日本を素通り)」から
「Japan Rushing(日本へ殺到)」へ。
なぜ、彼らは今さら日本を目指すのか。
その背景には、日本人も気付いていないニッポンの魅力がある。

 (『日経ビジネス』 2015.05.25 号 P.026)

ということです。



1980年代に、テレビ、新聞、雑誌で頻繁に取り上げられた
言葉は、Japan Bashing(日本たたき)でした。 
Japan Nothing(日本無視)という言葉も一部では使われ
ました。


Japan Bashing とはどのようなものであったのか、
見てみましょう。


このような歴史を知ると、Japan Rushing が奇異に
感じられるのも無理はない、と思います。



 Japan bashing(ジャパン・バッシング)

 ジャパンバッシング(Japan bashing、日本叩き)とは、

 アメリカ合衆国の対日貿易不均衡についての反発や対抗

 手段、バッシングを指す。

 派生して日本に対する抗議や日本を非難する言動を指す。


 ビル・クリントン以降の民主党による中国重視の結果として、

 日本が軽視されるジャパン・パッシング(Japan passing)、

 日本が無視されるジャパン・ナッシング(Japan nothing)が

 起こっていると日本では指摘されている。
 

  (ジャパンバッシング Wikipedia から)





JAPAN RUSHING<br />世界の企業は日本を目指す

JAPAN RUSHING
世界の企業は日本を目指す

(『日経ビジネス』 2015.05.25 号 表紙)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25




今特集のスタートページ

今特集のスタートページ

(『日経ビジネス』 2015.05.25号 PP.026-027)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25







第1回は、
「PROLOGUE 『明日なき国』そう思っているのは
日本人[あなた]だけ
優良外資、『今さら日本殺到』の怪」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力1
を取り上げました。


第2回は、
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力2と3
を取り上げます。


最終回は、
「COLUMN1と2」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力4
「EPILOGUE 『灯台下暗し』ではもたいない」
をご紹介します。




今特集のキーワードは次の5つです。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 




では、本題に入りましょう!



ポイント

ニッポンの魅力は何なのか。




次から「ニッポンの魅力」を探っていきましょう。
私たち日本人が気がつかなかったり、
当たり前過ぎて何とも思わない点に、
外資は着目しています。


[ニッポンの4つの魅力]


ニッポンの魅力1  「社会的課題」が山ほどある

ニッポンの魅力2 製品開発に最適な「インフラ」がある

ニッポンの魅力3 「ニッチ市場」でも十分なパイがある

ニッポンの魅力4 実はまだまだ「人材」の宝庫





今回は、
ニッポンの魅力2と3
の2つを取り上げます。


ニッポンの魅力2 製品開発に最適な「インフラ」がある


海外企業の目的は何か?
その点を『日経ビジネス』は次のようにまとめています。



 ここへきて日本拠点の構築を進める海外企業の

 目的は、必ずしも自社の商品やサービスを売る

 ことだけではない。

 日本を自社の競争力を高める“修業の場”にする──。

 そんな考えで日本に進出する企業も多い。
 

  (P.033)



「“修業の場”にする」とは?
日本の消費者は、世界一厳しいとはよく言われることです。
それを嫌って日本に進出しない海外企業がある一方で、
あえて日本の消費者の厳しさを逆手に取って、
「日本で成功すれば、世界のどこでも売ることができる」
と考える外国企業は、日本に進出しています。



環境1 厳しい消費者

台湾の「かき氷店」チェーンのケースは、
なるほどそういう見方、考え方もあるのか、
と唸らされました。



 台湾発のかき氷店「アイスモンスター表参道」

 一般的なかき氷は普通の氷にシロップを掛けるが、

 同店はミルクティーやマンゴーなど素材自体を氷にし、

 それを削って提供する。

 軽い食感が特徴で1997年の創業以来、急成長。

 既に台湾名物の座を獲得し、今回、初の中華圏以外

 への出店先として日本を選んだ。

 ただ、創業者のフランク・ロー氏が、日本での事業

 展開に踏み切った目的は、店舗網を拡大するため

 だけではない。


 ではなぜ、世界展開の橋頭堡にわざわざ日本を

 選んだのか。

 その理由について、ロー氏は「厳しい日本の消費者に、

 まず製品やサービスの質を鍛えてもらいたかったから」

 と説明する。
 

  (P.033)




ポイント1

「厳しい日本の消費者に、 まず製品やサービス
の質を鍛えてもらいたかった」
(P.033)


ただ、ロー氏は「受け身」なだけではありませんでした。
提携先の日本企業からのアドバイスを早速実践した
のです。



 提携している日本企業から「日本では、行列対策を

 しっかりしておかないと人気が持続しない」との助言

 を受け、新システムを導入した。

 QRコードを利用し、その場に並んでいなくても順番が

 近くなればメールを送って知らせるシステムだ。

 そのかいあって、オープン当初の長蛇の列は開店から

 しばらくして解消。

 顧客からは「とても気が利いている」「待ち時間を利用

 して買い物ができて便利」と評価の声が上がった。

  「素晴らしいシステムだ。台湾にも必ず持ち帰りたいね」

 とロー氏も満面の笑みを浮かべる。

 今後も日本の消費者の“洗礼”を受けることで品質と

 サービス水準を向上し、ゆくゆくは台湾流かき氷を世界中

 に普及させていきたい考えだ。
 

  (P.034)





環境2 複雑な都市構造


日本では高層ビルが立ち並ぶ地域があれば、
住宅が密集している地域、逆に過疎化した地域
が混在しています。


そうした環境では、スマートフォンの通話、通信
の速度を速くしたり、つながりやすくさせることは
困難と思われます。


あえてそうした状況に挑戦している外国企業が
あります。



 今年2月、NTTドコモと次世代超高速通信5Gの

 通信実験に成功したエリクソン。そんな同社が

 日本で磨きをかけているのは、大黒柱である

 携帯電話向け地上固定設備の品質だ。

 「日本ほどスマートフォンの通信速度を速くしたり、

 つながりやすくしたりするのに工夫が必要な国は

 ない」。

 エリクソン・ジャパンでCTO(最高技術責任者)を

 務める藤岡雅宣氏はこう話す。

 その最大の理由が、世界的にも有数の都市部の

 複雑な構造だ。

 例えば東京。高層ビルや地下街などが入り組み、

 入念に検討しアンテナを立てても思わぬ障害物に

 電波が遮られることは日常茶飯。


 「いずれは中国や東南アジアの主要都市も日本の

 都市と同様の状況になり、高品質な固定設備に

 対するニーズはますます高まる」というのが同社の

 見立て。

 そんな未来でも業界の覇権を握り続けるため、

 今後も日本に開発資源を注ぎ込んでいく構想だ。
 

  (PP.034-035)




ポイント1

 「いずれは中国や東南アジアの主要都市も
日本の都市と同様の状況になり、
高品質な固定設備に対するニーズは
ますます高まる」
(P.035)




環境3 消費不況


政府は長期にわたるデフレ脱却のため、
政策を実施してきました。
その結果、ドル安円高からドル高円安に転換し、
輸出産業は軒並み最高益を更新するなど、
好業績を上げました。


これを受けて、日経平均株価は2万円を回復し、
持続してます。


ですが、庶民感覚では好景気を実感できません。
そのような日本でも、高価な製品が売れている、
というケースを『日経ビジネス』は紹介しています。



 小売業者へメーカーが直接製品を売り込むことは

 よくあるが、ダイソンはレベルが違う。

 全国に約200人の専門部隊を抱え、量販店に日参。

 店員に時間をもらい、実際に商品を使いながら性能

 の良さをアピールする。

 ポイントはいずれの販売員もダイソン製品のみならず

 競合商品についても熟知していること。

 競合商品の良さも伝えつつ、それでもなおダイソンを

 薦めていく。
 

  (P.035)



信頼性と実績をもとに、価値の高さをアピールし、
販売方法を研究し、地道に実践することで、
日本で売ることができれば、世界のどこでも売ること
ができるという信念を持っているのが、ダイソンです。



ダイソンが手応えを感じていることは、次の言葉が
語っています。



 「最近は、海外拠点から『どうして不況の日本で

 成果が上がるのか』とますます聞かれるようになった。

 今後も、日本で磨いた売り方を海外に伝えていきたい」。

 ダイソン日本法人の麻野信弘社長はこう話す。
 

  (P.035)




ポイント


日本で磨いた売り方を海外に伝えていきたい(P.035)





ニッポンの魅力3 「ニッチ市場」でも十分なパイがある


ニッチ市場に分類されても、「大きなニッチ市場」
であることに着目した外国企業は日本に再度進出
しました。


市場1 エスニック系ファストフード


一言でメキシカン料理と言えば、エスニック系料理
となりますね。エスニック系料理は、明らかにニッチ
市場です。


ですが、「エスニックファストフード市場」という括りで
捉えると、大きなニッチ市場であることが明らかに
なりました。


同業の日本企業は、エスニック系料理市場を知り
すぎているために、先入観を抱いたまま新たな
チャレンジを仕掛けてくるところはありませんでした。


そうした間隙を縫って渋谷道玄坂にエスニックファス
トフード店を開店させた外国企業がありました。



 4月21日、メキシカンフードの外資系チェーン、

 タコベルが約20年ぶりに再上陸した。

 記念すべき復活第1号店は渋谷道玄坂店。

 来日した米タコベルインターナショナルの

 メリッサ・ロラ社長は「日本市場は依然、

 開拓余地が大きい」と意欲を見せた。


 再挑戦を決めたのは「前回の撤退から長い時間

 が経過して日本の消費者も変わり、

 新しいものが受け入れられやすくなったと感じた」

 (ロラ社長)からだという。
 

  (P.036)


ここで、市場規模を確認しておきましょう。



 市場規模は97年の約29兆700億円をピークに下降。

 2013年はアベノミクス効果で2年連続の増加となったが、

 規模自体は約23兆9000億円(公益財団法人「食の安全・

 安心財団」推計)と全盛期から約2割減となっている。

 確かに、ニッチ分野とあって、ファストフード市場に占める

 比率自体は15%程度しかない(店舗数から推計)。

 が、英調査会社、ユーロモニターによると日本のファスト

 フード市場の規模は約4兆6600億円(2014年実績)。

 “変わり種”のファストフードも、7000億円の市場があること

 になる。

 ニッチなはずが、それなりの規模を持っている──。

 日本では、外食産業以外にも、そんな「大きなニッチ市場」

 とでも呼ぶべき市場が散見され、往々にして、海外勢の

 活躍が目立つ。
 

  (PP.036-037)





ポイント


日本の消費者の多様性(ダイバーシティー)が重要で、
いかに対応できるかということ。






市場2 特殊家電


「ジャパネットたかた」のCMで一躍脚光を浴びることに
なった『レイコップ布団クリーナー』。


韓国の製品ですが、布団クリーナーという機能に特化
することで大ヒットしました。



 日本でレイコップを発売したのは2010年。

 当初こそあまり売れなかったが、通販大手ジャパネット

 たかたとの連携で人気に火が付き、累計販売台数は

 300万台を突破した。


 家電市場もまた外食産業同様、全体としては成熟化が

 進んでいる。調査会社GfKジャパンによれば、

 2014年の冷蔵庫市場は前年比4%減の488万台。

 エアコンも前年比9%減の830万台となった。

 洗濯機は比較的健闘しているものの、それでも前年比

 1%増にすぎない(532万台)。

 そんな中で例外的に好調なのが、前年比6%増の931万台

 となった掃除機だ。中でも布団クリーナーは数量・金額共

 に前年の2倍を超える販売を記録した。


 レイコップ・ジャパンのリ・ソンジン社長は「日本市場には

 本当に付加価値が高い製品には購入をためらわない顧客

 がいる。確かに、そこまで布団の清潔さにこだわる顧客は

 比率としては全体の一部かもしれないが、それでも日本の

 場合、十分にビジネスが成り立つ」と自信を見せる。
 

  (P.037)



どこの国の製品だろうと、また高価であろうと、
製品の価値が高ければ購入する日本人が存在する、
ということです。私の家では購入しませんが。





市場3 高級調理器具

以前にも、『日経ビジネス』は高額な家庭用ミキサー
を取り上げたことがあります。


次の記事です。

日経ビジネスの特集記事(52)
脱デフレで勝つ 高く売るための経営七策(1)




価格は税抜きで8万円以上するというのですから、
たかがミキサーとは言えません。
それでも売れているのは、きちんとした理由[わけ]
があるからです。


ですが、私の家では必要ありませんし、買えません!



 ミキサーメーカーの米バイタミックスも、

 日本におけるニッチ家電の深掘りを狙う。

 同社が日本で販売するミキサーは税抜き

 価格8万円以上。

 1万~2万円台程度の一般的な日本メーカー

 の家庭用ミキサーに比べ3倍以上も高い。

 それでも年間5万台以上が売れている。

 最大の特徴はアボカドの種をも粉々にする

 強力な破砕力だ。

 短時間でスープなどバイタミックスならでは

 の調理ができる。
 

  (P.037-038)



価格だけを考えたら、手を出せない製品ですが、
その製品に価値を見出した人たちにとっては、
「高い!」とはあまり感じないのでしょう。


もちろん、話題性もあると思います。
「クックパッド」などのサイトで自宅のオリジナル料理
を公開することは普通になっているからです。


あるいは Facebook、Twitter、Instagram などのNSN
で画像を公開し、「見せびらかす」ことが一般化した
ことも影響しているでしょう。



「ニッチでも日本ではそれなりの市場になる」(P.038)
と『日経ビジネス』は指摘しています。



 多くの優良外資のトップが繰り返し指摘している通り、

 たとえニッチでも日本ではそれなりの市場になる。

 理由は2つ。一つは単純に今はまだ人が多いからだ。

 人口減少が始まったとはいえ、日本の人口はまだ

 1億2000万人。仮に100人に2人しか興味を示さない

 マニアックな商品でも対象人口は240万人と、

 モンゴル一国分の人口に相当する。


 ただでさえ人が多い上に、世界的に見れば日本は

 依然裕福であり、国民一人ひとりの購買力は世界

 屈指の水準にある。
 

  (P.038)



興味深い指摘があります。
「日本は7カ国に相当する」(P.038)というのです。


次の図をご覧ください。
もちろん、厳密にそのように区分けできるわけでは
ありませんが、そうした傾向はあるかもしれません。



日本は7カ国に相当<br />関東だけで英国と同じ<br />・日本の地方別名目GDPの規模


日本は7カ国に相当
関東だけで英国と同じ
・日本の地方別名目GDPの規模

(『日経ビジネス』 2015.05.25号 P.038)
「日経ビジネスDigital」 2015.05.25







私見

一つのモノをいろいろな角度から眺めると、
異なる形に見えることは誰でも知っていること
です。


例えば、円筒形の物体を上から見れば、
円にしか見えませんが、横から見れば
長方形に見えます。
斜めから見れば、コーヒーなどの飲料缶に
見えます。


そのように、日本の課題を見ると、一面から
でしか見なければ解決には至りません。


課題をいろいろな角度から研究すれば、
「コロンブスの卵」のように解決策が見つかる
かもしれません。





今特集のキーワードを確認しておきましょう。

キーワード

 社会的課題 
 インフラ 
 ニッチ市場 
 人材 
 外資による課題解決 



最終回は、
「COLUMN1と2」
「日本ほど『オイシイ国なし』」から
ニッポンの魅力4
「EPILOGUE 『灯台下暗し』ではもたいない」
をお伝えします。


ご期待下さい!






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Author:藤巻隆
管理人の藤巻隆です。

以前、ジュゲムブログで、
同タイトルの
「日経ビジネスの特集記事」
を書いていました。

しかし、使い勝手があまり
よくなかったので、
FC2ブログで新たにスタート
することにしました。

現在(2013.10.16)、ブログの
引越を行っているところです。

FC2ブログでは、2013.10.14号
が最初のブログということに
なります。


2013年10月16日記す。

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